CEATEC AWARD 2021 アジア最大規模のイノベーション展示会

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今年本国で開催された東京オリンピック2020は、ほとんどの競技が無観客開催でした。

新型コロナウイルスの感染拡大による1年の延期や無観客開催と、前代未聞の大会となりました。

オリンピックだけではありません。ライブも、コンサートも、イベントも、あらゆることが制限されるようになってからもうすぐ2年が経ちます。

家でテレビを前に応援しているわたしたちの声は、リアルタイムで選手たちに届くことはありません。静まり返った競技場は、普段熱気と声援に包まれている選手たちにとってひどく味気ないものだったかもしれません。

彼らはトップアスリートですから、応援の有無に関わらず練習を重ねてきていますが、しかしそれはそれとして応援というものは大きなパワーになります。

わたしも学生時代に長いことスポーツをしていましたからそのパワーがよくわかります。

スポーツ観戦が好きな人たちも、そのスポーツや選手の活躍はさることながら、会場の雰囲気が好きという方も多いのではないでしょうか?仕方がないとはいえ、なんとも寂しいですよね。

現在どうしても抑制されがちなコロナ禍での娯楽ですが、そんな中で少しでも楽しむための工夫がなされています。

10月19日~22日、IT技術とエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC」が開催されました。昨年同様にオンラインで開催されたこの展示会の「CEATEC AWARD」グランプリのひとつに、そんな抑制されてしまった娯楽を楽しむためのものが選ばれていました。

CEATEC AWARDとは、学術的・技術的観点・市場性や将来性等の視点から、イノベーション性が高く優れている、と判断されたものを表彰するものです。

本年はやはりウィズコロナDXを意識したものが多かったですね。

本日は「CEATEC AWARD」の中から、何点かピックアップしてご紹介します。

DXでオンライン応援

冒頭でお話ししたのは、ニューノーマル社会への提案・競争カテゴリー、デジタルトランスフォーメーションDX部門グランプリの、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」です。

こういったコロナの環境下、あるいは別の様々な理由で現場に行けないスポーツファンが、オンライン上でリアルタイムに選手を応援するプロジェクトで、Jリーグやプロ野球などと共創しながら、新しい応援の文化を創出しています。

スポーツの中継はなにも珍しいことではありませんが、この「Remote Cheerer」は従来の「現地に行って応援する」か「中継で見る」といったスタンダードな2種類のスポーツ観戦の、新しいかたちを実現します。

いうなれば「オンライン応援」でしょうか?オンライン観戦といえば今まで通りですが、こちらは応援付きです。

スマホをタップしたり振ったりすることで、現地に設置されたスピーカーから声援や拍手が流れるのです。システムはいたってシンプル。シンプルですが、とても「今っぽい」ですよね。

アイドルオーディションやミスコン等で近年利用される配信ツールでも、ファンはスタンプやプレゼントで画面を華やかにすることで応援の意を表すことができます。かたちのないものを可視化することで、モチベーションの向上に繋がります。

スポーツだって同じです。たとえ無観客でも、スピーカーから音がすることで「応援されている」ことを可視化します。(見えてはいないですが)

他にも、トークルームやチャットルーム機能で同じ試合を見ている人と交流するといった、SNSに近しい機能もあり、ひとりではなくみんなで応援する「現地観戦」に近いものを体感できます。

隣のシートの見知らぬサポーターと盛り上がる…といった、現地ならではの楽しみに近い楽しみ方もできそうです。



量子暗号で理論上最強のセキュリティ

莫大な情報であふれ、それが資産となる現代社会において、重要とされるのはその情報の活用の仕方です。あるだけの情報は何の役にも立ちません。情報の分析、活用、共有、それが現代社会での戦い方です。では、その情報はどうやって守りますか?

オープンカテゴリー、ソリューション部門では「東芝の量子暗号通信で安全なオンライン社会を実現」が、“理論上”突破されないセキュリティ要素として準グランプリを受賞しました。

詳しく話すととても難しい話になるのですが、光の粒子がなにかに触れると、必ず状態が変化するという量子力学的な性質を利用した暗号鍵の技術です。

なんで理論上証明されているのかというのはいまここで解説しませんが、ざっくり言えば、鍵の情報が変化している場合は「なにかに触れられた」可能性が高いため、危険だから使わないようにする…ということです。

………わかりますか?難しいですよね。まぁ、極端な話、家のカギに知らない人の指紋が付いたら鍵を変えようね、みたいな感じです。

この情報社会、そしてIoTの時代に、データ通信の安全性はますます重要視されています。

現状理論上安全が保障されているこの量子暗号技術は、まだまだ通信速度や距離といった制限、そして技術の進化による「セキュリティ突破」の懸念等、問題もありますが、しかしそれでも、現段階では大いに期待できる技術です。

次々と新しい技術、そして進化が繰り返される現代です。制限や懸念を拭い取り、超スマート社会へ向かうこの世界の、セキュリティ業界を牽引するのもそう遠い話じゃないかもしれません。

スーパーでスマートな未来都市へ

少子高齢化、インフラ老朽化といった地域課題に直面する中で、「スーパーシティ・スマートシティ」の取り組みが広がっています。スーパーシティとは、最先端の技術で地域課題を解決し、快適で便利な未来都市の実現を目指す構想のことをいいます。

ニューノーマル社会を先導するスーパーシティ/スマートシティの実現に向け、社会と暮らしの全般における先進的サービスやデータ連携・活用などが求められている今、ニューノーマル社会への提案・共創カテゴリースーパーシティ/スマートシティ部門でグランプリを受賞したのが「NECが目指す未来のまち ~スーパーシティ~」です。

防災、観光、医療福祉といった、複数の分野にまたがる地域の課題に対して横断的にサービス・データを流通させるクラウドサービス「NEC都市OS」をベースに、容易かつシームレスにスーパーシティへと取り込むこの構想は、総務大臣賞も同時に受賞しています。

防災面ではAIを利用した防災予測、被害情報などで、逃げ遅れゼロを目指し、観光面ではこのコロナ禍でも安心・安全に快適な旅を提供します。世界ナンバーワン精度の顔認証や混雑度検知や群衆行動解析を組み合わせ、地域活性を実現します。

開発コストの低減、地域の特性やニーズに合わせたシステム構成、そして現代求められているスーパーシティに即した点が評価され、グランプリとなりました。

想像にとどまらないNECが目指す未来のまち、どんな人も安心して生き生きと暮らし続けられるまちは、もうきっとすぐそこにあるのではないでしょうか。

本日のまとめ

いかがでしたでしょうか?

CEATECオンライン、実際にわたしも入場させて頂きました。むずかしい話が多くはじめはしり込みしましたが、知れば知るほど面白く期待に胸が高まるものばかりです。

オンラインになったことで、参加が容易になったのもわたしにとってはうれしいポイントでした。

ニューノーマルな社会はすでにもう始まっています。最新テクノロジーの上に成り立っているわたしたちの生活の、新しい一歩のそのつま先を体験できたいい機会になりました。

オンラインでも応援をリアルに届ける、理論上最強のセキュリティ、そしてスーパーでスマートな未来都市。

他にも、たくさんの技術が、開発が、今繰り広げられています。これからのわたしたちの未来は、きっとスーパーでスマートへとどんどん近づいていくのでしょう。



<参考サイト>

CEATEC2021 webサイト

SOUND UD webサイト

NEC webサイト

無断転載に情報流出!SNSのマナー、大丈夫?

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

みなさま、SNS使っていますでしょうか?

LINEとか、Instagramとか、ツイッターとか…。ソーシャルネットワーキングサービスの略称を、SNSと言います。

電車に乗っているとき、仕事の合間、寝る前、そんなすこしの空いた時間についつい見てしまいますよね。わたしもよく利用します。とくに寝る前なんかは、少しだけ見るつもりが、気が付いたら時間が過ぎていて…なんてことがよくあります。きっとわたしだけじゃないはずです。

日本では、「mixi」や「GREE」などがサービスを開始した2004年ごろが黎明期でしょうか。

mixi、懐かしいですね。普段は知り合うことのない違う学校の子や先輩と、気軽にコミュニケーションを取ることができる貴重なツールでした。

さて、SNSが登場してから15年以上が経ちます。SNSはプライベートだけでなく、ビジネスシーンでも使われることが増えましたよね。ツイッターの企業アカウントが話題を集めるなんてこともよくあり、今やSNSは企業の「アピールの場」になっています。

無料でだれでも利用することができるので、多くの人に見てもらうことが可能な、そんなアピールの場ですが、逆に言えばなにか「やらかし」てしまえばまたたく間に多くの人の目に入り、「炎上」する可能性を多分に秘めています。

そんなことにならないように、本日はSNSのマナーを改めておさらいです。

当たり前のことですが、再度確認しましょうね。

 

迂闊な個人情報

初歩的な話になりますが、まずもっとも気を付けなければいけないのが個人情報の扱いです。

「学校用アカウント」といった見知った友人と交流するアカウントもあれば、そのほとんどが会ったことのない趣味の合う人たちと交流するアカウントなど、いくつかのアカウントを使い分けている人も少なくないかと思います。

前者の場合、本名はもう知っている人と交流することがほとんどですし、Facebookなどは本名で登録しますから、「本名を言ってはいけないことはわかってるけどいまさら…」なんて考えていませんか?

後者のようなアカウントはもちろん、前者のようなアカウントも、本名含めて個人情報を安易に記載してはいけません。

SNSは直接的な1対1のやり取りではないぶん気軽です。

たとえば、「誰か〇日どこどこに遊びに行かない?」となんともなしに投稿したとします。仲の良い友人がそれに反応し、「じゃあ〇日何時にどこ集合ね」なんて、そのままSNS上で約束をする…。ここまで具体的なこともそうないでしょうが、でもあり得る話ですよね。実際、わたしも朝学校に一緒に行く約束をSNS上でしたことがあります。

しかし、そんななんでもないような会話が何か事件になってしまうかもしれません。どこに誰が何時にいるかが明らかになっているんです。

何時にどこにいたという情報、投稿している写真、家族構成や話している内容、そんな情報だけでも、個人は特定されかねません。

「文化祭に有名人が来る」とか、「母校が有名人と同じ」だとか、調べたらすぐにわかってしまいます。

人気YouTuberの家にファンが押し掛けてきたなんて話もよく聞きますよね。

たとえ一般人のプライベートなアカウントだろうと、だれがどこで見ているかわかりませんよ。

発言はもちろん、投稿する写真にも気を使わなければいけません。

「近所にかわいい猫がいた」といって野良猫を撮った写真に、町名の書かれた張り紙や電柱が写り込んでいたり、夜ご飯の写真の隅に個人情報の書かれた書類が映り込んでいたり…。ちゃんと気を付けていますか?

少し前、趣味の話で仲良くなった人(もちろん一般人でした)が失言で炎上したことがあります。その人の発言は看過できるものではありませんでしたが、その際、数か月前に投稿した段ボールの写った写真から住所が特定され、さらに学校も特定される騒ぎにまでなりました。

その人がアカウントを消したことで騒ぎは収まりましたが、その件には全く関与していなかったわたしですらなんだか嫌な汗をかいたのを覚えています。

段ボールは、別のものを撮った写真のすみっこに写っていただけです。わたしは数か月前にリアルタイムでその写真を見ていましたし、住所が載っているなんて微塵も気が付きませんでした。その人も気が付いていなかったのでしょう。たしかに初歩的な話ですが、気が付かずに迂闊になってしまう人は少なくないのです。

自分の全く知らない不特定多数の人が、自分の住所を知っていると考えたらゾッとしてしまいます。

違法な画像たち

個人情報については、プライベートなSNSの利用方法にフォーカスしてお話ししましたが、もちろん企業アカウントでも気を付けなければいけません。

社内の様子を撮った写真を、映っている社員に無断でSNSに投稿したりHPに掲載したりしていませんか?載せることに関してはひとまず置いておくとして、その写真に写っている人が名札をしていたら立派な個人情報流出です。

会社の所在地はもともと掲載しているものだし、と気を抜いていてはいけません。社員の本名、あるいはその人がそこで働いているという情報、そのどちらもが「個人情報」に当たります。

名札だけではありませんよ。個人を特定できる画像、防犯カメラの映像、音声データ、すべてに気を付けなければいけません。

では、先ほど置いておいた「載せること」についてですが、インターネット上に画像を投稿するのには十分な注意が必要です。

まず、先ほど挙げたように無断で社員の写真を投稿することは「肖像権」の侵害に当たります。SNSに画像を投稿する際に気を付けなければいけないのは、主にこの「肖像権」と「著作権」の二つです。

法律の話になりますから、難しい話ではあるのですが、「肖像権」は自分の写真を無断で撮られたり、それを無断で公表されないように主張できる権利、「著作権」は著作物(アイデア等を作品として表現したもの)を創作した、著作者に与えられる権利のことです。

ざっくり言えば、「他人を勝手に撮ってはいけない、載せてはいけない」「人のものを勝手に使ってはいけない」といったところでしょうか。

詳しく解説すればもっと細かいのですが、ひとまず「やってはいけないこと」がざっくり理解できていればいいです。

法律でダメなこととして決められてはいるのですが、これらは「無断転載」という形で犯されているのが現状です。

わかりやすいもので言えば動画サイトに投稿されているアニメなどがこれに当たります。

アーティストのミュージックビデオなんかも散見されます。もちろん、その権利がある人が投稿しているものもありますが、逆に言えばそれ以外はすべて違法なのです。

「漫画村」なんかも話題になりましたよね。

漫画、アニメ、ミュージックビデオ、これらはわかりやすいです。

では、みなさんのSNSは大丈夫ですか?

好きなアイドルのミュージックビデオを録画して投稿、自分の画像にきれいなイラストを合成したものを投稿、かわいい猫の写真を保存して投稿、大丈夫ですか?していませんか?

これらすべてが著作権の侵害に当たります。

好きなアイドルを街で見かけて写真を撮り、許可なく投稿されたその写真を保存し、再度自分で投稿する…なんてことがあれば、肖像権も著作権も侵害することになります。

ほかにも、HPの素材にしたりアイコンにすることも侵害に当たります。注意深くSNSを見ていれば、たくさんの無断転載が見つかります。

みなさんは大丈夫でしょうか?もし知らなかったのなら、該当する投稿は消して、これから気を付けましょうね。みんなやっているから良いわけではありませんよ。

本日のまとめ

本日紹介したのはほんの一握りです。

他にも、従業員が飲食店の冷蔵庫に入っている写真が拡散された事件なども大きく話題になりましたよね。話題になってもなお、雇先に迷惑がかかる行為をする「バカッター」と呼ばれる人たちは後を絶ちません。

いずれこの話もどこかで取り上げたいと考えていますが、SNSの誹謗中傷によって自ら命を絶ってしまうといった事件も起きています。

SNSはこれからも、様々な用途で利用されます。YouTuberをはじめとする、SNSを利用した新しいビジネスも展開されている時代です。それらは適切な利用であれば、ビジネスにおいても大きな武器になります。

しかし、些細なことで大きな火種にもなりかねないのです。

無料で、だれでも使えてとても気軽なSNSですが、しかし気軽だからこそ、多くのリスクをはらんでいます。

それはインフルエンサーだから、一般人だから、企業だから、と区別されるものではありません。どんな人でも、どんな立場でも気を付けなければいけないのです。





<参考サイト>

#GROVE

VAIOサポート

JRRC

PCの新時代~Windowsの歴史~

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

「PCの新時代が今日から始まります」

2021年10月5日、マイクロソフトはそう言いました。Windowsの歴史における記念すべきマイルストーンだそうです。

なんのことかわかりますか?

そうです、10月5日、Windows11の提供が始まりました。Windows10が発売されて約6年、PCの新しい時代の幕開けです。

実際にアップグレードし、利用された方はいらっしゃいますか?はじめはまだ慣れないでしょうか?たしかWindows10になったときも、なかなか慣れなくて「7を返せ~!」なんて言っていたような気がします。今ではすっかり10にも慣れました。6年も経てばなんでも適応できるようになるものです。

Windows10より、マイクロソフトは今後Windows10をアップデートで強化していくとし、Windows10をWindowsの「最後のバージョン」と述べていました。それから6年、驚きの方針転換です。

華麗なグラフィックス、サウンド、アニメーション、そして、パートナー企業や Surface の革新的で美しいハードウェア、「魔法のような」と称された新しいWindows11、はやくわたしも試したいです。

そんなマイクロソフトのマイルストーンですから、本日はWindowsOSの歴史をご紹介します。

90年代から続く我々のカルチャー

デスクトップOSシェア60%を誇るWindowsですが、爆発的に普及したのは1995年に発表された「Windows95」の発売からです。

出典:Wikipedia

WebブラウザInternetExplorerを標準装備したこのWindows95は、日本でも行列ができるほどで、4日で400万本を売り上げる大ヒットとなりました。

現在も使われているスタートボタンやメニュー、タスクバーといった機能はこの頃から搭載されており、これ以降に開発されるOSの基準となっています。

続いて1998年に「Windows98」が発売されます。

個人消費者向けに改良されたこちらは、全体的なパフォーマンス向上により安定したOSとして高く評価されました。

また、Windows95の普及と同時にインターネットも爆発的に普及します。

InternetExplorerも次第にMicrosoftEdgeへと移り変わってはいますが、それでもまだ愛用している人がたくさんいますよね。

進化していく情報社会を席巻したInternetExplorer、そしてWindows。その出発点がWindows95です。

今見ればスマートとは程遠いフォルムに、見慣れないデザインと手馴染みの悪い使い勝手かもしれませんが、それでも現代のわたしたちが愛用するパソコンの礎なのです。

エンターテイメントでエクスペリエンスを

出典:Wikipedia

続いて、2000年代には「Windows2000」と「WindowsME」が開発されます。

「2000」が開発された際、家庭向き、個人向きではないと判断され、急遽開発されたのが「ME」です。

この頃、「Windows95」や「Windows98」のような「9x系」と、それより以前に開発された「WindowsNT3.1」や「Windows4.0」のような「NT系」の統合が計画されており、「NT系」を基に、「9x系」のUIも採用されています。

しかし、短い開発期間でリリースされたMEはバグが多く、ブルースクリーンが多発し不評でした。

翌年2001年、「9x系」と「NT系」を統合して制作された「WindowsXP」が発売されました。

9x系の多機能性にNT系の安定性を併せ持ったXPは、発売から多くの人に愛されたロングセラーです。

XP懐かしいですね。わたしが初めて触れたパソコンもXPで、ペケポンと呼んで長く使っていました。

ビジネス市場のものだったWindowsOSがエンターテイメント市場へ拡大したきっかけが、1992年に搭載されたマルチメディア機能です。

2000年代に入りインターネットは常時接続の時代を迎え、「9x系」由来のマルチメディア機能や操作性から、動画サイトやSNSが増えていきます。パソコンの普及が急速に増えていったのもちょうどこの頃で、いかにマルチメディアによる「エンターテイメント」の需要が大きかったのかがわかります。

わたしも、長く使っていたといってもその利用用途のほとんどがゲームでしたし、今でもパソコンを娯楽で使っています。e-スポーツも盛んな時代です。

「XP」はexperienceが由来だそうです。少なくともわたしは、XPが初めてのパソコンでしたから、XPでたくさんの経験をしました。そのほとんどがゲームや動画視聴ではありましたが、今こういった機器に対して苦手意識がないのはやはり、ペケポンでの経験のおかげです。


現代の最先端へと

XPから6年後、従来のものから大幅に変わったデザインと多くの新機能を引っ提げて、2007年新しく「WindowsVista」が発売されました。

しかし、セキュリティ機能の強化にGUIの向上など、高いスペックである一方で、それが仇となり動作が重くなってしまいました。さらに、長く使われていたXPに慣れたユーザーは操作手順が変わったことでどうしても使いづらく、低い評価を受けます。

そんな「WindowsVista」が改良されたものが2009年に発売された「Windows7」です。だいぶ身近になってきましたね。

Vistaの本来あるべき姿と言われているこのWindows7、まだまだ使っている人がいるんじゃないですか?2020年1月にサポートは終わっていますが、ちらほらまだ使っている人を見かけます。

2020年の終わりにはそのシェアが20%を切ってしまったなんてニュースもありましたが、逆に言えばサポート終了して1年経ってもまだ使っている人が20%弱もいるほどに、人気のバージョンでした。

※※※ちなみに、サポートの終了したバージョンはウイルスに侵される危険が著しく高いので、ネット環境下での使用はダメですよ!!!!!!※※※

人気バージョンWindows7から5年後、「Windows8」が発売されます。

出典:Wikipedia

スマートフォンやタブレットが当たり前になりつつある2012年、スタートボタンを廃止しタッチスクリーンでの操作を意識した斬新なUIデザインが特徴です。

このデザイン、特にスタートボタンの廃止はかなり評判が低かったようで、アップデート版「Windows8.1」でスタートボタンはすぐに復活しています。

とはいえそのUIデザインは健在で、わたしは個人的にスタイリッシュで結構好きでした。さすがスマートフォン時代に開発されただけあり、タッチスクリーンも不便はなく、「直感的」で軽快な操作が可能でした。エンターテイメントの幅が広がり、祖母と一緒に上海という牌を消すゲームをよくやった思い出のあるバージョンです。

そうして、10月5日まで長く最新バージョンだった「Windows10」が2015年にリリースされます。

Windows10といえば、従来のWebブラウザ「InternetExplorer」に代わって「MicrosoftEdge」が標準搭載になりました。

慣れ親しんだInternetExplorerをまだ使っている人も多くいるかと思いますが、こちらもWindows7同様に、セキュリティ面で不安が残るため使用は控えましょうね!

現在ユーザーシェア60%を誇るこのバージョンを皮切りに、マイクロソフトはローリングリリースという形でアップデートを繰り返し、Windows10を強化すると発表されました。

わたしにとっては、パソコンを娯楽以外の目的で使うようになったのがちょうどこの頃ですから、Windows10には大変お世話になりました。

Macもかなり普及している今でも、OSシェアトップはWindows10です。

時代の最先端を走るパソコンの、その先頭で活躍しています。



本日のまとめ

さて、いかがでしたでしょうか?

長い歴史のなかで、その形を変えて現代に適応してきたWindows。こうして歴史をたどっていくと結構失敗もしたりして、そして改善を重ねて、今現代に適応しています。

Windowsが現代に適応したのか、それともWindowsに適応したのが現代なのか、どちらなのでしょうか。そう考えるほどに、パソコンは娯楽でもビジネスシーンでも生活に組み込まれています。

新しいWindows11、もう試した人はいますでしょうか。

今までのように、少しずつまた「Windows11」が当たり前になっていくのかもしれません。

まだ試せていませんが、マイクロソフトのマイルストーンを備えたパソコンで、エンターテイメントも、ビジネスも体験するのが楽しみですね。

<参考サイト>

Microsoft webサイト

TECH CAMP ブログ

RIGHT CODE

脱パスワード?当たり前のセキュリティをバイオメトリクスに

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

「asdfghjkl」って、何の羅列だと思いますか?「1q2w3e」は?「1qaz2wsx」は?

一見なんの法則性もない適当な英数字の羅列ですが、入力してみれば「あっ」となるんじゃないでしょうか。

…気が付きましたか?

「asdfghjkl」はキーボードの真ん中の列を左から順番に並べたもの、「1q2w3e」は右上から2段づつ3列並べたもの、「1qaz2wsx」は右上から下に順番に2列並べたものです。パソコンで入力すればすぐに気が付きますよね。

情報通信企業「Nordpass」が発表した、よく使われるパスワードランキング2020年版に、上に挙げました3つの羅列がランクインしています。

わたしたちは1日に何回パスワードを求められるでしょうか。このサイトあのサイト、あのアカウントにこのアカウント、1日何十回とパスワードを求められますよね。パスワードをかけることは、セキュリティにおける当たり前の第一歩です。

しかし、それが当たり前になりすぎていませんか?難解なパスワードを覚えるのは面倒くさいし、それぞれ別のパスワードを使ったら覚えきれないし、結局いつも使うわかりやすいパスワードで統一していませんか?

本日はそんな、当たり前になりすぎておろそかになりがちなパスワードのお話です。


ごく当たり前のセキュリティ

冒頭でも挙げましたが、パスワードをかけることはセキュリティを守る「当たり前」の行動です。

利用している通販サイトにパスワードをかけて、登録してあるクレジットカードを第三者に使われないようにする、といったごく当たり前のことです。

つまり、誰かに知られてはいけないし、推測できるものでもいけません。銀行やクレジットカードで使われる4桁の暗証番号を登録するとき、「1111」や「1010」といったぞろ目や連続した羅列、あるいは誕生日といった簡単に推測できる数字は禁止されています。どんなサイトであろうと、それは同じことで、ごく当たり前のことです。

Nordpassのパスワードランキングでは、1位に「123456」、4位に「password」、6位に「111111」がランクインしています。読んでくださっている方の中にも、これらのパスワードを使ってる人がいるんじゃないでしょうか?

危険だとわかっていても、それでも「覚えやすくわかりやすい」ことを優先してしまう人が多くいます。

不正ログインの手口はいろいろありますが、中でも有名なのはやはり「ブルートフォースアタック」です。総当たり攻撃ともいわれ、言葉の通り考えられるパスワードを総当たり的に試していく方式です。

また、パスワードに利用されがちな単語を体系化したデータベースを利用する「辞書攻撃」もよく使われる手段です。対象が明確であれば、誕生日や電話番号などからさらに絞り込むことが可能です。

では、みなさんが不正ログインをする側にたったとして、半角英数字のパスワードをなにかしら入れるとしたらなにを入れますか?やはりぱっと思いつくのは「111111」や「password」じゃないでしょうか。どちらにしても、すぐに暴くことができてしまうパスワードです。

ブルートフォースアタックは、まず「aaa」を入力し、ダメなら「aab」、「aac」、「aad」というように、少しづつずらして入力する方式ですから、「1」のぞろ目なんてものの数分でログインされてしまいます。

辞書攻撃でも、辞書を開かずともまず「password」と入れてみたら一発でログインできてしまうかもしれません。そうでなくとも、好きなもの、例えば「apple」や「basket」といった単語から、ログインできるかもしれません。

これらの方法は途方もない作業のように思えますが、理論上はいつかパスワードに行きつきます。途方もなくなって諦めざるを得なくなるくらい、複雑で難解なパスワードでなければいけません。

他にも、別のサイトで使用していたパスワードを入手し、目的のサイトで試す、といった方法もあります。だって、アプリ、サイト、アカウントごとにパスワードを変えている人が何人いますか?アプリもサイトもアカウントも、ことあるごとにログインを求められる時代です。全部なんてとてもじゃないけど覚えてられないですよね。

ごく当たり前のセキュリティを、ごく当たり前に機能させるには、「推測されにくい複雑な羅列」かつ「複数アカウントで同じパスワードを使わない」ことが重要になってきます。

理想と現実の現状

とはいえ、複雑な羅列を何種類もIDやアカウント名と紐づけて覚えることは簡単なことではありません。それで忘れてしまってログインできなくなったら元も子もないですからね。

Windowsは、8文字以上かつ大文字小文字数字記号の4種類をすべて含み、名前やユーザー名、一般的な単語を含まない、の条件を満たしたものを強力なパスワードの基準としています。

そんなパスワードを何種類も管理するなんて無理な話です。しかし不正ログインは怖い…。

どこかにメモしておけば確かに管理することは可能です。しかしそのメモはどうやって管理しますか?

そのメモを失くしたら、ログインできなくなるうえに全てのパスワードが漏洩してしまったことになります。管理ツールを使っても、じゃあ管理ツールのパスワードはどこで管理しますか?

たとえセキュリティのためとはいえ、求められているものに少し現実味がないですよね。

そうなるとやはり、覚えやすくてある程度統一されたパスワードを使わざるを得なくなり、しかしセキュリティ面で不安が残る…堂々巡りです。

パスワードは当たり前のセキュリティですが、現状、あくまで最低限なものになってしまっているのです。

入力しないパスワード

では、どうやってセキュリティを高めていけばいいのでしょうか。

ようは本人であることが証明できればいいわけです。実は身近にある人も結構いるのではないでしょうか?

iPhoneはSE(第2世代)、iPhone8から指紋認証を、iPhone10から顔認証を搭載しました。それぞれTouch ID、Face IDと呼ばれているものですね。

情報が資産となる現代において、パスワードの管理不備及び漏洩は大きな影響を及ぼしかねません。

そんな中、米マイクロソフトはアウトルックやチームズといった自社アプリで、顔認証などの生体認証を標準としました。

指紋や顔、あるいは声紋、虹彩を利用した認証方法をバイオメトリクス認証と言います。

生体認証であれば、脅威である「パスワードが外部に漏れる」おそれを、そもそも根本からなくすことが可能になります。

増え続けるサイバー攻撃、不正アクセスに、パスワードではもう限界が来ています。

パスワードが漏れることで流出した情報はなかったことにはできませんし、信用も失います。在宅勤務も増え、働き方が変わっていくまさにその過渡期にいます。情報の管理には、一番に気を使わなければいけません。

セキュリティは、企業を支える大きな柱の一つになっているのです。

マイクロソフトの生体認証化を皮切りに、多くの企業が脱パスワードを考えていかなければいけなくなっています。

本日のまとめ

バイオメトリクス認証がすべて優れているというわけではありません。まだまだ精度が低いものもありますし、不便な時もあります。それこそコロナ禍でのFace IDとか、ちょっと面倒くさいですよね。マスクだと反応しなくて。

しかし、その精度はどんどん上がっています。きっと、マスクにもすぐに対応するでしょう。

実際にiPhoneでは、パスワード入力などもバイオメトリクス認証でスキップできるようになりました。

「脱パスワード」は、気が付かないところで進んでいるのです。

好きな映画に、問題を解決するために敵組織のシステムに入らなければいけなくなるシーンがあります。その時主人公は、どこでシステムに入るためのパスワードを入手したと思いますか?

……敵組織のボスが座っていた椅子の手元です。手元に、メモを残していました。パスワードの意味がまるでありませんよね。

そんなことにならないように。パスワードの管理は適切に!そして脱パスワードへ。

<参考サイト>

NORDPASS

日本経済新聞

未来人が作ったサイエンス・ノンフィクション世界

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

月面着陸という人類の大きな夢が叶ったのは1969年のアポロ11号計画によるものです。

「地球は青かった」で有名なガガーリンが人類で初めて宇宙に出た1961年。それから10年足らずでアポロ11号はニール・アームストロングとバズ・オルドリンを月へと運びました。今年でちょうど60年です。

わたしが生まれてくるずっと前のことです。わたしたちが生まれてくるずっと前、「月に行く」ということはSFの世界の話で、夢物語でした。

SFの父といわれるジュール・ヴェルヌの「From the Earth to the Moon」(月世界旅行)が刊行されたのは1865年です。SFとして夢想された宇宙への進出および月面着陸は、たったの100年で成し遂げられました。

SFとは、「Science Fiction」の略称であり、日本では「空想科学」とも言われます。「フィクション」であり「空想」なのです。それでも、科学技術のめざましい発展はそれを100年で現実にしました。

人類は月に降り立つし、サイバー戦争は現実になり、ロボットやAIは社会に溶け込み始めています。

本日はそんな、かつてフィクションと呼ばれたSF技術のお話です。


スタートレックが見た300年後の30年

携帯電話の歴史は結構古く、広く見れば1940年のトランシーバーまでさかのぼります。

第二次世界大戦中に米軍が使用した携帯型のトランシーバー「Walkie Talkie」は、従来のものと比べ小型で、バッテリーで動くため、携帯することができました。これが携帯電話の前身と言われています。

いまでこそ多機能を備えた携帯電話ですが、はじめは「持ち運びができる電話機」として考案されたのが最初ですから、要はトランシーバーと大した差はないわけです。

しかしトランシーバーを思い浮かべてみても、携帯電話とは似ても似つかないですよね。(なお、ここでいう携帯電話とはいわゆる「ガラケー」を指します)トランシーバーから今知られる携帯電話の形へと進化していく過程で、もっとも障害となったのがその小型化でした。

長く車やバイクに搭載するものとして利用された携帯電話は、1983年に「Walkie Talkie」を販売したモトローラによって世界で初めて手持ちできるものになりました。

日本で初めて発表された携帯電話は1985年にNTTより発売された「ショルダーホン」です。重量3キログラムの大きなそれは、バブル時代の幕開けを感じさせます。

さて、前置きが長くなりましたがスマホを含む「携帯電話」は技術の進化の最先端を行くアイテムです。持っていない人を探す方が難しいですよね。

1966年放送「スタートレック」の船長、カーク船長はそんな超便利アイテムを50年も前から使っています。

いずれガラケーと呼ばれるようになる折り畳み式の携帯電話が発売されたのは1996年、スタートレックから30年後のことです。

スタートレックの舞台は23世紀の銀河系です。23世紀…、つまり放送当時から300年ほど後の世界です。23世紀の世界はどういう風になっているのでしょうか。想像できますか?少なくとも、携帯電話は当たり前に普及しているわけです。いや、もしかしたら携帯電話に代わるもっとすごい技術が発展しているかもしれません。

それくらい未来でなら、きっとこの小型の端末(作中ではコミュニケーターと呼ばれていましたね)もあるだろう、と作者は思ったのでしょう。

実際はたったの30年でした。1/10年です。スタートレックから30年、初めての折り畳み式携帯電話は「StarTAC」と名付けられ、世界的なヒットを記録しました。

繰り返しになりますが、携帯電話は時代を象徴する圧倒的な技術力です。時代の最先端にまでなったポップカルチャー「スマートフォン」ですが、スタートレックがなければもっと発売は遅れていたかもしれませんし、デザインももっと無骨で、今でもアンテナが立っているかもしれません。

レイア姫のホログラムを現実へ

先にスタートレックを上げましたが、SF映画といえば何を思い浮かべますか?

ブレードランナー?マトリックス?禁断の惑星?バック・トゥ・ザ・フューチャー?それともスター・ウォーズですか?

ジョージ・ルーカス監督の名作、スター・ウォーズシリーズはSF映画を代表する長編シリーズです。舞台は遠い未来の銀河系で、人間やヒューマノイド、ロボットが共存しています。

その1作目、ロボットであるR2-D2がレイア姫を空中に立体的に映し出すシーンは有名ですから、記憶にある人も多いでしょう。SFファンだけでなく多くの人間が胸を高鳴らせ、実現を期待するあの「レイア姫のホログラム」シーンですが、まだまだ実現には届いていません。

しかし、近しいところまでは近づいているのではないでしょうか。

大ブームになった「ポケモンGO」はARという技術を利用しています。日本語で「拡張現実」と言われ、現実にバーチャルな視覚情報を重ね、現実を仮想的に拡張する技術です。

YouTubeではバーチャルユーチューバーが活躍し、VOCALOIDやゲーム・アニメのライブでは3D映像がステージで踊り、観客に手を振ります。

かなり、かなり近くないですか?

実際に3Dバーチャルライブに参加したことがありますが、ステージ上に映し出されたキャラクターたちは本当にそこに“いる”かのように見えます。

「360度どこから見ても立体としてそこにいる」といったレイア姫のようなホログラムの技術はまだまだですが、近い未来に実現するかもしれない、とそう思えるほどに3Dのバーチャルライブの完成度は高くなっています。

現実には存在しないキャラクターたちが目の前に立体で映し出され、目の前で手を振ってくれる、ファンサしてくれる、なんて考えたらなんだかどきどきしてしまいます。

あるいは、ホログラムを通して友達や家族と顔を合わせて会話することができるようになるかもしれません。

SF世界への第一歩

近未来が舞台のSF映画で欠かせないのは、なんといっても空中に現れるホログラムのディスプレイです。ホログラムディスプレイを軽快に操作する姿に憧れる少年少女は後を絶ちません。

SF映画だけでなく、アニメや小説でもしばしばそういった描写がみられます。人気テレビ番組「逃走中」でも、ゲームを運営するキャラクターが空中のホログラムディスプレイを操作してミッションを発動するシーンがあります。あれ、格好いいですよね。大人になった今でも憧れちゃいます。

いたるところでタッチディスプレイが利用されています。このコロナ禍で目指されるようになった「非接触」ですが、もしもこのホログラムディスプレイとその操作が可能になれば、その可能性はさらに広がっていきます。

10月5日、シャープが「静電ホバータッチディスプレイ」を発表しました。直接画面を指で触ることなく、タッチディスプレイを操作することが可能としたこの開発は、このコロナ禍で目指された非接触を限りなく可能にします。

中国ではちょうど1年前からホログラムディスプレイを利用した非接触型の製品がリリースされ、特に人の出入りが多いエレベーター等で利用されているようです。

夢に見たホログラムディスプレイは、もう現実です。

そのうちスマートフォンだってさらに小型化され、そこから投影されるホログラムディスプレイになるかもしれませんね。

本日のまとめ

わたしたちが夢見たサイエンスフィクションの世界は、すぐそこまで来ています。

鉄の塊が海を渡り空を飛び、そして宇宙まで行く時代です。いまさら何が起きたって不思議ではないのです。

ジュール・ヴェルヌの名言に「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」というものがあります。

はじめはただの妄想だったかもしれません。しかしその妄想に憧れ、実現を追い求めた人がいるからこそ、それらは実現していきます。

SF作品に出てくるたくさんの創造物は、絶対にいつか実現できるという強い確信をもって描写されています。これは本当に近い未来の現実なんだと、ただの夢物語ではないんだと、創作者は期待をもってこの世に送り出しているのです。

読む側からすれば、すべてが「あり得ない」けれど、現実だったらどんなに便利で素敵なものなんだろう。そんな、かつてSFとして夢想されたことたちを、未来人であるわたしたちがノンフィクションへと塗り替えています。

不本意ながら、コロナ禍で科学技術はめざましい成長を続けています。かつて人類が憧れたSF世界に、いまわたしたちは生きています。そしてこれからも、わたしたちが想像し憧れれば憧れるほど、それはさまざまなかたちで実現していくのでしょう。

大きな夢だって、いつかは夢ではなくなります。期待を込めて、いつでも夢はでっかくいたいですね。

<参考サイト>

年代流行

logmi Biz

価格.COMマガジン

ポチッと!指先ひとつでお買い物時代

おはようございます。情報セキュリティ情報センターです。

日本に通信販売が誕生してから145年が経つそうです。その媒体は雑誌やカタログからはじまり、はがき、チラシ、そしてテレビやラジオを経て、インターネットのウェブサイトへと形を変えています。

コロナ禍で外出が随分と減りましたよね。その分、インターネットで買い物をすることが増えたのではないでしょうか。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング。誰しもが1度は利用したことがあるかと思います。

わたしも何度も利用しています。今住んでいるところはスーパーが遠いので、食料品なんかも通販で頼みがちです。

家にいるだけでほしいものが手に入るんですから、それは便利なんですよね。例えばお酒やお米をスーパーで購入して、車で家まで帰ってきて、重たい荷物をもってアパートの階段を上るくらいなら、家で購入して玄関の前(ないし宅配ボックス等)まで持ってきてくれた方が楽ですし、その分、別のことに時間を使えます。

インターネットスラングに、インターネット通販で物を購入することを指して「ポチる」という言葉があります。スイッチやボタンを押すときの「ポチッ」という擬音語からできた言葉で、「購入」ボタンを押すことにちなんでいます。

ポチッ…と押すだけで、購入が完了してしまうんです。通販は、145年でそれくらい気軽なものになりました。

通販とは少し違いますが、今や賃貸契約なんかもオンラインですべてできます。

食料品や日用雑貨といった小さなものだけでなく、高額なものも「ポチッ」と契約ができてしまうんです。

本日はそんな、通販のお話です。

ニューノーマルな「ポチる」

通信販売の歴史は145年ほど前、1876年に農業雑誌でトウモロコシの種が販売されたのが始まりと言われています。その背景には、1871年に始まった郵便制度があるでしょう。インフラが整うことで、これまでになかったことができるようになりました。

その媒体はカタログやチラシへと広がり、ラジオやテレビが普及すればラジオショッピングやテレビショッピングへと拡大していきます。こうして通販の市場は広がり、平成初期には市場が2兆円を超ました。

そして1995年、Windows95が日本で発売されたことにより一般家庭に急速にインターネットが普及し、同時にインターネット通販も急速に広がります。大手メーカーが次々と通販に参入し、さらにAmazonや楽天といったECショッピングモール、オークションサイトやフリーマーケットサイトと、さまざまなかたちに広がっていきました。

今や当たり前の「通販」は、時代に合わせて進化した技術やシステムが作りあげた新しい常識なのです。ニューノーマルというほど新しいものでもないですが、それでも長い目で見ればニューノーマルと言えなくもないでしょう。150年前の人類には、想像もつかない「お買い物」の形です。

なにか欲しいものがあるとき、支度をして家を出て、目的のものが売っているお店に行って、それを購入して家に帰る、という当たり前のことが、「ポチッ」で完了してしまいます。まったく便利な世の中です。

メディアショウウィンドウ

NBAのスター選手マイケル・ジョーダンにちなんだナイキのバスケットシューズ、「エアジョーダン」のシリーズは、その人気ぶりに奪い合いで殺人事件が起きています。発売日には暴動が起きるほど人気のこのシリーズは、マイケル・ジョーダンというインフルエンサーにちなんだものだからこそ、ここまでの人気を博しています。

インターネットが生活に密接している今、そういったインフルエンサー影響力はかなり大きいものとなっています。ここまでインターネット販売が当たり前になった背景に、そういったインフルエンサーの存在もあるでしょう。

「インスタ映え」なんて言葉もありますし、その商品を使った「映え」な写真がSNSで「バズ」れば、売り上げが上がること間違いなし!なわけです。

また、YouTuberとのタイアップといった宣伝もメジャーになりつつありますよね。

家で見ていた好きなYouTuberのおすすめしていたスイーツ、わたしも食べてみたい!と思っても、店舗が近くになかったり、夕方に行ったらもう売り切れていたり。通販を使えばそんな思いをしなくてもいいですし、なによりも購買意欲が最も高い時に「ポチッ」と買うことができてしまいます。

また、広がる宣伝はインフルエンサーだけに限りません。

このコロナ禍で外出が減り、観光地や飲食業は不況のあおりを大きく受けました。学校がなくなりたくさんの牛乳が余りました。そんな中で、SNSで発信されたSOSがいくつもあります。

牛乳が余っているから買ってほしい、毎日売り切れていた商品が余ってしまったから半額で通販します、そんなSOSです。

わたしはずっと気になっていた京都の有名な甘味処のお餅をこの機会に「ポチ」りましたし、拡散された牛乳消費レシピで見たラッシーをたくさん飲みました。(どちらもとてもおいしかったです!)

雑誌の文言から始まった通販ですが、カタログやチラシ、テレビ、あるいはHPといったマスメディアを使うことによって、より効果的に商品を紹介することが可能になりました。

通販の大きなネックは、現物を見ることができないことです。しかし視覚的な情報は、文章だけの宣伝よりはずっと効果的な判断材料になります。

そこにインフルエンサーが実際に使用した感想や意見が重なれば、さらに購入のハードルは下がっていきます。

今やマスメディア全体があらゆるもののショウウィンドウになっているのです。

GenZ世代への車

10月4日、日本を誇る大手自動車メーカー「ホンダ」がオンラインストアを開設しました。商談、見積もり、査定、契約がオンライン上ですべて可能になりました。

画像:Honda on 公式webサイト

………車がです。信じられますか?

食料品や日用雑貨の通販とはわけが違います。たしかに、通販で何万とするものを購入することはありますが、それでも桁が違います。それほどまでに、“オンライン”化というのは進んでいます。

今回開設された「Honda ON」では、スマートフォンで見ることが想定されたUIに、SNS上でのリアルタイム口コミを集めたUGCの表示など、現代的なサイトの作りとなっています。

また、今回のオンラインストアでは新車の「サブスクリプションサービス」の契約が始まり、
人々の意識が「所有」より「利用」を求めている現代に適応しています。

オンライン化にサブスク化と、車離れの激しい若者、特にGeneration Z(Z世代)への意識が感じられます。

まさにZ世代であるわたしは、オンラインですべてできることも、購入ではなくサブスク契約であることも、従来のものよりずっと魅力的に感じます。

もちろんこれは人それぞれですから、直接話が聞きたいよ、とか、いやいや車は所有したいでしょ、とか、同じZ世代にもたくさんいるかと思います。それでも、対象の幅は大きく広がったのではないでしょうか。

本日のまとめ

車のオンラインストアがはたして通販なのかと言われると、少し首をかしげてしまいます。しかしインターネット上で購入手続きをするわけですから、間違っていないはずです。ただ、「車の通販」に馴染みがないだけで。

いずれこれがスタンダードになる未来があるかもしれません。車だけに限らず、です。

冒頭でも挙げましたが、賃貸契約もオンライン上で済んでしまう時代です。今住んでいる家の契約をした際は、鍵を受け取りに行くときにはじめてお店に行き、担当者さんの名刺をいただきました。

考えてみれば、車に同じことができるのはなにもおかしいことではないんですよね。

このコロナ禍で大きく見直された「オンライン化」ですが、その真価はコロナ禍だからにとどまりません。

我々の常識は少しずつ「デジタル」で「オンライン」へと塗り替わっていきます。

デジタルパイオニアと言われるミレニアル世代と、デジタルネイティブと言われるZ世代がそのほとんどを占める社会はすぐに来ます。自分はネイティブだからとうつつを抜かさず、常に時代の進化に柔軟に対応していきたいものです。



<参考サイト>

HONDA公式webサイト

KINTO ONE

HONDA ON

INPRESS BUSINESS MEDIA

Cyber security for All 誰も取り残さないサイバーセキュリティ

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

9月の終わり、首相官邸でサイバーセキュリティ戦略本部が開かれ、次期「サイバーセキュリティ戦略」が決定されました。2015年に内閣で定められ、3年ごとに戦略を更新していくものです。

7年目となる今年、「Cybersecurity for All ~誰も取り残さないサイバーセキュリティ~」をコンセプトに、「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の確保を目標とする戦略案が公表されました。

さて、難しい話から入ってしまいました。

みなさんは、サイバーセキュリティといわれたらなにを思い浮かべるでしょうか?ウイルス対策ソフトとか…複雑なパスワードを設定するだとか…そんな漠然としたイメージはあるものの、具体的に説明するとなると言葉に詰まってしまうのではないでしょうか。

テストで40点くらいの答えは出せるんですけど、100点満点となるとなかなか難しい…。

デジタル化、IT化、DX、この世界の技術が進めば進むほど、漠然とした「40点程度はわかる」ものが増えていくような気がします。実際、40点程度あれば十分機能してしまうのも、技術が進んだ結果なんですよね。

本日は、そんな漠然としたサイバーセキュリティとその戦略についてお話しします。

70点のサイバーセキュリティ

そもそも、サイバーセキュリティと言われて100点満点の答えを出せる人はいますか?

 「サイバーセキュリティ」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式により記録され、又は発信され、伝送され、若しくは受信される情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置並びに情報システム及び情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保のために必要な措置が講じられ、その状態が適切に維持管理されていることをいう。

サイバーセキュリティ基本法

これが100点満点です。まぁ、今すぐ100点を取る必要はありません。理解できていればそれで大丈夫です。

本日のお話は、だいたい60~70点が取れるようになるのを目標とします。

サイバーセキュリティとは、要約すれば「知覚で認識することが不可能な方法で、情報が漏洩しないように、防止および情報の管理に必要な措置がされており、その状態が適切に維持管理されている」ことを言います。

う~ん、ぎりぎり70点…!

ともかく、「サイバー攻撃から情報を守る体制」のことです。定義はそんな認識でいいんじゃないでしょうか。

ではなにが正しいサイバーセキュリティなのか、大事なのはそこです。

2021年からの3つの方向性

サイバーセキュリティ戦略では、目標である「自由、公正かつ安全なサイバー空間」を確保するため、今後3年間の方向性を提示しています。

サイバー空間とは、グローバルな拡張・発展を遂げ、国境を越えて質・量ともに多種多様な情報・データを自由に生成・共有・分析することが可能かつ流通する場、つまり、わたしたちを当たり前のようにとりまくインターネットの世界のことです。

(1)デジタル改革を踏まえたデジタルトランスフォーメーションとサイバーセキュリティの同時推進

(2)公共空間化と相互連関・連鎖が進展するサイバー空間全体を俯瞰した安全・安心の確保

(3)安全保障の観点からの取組強化

以上の3つはそれぞれ「経済社会の活力の向上及び持続的発展」、「国民が安全で安心して暮らせる社会の実現」、「国際社会の平和・安定及び我が国の安全保障」に向けた取り組みに対応するものですが、もちろんすべて意識されるべきことです。

それぞれざっくり、70点を目指して解説します。

DX with Cybersecurity

(1)デジタル改革を踏まえたデジタルトランスフォーメーションとサイバーセキュリティの同時推進

今年9月、デジタル後進国と言われる日本にようやく「デジタル庁」が設置されました。今まさに日本がデジタル化を大きくすすめる絶好の機会です。

デジタル化が進めば進むほど、サイバーセキュリティの重要度は増していきます。デジタルトランスフォーメーション、DXが推奨されている今、デジタル投資とセキュリティ対策は同時に進行していかなければなりません。

DXが進めば進むほどサイバー空間に強く結びついていきます。人々の生活を革新的に、豊かにより良い方向へと変化するために行われるDXですが、そこに結びついたサイバー空間に穴があっては意味がありません。逆に、セキュリティを強めたサイバー空間だけがあっても、そこに結びつくものがなければ意味ないですよね。

例えば、たくさんの物(情報)を大きな箱(サイバー空間)に入れられるシステム(DX)があっても、その箱に穴が開いていれば使えませんし、逆にたとえ頑丈な箱があっても、その箱を開ける術がなければただのがらくたですよね。………こんな感じです。なんとなくわかりますでしょうか?

「経済社会の活力の向上及び持続的発展」のために、DXは必要不可欠です。DXの推進のために、サイバーセキュリティも必要不可欠なわけです。

モノのインターネット時代

(2)公共空間化と相互連関・連鎖が進展するサイバー空間全体を俯瞰した安全・安心の確保

「連接融合情報社会」という言葉があります。IoT(Internet of Things)、「モノのインターネット」という言葉が身近になった現代で、あらゆるモノがインターネットに接続され、実空間とサイバー空間が高度に融合した社会を指す言葉です。

サイバー空間は社会の中に溶け込んでいます。サイバー空間を基盤として処理されるものが、この世にはあふれています。

つまり、「国民が安全で安心して暮らせる社会の実現」における「社会」というのは、実空間とサイバー空間の両方を含むわけです。

サイバー攻撃は大きいものから小さいものまで毎日ひっきりなしに行われ、被害は1日に1万件以上と言われています。サイバー攻撃は、簡単に言ってしまえばパソコンやスマートフォン端末という他人のプライベート空間に侵入し、なにかしら価値のあるものを盗むような行為です。実空間で他人の家に侵入し、金品を盗むことは立派な犯罪ですよね。それが1日1万件も行われていたらとてもじゃないですが安全安心とは言えません。

サイバー攻撃の脅威は増す一方で、経済社会が抱える脆弱性が顕在化しています。サイバー空間を実空間と変わらず「公共空間」とし、安心・安全を確保していかなければいけません。

そのために、国、企業といった組織単位ではなく、一人一人が意識し、国一丸となってシームレスな対処態勢が必要です。

目に見えない戦争、目に見えない戦場

(3)安全保障の観点からの取組強化

サイバー空間は陸、海、空、宇宙に次ぐ5つ目の戦場となりつつあります。

先に挙げましたサイバー攻撃の例は、あくまで個人及び小組織を想定した例え話でしたが、国家がその対象になることだってもちろんあります。

かつてはSFと呼ばれ架空の存在だった「サイバー戦争」は、すでに現実のものになっています。映画や小説のようなフィクションだったら娯楽ですが、現実ではれっきとした戦争であり、国を脅かすものです。

サイバーセキュリティ戦略では、中国、ロシア、北朝鮮の関与が疑われるサイバー攻撃が増えたと明記されました。

サイバー攻撃は目に見えない攻撃です。その戦場も目に見えません。言ってしまえば、その戦果も、失ったものも、目に見えないのです。

目に見えないだけで、戦火はわたしたちの頭上を飛び交っています。

「国際社会の平和・安定及び我が国の安全保障」のために、純粋な武力だけではなく、サイバー攻撃に対する防衛力や抑止力が求められる時代になっています。

本日のまとめ

なんだか信じられないですよね。数十年前、サイバー攻撃は確かにフィクション上の娯楽だったはずです。

目に見えないからこそなんとなくでしか意識できません。しかし目に見えないからこそ怖いんです。

あ、そうそう、最後にこちらのサイトをご紹介します。

CYBERTHREAT REAL-TIME

https://cybermap.kaspersky.com/ja

サイバー攻撃をリアルタイムで見ることができます。

目に見えない攻撃は進化し、激化しています。それでも、目に見えない攻撃を目に見えるようにする技術も進化しているのです。

この国のこれからのサイバーセキュリティ、なんとなくわかりましたでしょうか?

冒頭でも言いました、100点の回答はなかなか難しいです。もちろん、全員が満点取れるくらい理解していればセキュリティはぐっと高まります。だからといっていきなり難しいこと言われてもピンとこないから難しいんですよね。

少しずつ、少しずつ学んでいきましょう。40点の知識を60点に、70点に。もちろんわたしも勉強中ですから、一緒に学んでいきましょうね。

見えないサイバー空間も、きっと少しずつ見えるようになります。そのお力になれれば幸いです。

<参考サイト>

NISC(サイバーセキュリティ戦略)

日本経済新聞

e-GOV(法令検索)

メールにまつわるあれやそれ、法律で決められてるって知ってますか?

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今朝は何件メールが来ていましたか?

わたしは16件きていました。そのうち15件が迷惑メールです。

まぁ迷惑メールとは言っても、どこかしらで登録したサイトの広告ですから、厳密にいえば迷惑メールではありませんが、気持ち的にはとっても迷惑です。

こまめに配信停止にしても、新しくなにかを購入すればまたそのショップからのメールマガジンが届く…「配信を希望する」のチェックを外し忘れただけなのに~~!

実際、メールマガジンで紹介された商品を買うことも少なくないので、完全に迷惑かと言われればそうでもないような…。そんなこんなで、どんどん広告メールは溜まっていきます。

広告メールって敬遠されがちですし、意味がないように見えてその実、わたしみたいなつられて買っちゃうような人がいるから相手も送ってくるわけですし、まったく無意味なものではありませんよね。

しかし、そのメール、本当の意味で「迷惑メール」になってませんか?

むやみやたらに送ればいいってものではありません。メールの利用にもきちんとルールが定められています。

本日は、メールにまつわる法律についてお話ししたいと思います。

迷惑メール防止法 オプトイン/オプトアウト

冒頭でお話ししました、「広告メール」か「迷惑メール」かの境界線となるものに、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」というものがあります。通称「迷惑メール防止法」といわれるものですね。2002年に制定され、2005年、2008年に改正を重ね、広告メールおよび迷惑メールの制限を定めています。

2008年の改正で最も特徴的なものがオプトイン方式の導入です。
このオプトイン規制に則っているかいないかによって、広告メールなのか迷惑メールなのかに振り分けられます。

オプトイン方式とは、あらかじめメールの送信の同意を得た相手に対してのみ広告メールの送信を許可する方式です。

何かしらのサイトに登録する際、よくでてきますよね、「配信を希望する」のチェックボックス。

これにチェックが入っていれば、送信に同意するということになります。

また、受信者がメールの送信を同意(オプトイン)した記録も残す必要があります。

わたしが迷惑と思っていたメールは、そのほとんどが合法広告メールなわけです。こまめにオプトアウトしないとですね…

そう、オプトインの対義語にオプトアウトという言葉があります。広告メールを許可なく送信すること、あるいは広告メールの受信を拒否することを指します。

送られてくる広告メールにも、「配信停止はこちら」なんてリンクが貼られていますよね。このリンクも、法律で定められているんです。

メールを送信することがたとえ合法だったとしても、内容によっては違反になることがあります。それこそ、オプトアウトの案内の表示がない…とかね。

迷惑メール防止法では、広告メールの送信の際に義務として表示するものが定められています。

先に挙げたオプトアウトの案内だけでなく、送信者の氏名または名称、そして住所、問い合わせ先、電話番号やアドレス、URLといった送信者の情報など。

送られてきたメール、あるいは送っているメール、きちんとこれらの情報を満たしていますか?


迷惑メール防止法 偽装メール

迷惑メール防止法では送信者およびの偽装も禁止されています。

なりすましメールに当たりますからね、そもそも当たり前の話ではあります。

当たり前の話なのに、当たり前のように横行しているのが現状です。

送信元のアドレスをなりすましたり、そもそもアドレスを表示しないように設定したり…。

これらを禁止した「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律案」の改正が2005年に改正されているということは、すでに15年以上前から違法な迷惑メールは横行しているということになります。

このスパムメールと呼ばれる迷惑メールのほとんどが送信者を偽装して送られるものであり、つまりほとんどが違法なわけですが、15年たってもいまだ改善されません。

むしろ悪化する一方で、現在はコミュニケーションチャットツールやSNSなどでも広がっています。SNS上で仲良くしていたアカウントが突然サングラスの広告をbotのように流し始めた…なんて経験はありませんか?サングラスならまだましです。ダイレクトメッセージでアダルトサイトのリンクをばら撒くなんて事例もありました。

禁止であることが当たり前なはずのに、横行しすぎて存在が当たり前になってしまっているスパムですが、もちろん法律違反ですから、罰則があります。

当たり前に存在していても、1年以下の懲役または3000万円以下の罰金措置です。かつて100万以下だったものが、大幅に引き上げられた金額です。3000万円ですよ。洒落にならないですよ!それでもなくならないのが現状なんですけどね…。

なにはともあれ、偽装されたメールおよびスパムの横行は減っていないのが事実です。わたしたちにできるのはそこから被害が出ないようにすることでしょう。

思い当たらないメールのリンクを踏んではいけません。開くことすらちょっと危ないかも。でも開くまでそれが偽装か否かなんてわからないし。だからこそ、有益だろうとなんだろうと広告メールは迷惑がられるんですよね。

迷惑メールと広告メールの見分けが付けられる大人になりたいですね。

不幸のメール

そうそう、主題とは多少ずれますが、メールといえば「不幸のメール」なんてのがありますよね。

プライベートでメールをほとんど使わなくなりましたし、連絡先の相手もわたしもさすがにいい年ですからしばらく見ていませんが、今も学生の間ではまわっているのでしょうか。思い出すとなんだかノスタルジックな気持ちになっちゃいます。

「チェーンメール」と呼ばれるこの手のメールも、迷惑メール、スパムメールに分類されます。はじめてその存在を知った小学6年生のわたしは、びびって馬鹿正直に指定人数分転送したのを覚えています。母親にしこたま叱られましたし、学年全体で指導されました。

連絡手段がLINEになっても、数回送られてきました。妹から送られてきたときには微笑ましいものでしたが、内容によってはそんな可愛らしいものでもありません。

ではチェーンメールが犯罪なのかというと、なかなか難しい話です。たとえば、「〇人に転送しないと殺しに行くぞ」なんて文面でしたら、強要罪に当てはまることがありますし、騙すような書き方でなにかしらの商品を売りつけようというような内容でしたら詐欺罪です。

「佐賀銀行がつぶれる」という内容のチェーンメールを流した人が信用毀損罪に問われた例もあります。

実際に事件になっているわけですから、可愛らしいなんて言葉で片づけていいものではありません。

スパムと同様に、メールだけでなくコミュニケーションチャットツールやSNSでも類似したものが出回っています。もちろん、中には全く問題ないものがたくさんあります。「見た人は全員やる」なんてハッシュタグを使って好きな音楽を共有したりとかね。

コミュニケーションが手軽で容易になった現代で、良いことと悪いことの境界線を曖昧にしないように気を付けなければいけませんね。

本日のまとめ

冒頭でも言いましたが、わたしはわりと広告で見た物を買います。広告メールは有用な営業商法と言えるでしょう。しかし、むやみやたらに送っていいものではありません。きちんと決められたルールがあります。

やってはいけないこと、いいこと、なんとなくわかっているような気がしていませんか?

「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」なんていわれてもピンときませんが、強要罪や詐欺罪と言われれば、途端に現実味を帯びてきませんか?前者も、現実的なものとして意識しなければいけません。

チェーンメールのように子供じみていても、迷惑メールに通ずるものです。若かりし頃、わたしのように転送してしまって親や学校に叱られた経験がある人だって少なくないはずです。あのときは漠然とダメなものだと思っていたことが、明確に文章にされています。

あのときよりもリテラシーのある大人になれていますか?若かったな~なんてノスタルジーに浸って、ついでに今一度、用意されている規則を確認してみてくださいね。


<参考サイト>

総務省 国民のための情報セキュリティサイト

総務省 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント

一般社団法人日本データ通信協会

シェアしたくなる法律相談所

DXって?デジタルトランスフォーメーションの手引き

おはようございます。小江戸情報セキュリティ相談センターです。

突然ですが、みなさんは初めて切符を買った日を覚えていますか?

わたしは小学二年生の遠足の時、はじめて自分で切符を買って電車に乗る経験をしました。(田舎出身なので…)

では、最後に切符を買った日は?覚えていますか?

自動改札が当たり前になり、ICカードでの乗車が当たり前になり、切符を買う機会はめっきり減ったのではないでしょうか。

今や新幹線の予約すらネット上で可能になり、券売機に並ぶ列を見ることも少なくなりました。

切符の購入に特に難しいことはありません。お金を入れてボタンを押すだけのことです。小学二年生でもできます。

しかし、交通ICカードおよびモバイルICカードの普及で、電車の利用は以前より便利でスムーズになりました。

デジタル化よって人々の生活は便利で豊かなものへとみるみるうちに進化していきます。

IT技術の浸透で人々の生活を豊かにすることをDXと言います。

「DX」この言葉、ご存じですか?デラックスではありません。
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)です。

本日は、今推進されているDX、「デジタルによる変化・変革」についてお話しします。

DXって?

現代において、あらゆるもののデジタル化は当たり前のことになっています。いつどこでなにがデジタル化、オンライン化してもおかしくありません。

先に挙げましたモバイルICカード、ファストフード店のモバイルオーダー、授業のオンライン化。大型デジタルサイネージなんかも話題になりましたよね。

美容院でも、雑誌ではなく複数の雑誌が収録されたタブレット端末が渡されるようになりました。

あらゆる企業で、勤務管理や販売管理はソフトウェアを用いて行われます。導入直後こそ戸惑ったかもしれませんが、慣れてしまえばアナログ的手法と比べはるかに便利で効率が良くなったのではないでしょうか。企業だけでなく、学校の出席もインターネットやカードを利用して記録されることが増えました。点呼し記帳する時間を省けば、その分授業をする時間が増えます。

デジタル化することによる利点が、変化に適応しなければならない億劫さに勝る時代です。

現代の若い方はデジタルやインターネットが当たり前の世代ではありますが、現代ではもう「デジタルでスマート」という言葉は若者の特権ではないのです。

そうして次から次へとデジタル化が進み、より便利でより効率よくなっていく・・・それこそがDX、というわけでもないんです。同じようなものではありますが、DXはより社会に影響を与えるものでなければいけません。

経済産業省が発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXは次のように定義されます。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」(引用元:経済産業省HP)

商品やサービスをデジタル化によって変化させるのではなく、それによって業務そのもの、企業文化・風土といった環境を変革していくことこそがDXなのです。

デジタル化によって業務そのものや企業文化を改変し、競争上の優位性を確立、つまり企業が安定するためのシステムをつくることが今、DXと呼ばれ推進されています。

企業だけでなく、人々の生活があらゆる面で革新的に、豊かに、より良い方向へと変化していくために、IT技術を活用していくという取り組みなのです。

結局、デジタル化とDXの区別は難しく曖昧なものではあるのですが、「切符を買わずともICカードで電車への乗車が可能になった」はデジタル化、「モバイルICカードの普及でチャージがスマホから可能であり、電子マネーとしても広範囲で利用できることから現金を持ち歩く必要がなくなった」のはDX、といったところでしょうか。

迫る2025年

2025年問題、2025年の崖、どうやら日本は2025年がひとつの分岐点になるようです。

2025年問題とは、超高齢者社会で生じる影響のことを指します。

そして2025年の崖とは、経済産業省の発表した「DXレポート」で使用された言葉で、DXを推進しないことで低下した業務効率・競争力による経済損失のことを指します。最大で年間12兆円もの損失が予想されており、それまでに経営面、人材面、技術面のいずれにしてもシステム刷新を集中的に推進する必要があります。

とはいえ、従来のシステムを新しくするというのは往々にして腰の重い話です。

コロナ禍で劇的に見直された働き方ですが、それまでテレワークを実施していた企業はどれほどのものだったのでしょうか?

日本でテレワークが推奨され始めたのは2010年後半と言われています。しかし実状は25%を下回る程度しか実施されていませんでした。それがこのコロナのあおりを受け、急速に普及していったのです。

コロナという脅威が目に見えたからこそ、そのメリットが浮き出てきて重たい腰も持ち上がったのでしょう。

現状、2025年の崖という脅威は目に見えているのでしょうか。

AIを利用した業務、自動運転の搭載された自動車、5Gに接続されるスマートフォン。

その一方で、Windows7が2020年にサポートを終了し、来年の頭には8.1のサポートも終了します。

IEも次第にEdgeへと移行されています。

アドビのFlash Playerのサポート終了のときも話題になりましたよね。

技術というものは次から次へと塗り替わっていきます。

…全部知ってるよ!って思いましたか?

では、2025年のIT人材不足は何人まで拡大するでしょうか

PSTN網、INS回線が終了したあとのこと、考えていますか?

サイバー攻撃はどこまで進化するのでしょうか

2025年の崖、ちゃんと見えていますか?

DXへのみち

みんななんだかんだなんとかなると思っています。なんだかんだなんとかなりませんよ。

DXレポートを要約すれば、

・経営層における既存システムの問題点の把握、改善案の不完全

・既存システム刷新の際、各関係者の果たすべき役割の不完全

・既存システム刷新の際、長期にわたり、大きなコストのかかることによるリスク

・ベンダー企業とユーザー企業の関係

・DX人材の不足

以上のことが現状、そして課題として挙げられています。

あー、なんだか面倒だな……なんて気持ちになってきませんか?

現状のままで問題ないし、大丈夫だろ、新しいこと覚えるのも面倒だし。

なーんて、ずるずるあとまわしにして、なんだかんだなんともならないまま2025年が来てしまう。

なんてことにならないように、きちんとDXしていかなければなりません。

しかし、ちゃんと2025年の崖を意識して!と言っても、目に見えないものを意識するのは難しいことです。

それを可視化するのもとても難しいことです。

人材が不足するなんて言われても、じゃあ具体的にどれくらい不足して、どう対処すればいいのかわからないですよね。

では、可視化するために何が一番大事なのでしょうか。

もっとも大事なことは、まず「知ること」です。

何度も繰り返してきましたが、みんななんとなくは認識しています。なんとなく、このままではいけないことはわかる、でもどうすればいいかはわからない。具体的な被害もないし、問題もないから。

ネットで調べれば、DXについての記事やサイトがたくさん出てきます。難しい言葉や知らない単語が出てくるかもしれませんが、わかるところもあるはずです。

わかるところから、わからないところは調べて、そしたらここがわかって、そうやって少しずつ知識を広げていけば、次第に「見えて」きます。

見えてくれば、どうすればいいのかもおのずと見えるようになるのではないでしょうか。



本日のまとめ

変化というのは、そのメリットとそれに適応する億劫さを比べた際に、メリットが勝ることで為されます。

適応するには知識が必要ですし、経験も必要です。

手動だった改札口が自動改札になったときも、切符がICカードになったときも、ICカードがスマホになったときも、はじめこそ戸惑いつつも次第にそれが当たり前になりました。新しいものの知識を付け、受け入れ、そして経験したからこそ便利であると「見えた」からです。

2025年なんてあっという間です。でもまだ間に合いますよ。

知識と経験ほど無駄にならないものもなかなかありませんし、これを機に、漠然とした2025年を知って、見て、DXを推し進めていきませんか。

変化して、適応して、変革されていく。それを繰り返した結果の「いま」です。

次々と変化していくその瞬間にいると考えたら、少しうきうきしちゃいますね。



<参考>

ワークフロー総研

経済産業省「DX推進ガイドライン

FUJITSU JOURNAL

経済産業省「DXレポート」