クラウドサービスという選択

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

クラウドサービスと聞いて何が頭に浮かびますか?

以前は無かったこのサービスが今は当たり前になってきています。

パソコンで使用しているOfficeのソフトをはじめ、数々のソフトウェア、データを保存しているサーバーもそうですね。

携帯で撮った写真をクラウドに保存している方も多くなりました。

今回はクラウドサービスについてのお話です。



クラウドサービスとは

多くの方がクラウド=雲を想像しますよね。

例えば宅配ピザを注文するとき、大体の方は、自宅の郵便受けに入っていたピザ屋さんのチラシを見て、電話で注文します。最近はスマートフォンやパソコンを使用してインターネットで注文が出来てしまいます。

30分もすると、バイクに乗ったピザ屋さんが箱入りのピザを届けてくれます。

ここにはちょっとした不思議があります。多くの人は、ピザが自宅に届けられるまで、ピザ屋さんを見ることがありません。自分が電話したピザ屋さんがどこにあるのか?どんな場所でピザが焼かれているのか?そういったことが分からないまま注文しています。

クラウドサービスは、このような、「どこにあるのか?」「どんな場所で作られているのか?」「どこの人が作業をしているのか?」が分からないけれども利用できるサービスのひとつです。私たちは「どこ?」が分からなくても、多くの商品やサービスを利用しています。

クラウド(クラウド・コンピューティング)は、コンピューターの利用形態のひとつです。インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューター(サーバー)が提供するサービスを、利用者はネットワーク経由で手元のパソコンやスマートフォンで使います。

クラウドの特長のひとつは、利用にあたって、コンピューター(サーバー)の所在地(どこ?)が意識されない点です。たとえるならば、雲(クラウド)の中にあるコンピューターを地上から利用しているようなイメージです。そして、クラウドの形態で提供されるサービスを「クラウドサービス」と言います。

従来のコンピューターの利用形態では、利用者は手元のパソコンの中にあるソフトウェアやデータを利用していました。しかしクラウドサービスでは、ネットワークを経由して、雲(クラウド)の中にあるソフトウェアやデータをサービスの形で使うのです。

クラウドサービスの代表的な例にはWebメールがあります。「Gmail」や「Yahoo!メール」などが有名です。これらのWebメールサービスは、サーバーがどこにあるかを意識させません。

多くの会社ではメールサーバーを、自社の中や自社が利用しているデータセンターなどに持っていたり、レンタルのメールサーバーを利用していたりします。そしてメールを受送信・閲覧するためには、自分のパソコンにインストールしてある「Windows Liveメール」や「Outlook」や「Thunderbird」などのソフトウエアを使っています。

Webメールではまず、このようなソフトウエアを自分のパソコンにインストールする必要がありません。Webの閲覧に使用している「Internet Explorer」や「Chrome」などのブラウザーがあればサービスを利用できます。また、自前のメールサーバーを用意する必要もなく、ユーザー登録だけすれば、「どこにあるかは分からないが、どこかにあるだろうサーバーとメールソフト」を使って、メールの受送信や閲覧ができます。

このように、ネット上のどこかにあって仕事をしてくれているが、どこにあるかはよく分からないサービスを、クラウドと呼びます。



クラウドのメリット

①導入が容易

導入が容易でリスクが少ないこと。このことが、業務用クラウドサービスを使うもっとも大きなメリットかもしれません。

ここまでご説明してきたとおり、これまでの業務用ソフトウエアは、会社のコンピュータ(サーバやパソコン)の中に入れて使うものでした。そして、これらのソフトウエアは、会社が購入していました。

ですから、新しいソフトウエア…例えば、会計ソフトにしても、給与計算ソフトにしても、それを導入するまでに、慎重に吟味する必要がありました。自分たちの仕事に則したものなのか?担当者が十分に使いこなせるものか?そういったことが検討されると同時に、懸念もされてきました。新しいシステムを導入したが、十分に使いこなせず、無駄にしてしまったという例も、少なくありません。

その点、クラウドサービスは、サービス提供会社が保持し管理するサービスをネットワーク経由で利用するため、利用者側はソフトウエアを購入したり、独自に開発する必要がありません。そのため、導入の際に大きな投資をしたりする必要もなく、使えないシステムを購入してしまうリスクなどもありません。まずは試しに利用してみて、良ければ使い続けるという、安全で間違いのない導入ができる点で、クラウドサービスは優れています。

②運用が楽

クラウドでは、ハードウエアも、それを置くスペースや動かすための電力も、すべてをサービス提供会社が保持し管理します。また、業務用のアプリケーションや基本的なOSソフトなどの維持管理も、すべてサービス提供会社が行います。

そのために、社内に持ったハードやソフトを維持管理するための人手や電気代、ハードウエアの置き場にかかる家賃、セキュリティ対策費用など、運用コストが大幅に削減でき、会社にとって大きなメリットになります。

利用できるソフトウエアは、常に最新のものが提供されます。このため、これまでは手動で行っていたバージョンアップ等の作業も不要になります。

「持たずに使う」。これこそがクラウドのメリットです。

月額いくら 1ユーザーいくらという従量課金で使える

「道具を持つ」ではなく「サービスを利用する」というスタイルのクラウドでは、使っていないときには、費用が発生しないというメリットがあります。

そのため、例えば年度末の繁忙期1ヶ月間には、複数の人が入力作業のために使用するが、それ以外のシーズンは管理用に1人が使えればよい…というような利用方法も可能です。

「月額いくら」「1ユーザいくら」という従量課金のクラウドサービスは、必要な時に必要な分だけ利用して、サービスの利用料を支払います。必要最小限のサービス利用で無駄を省けます。



導入事例

実際の導入事例

現在利用のソフト更新のタイミングでクラウド版に切り替え

・N社様

在庫管理のソフト蔵奉行をパソコン1台にインストールして使用していました。

保守サポートの期間が迫っておりバージョンアップのご相談をいただきましたが、拠点もある為パソコン2台での利用を検討されておりました。

通常のオンプレ版ですとそれぞれにソフトをインストールして利用は出来ますが、登録している商品マスターや在庫情報はバラバラになってしまいます。

そこでクラウド版のご提案となりました。

それぞれのパソコンで入力したデータはクラウドに保存される為共有が出来るようになりますし、マスター情報も2台のパソコンに反映されます。

2ライセンス分の年間料金をお支払いすることで常に最新バージョンを利用できるようになりました。

生産性アップの為クラウド切替へ

・H社様

毎日の出退勤をタイムカードに打刻して月初にタイムカードを集計し給与計算していました。複数店舗がある為に月末締めたあと、タイムカードをそれぞれ集めデータを手入力します。残業時間を調べ給与計算。さらには間違いが無いかチェックを行いますが、これらの手間と時間をクラウドが解決してくれました。

ICカードタイプのタイムレコーダーを各店舗に配置

出社と退社はICカードをかざすだけ。その時刻はタイムリーにクラウドに保存され、管理者が把握できるようになります。残業時間や有休の残回数も確認が出来て非常に便利です。

月末締め後はデータを給与ソフトに入れ込むだけ。

ミスも無くなり生産性がアップしました。

まとめ

これらの導入事例はほんの一部です。

Microsoft Office永続版からOffice365に変えることでクラウド利用の開始です。

未来の話ではなく今は当たり前になりつつあり、切替が非常に増えているのです。

当然メリット・デメリットを把握したうえで決定しなければいけません。 環境が変わり、働き方にも変化があります。この機会にツールの見直しをしてみてはいかがでしょうか?

<参考サイト>

NEC