インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【3】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

先週お話しした炎上のことを覚えていますでしょうか。それとも別のことで記憶は薄れていますでしょうか。

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【2】

インターネットに限らずこの世界は情報であふれていますから、別の情報で上書きされているなんてこともあるかと思います。

人のうわさも75日…というわけではありませんが、どんなに大きく取り上げられても、そのほとんどはいずれ風化していきます。

もしあなたが炎上したらどうしますか?あるいは、あなたではなくあなたの家族や友人、応援している芸能人が炎上したら?庇いますか?それとも批難しますか?

もちろん、炎上の原因によってもその態度は変わってくるかとは思いますが、擁護のために嘘をついてしまうこともあるかもしれませんし、正直に謝るかもしれません。

もしくは、本当のことを言っているのに信じてもらえなかったり、理不尽なことを言われ続けるかもしれません。

インターネットという大衆は、現実世界の何倍も簡単に人のことを傷つけることができます。

炎上はいずれ風化しますが、しかし、一度燃え上がった炎はいつまでも後に残ります。

先週、炎上した後にその火を消そうとした行為が逆に油を注ぐ結果になってしまった例のお話をしました。

インターネットで起きるトラブルにもいろいろありますが、言葉で傷つけるものと違い形として残ってしまいます。誰もが自由に出入りできるインターネットという名の公共の場で、故意に傷つけられたりなにかしてしまい批判されたとき、炎上してしまったらどうしますか?

本日は、炎上を知るお話です。



それを知る、学ぶということ

まず、何か間違ったことをしてしまったらどうするのが正しいでしょうか。

インターネットだろうと現実世界だろうと変わりませんよ。まずは謝ります。そして反省し、同じことを繰り返さないことが大事ですよね。

先週お話しした件を例にあげれば、「芸人だからと言って許される範囲の域を出た発言をしてしまった」ことが原因での炎上ですが、それを庇おうと、火に水をかけた人たちが同じように炎上しました。

原因である芸人さんに悪気はおそらくありませんでしたし、後日別の番組やラジオでも反省の色を見せていました。おそらくきっと同じことは繰り返さないでしょう。

その前に紹介したMVの不適切表現での炎上も、本人たちはまさか炎上するとは思ってもいなかったでしょうし、至らなかった部分を認め反省していましたよね。今後同じことをしないように注意するのではないでしょうか。

往々にして、炎上というものは意図しないところで大きく取り上げられてしまいます。その原因になった行為に悪意はなく、むしろ善意であることも多々あることです。

芸人はそうして笑いを誘おうとしたわけですし、アーティストもまさか不快な気持にさせるためにMVを作っているわけではありません。

これまでの炎上を上げだしたらキリがありませんが、ほかにも善意や行為が裏目に出た結果炎上してしまった、という例がたくさんあります。

好きなゲームの舞台を好きなキャラクターのコスプレで見に行ったら炎上した、なんてこともありました。本人たちはただそのゲームが好きでそういった行為をしただけですが、それは全体を見たらタブーだったのです。

でも、それがタブーであることを知らなければ、もしかしたらわたしだって同じことをしてしまうかもしれません。

こういった炎上を一度経験、あるいは目撃すれば、それがだめなことだとわかりますし、次また同じことで炎上しないように学ぶことができます。

1度目の炎上があまり大きくならなかったとしても、同じことを繰り返した場合さらに批判されることになります。現実でも、同じことで叱られるたびに母親に「何回言わせるの!?」と言われてきました。同じことです。

何事もインターネットだけの話ではありませんが、注意されたことは真摯に受け止め、その批判の原因をきちんと理解し、反省し次に生かすことが大事です。

間違いは、それを間違いだと知り、そして学んでわたしたちは大人になってきました。SNSを含むインターネットと言う名の公共の場は、まだ発達したばかりで、そこにいるわたしたちはまだまだ子供です。知り、学んでいくことが炎上を抑える、回避するコツなのです。



はだかの王様の自覚

たびたび思うのですが、インターネットにいる以上、わたしたちは誰もがはだかの王様になり得ます。

炎上や誹謗中傷だけに関わらず、インターネットでは膨大な量の情報を得ることができますが、そのすべてがわたしたちの目に入るわけではありません。

フィルタリングが容易になり、見たくないものを見ないようにできます。

膨大な情報の中から、好きなように好きな分だけ手に入るようにカスタマイズすることができる、それが現実世界との大きな差ではないでしょうか。

たとえば虫が苦手な人は、虫という単語でフィルタリングすることで、虫という単語が入った情報を見ないようにすることができます。

見たくないものは見ないに越したことありませんから、便利な機能ですよね。

しかし、以前にも言いましたが、便利な反面これでは一辺倒な情報だけを偏って得てしまうことがあります。

こういった偏った考え方が原因で、炎上してしまうケースもありますよね。それだけでなく、偏った考えが原因で誹謗中傷してしまうこともあります。

フィルタリングによって作られた偏った意見は、もしかしたら間違っているものかもしれません。しかし、そのフィルタリング下では確かに支持されているもので、それが間違っているということはそのフィルタリング外の誰かに指摘されるまで気が付けないのです。

自分好みで快適にカスタマイズされたインターネットは、はだかの王様になってしまう可能性を多分に孕んでいます。

たとえば、芸能人が炎上していたとします。その人はまだあまりメジャーな人ではなく、最近知名度が上がってきた人で、炎上の理由は週刊誌による熱愛報道だったとします。

その人を詳しく知らない人は、もしかしたらその人を口汚く罵るかもしれません。中には熱愛報道とは関係ないことを持ち出して、執拗にその人を責める人もいるかもしれません。

しかし、後日熱愛報道は誤報であり、その芸能人の妹だったという真実が公表されます。

その芸能人のことを詳しく知っている人にとっては、熱愛報道が妹のことであることはすぐにわかったことであり、事実も知らないで批判している人たちは「詳しく調べもしないで勝手なことで口汚く批判する」人たちなわけです。批判していた側は、誤報を信じ、それを大声で吹聴するまるではだかの王様です。

近年では誹謗中傷や殺人予告をしたユーザーを特定し、裁判を起こす方も増えてきました。事実もしっかり確認せず、一辺倒な知識だけで人を傷つける行為は、事実を知っている人からしたらとても愚かな王様です。

先週あげた、誹謗中傷が原因で自殺してしまった女性は、炎上した後「台本ではないが、スタッフに煽られた」といった言葉を残しています。また、同番組に出ていた人もそういうところがある、後から彼女には謝罪されていた(もちろんそれは番組側からの公開はなかったため、真偽はわかりません)といったことを公表しています。

みなさんは、詳しいことを知らないまま、はじめに得た情報だけで批判していませんか?

わたしたち大衆にはどうしても真実はわかりませんし、対芸能人となると好みや偏見の混じった情報から判断するしかありません。その結果に対する責任がないからと軽く考えていませんか?

その結果が、自殺でした。本当に責任はないのでしょうか?無知は、加害者になり得ますよ。

あなたは王様です。今手に持っているその端末では、あなたの欲しい情報だけが手に入ります。そんなカスタマイズされた世界で、はだかにならないように、そして、気が付かないうちにはだかになってしまう可能性があることを、しっかり自覚しなければいけません。



本日のまとめ

インターネットで起こしたこと、起きたことは一生残ります。デジタルタトゥーとも呼ばれ、一生消えることはありません。

炎上した原因も、その後の対応も、反省も、謝罪も、開き直りもごまかしも嘘も、全部、誰かが見ています。そして、一度でまわったものは消えることはありません。

先に挙げたように、知らないからこその過ちだってあります。繰り返しになりますが、わたしたちはインターネットにおいてまだまだ子供ですから、知らないことがたくさんあります。

とくにSNSによって作られた特定のジャンルコミュニティは、「暗黙の了解」が当たり前のように横行しています。それらをすべて把握するなんて到底無理な話です。しかし、その暗黙の了解を知らなかったばかりに多くの人に批判される、なんてことがたくさん起こっています。

誤った情報で人を傷付けないように、知らなかったことで人を傷つけないように、わたしたちは少しずつでも大人になっていかなければいけません。インターネットは、公共の場ですから。

<参考サイト>

エルテス

テレワークという働き方

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

3年前と比べて働き方が変わったという方いらっしゃいますか?

日本はこの3年間で労働時間が年間116時間も減ったようです。

こんなにも労働時間が減った理由は?

①働き方改革関連法

政府が会社に罰則を与えるようになってきた為です。

従業員の時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化などで徐々に効果が出てきました。

②新型コロナウイルスが広がりテレワークが増えた為です。

会社にいるとなかなか帰れないという従業員がいるんだとか。

サラリーマンで上司が仕事をしていると部下はなかなか帰りづらい。また、部下が仕事をしていると上司は帰りづらいなど。心当たりはございませんか?

無駄な残業が無くなったということですね。

③新型コロナウイルスの影響で会社が倒産して仕事が無くなってしまった。

新型コロナウイルス関連倒産は全国に2328件判明(11月5日時点帝国データバンク情報)

業種別上位は飲食店(401件)建設・工事業(240件)食品卸(122件)ホテル・旅館(115件)など

倒産以外にも休業や時短営業など様々な影響が考えられます。

会社側として残業時間を減らし生産能力を上げ、業績アップが出来ればいいですよね。

更に社員が健康で元気に仕事をし、モチベーション高く成長し続けることが理想です。

今回は少しでも理想に近づける為、2つめのテレワークについてお伝えしていきます。



自社のテレワーク

実は弊社でもテレワークを一部取り入れています。今まで会社で行っていた仕事を自宅でしています。

実際にテレワークを実施している社員に聞いてみました。(経理女性社員)

テレワークをして良いところ

 →①集中して行うことが出来る。
  特に細かい数字のチェックをしている際には、それだけに集中する事が出来るので
  とても助かっています。(電話対応や来客対応などが無い為)  
  ②通勤時間がない分、家庭のことを実施出来る。
  子育て中なので、今までは学校へ行く子供達を送り出す事が出来ませんでしたが
  きちんと送り出したり早い時間から宿題の確認をする等の子供との時間を確保する事が出来るようになりました。

テレワークをして悪いところ
 →①社内の人とのコミニケーションが取れない。
  対話で確認をすれば、数秒で終わる事がメールでのやり取りや活字にする事で上手く伝わらない事があったりします。
  ②電話対応やFAXをする事が出来ない
  お客様からの問い合わせ電話があった場合やお客様への確認がある場合に基本的に出勤日での対応となってしまうので、対応が遅れてしまう。
  また、FAX送信ができないので必要な場合は、社内にいる人に依頼をする形になってしまう。
  ③印刷コスト
  印刷物は全て自宅のプリンタを使用しているのでインク代等のコストがかかる。

今までの仕事と変わった事
 →数回の出勤日に依頼事項が集中するようになった。
  出勤日に実施するべき事と依頼事項をいかに全て完了させるかになるので
  より集中するようになりました。

テレワークをするうえでの注意点
 →窓の近くではなく家族にも見られないようにPCを配置したり、カーテンを閉めて実施するなどのセキュリティー面に気をつけています。
  会社PCは子供が絶対に触らないように、基本的に部屋には出入りさせないようにするとともに在宅勤務中は集中するために鍵を掛けて入れないようにしています。

良い点もあれば注意しなければいけない点も出てきました。

すでに実施している方はいかがでしょうか?



テレワークの相談

小江戸光・小江戸Wi-Fi・小江戸せきゅりてぃ・小江戸えむえふぴぃなどの回線手配やパソコン周辺機器設置設定なども行っていますのでお客様からのお問い合わせが以前と比べて増えました。

どういった問い合わせが多いかといいますと、

・テレワークをしたいですが、何から始めたらいいですか?

・環境構築にいくらかかりますか?

・情報漏洩対策ってどうしたらいいですか?

・助成金は利用できますか?

などなどいろいろなご相談があります。

テレワークの方法は1つだけではありません。よって現状の把握と今後どのように業務を行いたいのか。現在仕事で使用しているソフト、データの保存方法、共有方法などパソコンの使用方法についてお聞きしています。

一番簡単なのはクラウドのデータセンターを利用する方法です。

データを会社のサーバーでもお使いのパソコンでもなくデータセンターに保存してそのデータを見にいく方法です。

データセンターの容量やアクセスするユーザー数によって月額の金額が変わるものが一般的です。金額も幅広いですが、データセンターのセキュリティがしっかりとしているかどうかも重要なポイントです。最近増えましたサブスクリプションというサービスですね。

Office365やadobeのサービスもサブスクリプションのサービスになってきています。

会社に設置してあるサーバーでソフトを動かしている場合は社内にリモートアクセスし業務を行います。

リモートアクセスとは遠隔地からネットワーク経由でコンピュータにアクセスすることです。社内に設置しているデスクトップPCやサーバーに接続することで社外でも社内にいるように仕事をすることができます。

この場合は社内のサーバーやパソコンの電源が入っていなければ接続が出来ません。

パソコンの電源を遠隔で指示し立ち上げることも機器を導入することで可能です。

また、拠点間をVPN接続して同じネットワークにする方法もあります。

毎回リモートアクセスで接続しパスワードを入れて社内のパソコンの画面を出してなど行わず自分のパソコンを社内と変わらない環境で利用が出来るので便利です。

サーバーやソフトウェアを自社で管理している場合(オンプレミス)はこのような接続方法が有効的です。

どちらも当然インターネットの接続環境が無いと構築できません。

セキュリティ対策

一番といっていいぐらいセキュリティ対策どうしたらよいのかと相談があります。

迷惑メール・フィッシングサイト・ランサムウェア等・・・

テレワークをしてもしなくてもどちらも重要なことです。

まず行うべきことは社内のセキュリティに対するルール化と社員教育だと考えます。

ルールが何もないと例えば・・・

データをUSBメモリに保存してデータが開かなくなってしまった。

USBメモリを無くしてしまった。

USBメモリを差したらウイルスに感染してしまった。

こんなことが起きてしまう可能性があります。USBメモリに重要なデータを保存していてそのデータを無くしてしまったら?その情報が第三者に渡ったら?

情報漏洩した場合は大きな問題です。

ちなみに2022年春に施行が予定されている個人情報保護法ですが、法人に対する情報漏洩時の罰金額が大幅にアップします。改正前が50万円以下だったものが、改正後は1億円以下となります。個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されますので

個人情報をUSBに入れて持ち歩いている従業員がいたら・・・怖いですね。 

USBの使用は駄目ですよと言っていても利便性から利用する社員がいるかもしれません。

そんな時はUSBポートを使用出来ないように制限をかけたり、誰がUSBを差して何のデータをコピーしたのかログを残したり管理者にメール通知したりと今ではこういったシステムを導入する会社も増えてます。

では物理的にUSBメモリや外付けハードディスクを使わないようにしたから安心とは言えません。

テレワークが増えたことでサイバー攻撃、サイバー犯罪の被害が非常に増えています。

サイバー攻撃によって個人情報や大事なデータが盗まれないように、現状の環境把握とリスク軽減に取り組む必要があります。

ランサムウェアで身代金請求が来たなんてことになったら?

情報は盗まれるだけではなく暗号化されて利用できなくなるなんてこともありますので情報を守ったりバックアップを取りましょう!最近データのバックアップは何時何処に取りましたか?

テレワークの環境構築時は見直すタイミングでもありますので最適なプランを選びましょう!



助成金

セキュリティを高めれば高めるほど費用は高くなるものです。

そこで注目されているのが助成金です。

テレワークを広める為に国や自治体などさまざまな支援があります。

厚生労働省の人材確保等支援助成金(テレワークコース)はテレワーク用通信機器の導入・運用機器が支給対象となります。最高で100万円の支給額です。知ってましたか?

以下対象機器一覧

・ネットワーク機器

・サーバ機器

・NAS機器

・セキュリティ機器

・ウェブ会議関係機器

・サテライトオフィス利用料

これから環境構築してテレワークを行うのであればこれらの利用はいかがでしょうか?

また、東京に事務所がございましたら東京しごと財団の(テレワーク促進助成金)があります。

パソコン・タブレット・クラウドサービス・ソフトウェア・機器設置設定費が対象で、こちらは助成金の上限が250万円となっています。令和3年12月24日締め切りですのでお早めに!

助成金以外にもIT導入補助金2021などもございます。

環境が変わりいろいろな支援策がでていますからこういった情報を得ることも大事ですね。



まとめ

コロナ過により働き方が大きく変わりました。

働く場所や時間だけではなく営業手法もいろいろと変わってきています。

この時代の流れについていかなければならないのです。

社内のインフラ設備の見直し改善、社員教育整えていきましょう!

ちなみに皆さんのパソコンのOSは最新バージョンにアップデートされていますか?

ウイルスソフトは最新版に更新されていますか?Adobeやjava他のソフトもバージョンが古いとそこから狙われてしまう可能性がありますのでご注意を!

情報セキュリティ相談センターでは今回のようなテレワークについてや助成金についてのご相談も受け付けております。

まずは簡単に今すぐ出来ることから始めていきましょう!



<参考サイト>

厚生労働省

公益財団法人東京しごと財団

IT補助金2021

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【2】


おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今日は何回SNSを見ましたか?そこは安全で平穏でしたでしょうか。

以前炎上のお話をしたかと思いますが、本日はその続きです。

前回:インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【1】

さて、わたしは今日、朝起きてから、支度をして家を出る前、出勤途中、休憩時間、と4回SNSを見ました。発信するのは「おはよう」や「今日寒いね」といった差し障りのないものがほとんどで、主な活用内容は好きなアーティストやアイドルの情報収集です。今日、わたしのSNSは平穏でした。

みなさんのSNSはどうでしょうか?

毎日、どこかしこで誰かの「粗」がさらされ、それを火種として炎上しています。前回も触れたように、興味のあるジャンル以外の炎上まで追っていたらキリがないほどです。

インターネットは、自分の好みに合わせてフィルターをかけ、興味のある情報だけを入手することができます。

それは効率がいいというメリットの反面、それ以外の情報が入りづらいというデメリットもあります。偏見をなくしたいと思い、様々な意見を取り入れる人はさまざまな意見を取り入れられる反面、特定の意見だけを求めている人は特定の意見しか目に入らないため、偏っていってしまいます。

どこかで炎上が起きていても、関心がなければその概要も、原因も、結果も、何も知らないまま気が付けば鎮火してしまいます。

情報のあふれた社会ですべてを追うのは無理な話です。しかし、まったく知らないままでは、同じことを繰り返しかねません。

今日皆さんのSNSは平穏でしたでしょうか。それとも不穏でしたか?

今回も、SNSを、インターネットを不穏たらしめる「炎上」のお話です。



水をかけるか油を注ぐか

まず大前提として、誹謗中傷や侮蔑、無責任な噂は人権の侵害に当たります。「してはいけないこと」であることを念頭に置いておいてください。

「人が嫌がることをしてはいけない」のは当たり前のことです。子供の時から言われていますよね。喧嘩をしたら親や先生が止めますし、言ってはいけないことを言ったら注意されました。そうして自然と、してはいけないことといいことの区別が身について大人になっていきます。

それは、インターネットでも同じです。

インターネットでは、毎日のように炎上が起きていますがその要因は様々です。

前回紹介したような、本人たちが思いもよらないところの配慮の足りなさや失言が原因であったり、あるいは不道徳的、不適切な行為を咎められたり。

さらに、炎上した後の対応によってさらに炎上することがあります。

最近では、お笑い芸人が選挙特番での発言が指摘されて炎上していました。

無礼、失礼に値する発言が注目され、「テレビに出すな」といったハッシュタグができるほどの炎上になり、その後出演した別の番組で反省の態度を見せていました。

しかし、今回気になるのはその芸人の奥さんおよび所属事務所の社長の炎上です。

なぜ炎上したのでしょうか?

今回の炎上を受け、奥さんはツイッターで反論とも取れるツイートを投稿しました。その反論、あるいは擁護ツイートはすこしでも芸人の炎上を庇い、抑えるためのツイートだったわけですが、まったくの逆効果になってしまいます。

「開き直り」や「礼節がないことをしょうがないで事務所が許すべきではない」といった批判が殺到しました。

そして、翌日奥さんはこれら一連のツイートが「乗っ取られたもの」だと投稿し、さらに炎上へとつながりました。

その真偽はわたしたちにはわかりませんが、批判していた、炎上させていた側からすれば、「なかったこと」にしたかったと見えてもおかしくありません。それが火に油でした。

炎上はなかなか収まる気配がなく、奥さんが水をかけて収めようとした行為は、結果として火に油を注ぐことになってしまいました。

該当ツイートは消され、火種となった選挙特番から日数が経った今でも、奥さんが何かを投稿すると乗っ取られたことや擁護について言及するコメントが付きます。

その中には、まっとうな意見や指摘だけでなく、今回の件には関係のない根も葉もないうわさや、心無い暴言が含まれています。それはもう、火種である芸人の無礼や失言に関係なく、ただ執拗に攻撃を繰り返すことが目的になっています。

そういった、SNSで娯楽的に攻撃を繰り返す人がいるからこそ、炎上は繰り返されています。



誹謗中傷と炎上の目的

では、誹謗中傷や炎上がどんな結果を招くのでしょうか?

1年前、恋愛リアリティ番組に出演していたプロレスラーの女性が自殺するという事件が起きました。覚えていますでしょうか?

当時相当話題になりましたから、鮮明に覚えている方も多いのではないでしょうか?

彼女が出演していたリアリティ番組は、男女がシェアハウスをする様子を観察する番組で、「台本がない」ことが売りでした。台本がないということは、どんなことがおきてもそれは出演者の性格や本質というわけです。

女性が炎上したのは、この番組内で起きたとある事件が原因でした。

大事なコスチュームを他の出演者の男性が誤って洗濯してしまい、それに怒った女性がその男性の帽子をはたきおとし、番組は険悪なムードになります。

視聴者は、この回がオンエアされるとすぐにその女性に対して厳しいコメントをつけるようになります。

たとえば、「プロレスラーが手を出しちゃいけない」や「洗濯機に放置していた方も悪い」といった意見です。こういった批判や意見にはわたしにも同感できる部分がありましたし、多少注意されても仕方がないことというのは、この件に関わらずあることです。しかし、中には口汚く罵ったり、暴言、あるいは「死ね」や「消えろ」といったコメントもありました。

日常生活で「死ね」や「消えろ」といった言葉を残すとき、それは明確に相手を傷つけるためではないでしょうか。

たとえインターネット上であろうと、それは変わりません。しかし、インターネットの「匿名」という性質は、現実世界よりもずっと簡単に、バレずに相手を攻撃できるようになってしまいます。

当たり前のことですが、匿名なら傷つけてもいいわけではまったくありませんが、やっぱり心理的にも名前がバレている状態よりずっと攻撃しやすいのです。

この事件の後、番組はもちろん女性のSNSは剣呑な雰囲気になりますが、リアリティ番組はこういった雰囲気こそが醍醐味であり、オンエアのさらに後日、追い打ちのように女性が「相手の男性が100%悪い」と言っているシーンが公開されると、すでにかなりの勢いで誹謗中傷を受けていたSNSはさらに悪い意味で盛り上がります。

そして、女性は自身のSNSで「消えられるもんなら消えたい」「さようなら」といった言葉を残して自殺してしまいます。

消えろ、死ねなどの言葉を匿名で、安全地帯から投げかけていた人たちは、本当にこの結果を求めていたのでしょうか?

軽い気持ちで、それこそ軽口のように死ね、消えろと言っていた人が大半ではないでしょうか。現実世界でも、軽口のようにこの言葉を使う若者はたくさんいます。実際死んでほしいわけでも、消えてほしいわけでもありませんよね。

でも、その結果が自殺でした。

先程、娯楽的に攻撃を繰り返すと言いましたが、娯楽とまではいかなくても、ムカついた気持ちを誰かにぶつける、といった意味を込めて誹謗中傷をしていた人はきっといます。それが死に追いやるとは思ってもみなかったのではないでしょうか。


本日のまとめ

誹謗中傷が原因で自ら命を絶った方はこの女性だけではありません。その原因がリアリティ番組なのも、世界を見れば彼女だけではありません。

数年前、日本でも活躍していたK-popアイドルの自殺も話題になりました。

その数日前に、その友人の女優も自殺しています。どちらも誹謗中傷に悩んでいました。

言葉はナイフとはよくいったものです。

テレビに出る彼女たちにとって消費者であるわたしたちは、片手で、指一本で簡単に傷つけることができてしまいます。

誰だって、たくさんの応援よりもひとつの誹謗中傷が気になってしまうものです。

インターネットだから、匿名だからといって、人を傷つけていいわけではありません。当たり前のことです。

インターネットは、公共の場です。匿名だろうと、そこにいるのはもうひとりのあなたです。

軽い気持ちで、加害者にならないように気を付けなければいけませんね。

次回は炎上のその後についてのお話です。



<参考サイト>

総務省

Society5.0って?わたしたちのこれまでとこれから

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

突然ですが、IT社会ってなんでしょうか。

そもそもITってなにかご存じですか?

ゲーム?インターネット?ネットワーク?

「パソコンやインターネットを使って調べること」「ツイッターやインスタグラム等SNS」「パソコンやインターネット、技術を教えてくれる先生のようなもの」「様々なことを簡単に、生活を豊かにするもの」

これらは、実際に「ITってなんだと思いますか?」と聞いた際の回答です。小学生を相手に答えることを想定して答えていただきました。

これらのどれもがITに当たりますが、具体的な定義を問われると少し難しいですよね。

ITとは「Information Technology」の略で、最近はさらに「Communication」も入れてICTなんて言います。

直訳すれば「情報技術」、「情報通信技術」ですが、では「情報技術」「情報通信技術」ってなんでしょうか。

わたしにとってインターネットは当たり前に享受できる技術です。さまざまなものがインターネットに接続し、それが自然な世の中です。「デジタルネイチャー」と称するそうです。

まさにそうですよね。インターネットは自然に、そこにあるものとなっています。

どこにいても、わたしたちはインターネットに囲まれています。それが情報社会、IT社会と呼ばれています。

そんな情報社会を「Society4.0」と呼ぶそうです。そして今、日本は新しい社会、「Society5.0」に向かっています。

本日は、デジタルネイチャーな世界で目指されるSociety5.0と、これまでの1.0~4.0についてのお話です。



Society1.0~4.0

では、Society1.0~4.0とはどんな社会なのでしょうか?

内閣府は、1.0を狩猟社会、2.0を農耕社会、3.0を工業社会、4.0を情報社会とし、この順番で社会は発展し続いてきたとしています。

農耕が始まる前の原始的な時代、狩猟や採集で生活するのが普通なSociety1.0と比べ、世の中はずいぶんと発展しましたよね。

ITの技術が発展し、とても便利な世の中です。先に挙げたように、IT社会はパソコンやインターネットを使用して様々なことが知れますし、それを教えてくれる存在でもあり、そして生活を豊かにします。しかしそれでもまだ課題は山積みです。

少子高齢化、金銭的・地域的格差、技術発展にかかるコスト、これだけではありません。経済発展の裏で、多くの問題が叫ばれています。

また、便利な情報社会と言ってもまだまだ想像するスーパーシティ・スマートシティには程遠いのです。知識・情報の共有、連携が不十分であったり、地域課題や高齢者のニーズに対応しきれなかったり、年齢や障害による労働・行動の制約や、情報の探索・分析にリテラシーや能力が必要であったりと、「かゆいところに手が届かない」ことがままあります。

そんな社会を、より便利に、より快適にするために日本が目指すべき姿として第5期科学技術基本計画にて提唱されたのが「Society5.0」です。



Society5.0ってどんな世界?

では、Society5.0ってどんな社会なのでしょうか?

内閣府は、Society5.0を「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(実現空間)を行動に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義しています。

先ほどあげた、Society4.0という発達した情報社会でもなお言われる様々な問題・課題を、最新技術を活用して克服し、社会の変革を通じて日本が目指すべき未来社会の姿として提唱されたのが「Society5.0」です。

モノのインターネット「IoT」はさらに広がり、知識や情報は横断的に活用されて地域の課題を解決する、そんな近未来的構想です。

これまでの社会では、経済や技術が発展すればするほどに、取り残されてしまった人々や解決できなかった手間が見ないふりをされていました。

ITをはじめとした多くの技術が発達し、昔と比べてずっと便利で近未来的になったとはいえ、それでも社会的課題は解決しておらず、経済発展と問題解決が両立できていないこの現状を、Society5.0はどのように解決するのでしょうか?

冒頭で言ったように、ITとは「パソコンやインターネットを使ってものを調べること」でもありますが、では、たとえばインターネットで何かを調べるとします。

検索結果にはたくさんの関連ページが並びますよね。それこそ膨大な、数えきれないほどの情報がそこには詰まっているわけですが、それは本当の情報でしょうか?

その情報が本当であるか、嘘なのかを見分けるリテラシーが必要不可欠です。日常的にインターネットに触れている世代は、感覚でその区別をつけることがある程度可能ですが、それが難しい世代は文字通り取り残されてしまいます。

フィジカル空間からサイバー空間への接続、あるいはその逆やサイバー空間を通したフィジカル空間からフィジカル空間への接続は、今や当たり前の技術です。しかし、接続し、得たものを正しく活用できるかは別の話になります。どんなに便利になったとしても、活用できなければ意味がありません。

Society5.0の目指す社会は、簡単に言ってしまえばそんな活用が難しい高齢者や、あるいは若年層、全世代も含めみんなが「検索」し正しく「活用」する社会です。従来、「検索」と「活用」の間に含まれていた「判断」が省略されます。

フィジカル空間とサイバー空間が融合し、一体化していると言ってもなかなか想像するのは難しいですが、しかし実際、現代でもすでにわたしたちはサイバー空間とともに生活しています。だってもう、インターネットがない世界なんて考えられないですよね。わたしたちはすでに、無意識のうちにサイバー空間とフィジカル空間を接続することが当たり前になっています。

しかしその無意識の中には、まだ「判断」の過程が含まれています。

生活とインターネットが密接に存在することによって、先ほど挙げた「判断」の例だけでなく、多くの社会問題を解決し、かつ経済発展を両立させること、それが日本が目指すべき未来なのです。



本日のまとめ

とはいえ、今はまだ4.0なのが現実です。「Society5.0」という言葉すら知らない人がたくさんいるのではないでしょうか?

IT技術、IoTであふれた便利なこの社会ですが、その反面、2025年問題をはじめとした、地域格差や年齢格差、情報格差といった問題は加速しています。

ITは生活を豊かにするものです。わからないことを調べ、世界中の人と人を繋げます。自然と、そこにあるものです。

みなさんにとってはどうでしょうか。もう十分すぎるほど便利ですか?それともまだ足りないでしょうか。

今、技術はあっという間に進化していきます。5.0を掲げたのですから、いつまでも4.0でいるわけにはいきません。少しずつ、フィジカル空間とサイバー空間は溶け込んでいかなければいけませんし、わたしたちはそれに慣れていかなければならないのです。そしてまた、ITに疎い世代も取り残すことなく融合させなければいけません。

今の生活をもっと便利に、もっと快適に、日本は4.0からまず、4.1へと前進しています。

この数字が増えていくのが、日本が前進していくのが楽しみですね。

<参考サイト>

内閣府WEBサイト

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【1】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

以前、SNSのマナーについて取り上げたことがあるかと思います。読んでいただけましたでしょうか?

「無断転載に情報流出!SNSのマナー、大丈夫?」

便利で手軽に好きなことに関する情報を見ることができ、好きな芸能人や有名人の日常が覗けたり、あるいは友達と交流をしたりと、現代においてSNSは若者を中心に当たり前のコミュニケーションツールとなっています。

わたしももう長いこと利用していますし、インターネット上で知り合った友達もたくさんいます。

人と交流するだけでなく、動画を撮ってその広告で収入を得るといったSNSを利用した職業も当たり前になりつつありますよね。

インターネットが当たり前になり、そこでのコミュニケーションが当たり前になってくれば、トラブルもインターネット上で起こるようになってしまうのは必然です。人と人ですからね、トラブルが起きてしまうのは仕方がないです。

たしかに便利で、必要不可欠であるインターネットですが、その匿名性も手伝い、多くのトラブルが日夜発生しています。

みなさんは、いくらサイバー空間とはいえ、ほとんどの人が自由に出入りしている空間であることをきちんと認識していますか?

今やもうインターネットは立派な公共の空間なのです。

今年上映された細田守監督「竜とそばかすの姫」では、インターネット上の仮想世界「U」を「もうひとつの現実」と称していました。

しかし、そんな公共の場で毎日のように人を傷付ける行為が繰り返されています。その行為は主に「誹謗中傷」と呼ばれ、当たり前のようにインターネット上に多発しています。

なんとなく気に入らない有名人や芸能人、あるいは学校の友達や先生、作品の表現や、その人の態度や発言、そういった文句や悪口を公共の場に吐き出している人がたくさんいるんじゃないでしょうか?

みんな悪気があるわけじゃありませんし、自分が悪口や文句を言っているという自覚もない人が多いと思います。それほどまでに、インターネットというものはわたしたちの日常に溶け込んでいます。

では、あなたのそんな何気ない文句や悪口、あるいは意見など、それが誰かを傷つけるかもしれないと考えたことはありますか?

先ほども言いましたが、インターネットはもう「公共の場」です。その場でなにかしらの言葉を残すことには、多くのリスクが伴います。

今回より、今後数回に分けて「SNS及びインターネットで人を傷つけるということ」をテーマにいろいろとお話しできたらと思います。



インターネット上における炎上

「炎上」という言葉の意味をご存じですか?炎が燃え上がることじゃありませんよ。ネット用語の「炎上」のことです

スマートフォンおよびSNSの普及によって、芸能人の発言が身近になった現代、炎上は至るところで見かけるようになりました。

毎日誰かの発言や行動が炎上していますが、しかしそれが日常になりすぎてしまっています。

自分が興味のあること以外の炎上のことなんてもう気にしていたらキリがないほどです。

芸能人だけではありません、企業の広告やアーティストのMVでの表現など、今は様々なものに「コメント」をつけることが可能になっています。

たとえば漫画にコメントをつける場合、従来であればファンレターという形で作者に郵送する必要がありましたが、今はどうでしょうか?

ファンレターだけでなく、漫画を掲載しているアプリ、作者が運営しているSNS、さまざまな方法で「簡単」に「匿名」でコメントが残せます。

ファンレターを送るよりよっぽど簡単ですよね。家で、スマートフォンで、ほんの数秒で感想が送れます。

作者も、簡単にタイムリーな感想を見ることができますし、まったく便利な世の中です。

その一方で、とてもタイムリーに、そしてダイレクトに批判を送ることもとても簡単になってしまいました。

なにか間違ったことをすれば、すぐにコメント欄が批判の声で「荒らされ」ます。

もちろん、間違ったことはした方が悪いですが、往々にして炎上というものは炎上した側の意図しないところで起き、また、原因と炎の大きさが釣り合わないことがあるものです。

なかには、好きな芸能人の軽はずみな発言に対し、謝罪や訂正がほしいという気持ちで注意をする人もいれば、ただただみんなと一緒になって特定人物を攻撃したい、といった動機で、まるでストレス発散のように批判や暴言を繰り返す人だっています。

繰り返しになりますが、インターネットは基本的に匿名ですから、感想と同じように批判や暴言を言うのもとても簡単で手軽なのです。

だからこそ、炎上はあちこちで起き、そして全体に認識されないまま鎮火され、別の人が同じ過ちを繰り返す、といったことが起きてしまっています。

インターネットという公共の場にいる限り、わたしたちは常に炎上の危機にさらされていますし、それはつまり誰かを傷つけ、傷つけられる可能性があるということです。

では一体どういったことが問題視され、炎上へとつながるのでしょうか?



無自覚な暴力

炎上と言っても様々です。炎上した側が明らかに悪かったり、逆に勘違いや悪意から炎上させられてしまった場合もあります。媒体も、SNSでの発言だけでなく、テレビ番組での発言や態度、ミュージックビデオでの表現と様々ですよね。

最近でいえば、コロンビアのシンガーソングライターJ・バルヴィンさんがYouTubeにあげた曲のMVが問題視され、MVを削除するまでの炎上になりました。

黒人女性に手綱を付け、まるで犬のように連れて歩くシーンが問題視され、批判が殺到しました。

近年は、人種や性別の解釈による炎上が多く見られます。

タイツやストッキング、インナーウェアのメーカーATSUGIも数年前、イラストレーターとコラボした企画が女性を性的に見ているとして大きく炎上しましたよね。

センシティブな内容を取り上げること、それはもちろん火種になりかねませんし、覚悟と配慮をもって行わなければいけません。しかし、上で取り上げた2点は、発表時点ではセンシティブであるという自覚がなかったのではないでしょうか?

今回、MVを監督したライミ・パウラスさんはこの炎上に対し、「アートは美とポジティブさのみを伝える手段ではありません」とコメントし、コラボしたトキーシャさんも「アートは表現」と発言しています。

たしかにアートは自由なものです。きっと、このMVの発表がもう10年早ければ、ここまで大きな騒ぎにはならなかったかもしれません。

しかし、その一方で彼女は「傷ついたと感じる人がいたなら本当にごめんなさい」と謝罪しています。

インターネットという公共の場で、明確に誰かが傷つく行為をしたからこそ炎上したのです。しかしその本人たちには、炎上するまでその自覚がありませんでした。それこそが問題だったのではないでしょうか。


本日のまとめ

炎上事件というものは、毎日起こっているといっても過言ではありません。

そのほとんどが、発信者の自覚なく起きています。

不適切な動画や悪ふざけを面白おかしく投稿してしまった若者が「バカッター」と呼ばれ炎上した際も、彼らはきっと炎上するなんて微塵も思っていなかったでしょう。

ただ、面白いことを共有しようとしただけなのです。

J・バルヴィンさんも、ATSUGIも、はじめは消費者やファンに楽しんでもらいたいという気持ちで発信していたはずです。結果として、不快感を覚えたり傷ついた人が出てしまい、ここまでの炎上に至りました。

もちろん中には、悪意をもって傷つけることを発信し、それが炎上することだってたくさんあります。しかしその一方で、意図しないことが人を傷つけることだってあります。

それはもちろんインターネットだけではありません。「人が嫌がることをしてはいけない」と、わたしたちは小さな時から言われ続けています。

それがわたしたちが意図しないことだったとしても、です。

冒頭でも言いました、インターネットはもう公共の場なのです。

匿名ですから、普段は言えないようなことを言っている人だっているかと思います。

わたしだって、疲れているときや嫌なことがあれば、なんともなしにSNSに吐き出してしまうことがあります。

それでも、だれか見ているかわかりません。誰が傷つくかわかりません。

いつでも、見えない「誰か」のことを思ってSNSを使用しなければ、無自覚のうちに「加害者」になってしまうことがあります。

加害者にならないように、そして被害者にもならないように、全員が、常に「誰か」のことを考えてSNSを利用していかなければいけません。

現実世界だって、そうですからね。

次回は炎上「させた」側についてお話しする予定です。



<参考サイト>

産経新聞

Yahooニュース

これもあれも?モノのインターネット時代!

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

IoTという言葉をご存じでしょうか?最近よく耳にする言葉ですよね。

「Internet of Thing」の頭文字をとって「IoT」、「モノのインターネット」と訳されます。

家電をはじめ、いまや様々なものがインターネットに接続され、そのサービスを広げています。

その歴史は古く、はじめて「IoT」という言葉が用いられたのは1999年だそうです。

とはいえ当時ではそれを便利に活用するだけの技術が伴わず、現代のように広がることはありませんでした。

それが広がり始めたのは2012年、第四次産業革命からです。

インターネットでモノとモノをつなぎ、そしてデータをやり取りする、わたしたちが普段PCやスマートフォンで当たり前のように行っていることですが、最初は製造業で利用することを想定した取り組みでした。

製造ラインの機械化、効率化が進み、センサーや温度・振動の感知システムの導入によってデータを集め、そのデータからさらに効率化を求める…こうしたループが繰り返されることで、技術は発展しています。

産業革命から始まった技術の発展は、製造業だけにとどまらず、現代ではあらゆるビジネスシーンで活躍しています。

ビジネスシーンだけではありません。身近なあらゆるものがインターネットに繋がり、生活を豊かにしています。

IoTという言葉を知らないまま、IoTを利用している人がたくさんいるのです。

本日はそんな、身近なIoTを紹介いたします。こんなものも?!なんてのもありますよ~!



IoT家電でスマートな生活を

身近なIoTといえば、やはり家電ではないでしょうか?

初めにスマートフォンをリモコン代わりに活用するIoTをご紹介します。

まず面白いと思ったのは「マイクロボット・プッシュ」という超小型ロボット。

押しボタンの上に設置すれば、スマートフォンを利用して遠隔から操作できるというもの。

仕組みはいたって単純で、スマートフォンで指示を出せばそのロボットが物理的な力でボタンを押してくれるというもの。アナログ的な仕組みではありますが、たったそれだけで些細なことがスマートになります。

電気を消し忘れたまま外出してしまうことが多い、家に着いたときには部屋が温まっていてほしい、そんな人にはもちろん、それだけではなく、足が不自由だったり、動くのが簡単ではない、そういった人が、手元のスマートフォンひとつで操作できるんですからとっても便利ですよね。

他にも、電球型の「stac」なんてものも。

こちらは電球型の本体に、利用者が必要だと思うモジュールを取り付けてまとめてスマートフォンで操作するというもの。

テレビのリモコン、エアコンのリモコン、電気のリモコン、何かとなくしがちな家電のリモコン。机の上に並べておけば、わざわざ移動してON/OFFする必要もなくて便利なんですが、なんかどっか行ってしまうんですよね。しかも思いもよらないところに置いちゃって、なかなか見つからなかったりするものですから困っちゃいます。

そんななくなりがちなリモコンが全部一つになり、なおかつスマートフォンで操作できたらとっても便利じゃないですか?

QoLもIoTにおまかせ

「ルンバ」の名前でおなじみのお掃除ロボットが話題になってからもうずいぶんと経ちます。以降、様々なロボット掃除機が発売されています。

最近のものはすごいですよね、段差にも強く、障害物も勝手に避け、学習能力もあります。もちろん掃除もばっちりです。

OK!Google!やAlexa!と話しかけるだけで勝手にお掃除してくれるんだから、とっても便利です。例えば夕飯の準備中に、声をかけるだけで掃除と料理がいっぺんにできてしまうんです。

家が広ければ広いほど、掃除機をかけるのは時間がかかります。時間がかかる毎日の掃除が、声をかけるだけで済んでしまうんです。その時間に何をしますか?散歩なんかにも行けちゃいます。

時間の有効活用、効率化というのもIoTの強みです。

さて、ルンバはもうおなじみのIoT家電ですが、便利で快適な生活をもたらすIoT製品はまだまだありますよ。

家電メーカーのシャープはAIとIoTを組み合わせた「AIoT」で、新たな家族として成長し、寄り添うサービス「COCORO+」を広げています。

AIを組み込むことで「スマートフォンで操作できる便利」のさらに上、ユーザーによる操作がなくとも良い状態を目指しています。

例えば、気象情報で先回り運転をするエアコン。住んでいる地域の空気の状況や天気から、最適な環境を先回りで用意します。午後になって気温が上がってきたら勝手に温度を調整してくれますから、電気代の節約にもつながります。

もちろん、先述したようなスマートフォンでの操作も可能で、その操作に基づいて人工知能が学習していきます。

さらに、このエアコンと連携し、自動に加湿を開始する空気清浄機なんかも。

こちらは明るさセンサーが内蔵されており、長時間暗闇が続くと睡眠中と判断し、エアコンを睡眠中に適した設定に操作するそうです。うーん、便利。

便利というより、「わたしたちの操作・干渉を求めないこと」がシャープの目指すIoTだそうです。

わたしたちの意思を介さず快適な場になる家、とても近未来的ですが、その近未来はもうすぐそこに来ているのです。

こんなものもIoT?

さて、身近な家電に導入されたIoTをご紹介しましたが、まだまだ面白いものがたくさんあります。

全国2冠を今年達成した星稜中学校野球部はトレーニングにIoT機器を取り入れているそうです。

「テクニカルピッチ」というセンサー内蔵のボールで、ボールを投げると球速や回転数、回転軸などが記録されるというもの。

もちろん重さや大きさは公式で利用されるものと同じに設計されていますから、実践と同じように投げられます。

これまで紹介したIoTは生活に寄り添うものでしたが、スポーツの世界もIoTでどんどん変わっていきます。

「テクニカルピッチ」のHPのトップ画面には「IoTボールが野球を変える」と大きく書かれています。

生活だけではありません、スポーツだって、娯楽だって、趣味だって、IoTでその質は上がっていくのです。


本日のまとめ

いかがでしたでしょうか?身近ですでに導入されている方もいらっしゃるかもしれませんが、世の中はどんどんIoTを取り入れ、便利に快適になっています。

生活だけではありません、紹介したようにスポーツだって、あるいは娯楽や趣味にだって、IoTが取り入れられています。

数千円のドローンをスマートフォンに接続して、お手軽に空からの動画が取れてしまうんです。数年前までは突拍子もないような、突飛なアイデアが、あっという間に現実になる、そんな世界です。

以前にも取り上げました、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」のです。

ボールを投げただけでその情報が確認できるなんて、なんとなくみんな、「できたらいいな」って思っていたと思います。外出先から消し忘れた家の電気消せたらな~って、みんな何度も思いましたよね。

気が付けば、現実になっていました。

ただでさえ急速に快適で便利になっている生活は、まだまだずっと便利で快適で、そして面白いものになっていきます。

これから生まれてくるたくさんのアイデアが楽しみになりますね。



<参考サイト>

CORE CONCEPT

SSK technical pitch

stak

+STYLE

価格.COMマガジン

SHARP COCORO+

CEATEC AWARD 2021 アジア最大規模のイノベーション展示会

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今年本国で開催された東京オリンピック2020は、ほとんどの競技が無観客開催でした。

新型コロナウイルスの感染拡大による1年の延期や無観客開催と、前代未聞の大会となりました。

オリンピックだけではありません。ライブも、コンサートも、イベントも、あらゆることが制限されるようになってからもうすぐ2年が経ちます。

家でテレビを前に応援しているわたしたちの声は、リアルタイムで選手たちに届くことはありません。静まり返った競技場は、普段熱気と声援に包まれている選手たちにとってひどく味気ないものだったかもしれません。

彼らはトップアスリートですから、応援の有無に関わらず練習を重ねてきていますが、しかしそれはそれとして応援というものは大きなパワーになります。

わたしも学生時代に長いことスポーツをしていましたからそのパワーがよくわかります。

スポーツ観戦が好きな人たちも、そのスポーツや選手の活躍はさることながら、会場の雰囲気が好きという方も多いのではないでしょうか?仕方がないとはいえ、なんとも寂しいですよね。

現在どうしても抑制されがちなコロナ禍での娯楽ですが、そんな中で少しでも楽しむための工夫がなされています。

10月19日~22日、IT技術とエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC」が開催されました。昨年同様にオンラインで開催されたこの展示会の「CEATEC AWARD」グランプリのひとつに、そんな抑制されてしまった娯楽を楽しむためのものが選ばれていました。

CEATEC AWARDとは、学術的・技術的観点・市場性や将来性等の視点から、イノベーション性が高く優れている、と判断されたものを表彰するものです。

本年はやはりウィズコロナDXを意識したものが多かったですね。

本日は「CEATEC AWARD」の中から、何点かピックアップしてご紹介します。

DXでオンライン応援

冒頭でお話ししたのは、ニューノーマル社会への提案・競争カテゴリー、デジタルトランスフォーメーションDX部門グランプリの、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」です。

こういったコロナの環境下、あるいは別の様々な理由で現場に行けないスポーツファンが、オンライン上でリアルタイムに選手を応援するプロジェクトで、Jリーグやプロ野球などと共創しながら、新しい応援の文化を創出しています。

スポーツの中継はなにも珍しいことではありませんが、この「Remote Cheerer」は従来の「現地に行って応援する」か「中継で見る」といったスタンダードな2種類のスポーツ観戦の、新しいかたちを実現します。

いうなれば「オンライン応援」でしょうか?オンライン観戦といえば今まで通りですが、こちらは応援付きです。

スマホをタップしたり振ったりすることで、現地に設置されたスピーカーから声援や拍手が流れるのです。システムはいたってシンプル。シンプルですが、とても「今っぽい」ですよね。

アイドルオーディションやミスコン等で近年利用される配信ツールでも、ファンはスタンプやプレゼントで画面を華やかにすることで応援の意を表すことができます。かたちのないものを可視化することで、モチベーションの向上に繋がります。

スポーツだって同じです。たとえ無観客でも、スピーカーから音がすることで「応援されている」ことを可視化します。(見えてはいないですが)

他にも、トークルームやチャットルーム機能で同じ試合を見ている人と交流するといった、SNSに近しい機能もあり、ひとりではなくみんなで応援する「現地観戦」に近いものを体感できます。

隣のシートの見知らぬサポーターと盛り上がる…といった、現地ならではの楽しみに近い楽しみ方もできそうです。



量子暗号で理論上最強のセキュリティ

莫大な情報であふれ、それが資産となる現代社会において、重要とされるのはその情報の活用の仕方です。あるだけの情報は何の役にも立ちません。情報の分析、活用、共有、それが現代社会での戦い方です。では、その情報はどうやって守りますか?

オープンカテゴリー、ソリューション部門では「東芝の量子暗号通信で安全なオンライン社会を実現」が、“理論上”突破されないセキュリティ要素として準グランプリを受賞しました。

詳しく話すととても難しい話になるのですが、光の粒子がなにかに触れると、必ず状態が変化するという量子力学的な性質を利用した暗号鍵の技術です。

なんで理論上証明されているのかというのはいまここで解説しませんが、ざっくり言えば、鍵の情報が変化している場合は「なにかに触れられた」可能性が高いため、危険だから使わないようにする…ということです。

………わかりますか?難しいですよね。まぁ、極端な話、家のカギに知らない人の指紋が付いたら鍵を変えようね、みたいな感じです。

この情報社会、そしてIoTの時代に、データ通信の安全性はますます重要視されています。

現状理論上安全が保障されているこの量子暗号技術は、まだまだ通信速度や距離といった制限、そして技術の進化による「セキュリティ突破」の懸念等、問題もありますが、しかしそれでも、現段階では大いに期待できる技術です。

次々と新しい技術、そして進化が繰り返される現代です。制限や懸念を拭い取り、超スマート社会へ向かうこの世界の、セキュリティ業界を牽引するのもそう遠い話じゃないかもしれません。

スーパーでスマートな未来都市へ

少子高齢化、インフラ老朽化といった地域課題に直面する中で、「スーパーシティ・スマートシティ」の取り組みが広がっています。スーパーシティとは、最先端の技術で地域課題を解決し、快適で便利な未来都市の実現を目指す構想のことをいいます。

ニューノーマル社会を先導するスーパーシティ/スマートシティの実現に向け、社会と暮らしの全般における先進的サービスやデータ連携・活用などが求められている今、ニューノーマル社会への提案・共創カテゴリースーパーシティ/スマートシティ部門でグランプリを受賞したのが「NECが目指す未来のまち ~スーパーシティ~」です。

防災、観光、医療福祉といった、複数の分野にまたがる地域の課題に対して横断的にサービス・データを流通させるクラウドサービス「NEC都市OS」をベースに、容易かつシームレスにスーパーシティへと取り込むこの構想は、総務大臣賞も同時に受賞しています。

防災面ではAIを利用した防災予測、被害情報などで、逃げ遅れゼロを目指し、観光面ではこのコロナ禍でも安心・安全に快適な旅を提供します。世界ナンバーワン精度の顔認証や混雑度検知や群衆行動解析を組み合わせ、地域活性を実現します。

開発コストの低減、地域の特性やニーズに合わせたシステム構成、そして現代求められているスーパーシティに即した点が評価され、グランプリとなりました。

想像にとどまらないNECが目指す未来のまち、どんな人も安心して生き生きと暮らし続けられるまちは、もうきっとすぐそこにあるのではないでしょうか。

本日のまとめ

いかがでしたでしょうか?

CEATECオンライン、実際にわたしも入場させて頂きました。むずかしい話が多くはじめはしり込みしましたが、知れば知るほど面白く期待に胸が高まるものばかりです。

オンラインになったことで、参加が容易になったのもわたしにとってはうれしいポイントでした。

ニューノーマルな社会はすでにもう始まっています。最新テクノロジーの上に成り立っているわたしたちの生活の、新しい一歩のそのつま先を体験できたいい機会になりました。

オンラインでも応援をリアルに届ける、理論上最強のセキュリティ、そしてスーパーでスマートな未来都市。

他にも、たくさんの技術が、開発が、今繰り広げられています。これからのわたしたちの未来は、きっとスーパーでスマートへとどんどん近づいていくのでしょう。



<参考サイト>

CEATEC2021 webサイト

SOUND UD webサイト

NEC webサイト

無断転載に情報流出!SNSのマナー、大丈夫?

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

みなさま、SNS使っていますでしょうか?

LINEとか、Instagramとか、ツイッターとか…。ソーシャルネットワーキングサービスの略称を、SNSと言います。

電車に乗っているとき、仕事の合間、寝る前、そんなすこしの空いた時間についつい見てしまいますよね。わたしもよく利用します。とくに寝る前なんかは、少しだけ見るつもりが、気が付いたら時間が過ぎていて…なんてことがよくあります。きっとわたしだけじゃないはずです。

日本では、「mixi」や「GREE」などがサービスを開始した2004年ごろが黎明期でしょうか。

mixi、懐かしいですね。普段は知り合うことのない違う学校の子や先輩と、気軽にコミュニケーションを取ることができる貴重なツールでした。

さて、SNSが登場してから15年以上が経ちます。SNSはプライベートだけでなく、ビジネスシーンでも使われることが増えましたよね。ツイッターの企業アカウントが話題を集めるなんてこともよくあり、今やSNSは企業の「アピールの場」になっています。

無料でだれでも利用することができるので、多くの人に見てもらうことが可能な、そんなアピールの場ですが、逆に言えばなにか「やらかし」てしまえばまたたく間に多くの人の目に入り、「炎上」する可能性を多分に秘めています。

そんなことにならないように、本日はSNSのマナーを改めておさらいです。

当たり前のことですが、再度確認しましょうね。

 

迂闊な個人情報

初歩的な話になりますが、まずもっとも気を付けなければいけないのが個人情報の扱いです。

「学校用アカウント」といった見知った友人と交流するアカウントもあれば、そのほとんどが会ったことのない趣味の合う人たちと交流するアカウントなど、いくつかのアカウントを使い分けている人も少なくないかと思います。

前者の場合、本名はもう知っている人と交流することがほとんどですし、Facebookなどは本名で登録しますから、「本名を言ってはいけないことはわかってるけどいまさら…」なんて考えていませんか?

後者のようなアカウントはもちろん、前者のようなアカウントも、本名含めて個人情報を安易に記載してはいけません。

SNSは直接的な1対1のやり取りではないぶん気軽です。

たとえば、「誰か〇日どこどこに遊びに行かない?」となんともなしに投稿したとします。仲の良い友人がそれに反応し、「じゃあ〇日何時にどこ集合ね」なんて、そのままSNS上で約束をする…。ここまで具体的なこともそうないでしょうが、でもあり得る話ですよね。実際、わたしも朝学校に一緒に行く約束をSNS上でしたことがあります。

しかし、そんななんでもないような会話が何か事件になってしまうかもしれません。どこに誰が何時にいるかが明らかになっているんです。

何時にどこにいたという情報、投稿している写真、家族構成や話している内容、そんな情報だけでも、個人は特定されかねません。

「文化祭に有名人が来る」とか、「母校が有名人と同じ」だとか、調べたらすぐにわかってしまいます。

人気YouTuberの家にファンが押し掛けてきたなんて話もよく聞きますよね。

たとえ一般人のプライベートなアカウントだろうと、だれがどこで見ているかわかりませんよ。

発言はもちろん、投稿する写真にも気を使わなければいけません。

「近所にかわいい猫がいた」といって野良猫を撮った写真に、町名の書かれた張り紙や電柱が写り込んでいたり、夜ご飯の写真の隅に個人情報の書かれた書類が映り込んでいたり…。ちゃんと気を付けていますか?

少し前、趣味の話で仲良くなった人(もちろん一般人でした)が失言で炎上したことがあります。その人の発言は看過できるものではありませんでしたが、その際、数か月前に投稿した段ボールの写った写真から住所が特定され、さらに学校も特定される騒ぎにまでなりました。

その人がアカウントを消したことで騒ぎは収まりましたが、その件には全く関与していなかったわたしですらなんだか嫌な汗をかいたのを覚えています。

段ボールは、別のものを撮った写真のすみっこに写っていただけです。わたしは数か月前にリアルタイムでその写真を見ていましたし、住所が載っているなんて微塵も気が付きませんでした。その人も気が付いていなかったのでしょう。たしかに初歩的な話ですが、気が付かずに迂闊になってしまう人は少なくないのです。

自分の全く知らない不特定多数の人が、自分の住所を知っていると考えたらゾッとしてしまいます。

違法な画像たち

個人情報については、プライベートなSNSの利用方法にフォーカスしてお話ししましたが、もちろん企業アカウントでも気を付けなければいけません。

社内の様子を撮った写真を、映っている社員に無断でSNSに投稿したりHPに掲載したりしていませんか?載せることに関してはひとまず置いておくとして、その写真に写っている人が名札をしていたら立派な個人情報流出です。

会社の所在地はもともと掲載しているものだし、と気を抜いていてはいけません。社員の本名、あるいはその人がそこで働いているという情報、そのどちらもが「個人情報」に当たります。

名札だけではありませんよ。個人を特定できる画像、防犯カメラの映像、音声データ、すべてに気を付けなければいけません。

では、先ほど置いておいた「載せること」についてですが、インターネット上に画像を投稿するのには十分な注意が必要です。

まず、先ほど挙げたように無断で社員の写真を投稿することは「肖像権」の侵害に当たります。SNSに画像を投稿する際に気を付けなければいけないのは、主にこの「肖像権」と「著作権」の二つです。

法律の話になりますから、難しい話ではあるのですが、「肖像権」は自分の写真を無断で撮られたり、それを無断で公表されないように主張できる権利、「著作権」は著作物(アイデア等を作品として表現したもの)を創作した、著作者に与えられる権利のことです。

ざっくり言えば、「他人を勝手に撮ってはいけない、載せてはいけない」「人のものを勝手に使ってはいけない」といったところでしょうか。

詳しく解説すればもっと細かいのですが、ひとまず「やってはいけないこと」がざっくり理解できていればいいです。

法律でダメなこととして決められてはいるのですが、これらは「無断転載」という形で犯されているのが現状です。

わかりやすいもので言えば動画サイトに投稿されているアニメなどがこれに当たります。

アーティストのミュージックビデオなんかも散見されます。もちろん、その権利がある人が投稿しているものもありますが、逆に言えばそれ以外はすべて違法なのです。

「漫画村」なんかも話題になりましたよね。

漫画、アニメ、ミュージックビデオ、これらはわかりやすいです。

では、みなさんのSNSは大丈夫ですか?

好きなアイドルのミュージックビデオを録画して投稿、自分の画像にきれいなイラストを合成したものを投稿、かわいい猫の写真を保存して投稿、大丈夫ですか?していませんか?

これらすべてが著作権の侵害に当たります。

好きなアイドルを街で見かけて写真を撮り、許可なく投稿されたその写真を保存し、再度自分で投稿する…なんてことがあれば、肖像権も著作権も侵害することになります。

ほかにも、HPの素材にしたりアイコンにすることも侵害に当たります。注意深くSNSを見ていれば、たくさんの無断転載が見つかります。

みなさんは大丈夫でしょうか?もし知らなかったのなら、該当する投稿は消して、これから気を付けましょうね。みんなやっているから良いわけではありませんよ。

本日のまとめ

本日紹介したのはほんの一握りです。

他にも、従業員が飲食店の冷蔵庫に入っている写真が拡散された事件なども大きく話題になりましたよね。話題になってもなお、雇先に迷惑がかかる行為をする「バカッター」と呼ばれる人たちは後を絶ちません。

いずれこの話もどこかで取り上げたいと考えていますが、SNSの誹謗中傷によって自ら命を絶ってしまうといった事件も起きています。

SNSはこれからも、様々な用途で利用されます。YouTuberをはじめとする、SNSを利用した新しいビジネスも展開されている時代です。それらは適切な利用であれば、ビジネスにおいても大きな武器になります。

しかし、些細なことで大きな火種にもなりかねないのです。

無料で、だれでも使えてとても気軽なSNSですが、しかし気軽だからこそ、多くのリスクをはらんでいます。

それはインフルエンサーだから、一般人だから、企業だから、と区別されるものではありません。どんな人でも、どんな立場でも気を付けなければいけないのです。





<参考サイト>

#GROVE

VAIOサポート

JRRC

PCの新時代~Windowsの歴史~

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

「PCの新時代が今日から始まります」

2021年10月5日、マイクロソフトはそう言いました。Windowsの歴史における記念すべきマイルストーンだそうです。

なんのことかわかりますか?

そうです、10月5日、Windows11の提供が始まりました。Windows10が発売されて約6年、PCの新しい時代の幕開けです。

実際にアップグレードし、利用された方はいらっしゃいますか?はじめはまだ慣れないでしょうか?たしかWindows10になったときも、なかなか慣れなくて「7を返せ~!」なんて言っていたような気がします。今ではすっかり10にも慣れました。6年も経てばなんでも適応できるようになるものです。

Windows10より、マイクロソフトは今後Windows10をアップデートで強化していくとし、Windows10をWindowsの「最後のバージョン」と述べていました。それから6年、驚きの方針転換です。

華麗なグラフィックス、サウンド、アニメーション、そして、パートナー企業や Surface の革新的で美しいハードウェア、「魔法のような」と称された新しいWindows11、はやくわたしも試したいです。

そんなマイクロソフトのマイルストーンですから、本日はWindowsOSの歴史をご紹介します。

90年代から続く我々のカルチャー

デスクトップOSシェア60%を誇るWindowsですが、爆発的に普及したのは1995年に発表された「Windows95」の発売からです。

出典:Wikipedia

WebブラウザInternetExplorerを標準装備したこのWindows95は、日本でも行列ができるほどで、4日で400万本を売り上げる大ヒットとなりました。

現在も使われているスタートボタンやメニュー、タスクバーといった機能はこの頃から搭載されており、これ以降に開発されるOSの基準となっています。

続いて1998年に「Windows98」が発売されます。

個人消費者向けに改良されたこちらは、全体的なパフォーマンス向上により安定したOSとして高く評価されました。

また、Windows95の普及と同時にインターネットも爆発的に普及します。

InternetExplorerも次第にMicrosoftEdgeへと移り変わってはいますが、それでもまだ愛用している人がたくさんいますよね。

進化していく情報社会を席巻したInternetExplorer、そしてWindows。その出発点がWindows95です。

今見ればスマートとは程遠いフォルムに、見慣れないデザインと手馴染みの悪い使い勝手かもしれませんが、それでも現代のわたしたちが愛用するパソコンの礎なのです。

エンターテイメントでエクスペリエンスを

出典:Wikipedia

続いて、2000年代には「Windows2000」と「WindowsME」が開発されます。

「2000」が開発された際、家庭向き、個人向きではないと判断され、急遽開発されたのが「ME」です。

この頃、「Windows95」や「Windows98」のような「9x系」と、それより以前に開発された「WindowsNT3.1」や「Windows4.0」のような「NT系」の統合が計画されており、「NT系」を基に、「9x系」のUIも採用されています。

しかし、短い開発期間でリリースされたMEはバグが多く、ブルースクリーンが多発し不評でした。

翌年2001年、「9x系」と「NT系」を統合して制作された「WindowsXP」が発売されました。

9x系の多機能性にNT系の安定性を併せ持ったXPは、発売から多くの人に愛されたロングセラーです。

XP懐かしいですね。わたしが初めて触れたパソコンもXPで、ペケポンと呼んで長く使っていました。

ビジネス市場のものだったWindowsOSがエンターテイメント市場へ拡大したきっかけが、1992年に搭載されたマルチメディア機能です。

2000年代に入りインターネットは常時接続の時代を迎え、「9x系」由来のマルチメディア機能や操作性から、動画サイトやSNSが増えていきます。パソコンの普及が急速に増えていったのもちょうどこの頃で、いかにマルチメディアによる「エンターテイメント」の需要が大きかったのかがわかります。

わたしも、長く使っていたといってもその利用用途のほとんどがゲームでしたし、今でもパソコンを娯楽で使っています。e-スポーツも盛んな時代です。

「XP」はexperienceが由来だそうです。少なくともわたしは、XPが初めてのパソコンでしたから、XPでたくさんの経験をしました。そのほとんどがゲームや動画視聴ではありましたが、今こういった機器に対して苦手意識がないのはやはり、ペケポンでの経験のおかげです。


現代の最先端へと

XPから6年後、従来のものから大幅に変わったデザインと多くの新機能を引っ提げて、2007年新しく「WindowsVista」が発売されました。

しかし、セキュリティ機能の強化にGUIの向上など、高いスペックである一方で、それが仇となり動作が重くなってしまいました。さらに、長く使われていたXPに慣れたユーザーは操作手順が変わったことでどうしても使いづらく、低い評価を受けます。

そんな「WindowsVista」が改良されたものが2009年に発売された「Windows7」です。だいぶ身近になってきましたね。

Vistaの本来あるべき姿と言われているこのWindows7、まだまだ使っている人がいるんじゃないですか?2020年1月にサポートは終わっていますが、ちらほらまだ使っている人を見かけます。

2020年の終わりにはそのシェアが20%を切ってしまったなんてニュースもありましたが、逆に言えばサポート終了して1年経ってもまだ使っている人が20%弱もいるほどに、人気のバージョンでした。

※※※ちなみに、サポートの終了したバージョンはウイルスに侵される危険が著しく高いので、ネット環境下での使用はダメですよ!!!!!!※※※

人気バージョンWindows7から5年後、「Windows8」が発売されます。

出典:Wikipedia

スマートフォンやタブレットが当たり前になりつつある2012年、スタートボタンを廃止しタッチスクリーンでの操作を意識した斬新なUIデザインが特徴です。

このデザイン、特にスタートボタンの廃止はかなり評判が低かったようで、アップデート版「Windows8.1」でスタートボタンはすぐに復活しています。

とはいえそのUIデザインは健在で、わたしは個人的にスタイリッシュで結構好きでした。さすがスマートフォン時代に開発されただけあり、タッチスクリーンも不便はなく、「直感的」で軽快な操作が可能でした。エンターテイメントの幅が広がり、祖母と一緒に上海という牌を消すゲームをよくやった思い出のあるバージョンです。

そうして、10月5日まで長く最新バージョンだった「Windows10」が2015年にリリースされます。

Windows10といえば、従来のWebブラウザ「InternetExplorer」に代わって「MicrosoftEdge」が標準搭載になりました。

慣れ親しんだInternetExplorerをまだ使っている人も多くいるかと思いますが、こちらもWindows7同様に、セキュリティ面で不安が残るため使用は控えましょうね!

現在ユーザーシェア60%を誇るこのバージョンを皮切りに、マイクロソフトはローリングリリースという形でアップデートを繰り返し、Windows10を強化すると発表されました。

わたしにとっては、パソコンを娯楽以外の目的で使うようになったのがちょうどこの頃ですから、Windows10には大変お世話になりました。

Macもかなり普及している今でも、OSシェアトップはWindows10です。

時代の最先端を走るパソコンの、その先頭で活躍しています。



本日のまとめ

さて、いかがでしたでしょうか?

長い歴史のなかで、その形を変えて現代に適応してきたWindows。こうして歴史をたどっていくと結構失敗もしたりして、そして改善を重ねて、今現代に適応しています。

Windowsが現代に適応したのか、それともWindowsに適応したのが現代なのか、どちらなのでしょうか。そう考えるほどに、パソコンは娯楽でもビジネスシーンでも生活に組み込まれています。

新しいWindows11、もう試した人はいますでしょうか。

今までのように、少しずつまた「Windows11」が当たり前になっていくのかもしれません。

まだ試せていませんが、マイクロソフトのマイルストーンを備えたパソコンで、エンターテイメントも、ビジネスも体験するのが楽しみですね。

<参考サイト>

Microsoft webサイト

TECH CAMP ブログ

RIGHT CODE

脱パスワード?当たり前のセキュリティをバイオメトリクスに

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

「asdfghjkl」って、何の羅列だと思いますか?「1q2w3e」は?「1qaz2wsx」は?

一見なんの法則性もない適当な英数字の羅列ですが、入力してみれば「あっ」となるんじゃないでしょうか。

…気が付きましたか?

「asdfghjkl」はキーボードの真ん中の列を左から順番に並べたもの、「1q2w3e」は右上から2段づつ3列並べたもの、「1qaz2wsx」は右上から下に順番に2列並べたものです。パソコンで入力すればすぐに気が付きますよね。

情報通信企業「Nordpass」が発表した、よく使われるパスワードランキング2020年版に、上に挙げました3つの羅列がランクインしています。

わたしたちは1日に何回パスワードを求められるでしょうか。このサイトあのサイト、あのアカウントにこのアカウント、1日何十回とパスワードを求められますよね。パスワードをかけることは、セキュリティにおける当たり前の第一歩です。

しかし、それが当たり前になりすぎていませんか?難解なパスワードを覚えるのは面倒くさいし、それぞれ別のパスワードを使ったら覚えきれないし、結局いつも使うわかりやすいパスワードで統一していませんか?

本日はそんな、当たり前になりすぎておろそかになりがちなパスワードのお話です。


ごく当たり前のセキュリティ

冒頭でも挙げましたが、パスワードをかけることはセキュリティを守る「当たり前」の行動です。

利用している通販サイトにパスワードをかけて、登録してあるクレジットカードを第三者に使われないようにする、といったごく当たり前のことです。

つまり、誰かに知られてはいけないし、推測できるものでもいけません。銀行やクレジットカードで使われる4桁の暗証番号を登録するとき、「1111」や「1010」といったぞろ目や連続した羅列、あるいは誕生日といった簡単に推測できる数字は禁止されています。どんなサイトであろうと、それは同じことで、ごく当たり前のことです。

Nordpassのパスワードランキングでは、1位に「123456」、4位に「password」、6位に「111111」がランクインしています。読んでくださっている方の中にも、これらのパスワードを使ってる人がいるんじゃないでしょうか?

危険だとわかっていても、それでも「覚えやすくわかりやすい」ことを優先してしまう人が多くいます。

不正ログインの手口はいろいろありますが、中でも有名なのはやはり「ブルートフォースアタック」です。総当たり攻撃ともいわれ、言葉の通り考えられるパスワードを総当たり的に試していく方式です。

また、パスワードに利用されがちな単語を体系化したデータベースを利用する「辞書攻撃」もよく使われる手段です。対象が明確であれば、誕生日や電話番号などからさらに絞り込むことが可能です。

では、みなさんが不正ログインをする側にたったとして、半角英数字のパスワードをなにかしら入れるとしたらなにを入れますか?やはりぱっと思いつくのは「111111」や「password」じゃないでしょうか。どちらにしても、すぐに暴くことができてしまうパスワードです。

ブルートフォースアタックは、まず「aaa」を入力し、ダメなら「aab」、「aac」、「aad」というように、少しづつずらして入力する方式ですから、「1」のぞろ目なんてものの数分でログインされてしまいます。

辞書攻撃でも、辞書を開かずともまず「password」と入れてみたら一発でログインできてしまうかもしれません。そうでなくとも、好きなもの、例えば「apple」や「basket」といった単語から、ログインできるかもしれません。

これらの方法は途方もない作業のように思えますが、理論上はいつかパスワードに行きつきます。途方もなくなって諦めざるを得なくなるくらい、複雑で難解なパスワードでなければいけません。

他にも、別のサイトで使用していたパスワードを入手し、目的のサイトで試す、といった方法もあります。だって、アプリ、サイト、アカウントごとにパスワードを変えている人が何人いますか?アプリもサイトもアカウントも、ことあるごとにログインを求められる時代です。全部なんてとてもじゃないけど覚えてられないですよね。

ごく当たり前のセキュリティを、ごく当たり前に機能させるには、「推測されにくい複雑な羅列」かつ「複数アカウントで同じパスワードを使わない」ことが重要になってきます。

理想と現実の現状

とはいえ、複雑な羅列を何種類もIDやアカウント名と紐づけて覚えることは簡単なことではありません。それで忘れてしまってログインできなくなったら元も子もないですからね。

Windowsは、8文字以上かつ大文字小文字数字記号の4種類をすべて含み、名前やユーザー名、一般的な単語を含まない、の条件を満たしたものを強力なパスワードの基準としています。

そんなパスワードを何種類も管理するなんて無理な話です。しかし不正ログインは怖い…。

どこかにメモしておけば確かに管理することは可能です。しかしそのメモはどうやって管理しますか?

そのメモを失くしたら、ログインできなくなるうえに全てのパスワードが漏洩してしまったことになります。管理ツールを使っても、じゃあ管理ツールのパスワードはどこで管理しますか?

たとえセキュリティのためとはいえ、求められているものに少し現実味がないですよね。

そうなるとやはり、覚えやすくてある程度統一されたパスワードを使わざるを得なくなり、しかしセキュリティ面で不安が残る…堂々巡りです。

パスワードは当たり前のセキュリティですが、現状、あくまで最低限なものになってしまっているのです。

入力しないパスワード

では、どうやってセキュリティを高めていけばいいのでしょうか。

ようは本人であることが証明できればいいわけです。実は身近にある人も結構いるのではないでしょうか?

iPhoneはSE(第2世代)、iPhone8から指紋認証を、iPhone10から顔認証を搭載しました。それぞれTouch ID、Face IDと呼ばれているものですね。

情報が資産となる現代において、パスワードの管理不備及び漏洩は大きな影響を及ぼしかねません。

そんな中、米マイクロソフトはアウトルックやチームズといった自社アプリで、顔認証などの生体認証を標準としました。

指紋や顔、あるいは声紋、虹彩を利用した認証方法をバイオメトリクス認証と言います。

生体認証であれば、脅威である「パスワードが外部に漏れる」おそれを、そもそも根本からなくすことが可能になります。

増え続けるサイバー攻撃、不正アクセスに、パスワードではもう限界が来ています。

パスワードが漏れることで流出した情報はなかったことにはできませんし、信用も失います。在宅勤務も増え、働き方が変わっていくまさにその過渡期にいます。情報の管理には、一番に気を使わなければいけません。

セキュリティは、企業を支える大きな柱の一つになっているのです。

マイクロソフトの生体認証化を皮切りに、多くの企業が脱パスワードを考えていかなければいけなくなっています。

本日のまとめ

バイオメトリクス認証がすべて優れているというわけではありません。まだまだ精度が低いものもありますし、不便な時もあります。それこそコロナ禍でのFace IDとか、ちょっと面倒くさいですよね。マスクだと反応しなくて。

しかし、その精度はどんどん上がっています。きっと、マスクにもすぐに対応するでしょう。

実際にiPhoneでは、パスワード入力などもバイオメトリクス認証でスキップできるようになりました。

「脱パスワード」は、気が付かないところで進んでいるのです。

好きな映画に、問題を解決するために敵組織のシステムに入らなければいけなくなるシーンがあります。その時主人公は、どこでシステムに入るためのパスワードを入手したと思いますか?

……敵組織のボスが座っていた椅子の手元です。手元に、メモを残していました。パスワードの意味がまるでありませんよね。

そんなことにならないように。パスワードの管理は適切に!そして脱パスワードへ。

<参考サイト>

NORDPASS

日本経済新聞