Society5.0って?わたしたちのこれまでとこれから

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

突然ですが、IT社会ってなんでしょうか。

そもそもITってなにかご存じですか?

ゲーム?インターネット?ネットワーク?

「パソコンやインターネットを使って調べること」「ツイッターやインスタグラム等SNS」「パソコンやインターネット、技術を教えてくれる先生のようなもの」「様々なことを簡単に、生活を豊かにするもの」

これらは、実際に「ITってなんだと思いますか?」と聞いた際の回答です。小学生を相手に答えることを想定して答えていただきました。

これらのどれもがITに当たりますが、具体的な定義を問われると少し難しいですよね。

ITとは「Information Technology」の略で、最近はさらに「Communication」も入れてICTなんて言います。

直訳すれば「情報技術」、「情報通信技術」ですが、では「情報技術」「情報通信技術」ってなんでしょうか。

わたしにとってインターネットは当たり前に享受できる技術です。さまざまなものがインターネットに接続し、それが自然な世の中です。「デジタルネイチャー」と称するそうです。

まさにそうですよね。インターネットは自然に、そこにあるものとなっています。

どこにいても、わたしたちはインターネットに囲まれています。それが情報社会、IT社会と呼ばれています。

そんな情報社会を「Society4.0」と呼ぶそうです。そして今、日本は新しい社会、「Society5.0」に向かっています。

本日は、デジタルネイチャーな世界で目指されるSociety5.0と、これまでの1.0~4.0についてのお話です。



Society1.0~4.0

では、Society1.0~4.0とはどんな社会なのでしょうか?

内閣府は、1.0を狩猟社会、2.0を農耕社会、3.0を工業社会、4.0を情報社会とし、この順番で社会は発展し続いてきたとしています。

農耕が始まる前の原始的な時代、狩猟や採集で生活するのが普通なSociety1.0と比べ、世の中はずいぶんと発展しましたよね。

ITの技術が発展し、とても便利な世の中です。先に挙げたように、IT社会はパソコンやインターネットを使用して様々なことが知れますし、それを教えてくれる存在でもあり、そして生活を豊かにします。しかしそれでもまだ課題は山積みです。

少子高齢化、金銭的・地域的格差、技術発展にかかるコスト、これだけではありません。経済発展の裏で、多くの問題が叫ばれています。

また、便利な情報社会と言ってもまだまだ想像するスーパーシティ・スマートシティには程遠いのです。知識・情報の共有、連携が不十分であったり、地域課題や高齢者のニーズに対応しきれなかったり、年齢や障害による労働・行動の制約や、情報の探索・分析にリテラシーや能力が必要であったりと、「かゆいところに手が届かない」ことがままあります。

そんな社会を、より便利に、より快適にするために日本が目指すべき姿として第5期科学技術基本計画にて提唱されたのが「Society5.0」です。



Society5.0ってどんな世界?

では、Society5.0ってどんな社会なのでしょうか?

内閣府は、Society5.0を「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(実現空間)を行動に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義しています。

先ほどあげた、Society4.0という発達した情報社会でもなお言われる様々な問題・課題を、最新技術を活用して克服し、社会の変革を通じて日本が目指すべき未来社会の姿として提唱されたのが「Society5.0」です。

モノのインターネット「IoT」はさらに広がり、知識や情報は横断的に活用されて地域の課題を解決する、そんな近未来的構想です。

これまでの社会では、経済や技術が発展すればするほどに、取り残されてしまった人々や解決できなかった手間が見ないふりをされていました。

ITをはじめとした多くの技術が発達し、昔と比べてずっと便利で近未来的になったとはいえ、それでも社会的課題は解決しておらず、経済発展と問題解決が両立できていないこの現状を、Society5.0はどのように解決するのでしょうか?

冒頭で言ったように、ITとは「パソコンやインターネットを使ってものを調べること」でもありますが、では、たとえばインターネットで何かを調べるとします。

検索結果にはたくさんの関連ページが並びますよね。それこそ膨大な、数えきれないほどの情報がそこには詰まっているわけですが、それは本当の情報でしょうか?

その情報が本当であるか、嘘なのかを見分けるリテラシーが必要不可欠です。日常的にインターネットに触れている世代は、感覚でその区別をつけることがある程度可能ですが、それが難しい世代は文字通り取り残されてしまいます。

フィジカル空間からサイバー空間への接続、あるいはその逆やサイバー空間を通したフィジカル空間からフィジカル空間への接続は、今や当たり前の技術です。しかし、接続し、得たものを正しく活用できるかは別の話になります。どんなに便利になったとしても、活用できなければ意味がありません。

Society5.0の目指す社会は、簡単に言ってしまえばそんな活用が難しい高齢者や、あるいは若年層、全世代も含めみんなが「検索」し正しく「活用」する社会です。従来、「検索」と「活用」の間に含まれていた「判断」が省略されます。

フィジカル空間とサイバー空間が融合し、一体化していると言ってもなかなか想像するのは難しいですが、しかし実際、現代でもすでにわたしたちはサイバー空間とともに生活しています。だってもう、インターネットがない世界なんて考えられないですよね。わたしたちはすでに、無意識のうちにサイバー空間とフィジカル空間を接続することが当たり前になっています。

しかしその無意識の中には、まだ「判断」の過程が含まれています。

生活とインターネットが密接に存在することによって、先ほど挙げた「判断」の例だけでなく、多くの社会問題を解決し、かつ経済発展を両立させること、それが日本が目指すべき未来なのです。



本日のまとめ

とはいえ、今はまだ4.0なのが現実です。「Society5.0」という言葉すら知らない人がたくさんいるのではないでしょうか?

IT技術、IoTであふれた便利なこの社会ですが、その反面、2025年問題をはじめとした、地域格差や年齢格差、情報格差といった問題は加速しています。

ITは生活を豊かにするものです。わからないことを調べ、世界中の人と人を繋げます。自然と、そこにあるものです。

みなさんにとってはどうでしょうか。もう十分すぎるほど便利ですか?それともまだ足りないでしょうか。

今、技術はあっという間に進化していきます。5.0を掲げたのですから、いつまでも4.0でいるわけにはいきません。少しずつ、フィジカル空間とサイバー空間は溶け込んでいかなければいけませんし、わたしたちはそれに慣れていかなければならないのです。そしてまた、ITに疎い世代も取り残すことなく融合させなければいけません。

今の生活をもっと便利に、もっと快適に、日本は4.0からまず、4.1へと前進しています。

この数字が増えていくのが、日本が前進していくのが楽しみですね。

<参考サイト>

内閣府WEBサイト