ポチッと!指先ひとつでお買い物時代

おはようございます。情報セキュリティ情報センターです。

日本に通信販売が誕生してから145年が経つそうです。その媒体は雑誌やカタログからはじまり、はがき、チラシ、そしてテレビやラジオを経て、インターネットのウェブサイトへと形を変えています。

コロナ禍で外出が随分と減りましたよね。その分、インターネットで買い物をすることが増えたのではないでしょうか。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング。誰しもが1度は利用したことがあるかと思います。

わたしも何度も利用しています。今住んでいるところはスーパーが遠いので、食料品なんかも通販で頼みがちです。

家にいるだけでほしいものが手に入るんですから、それは便利なんですよね。例えばお酒やお米をスーパーで購入して、車で家まで帰ってきて、重たい荷物をもってアパートの階段を上るくらいなら、家で購入して玄関の前(ないし宅配ボックス等)まで持ってきてくれた方が楽ですし、その分、別のことに時間を使えます。

インターネットスラングに、インターネット通販で物を購入することを指して「ポチる」という言葉があります。スイッチやボタンを押すときの「ポチッ」という擬音語からできた言葉で、「購入」ボタンを押すことにちなんでいます。

ポチッ…と押すだけで、購入が完了してしまうんです。通販は、145年でそれくらい気軽なものになりました。

通販とは少し違いますが、今や賃貸契約なんかもオンラインですべてできます。

食料品や日用雑貨といった小さなものだけでなく、高額なものも「ポチッ」と契約ができてしまうんです。

本日はそんな、通販のお話です。

ニューノーマルな「ポチる」

通信販売の歴史は145年ほど前、1876年に農業雑誌でトウモロコシの種が販売されたのが始まりと言われています。その背景には、1871年に始まった郵便制度があるでしょう。インフラが整うことで、これまでになかったことができるようになりました。

その媒体はカタログやチラシへと広がり、ラジオやテレビが普及すればラジオショッピングやテレビショッピングへと拡大していきます。こうして通販の市場は広がり、平成初期には市場が2兆円を超ました。

そして1995年、Windows95が日本で発売されたことにより一般家庭に急速にインターネットが普及し、同時にインターネット通販も急速に広がります。大手メーカーが次々と通販に参入し、さらにAmazonや楽天といったECショッピングモール、オークションサイトやフリーマーケットサイトと、さまざまなかたちに広がっていきました。

今や当たり前の「通販」は、時代に合わせて進化した技術やシステムが作りあげた新しい常識なのです。ニューノーマルというほど新しいものでもないですが、それでも長い目で見ればニューノーマルと言えなくもないでしょう。150年前の人類には、想像もつかない「お買い物」の形です。

なにか欲しいものがあるとき、支度をして家を出て、目的のものが売っているお店に行って、それを購入して家に帰る、という当たり前のことが、「ポチッ」で完了してしまいます。まったく便利な世の中です。

メディアショウウィンドウ

NBAのスター選手マイケル・ジョーダンにちなんだナイキのバスケットシューズ、「エアジョーダン」のシリーズは、その人気ぶりに奪い合いで殺人事件が起きています。発売日には暴動が起きるほど人気のこのシリーズは、マイケル・ジョーダンというインフルエンサーにちなんだものだからこそ、ここまでの人気を博しています。

インターネットが生活に密接している今、そういったインフルエンサー影響力はかなり大きいものとなっています。ここまでインターネット販売が当たり前になった背景に、そういったインフルエンサーの存在もあるでしょう。

「インスタ映え」なんて言葉もありますし、その商品を使った「映え」な写真がSNSで「バズ」れば、売り上げが上がること間違いなし!なわけです。

また、YouTuberとのタイアップといった宣伝もメジャーになりつつありますよね。

家で見ていた好きなYouTuberのおすすめしていたスイーツ、わたしも食べてみたい!と思っても、店舗が近くになかったり、夕方に行ったらもう売り切れていたり。通販を使えばそんな思いをしなくてもいいですし、なによりも購買意欲が最も高い時に「ポチッ」と買うことができてしまいます。

また、広がる宣伝はインフルエンサーだけに限りません。

このコロナ禍で外出が減り、観光地や飲食業は不況のあおりを大きく受けました。学校がなくなりたくさんの牛乳が余りました。そんな中で、SNSで発信されたSOSがいくつもあります。

牛乳が余っているから買ってほしい、毎日売り切れていた商品が余ってしまったから半額で通販します、そんなSOSです。

わたしはずっと気になっていた京都の有名な甘味処のお餅をこの機会に「ポチ」りましたし、拡散された牛乳消費レシピで見たラッシーをたくさん飲みました。(どちらもとてもおいしかったです!)

雑誌の文言から始まった通販ですが、カタログやチラシ、テレビ、あるいはHPといったマスメディアを使うことによって、より効果的に商品を紹介することが可能になりました。

通販の大きなネックは、現物を見ることができないことです。しかし視覚的な情報は、文章だけの宣伝よりはずっと効果的な判断材料になります。

そこにインフルエンサーが実際に使用した感想や意見が重なれば、さらに購入のハードルは下がっていきます。

今やマスメディア全体があらゆるもののショウウィンドウになっているのです。

GenZ世代への車

10月4日、日本を誇る大手自動車メーカー「ホンダ」がオンラインストアを開設しました。商談、見積もり、査定、契約がオンライン上ですべて可能になりました。

画像:Honda on 公式webサイト

………車がです。信じられますか?

食料品や日用雑貨の通販とはわけが違います。たしかに、通販で何万とするものを購入することはありますが、それでも桁が違います。それほどまでに、“オンライン”化というのは進んでいます。

今回開設された「Honda ON」では、スマートフォンで見ることが想定されたUIに、SNS上でのリアルタイム口コミを集めたUGCの表示など、現代的なサイトの作りとなっています。

また、今回のオンラインストアでは新車の「サブスクリプションサービス」の契約が始まり、
人々の意識が「所有」より「利用」を求めている現代に適応しています。

オンライン化にサブスク化と、車離れの激しい若者、特にGeneration Z(Z世代)への意識が感じられます。

まさにZ世代であるわたしは、オンラインですべてできることも、購入ではなくサブスク契約であることも、従来のものよりずっと魅力的に感じます。

もちろんこれは人それぞれですから、直接話が聞きたいよ、とか、いやいや車は所有したいでしょ、とか、同じZ世代にもたくさんいるかと思います。それでも、対象の幅は大きく広がったのではないでしょうか。

本日のまとめ

車のオンラインストアがはたして通販なのかと言われると、少し首をかしげてしまいます。しかしインターネット上で購入手続きをするわけですから、間違っていないはずです。ただ、「車の通販」に馴染みがないだけで。

いずれこれがスタンダードになる未来があるかもしれません。車だけに限らず、です。

冒頭でも挙げましたが、賃貸契約もオンライン上で済んでしまう時代です。今住んでいる家の契約をした際は、鍵を受け取りに行くときにはじめてお店に行き、担当者さんの名刺をいただきました。

考えてみれば、車に同じことができるのはなにもおかしいことではないんですよね。

このコロナ禍で大きく見直された「オンライン化」ですが、その真価はコロナ禍だからにとどまりません。

我々の常識は少しずつ「デジタル」で「オンライン」へと塗り替わっていきます。

デジタルパイオニアと言われるミレニアル世代と、デジタルネイティブと言われるZ世代がそのほとんどを占める社会はすぐに来ます。自分はネイティブだからとうつつを抜かさず、常に時代の進化に柔軟に対応していきたいものです。



<参考サイト>

HONDA公式webサイト

KINTO ONE

HONDA ON

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