通信機器について

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

いきなりですが、皆さんは通信機器と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。

たくさんあり過ぎて、と思う方もいらっしゃれば、何も思い浮かばないけど、といった方もいらっしゃるでしょう。ここで幾つか例を挙げるとすればスマートフォン、携帯電話、ファクシミリ、無線LANルーター、ハブ、ターミナルアダプタ、ファイアウォール機器、モデム、メディアコンバータなどがあります。まだまだたくさんあるよ、という声が聞こえてきそうですが、ここでは省略させて頂きます。

さて、昨今のインターネット社会において通信機器はなくてはならないものとなっており、今やインターネットを使用していないという方々は少なくなっている時代です。

ビジネスに留まらず、個人単位でさえインターネットが使用出来ないと困る方が世の中の大半にあたるでしょう。今や何を調べるにもスマートフォンを拡げて、様々な情報をインターネットで検索している姿を多く見かけます。

更にビジネスに向けてみると、世界で流行したパンデミックによって、オンライン化が急速に進み、多くの企業ではリモートワークを率先して行い、医療機関ではオンライン診療を行うなど様々な分野でインターネットを活用したデジタル化が進みました。

例えばファクシミリに目をむけてみると、徐々にご家庭などで使用する機会は減ってきているのではないでしょうか。一方、ビジネスに向けてみると受発注、在庫管理、支払通知などのシーンではファクシミリが必須とされる業界や現場などが少なくはありません。そういった業界や現場でもファクシミリで受けたデータを紙出力せずに電子化するという一連の流れも多くみられます。そういったファクシミリで受信したデータをクラウド上にデータとしてアップロードしたり、必要なものだけを取捨選択して共有したりと普段当たり前のように行っている作業はインターネットや社内ネットワークがあるからこそ出来ていることであり、そういった様々な場面で通信機器が使われております。

そこで今回は幾つかの通信機器が市場でどのような役割を担っているのかをご紹介していきます。特にビジネスでも自宅でも使用している可能性が高い4つの通信機器に関してご案内していきます。



ONU

それではまず1つ目にご紹介する通信機器は、光回線を事務所や自宅に接続する際に必ず必要となる機器ONUです。

ONUとはOptical Network Unitの略称で光回線終端装置のことを言います。具体的にいいますと、光ファイバーを用いた加入者回線網(公衆回線網)において、加入者宅に設置される光回線の終端装置のことをいいます。光信号と電気信号の相互変換などを行なう装置で、光ファイバーを接続するポートと、コンピュータやコンピュータネットワークに接続するためのデータ通信ポートを備えています。

難しい言葉を並べましたが、端的にお伝えするとインターネットを接続する為には必要不可欠な通信機器ということです。最近では、複数のコンピュータなどを接続できるスイッチングハブ機能やインターネット接続機能などブロードバンドルータとしての機能を統合した製品が主流となっており、以前のようにハブやルーターを別途用意しなくてもONUだけで事足りる場面が増えてきております。


ルーター

2つ目に紹介する通信機器はONUの紹介部分でも出来ているルーターです。ルーターはコンピュータネットワークにおいて、データを2つ以上の異なるネットワーク間に中継する通信機器です。ルーターはプロトコル階層のうちネットワーク層の情報を解析してデータの転送の可否や転送先の決定などを行う機器で、主にインターネットなどのTCP/IPネットワークにおける主要な中継機器として用いられます。

またまた難しい言葉を並べましたが、簡単に言うとパソコンやテレビなどのデジタル機器をインターネットへ接続するための通信機器となります。実は先ほどご紹介したONUでもインターネットへ接続をすることは可能です。しかし、接続出来る台数が1台と限られており、2台以上のデジタル機器をインターネットに繋げたい場合には必ず必要な機器です。つまり複数台のパソコンやスマートフォンを同時にインターネット接続したければ、光回線とONU、ルーターが必要になるということです。


ハブ

3つ目はハブをご紹介していきます。ハブとは、車輪やプロペラなどの中心にある部品や構造のことをいい、中心地、結節点、集線装置などの意味で用いられます。

ITの分野では、パソコンやプリンタなどのデジタル機器間をケーブルで結んで通信する際に複数のケーブルを接続して相互に通信できるようにする集線装置、中継装置のことをいいます。つまり、複数台のパソコンを同一のネットワークで接続することが出来、プリンタやネットワークカメラなどのデジタル機器を接続することが出来る通信機器となります。あくまでインターネット接続が可能なデジタル機器の台数を増やすための機器ですので、ハブ単体ではインターネット接続する機能は持ち合わせていません。インターネット接続が行いたい場合には先ほどご紹介したルーターと共に活用していく必要があります。

また、ハブを電源コンセントに例えると分かり易いかもしれません。壁にコンセントが2口しかなければ、電化製品は2つまでしか使用出来ません。しかし、電源タップを使用すれば多くの電化製品に電源の供給が可能となります。電源タップがハブの役割を果たしているということです。



無線LANルーター

最後にご説明する通信機器は無線LANルーターです。今までご紹介してきた通信機器の中では、より馴染み深いのが無線LANルーターでしょう。Wi-Fiといえば、皆さんも分かるのではないでしょうか。

ここで改めてWi-Fiのご説明をしておくと、電波を用いた無線通信により、近くにある機器間を相互に接続し、構内ネットワークを構築する技術のことをいい、無線LANの規格の一つです。LAN(Local Area Network)は室内や建物内、あるいは屋外でそれに準じる数十メートル程度までの比較的狭い範囲内の機器を相互に接続するコンピュータネットワークで、屋内のコンピュータとインターネットの接続、オフィス内のコンピュータ間の接続、家庭内のデジタル機器間の接続などで広く普及しています。

従来は集線装置を介して各機器を通信ケーブルで接続するイーサネットなどの有線接続が主流でしたが、同じ機能を無線通信で実現するWi-Fiが登場し、ケーブルを取り回す必要のない手軽さから広く受け入れられました。また、スマートフォンやタブレット端末など携帯型の通信機器のネットワーク接続手段の一つとしても用いられています。

要約すると、無線LANルーターとはWi-Fi機能を持ち合わせたルーターのことを指します。インターネット接続を行いつつ、Wi-Fi機能を持ち合わせており、家庭用のルーターのほとんどがこのWi-Fi機能を標準搭載しています。どこに出かけてもフリーWi-Fiが飛んでおり、すでにWi-Fiなくして現代のインターネット社会は語れませんね。



本日のまとめ

ここまで4つの通信機器についてお話してきましたが、皆さんは幾つ知っていましたでしょうか。今回は分かり易い部分のみのご説明となっております。実際は各通信機器共に様々な機能がございます。もし興味がございましたら、更にご自身で調べてみると面白い発見があるかもしれません。普段使用していた機能がこういった通信機器をかえして行われていたと知ると更に身近に感じるかもしれません。

本日は皆さんの生活の中でも特に馴染みのある4つの通信機器についてご案内させて頂きました。ビジネスでもご家庭でも必ず使用している可能性が高い通信機器となります。この機会に事務所やご自宅でどのような通信機器が置いてあり、どのような用途で使用しているのかを調べてみるとよいかもしれません。

<参考>
IT用語辞典

フードテックって?近未来レストラン

おはようございます。情報セキュリティ情報センターです。

突然ですがみなさん、最近外食はしましたか?

コロナウイルスの脅威による自粛生活から約2年、飲食店の規制も徐々に緩和し、従来通りの生活が戻りつつありますよね。

わたしもようやく、先日友人と外へ出かけて食事に行きました。

ひとりもいいですが、誰かと一緒にいたらまた違った楽しみがありますよね。

依然として食事中以外のマスク着用やアクリル板、こまめな消毒や換気は欠かせませんが、少しずつ今まで通りに娯楽を楽しめるようになっています。

店側でも様々な工夫がなされ、コロナの脅威を乗り切るためのアイデアが次々と使用されています。

それは本来コロナ禍で活用される予定ではなかったものですが、このコロナ禍で光ったものがたくさんあります。

本日はそんな、飲食店で活躍するIT技術の紹介です!



フードテックって?

さて、近年「テック」とつく言葉をよく耳にしますが、「フードテック」とは具体的になんでしょうか?

ご想像された通り、「Food」と「Technology」を組み合わせた造語で、最新のテクノロジーを活用し食に関わる問題解決や可能性を広げていく新しい産業分野のことです。

その始まりはアメリカのハイテク産業が主導で進めるものと、ヨーロッパの社会問題を背景に課題を解決する2通りがあると言われており、食料品不足の解消や廃棄食材による環境汚染の軽減が期待されています。

とくに外食産業に焦点を当てると、調理の自動化や配膳・外膳の自動化、キャッシュレス化といったAIやロボット、IoTの活用が試みられています。

この状況下による顧客の減少や人手不足、アルバイトの不祥事など、現状の問題は「機械」ではなく「人」によるものがほとんどですが、その問題をどうにかテクノロジーで改善しようという試みがフードテックです。

すでに身の回りでも導入され始めていますよね。

このあと、何点か紹介しますが、みなさんも一度は見たことあるんじゃないでしょうか?

人ではなく、機械が働く時代です。映画みたいでわくわくしますね。

回転しない回転寿司

そんなフードテックの身近な例ですが、その最たるものが回転寿司です。

わたしからしてみれば寿司は基本的にまわってるものですが、みなさんはどうですか?

レーンに寿司が並べられ、食べたいものを取って食べ、集計はお皿で…なんて、現代ではとっくに当たり前になったこと、説明されなくてもわかりますよね。

子供の頃は、妹や弟とレーン側の席を取り合ったりしました。懐かしいですね。

他のレストランとは一風違った「自分で選んで取る」システムは、「注文を受けて席まで運ぶ」工程を全てカットできます。

もちろん、食べたいものが流れてこない時もありますから、机につけられたタッチパネルで注文することもできます。

その注文したものも、レーンで運ばれてきます。お店によって違いますが、新幹線に乗って別のレーンで運ばれてくるものや、自動的に机に流れてくるもの、他のネタがまわってるレーンで予約専用のお皿に乗ってくるもの、形はさまざまですが、いずれもタッチパネルが届く旨をお知らせし、それを取る、というシステムです。

「回転寿司」って感じがしますよね。

さて、そんな回転寿司ですが、最近はさらに進化しています。

最近わたしが行った回転寿司では、タッチパネルではなく手元のスマートフォンでの注文が可能に。席ごとのQRコードから注文画面へと簡単に行けます。もちろんアプリのダウンロードなども不要で、複雑な操作も必要ありません。

タッチパネルとなるとどうしても触らざるを得ないですから、このコロナ禍ではこまめな消毒が必須でした。しかも、真ん中にアクリルパネルがあることで取り付け式のタッチパネルだと届かない人もいましたよね。スマートフォンの利用で、それらの問題が一気に解決します。

本来このシステムはコロナ禍の状況の中考えられたものではなかったそうです。しかし、今のこの状況では大活躍ですよね。

会計も自動レジとなり、受付もロボットが行い、注文を取ったり商品を運んでくるウェイトレスもいない、実際の人と全く接触せずとも食事が済んでしまう、そんな近未来な世界が、すぐそこの回転寿司にあります。

近年では、一度取って戻すことが可能である回転寿司のデメリットをなくすため、端末で注文したものだけが届く仕組みもあるそうです。

デメリットをなくし、良い方へと改善した結果がお寿司が回転しない回転寿司です。「まわらない」のに「回転寿司」。なんだか少し変な感じですが、きっとどんどん普及していくでしょう。30年前に回転寿司が一気に普及したように。

給仕ロボットのお仕事

さて、回転寿司は比較的身近な例だったんじゃないでしょうか。

ファミレスといえば、近年はどの店舗もタッチパネル式のメニューと注文端末が普及し、当たり前になりつつありますよね。

居酒屋などでも取り入れられ、注文がスムーズになっています。

そんなファミレスで、つい先日見たのが給仕ロボットです。

大手チェーンファミレスで、注文した商品をねこをイメージしたロボットが運んでくるのです。まだ全国的に普及はしていないようで、わたしはその時初めて見たのですが、少なくとも5皿は運べそうなフォルムで、軽快な音楽とともにニッコリマークのねこが料理を運んできます。

席を間違えることもなく、道中倒れることもなく、もちろん配膳された食事もこぼすことなく可愛らしく席まで持ってきます。

あとから調べたら、どうやら撫でると表情が変わるらしく、食事の配膳という本来の仕事だけでなく、食事に来た家族のちょっとした笑顔にも貢献します。こうして、話の話題にもなりますよね。

わたしも見たのは先日がはじめてですし、まだ日本では大々的に普及していないようですが、もっと精度が上がりできることが増えれば、さまざまなレストランで目にするようになるのではないでしょうか?

本日のまとめ

先日行ったファミレスでは、配膳ロボットが運んでくるのを、はらはらしながら見守るのも楽しみのひとつでした。

本来、作業の簡略化、人手不足のような問題解決のために活用されていたIT技術が、このコロナ禍で思いもよらない大活躍を見せています。

その上、真新しいため人の目を惹き、普通の外食が少し楽しいものになるなら一石二鳥ですよね。

思えば、回転寿司にタッチパネルが導入された時も、お寿司以外のことにわくわくした思い出があります。

フードテック、わたしもつい最近知った言葉ですが、思い返せばさまざまなところで「フードテック」をみることができます。

いつもの食事も、違った楽しみがあったらよりいっそう美味しい気がしますよね。


<参考サイト>

iza

XWARE

クラウドサービスという選択

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

クラウドサービスと聞いて何が頭に浮かびますか?

以前は無かったこのサービスが今は当たり前になってきています。

パソコンで使用しているOfficeのソフトをはじめ、数々のソフトウェア、データを保存しているサーバーもそうですね。

携帯で撮った写真をクラウドに保存している方も多くなりました。

今回はクラウドサービスについてのお話です。



クラウドサービスとは

多くの方がクラウド=雲を想像しますよね。

例えば宅配ピザを注文するとき、大体の方は、自宅の郵便受けに入っていたピザ屋さんのチラシを見て、電話で注文します。最近はスマートフォンやパソコンを使用してインターネットで注文が出来てしまいます。

30分もすると、バイクに乗ったピザ屋さんが箱入りのピザを届けてくれます。

ここにはちょっとした不思議があります。多くの人は、ピザが自宅に届けられるまで、ピザ屋さんを見ることがありません。自分が電話したピザ屋さんがどこにあるのか?どんな場所でピザが焼かれているのか?そういったことが分からないまま注文しています。

クラウドサービスは、このような、「どこにあるのか?」「どんな場所で作られているのか?」「どこの人が作業をしているのか?」が分からないけれども利用できるサービスのひとつです。私たちは「どこ?」が分からなくても、多くの商品やサービスを利用しています。

クラウド(クラウド・コンピューティング)は、コンピューターの利用形態のひとつです。インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューター(サーバー)が提供するサービスを、利用者はネットワーク経由で手元のパソコンやスマートフォンで使います。

クラウドの特長のひとつは、利用にあたって、コンピューター(サーバー)の所在地(どこ?)が意識されない点です。たとえるならば、雲(クラウド)の中にあるコンピューターを地上から利用しているようなイメージです。そして、クラウドの形態で提供されるサービスを「クラウドサービス」と言います。

従来のコンピューターの利用形態では、利用者は手元のパソコンの中にあるソフトウェアやデータを利用していました。しかしクラウドサービスでは、ネットワークを経由して、雲(クラウド)の中にあるソフトウェアやデータをサービスの形で使うのです。

クラウドサービスの代表的な例にはWebメールがあります。「Gmail」や「Yahoo!メール」などが有名です。これらのWebメールサービスは、サーバーがどこにあるかを意識させません。

多くの会社ではメールサーバーを、自社の中や自社が利用しているデータセンターなどに持っていたり、レンタルのメールサーバーを利用していたりします。そしてメールを受送信・閲覧するためには、自分のパソコンにインストールしてある「Windows Liveメール」や「Outlook」や「Thunderbird」などのソフトウエアを使っています。

Webメールではまず、このようなソフトウエアを自分のパソコンにインストールする必要がありません。Webの閲覧に使用している「Internet Explorer」や「Chrome」などのブラウザーがあればサービスを利用できます。また、自前のメールサーバーを用意する必要もなく、ユーザー登録だけすれば、「どこにあるかは分からないが、どこかにあるだろうサーバーとメールソフト」を使って、メールの受送信や閲覧ができます。

このように、ネット上のどこかにあって仕事をしてくれているが、どこにあるかはよく分からないサービスを、クラウドと呼びます。



クラウドのメリット

①導入が容易

導入が容易でリスクが少ないこと。このことが、業務用クラウドサービスを使うもっとも大きなメリットかもしれません。

ここまでご説明してきたとおり、これまでの業務用ソフトウエアは、会社のコンピュータ(サーバやパソコン)の中に入れて使うものでした。そして、これらのソフトウエアは、会社が購入していました。

ですから、新しいソフトウエア…例えば、会計ソフトにしても、給与計算ソフトにしても、それを導入するまでに、慎重に吟味する必要がありました。自分たちの仕事に則したものなのか?担当者が十分に使いこなせるものか?そういったことが検討されると同時に、懸念もされてきました。新しいシステムを導入したが、十分に使いこなせず、無駄にしてしまったという例も、少なくありません。

その点、クラウドサービスは、サービス提供会社が保持し管理するサービスをネットワーク経由で利用するため、利用者側はソフトウエアを購入したり、独自に開発する必要がありません。そのため、導入の際に大きな投資をしたりする必要もなく、使えないシステムを購入してしまうリスクなどもありません。まずは試しに利用してみて、良ければ使い続けるという、安全で間違いのない導入ができる点で、クラウドサービスは優れています。

②運用が楽

クラウドでは、ハードウエアも、それを置くスペースや動かすための電力も、すべてをサービス提供会社が保持し管理します。また、業務用のアプリケーションや基本的なOSソフトなどの維持管理も、すべてサービス提供会社が行います。

そのために、社内に持ったハードやソフトを維持管理するための人手や電気代、ハードウエアの置き場にかかる家賃、セキュリティ対策費用など、運用コストが大幅に削減でき、会社にとって大きなメリットになります。

利用できるソフトウエアは、常に最新のものが提供されます。このため、これまでは手動で行っていたバージョンアップ等の作業も不要になります。

「持たずに使う」。これこそがクラウドのメリットです。

月額いくら 1ユーザーいくらという従量課金で使える

「道具を持つ」ではなく「サービスを利用する」というスタイルのクラウドでは、使っていないときには、費用が発生しないというメリットがあります。

そのため、例えば年度末の繁忙期1ヶ月間には、複数の人が入力作業のために使用するが、それ以外のシーズンは管理用に1人が使えればよい…というような利用方法も可能です。

「月額いくら」「1ユーザいくら」という従量課金のクラウドサービスは、必要な時に必要な分だけ利用して、サービスの利用料を支払います。必要最小限のサービス利用で無駄を省けます。



導入事例

実際の導入事例

現在利用のソフト更新のタイミングでクラウド版に切り替え

・N社様

在庫管理のソフト蔵奉行をパソコン1台にインストールして使用していました。

保守サポートの期間が迫っておりバージョンアップのご相談をいただきましたが、拠点もある為パソコン2台での利用を検討されておりました。

通常のオンプレ版ですとそれぞれにソフトをインストールして利用は出来ますが、登録している商品マスターや在庫情報はバラバラになってしまいます。

そこでクラウド版のご提案となりました。

それぞれのパソコンで入力したデータはクラウドに保存される為共有が出来るようになりますし、マスター情報も2台のパソコンに反映されます。

2ライセンス分の年間料金をお支払いすることで常に最新バージョンを利用できるようになりました。

生産性アップの為クラウド切替へ

・H社様

毎日の出退勤をタイムカードに打刻して月初にタイムカードを集計し給与計算していました。複数店舗がある為に月末締めたあと、タイムカードをそれぞれ集めデータを手入力します。残業時間を調べ給与計算。さらには間違いが無いかチェックを行いますが、これらの手間と時間をクラウドが解決してくれました。

ICカードタイプのタイムレコーダーを各店舗に配置

出社と退社はICカードをかざすだけ。その時刻はタイムリーにクラウドに保存され、管理者が把握できるようになります。残業時間や有休の残回数も確認が出来て非常に便利です。

月末締め後はデータを給与ソフトに入れ込むだけ。

ミスも無くなり生産性がアップしました。

まとめ

これらの導入事例はほんの一部です。

Microsoft Office永続版からOffice365に変えることでクラウド利用の開始です。

未来の話ではなく今は当たり前になりつつあり、切替が非常に増えているのです。

当然メリット・デメリットを把握したうえで決定しなければいけません。 環境が変わり、働き方にも変化があります。この機会にツールの見直しをしてみてはいかがでしょうか?

<参考サイト>

NEC

これもあれも?モノのインターネット時代!

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

IoTという言葉をご存じでしょうか?最近よく耳にする言葉ですよね。

「Internet of Thing」の頭文字をとって「IoT」、「モノのインターネット」と訳されます。

家電をはじめ、いまや様々なものがインターネットに接続され、そのサービスを広げています。

その歴史は古く、はじめて「IoT」という言葉が用いられたのは1999年だそうです。

とはいえ当時ではそれを便利に活用するだけの技術が伴わず、現代のように広がることはありませんでした。

それが広がり始めたのは2012年、第四次産業革命からです。

インターネットでモノとモノをつなぎ、そしてデータをやり取りする、わたしたちが普段PCやスマートフォンで当たり前のように行っていることですが、最初は製造業で利用することを想定した取り組みでした。

製造ラインの機械化、効率化が進み、センサーや温度・振動の感知システムの導入によってデータを集め、そのデータからさらに効率化を求める…こうしたループが繰り返されることで、技術は発展しています。

産業革命から始まった技術の発展は、製造業だけにとどまらず、現代ではあらゆるビジネスシーンで活躍しています。

ビジネスシーンだけではありません。身近なあらゆるものがインターネットに繋がり、生活を豊かにしています。

IoTという言葉を知らないまま、IoTを利用している人がたくさんいるのです。

本日はそんな、身近なIoTを紹介いたします。こんなものも?!なんてのもありますよ~!



IoT家電でスマートな生活を

身近なIoTといえば、やはり家電ではないでしょうか?

初めにスマートフォンをリモコン代わりに活用するIoTをご紹介します。

まず面白いと思ったのは「マイクロボット・プッシュ」という超小型ロボット。

押しボタンの上に設置すれば、スマートフォンを利用して遠隔から操作できるというもの。

仕組みはいたって単純で、スマートフォンで指示を出せばそのロボットが物理的な力でボタンを押してくれるというもの。アナログ的な仕組みではありますが、たったそれだけで些細なことがスマートになります。

電気を消し忘れたまま外出してしまうことが多い、家に着いたときには部屋が温まっていてほしい、そんな人にはもちろん、それだけではなく、足が不自由だったり、動くのが簡単ではない、そういった人が、手元のスマートフォンひとつで操作できるんですからとっても便利ですよね。

他にも、電球型の「stac」なんてものも。

こちらは電球型の本体に、利用者が必要だと思うモジュールを取り付けてまとめてスマートフォンで操作するというもの。

テレビのリモコン、エアコンのリモコン、電気のリモコン、何かとなくしがちな家電のリモコン。机の上に並べておけば、わざわざ移動してON/OFFする必要もなくて便利なんですが、なんかどっか行ってしまうんですよね。しかも思いもよらないところに置いちゃって、なかなか見つからなかったりするものですから困っちゃいます。

そんななくなりがちなリモコンが全部一つになり、なおかつスマートフォンで操作できたらとっても便利じゃないですか?

QoLもIoTにおまかせ

「ルンバ」の名前でおなじみのお掃除ロボットが話題になってからもうずいぶんと経ちます。以降、様々なロボット掃除機が発売されています。

最近のものはすごいですよね、段差にも強く、障害物も勝手に避け、学習能力もあります。もちろん掃除もばっちりです。

OK!Google!やAlexa!と話しかけるだけで勝手にお掃除してくれるんだから、とっても便利です。例えば夕飯の準備中に、声をかけるだけで掃除と料理がいっぺんにできてしまうんです。

家が広ければ広いほど、掃除機をかけるのは時間がかかります。時間がかかる毎日の掃除が、声をかけるだけで済んでしまうんです。その時間に何をしますか?散歩なんかにも行けちゃいます。

時間の有効活用、効率化というのもIoTの強みです。

さて、ルンバはもうおなじみのIoT家電ですが、便利で快適な生活をもたらすIoT製品はまだまだありますよ。

家電メーカーのシャープはAIとIoTを組み合わせた「AIoT」で、新たな家族として成長し、寄り添うサービス「COCORO+」を広げています。

AIを組み込むことで「スマートフォンで操作できる便利」のさらに上、ユーザーによる操作がなくとも良い状態を目指しています。

例えば、気象情報で先回り運転をするエアコン。住んでいる地域の空気の状況や天気から、最適な環境を先回りで用意します。午後になって気温が上がってきたら勝手に温度を調整してくれますから、電気代の節約にもつながります。

もちろん、先述したようなスマートフォンでの操作も可能で、その操作に基づいて人工知能が学習していきます。

さらに、このエアコンと連携し、自動に加湿を開始する空気清浄機なんかも。

こちらは明るさセンサーが内蔵されており、長時間暗闇が続くと睡眠中と判断し、エアコンを睡眠中に適した設定に操作するそうです。うーん、便利。

便利というより、「わたしたちの操作・干渉を求めないこと」がシャープの目指すIoTだそうです。

わたしたちの意思を介さず快適な場になる家、とても近未来的ですが、その近未来はもうすぐそこに来ているのです。

こんなものもIoT?

さて、身近な家電に導入されたIoTをご紹介しましたが、まだまだ面白いものがたくさんあります。

全国2冠を今年達成した星稜中学校野球部はトレーニングにIoT機器を取り入れているそうです。

「テクニカルピッチ」というセンサー内蔵のボールで、ボールを投げると球速や回転数、回転軸などが記録されるというもの。

もちろん重さや大きさは公式で利用されるものと同じに設計されていますから、実践と同じように投げられます。

これまで紹介したIoTは生活に寄り添うものでしたが、スポーツの世界もIoTでどんどん変わっていきます。

「テクニカルピッチ」のHPのトップ画面には「IoTボールが野球を変える」と大きく書かれています。

生活だけではありません、スポーツだって、娯楽だって、趣味だって、IoTでその質は上がっていくのです。


本日のまとめ

いかがでしたでしょうか?身近ですでに導入されている方もいらっしゃるかもしれませんが、世の中はどんどんIoTを取り入れ、便利に快適になっています。

生活だけではありません、紹介したようにスポーツだって、あるいは娯楽や趣味にだって、IoTが取り入れられています。

数千円のドローンをスマートフォンに接続して、お手軽に空からの動画が取れてしまうんです。数年前までは突拍子もないような、突飛なアイデアが、あっという間に現実になる、そんな世界です。

以前にも取り上げました、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」のです。

ボールを投げただけでその情報が確認できるなんて、なんとなくみんな、「できたらいいな」って思っていたと思います。外出先から消し忘れた家の電気消せたらな~って、みんな何度も思いましたよね。

気が付けば、現実になっていました。

ただでさえ急速に快適で便利になっている生活は、まだまだずっと便利で快適で、そして面白いものになっていきます。

これから生まれてくるたくさんのアイデアが楽しみになりますね。



<参考サイト>

CORE CONCEPT

SSK technical pitch

stak

+STYLE

価格.COMマガジン

SHARP COCORO+

CEATEC AWARD 2021 アジア最大規模のイノベーション展示会

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今年本国で開催された東京オリンピック2020は、ほとんどの競技が無観客開催でした。

新型コロナウイルスの感染拡大による1年の延期や無観客開催と、前代未聞の大会となりました。

オリンピックだけではありません。ライブも、コンサートも、イベントも、あらゆることが制限されるようになってからもうすぐ2年が経ちます。

家でテレビを前に応援しているわたしたちの声は、リアルタイムで選手たちに届くことはありません。静まり返った競技場は、普段熱気と声援に包まれている選手たちにとってひどく味気ないものだったかもしれません。

彼らはトップアスリートですから、応援の有無に関わらず練習を重ねてきていますが、しかしそれはそれとして応援というものは大きなパワーになります。

わたしも学生時代に長いことスポーツをしていましたからそのパワーがよくわかります。

スポーツ観戦が好きな人たちも、そのスポーツや選手の活躍はさることながら、会場の雰囲気が好きという方も多いのではないでしょうか?仕方がないとはいえ、なんとも寂しいですよね。

現在どうしても抑制されがちなコロナ禍での娯楽ですが、そんな中で少しでも楽しむための工夫がなされています。

10月19日~22日、IT技術とエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC」が開催されました。昨年同様にオンラインで開催されたこの展示会の「CEATEC AWARD」グランプリのひとつに、そんな抑制されてしまった娯楽を楽しむためのものが選ばれていました。

CEATEC AWARDとは、学術的・技術的観点・市場性や将来性等の視点から、イノベーション性が高く優れている、と判断されたものを表彰するものです。

本年はやはりウィズコロナDXを意識したものが多かったですね。

本日は「CEATEC AWARD」の中から、何点かピックアップしてご紹介します。

DXでオンライン応援

冒頭でお話ししたのは、ニューノーマル社会への提案・競争カテゴリー、デジタルトランスフォーメーションDX部門グランプリの、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」です。

こういったコロナの環境下、あるいは別の様々な理由で現場に行けないスポーツファンが、オンライン上でリアルタイムに選手を応援するプロジェクトで、Jリーグやプロ野球などと共創しながら、新しい応援の文化を創出しています。

スポーツの中継はなにも珍しいことではありませんが、この「Remote Cheerer」は従来の「現地に行って応援する」か「中継で見る」といったスタンダードな2種類のスポーツ観戦の、新しいかたちを実現します。

いうなれば「オンライン応援」でしょうか?オンライン観戦といえば今まで通りですが、こちらは応援付きです。

スマホをタップしたり振ったりすることで、現地に設置されたスピーカーから声援や拍手が流れるのです。システムはいたってシンプル。シンプルですが、とても「今っぽい」ですよね。

アイドルオーディションやミスコン等で近年利用される配信ツールでも、ファンはスタンプやプレゼントで画面を華やかにすることで応援の意を表すことができます。かたちのないものを可視化することで、モチベーションの向上に繋がります。

スポーツだって同じです。たとえ無観客でも、スピーカーから音がすることで「応援されている」ことを可視化します。(見えてはいないですが)

他にも、トークルームやチャットルーム機能で同じ試合を見ている人と交流するといった、SNSに近しい機能もあり、ひとりではなくみんなで応援する「現地観戦」に近いものを体感できます。

隣のシートの見知らぬサポーターと盛り上がる…といった、現地ならではの楽しみに近い楽しみ方もできそうです。



量子暗号で理論上最強のセキュリティ

莫大な情報であふれ、それが資産となる現代社会において、重要とされるのはその情報の活用の仕方です。あるだけの情報は何の役にも立ちません。情報の分析、活用、共有、それが現代社会での戦い方です。では、その情報はどうやって守りますか?

オープンカテゴリー、ソリューション部門では「東芝の量子暗号通信で安全なオンライン社会を実現」が、“理論上”突破されないセキュリティ要素として準グランプリを受賞しました。

詳しく話すととても難しい話になるのですが、光の粒子がなにかに触れると、必ず状態が変化するという量子力学的な性質を利用した暗号鍵の技術です。

なんで理論上証明されているのかというのはいまここで解説しませんが、ざっくり言えば、鍵の情報が変化している場合は「なにかに触れられた」可能性が高いため、危険だから使わないようにする…ということです。

………わかりますか?難しいですよね。まぁ、極端な話、家のカギに知らない人の指紋が付いたら鍵を変えようね、みたいな感じです。

この情報社会、そしてIoTの時代に、データ通信の安全性はますます重要視されています。

現状理論上安全が保障されているこの量子暗号技術は、まだまだ通信速度や距離といった制限、そして技術の進化による「セキュリティ突破」の懸念等、問題もありますが、しかしそれでも、現段階では大いに期待できる技術です。

次々と新しい技術、そして進化が繰り返される現代です。制限や懸念を拭い取り、超スマート社会へ向かうこの世界の、セキュリティ業界を牽引するのもそう遠い話じゃないかもしれません。

スーパーでスマートな未来都市へ

少子高齢化、インフラ老朽化といった地域課題に直面する中で、「スーパーシティ・スマートシティ」の取り組みが広がっています。スーパーシティとは、最先端の技術で地域課題を解決し、快適で便利な未来都市の実現を目指す構想のことをいいます。

ニューノーマル社会を先導するスーパーシティ/スマートシティの実現に向け、社会と暮らしの全般における先進的サービスやデータ連携・活用などが求められている今、ニューノーマル社会への提案・共創カテゴリースーパーシティ/スマートシティ部門でグランプリを受賞したのが「NECが目指す未来のまち ~スーパーシティ~」です。

防災、観光、医療福祉といった、複数の分野にまたがる地域の課題に対して横断的にサービス・データを流通させるクラウドサービス「NEC都市OS」をベースに、容易かつシームレスにスーパーシティへと取り込むこの構想は、総務大臣賞も同時に受賞しています。

防災面ではAIを利用した防災予測、被害情報などで、逃げ遅れゼロを目指し、観光面ではこのコロナ禍でも安心・安全に快適な旅を提供します。世界ナンバーワン精度の顔認証や混雑度検知や群衆行動解析を組み合わせ、地域活性を実現します。

開発コストの低減、地域の特性やニーズに合わせたシステム構成、そして現代求められているスーパーシティに即した点が評価され、グランプリとなりました。

想像にとどまらないNECが目指す未来のまち、どんな人も安心して生き生きと暮らし続けられるまちは、もうきっとすぐそこにあるのではないでしょうか。

本日のまとめ

いかがでしたでしょうか?

CEATECオンライン、実際にわたしも入場させて頂きました。むずかしい話が多くはじめはしり込みしましたが、知れば知るほど面白く期待に胸が高まるものばかりです。

オンラインになったことで、参加が容易になったのもわたしにとってはうれしいポイントでした。

ニューノーマルな社会はすでにもう始まっています。最新テクノロジーの上に成り立っているわたしたちの生活の、新しい一歩のそのつま先を体験できたいい機会になりました。

オンラインでも応援をリアルに届ける、理論上最強のセキュリティ、そしてスーパーでスマートな未来都市。

他にも、たくさんの技術が、開発が、今繰り広げられています。これからのわたしたちの未来は、きっとスーパーでスマートへとどんどん近づいていくのでしょう。



<参考サイト>

CEATEC2021 webサイト

SOUND UD webサイト

NEC webサイト

Cyber security for All 誰も取り残さないサイバーセキュリティ

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

9月の終わり、首相官邸でサイバーセキュリティ戦略本部が開かれ、次期「サイバーセキュリティ戦略」が決定されました。2015年に内閣で定められ、3年ごとに戦略を更新していくものです。

7年目となる今年、「Cybersecurity for All ~誰も取り残さないサイバーセキュリティ~」をコンセプトに、「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の確保を目標とする戦略案が公表されました。

さて、難しい話から入ってしまいました。

みなさんは、サイバーセキュリティといわれたらなにを思い浮かべるでしょうか?ウイルス対策ソフトとか…複雑なパスワードを設定するだとか…そんな漠然としたイメージはあるものの、具体的に説明するとなると言葉に詰まってしまうのではないでしょうか。

テストで40点くらいの答えは出せるんですけど、100点満点となるとなかなか難しい…。

デジタル化、IT化、DX、この世界の技術が進めば進むほど、漠然とした「40点程度はわかる」ものが増えていくような気がします。実際、40点程度あれば十分機能してしまうのも、技術が進んだ結果なんですよね。

本日は、そんな漠然としたサイバーセキュリティとその戦略についてお話しします。

70点のサイバーセキュリティ

そもそも、サイバーセキュリティと言われて100点満点の答えを出せる人はいますか?

 「サイバーセキュリティ」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式により記録され、又は発信され、伝送され、若しくは受信される情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置並びに情報システム及び情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保のために必要な措置が講じられ、その状態が適切に維持管理されていることをいう。

サイバーセキュリティ基本法

これが100点満点です。まぁ、今すぐ100点を取る必要はありません。理解できていればそれで大丈夫です。

本日のお話は、だいたい60~70点が取れるようになるのを目標とします。

サイバーセキュリティとは、要約すれば「知覚で認識することが不可能な方法で、情報が漏洩しないように、防止および情報の管理に必要な措置がされており、その状態が適切に維持管理されている」ことを言います。

う~ん、ぎりぎり70点…!

ともかく、「サイバー攻撃から情報を守る体制」のことです。定義はそんな認識でいいんじゃないでしょうか。

ではなにが正しいサイバーセキュリティなのか、大事なのはそこです。

2021年からの3つの方向性

サイバーセキュリティ戦略では、目標である「自由、公正かつ安全なサイバー空間」を確保するため、今後3年間の方向性を提示しています。

サイバー空間とは、グローバルな拡張・発展を遂げ、国境を越えて質・量ともに多種多様な情報・データを自由に生成・共有・分析することが可能かつ流通する場、つまり、わたしたちを当たり前のようにとりまくインターネットの世界のことです。

(1)デジタル改革を踏まえたデジタルトランスフォーメーションとサイバーセキュリティの同時推進

(2)公共空間化と相互連関・連鎖が進展するサイバー空間全体を俯瞰した安全・安心の確保

(3)安全保障の観点からの取組強化

以上の3つはそれぞれ「経済社会の活力の向上及び持続的発展」、「国民が安全で安心して暮らせる社会の実現」、「国際社会の平和・安定及び我が国の安全保障」に向けた取り組みに対応するものですが、もちろんすべて意識されるべきことです。

それぞれざっくり、70点を目指して解説します。

DX with Cybersecurity

(1)デジタル改革を踏まえたデジタルトランスフォーメーションとサイバーセキュリティの同時推進

今年9月、デジタル後進国と言われる日本にようやく「デジタル庁」が設置されました。今まさに日本がデジタル化を大きくすすめる絶好の機会です。

デジタル化が進めば進むほど、サイバーセキュリティの重要度は増していきます。デジタルトランスフォーメーション、DXが推奨されている今、デジタル投資とセキュリティ対策は同時に進行していかなければなりません。

DXが進めば進むほどサイバー空間に強く結びついていきます。人々の生活を革新的に、豊かにより良い方向へと変化するために行われるDXですが、そこに結びついたサイバー空間に穴があっては意味がありません。逆に、セキュリティを強めたサイバー空間だけがあっても、そこに結びつくものがなければ意味ないですよね。

例えば、たくさんの物(情報)を大きな箱(サイバー空間)に入れられるシステム(DX)があっても、その箱に穴が開いていれば使えませんし、逆にたとえ頑丈な箱があっても、その箱を開ける術がなければただのがらくたですよね。………こんな感じです。なんとなくわかりますでしょうか?

「経済社会の活力の向上及び持続的発展」のために、DXは必要不可欠です。DXの推進のために、サイバーセキュリティも必要不可欠なわけです。

モノのインターネット時代

(2)公共空間化と相互連関・連鎖が進展するサイバー空間全体を俯瞰した安全・安心の確保

「連接融合情報社会」という言葉があります。IoT(Internet of Things)、「モノのインターネット」という言葉が身近になった現代で、あらゆるモノがインターネットに接続され、実空間とサイバー空間が高度に融合した社会を指す言葉です。

サイバー空間は社会の中に溶け込んでいます。サイバー空間を基盤として処理されるものが、この世にはあふれています。

つまり、「国民が安全で安心して暮らせる社会の実現」における「社会」というのは、実空間とサイバー空間の両方を含むわけです。

サイバー攻撃は大きいものから小さいものまで毎日ひっきりなしに行われ、被害は1日に1万件以上と言われています。サイバー攻撃は、簡単に言ってしまえばパソコンやスマートフォン端末という他人のプライベート空間に侵入し、なにかしら価値のあるものを盗むような行為です。実空間で他人の家に侵入し、金品を盗むことは立派な犯罪ですよね。それが1日1万件も行われていたらとてもじゃないですが安全安心とは言えません。

サイバー攻撃の脅威は増す一方で、経済社会が抱える脆弱性が顕在化しています。サイバー空間を実空間と変わらず「公共空間」とし、安心・安全を確保していかなければいけません。

そのために、国、企業といった組織単位ではなく、一人一人が意識し、国一丸となってシームレスな対処態勢が必要です。

目に見えない戦争、目に見えない戦場

(3)安全保障の観点からの取組強化

サイバー空間は陸、海、空、宇宙に次ぐ5つ目の戦場となりつつあります。

先に挙げましたサイバー攻撃の例は、あくまで個人及び小組織を想定した例え話でしたが、国家がその対象になることだってもちろんあります。

かつてはSFと呼ばれ架空の存在だった「サイバー戦争」は、すでに現実のものになっています。映画や小説のようなフィクションだったら娯楽ですが、現実ではれっきとした戦争であり、国を脅かすものです。

サイバーセキュリティ戦略では、中国、ロシア、北朝鮮の関与が疑われるサイバー攻撃が増えたと明記されました。

サイバー攻撃は目に見えない攻撃です。その戦場も目に見えません。言ってしまえば、その戦果も、失ったものも、目に見えないのです。

目に見えないだけで、戦火はわたしたちの頭上を飛び交っています。

「国際社会の平和・安定及び我が国の安全保障」のために、純粋な武力だけではなく、サイバー攻撃に対する防衛力や抑止力が求められる時代になっています。

本日のまとめ

なんだか信じられないですよね。数十年前、サイバー攻撃は確かにフィクション上の娯楽だったはずです。

目に見えないからこそなんとなくでしか意識できません。しかし目に見えないからこそ怖いんです。

あ、そうそう、最後にこちらのサイトをご紹介します。

CYBERTHREAT REAL-TIME

https://cybermap.kaspersky.com/ja

サイバー攻撃をリアルタイムで見ることができます。

目に見えない攻撃は進化し、激化しています。それでも、目に見えない攻撃を目に見えるようにする技術も進化しているのです。

この国のこれからのサイバーセキュリティ、なんとなくわかりましたでしょうか?

冒頭でも言いました、100点の回答はなかなか難しいです。もちろん、全員が満点取れるくらい理解していればセキュリティはぐっと高まります。だからといっていきなり難しいこと言われてもピンとこないから難しいんですよね。

少しずつ、少しずつ学んでいきましょう。40点の知識を60点に、70点に。もちろんわたしも勉強中ですから、一緒に学んでいきましょうね。

見えないサイバー空間も、きっと少しずつ見えるようになります。そのお力になれれば幸いです。

<参考サイト>

NISC(サイバーセキュリティ戦略)

日本経済新聞

e-GOV(法令検索)