メール送受信エラーについて

『昨日まではメールの送受信が出来ていたのに…?』

ため息をついてエラーコードを確認し調べてみるもメール設定ページを開くと見たことない設定値や専門用語だらけ。

こんな時に限って『早急にメールを確認しなければいけないのに…!』

実はセキュリティの脆弱性を修正するために定期的に行われるWindows Update によって

このような事例が多く散見されます。

かといって定期アップデートを行わないとコンピューターの動作が遅くなってしまったり、サイバー攻撃のリスクが高まってしまいます。

そのような際の対策を理解しておけばアップデートに伴いメールの設定値が変わってメールの送受信が出来なくなってしまった時も落ち着いて対応ができます。

本日はメールソフトにて突如起きてしまったメールの送受信エラーの改善方法と合わせて

メールの送受信の仕組みをお話させていただきます。



ポート番号とは

本事例に関しましてはポート番号という数値がWindows Updateにより書き換わってしまうのが原因で起きてしまう現象です。ポート番号が変わってしまうとなぜ、メールの送受信が出来なくなってしまうのでしょうか?

ネットワーク上に存在しているパソコンには必ず『IPアドレス』という『住所』が割り当てられています。

『IPアドレス』=『埼玉県川越市新宿町A丁目B番地Cマンション』

これだけで十分の所在地がわかります。

IPアドレスを見ればどのパソコンかを識別することができます。

しかし、建物の場所だけではマンションの部屋番号がわからないので手紙は届きません。

そう!ポート番号は言わば『部屋番号

部屋番号がいつもお手紙を出したり届く玄関口が変わってしまうと(書き換えられると)

メールの送受信が出来なくなってしまうのです。

ポート番号』 = 『XYZ号室

今お使いいただいているメールソフトの設定を確認し

メールの送信ポート番号受信ポート番号を確認してみましょう。

前述させていただいたポート番号の正しい数値がわからない!

そんな時はお手元に『プロバイダ情報』をご用意してください。

実は『ポート番号』は『インターネット接続事業者』=『プロバイダ』による

メールアドレス設定情報にしっかりと記載されています。

タンスの奥底に眠っていることが多いのでぜひ改めて『プロバイダ情報』保管場所の定位置を決めてあげてください。

設定値を確認しよう

本稿では

『OCNテクニカルサポート』よりWEBサイト情報のPOP3受信方式の項目を参考にさせていただいております。

こちらには

受信メールサーバー(POP)

ポート番号:995

SSL:使用

送信メールサーバー(SMTP)

ポート番号:465

SSL:使用

OCNの場合だと

995号室』に手紙が届いて,『465号室』からメールを郵便ポストに出しに行くんだな!

と捉えていただければと思います。

こちらの数値が書き換わっていた場合は部屋番号、「ポート番号」を書き換えれば改善です。

またご契約している内容や、受信方式の違いがございますとこちらの数値ではメールの送受信が出来ないことがございます。

必ずプロバイダ情報をお手元にご用意して記載されている数値の入力をしてください。

インターネットセキュリティ警告が出たときは

『メールの送受信はできるけどインターネットセキュリティ警告が出てしまいます!』

こういった警告がいきなり出てくるとビックリしますしセキュリティなんて書かれていたら恐い印象を受けますよね?

上記文面でのご相談も多く飛び交っておりますが、『ポート番号』で解決できます!

その際は

受信メールサーバー(POP)

ポート番号:110

SSL:なし

送信メールサーバー(SMTP)

ポート番号:465

SSL:なし

『ポート番号』をこちらに書き換えていただくと

インターネットセキュリティ警告のポップアップは出てこなくなります。

定期的にメールサーバーにて『セキュリティ証明書』の更新が行われます。

更新後は前述したほうの『ポート番号』でも警告が出なくなりますので一時的にこちらのポート番号をお使いいただければストレスなくメールができます。

 WindowsLiveメールのサービスが終了しています。

Windows Liveメールのサポートは、2017年1月10日で終了しています。

併せて、OSのアップグレード『windows10』→『windows11』と変わっていく中でさらに不具合が生じる可能性がございます。

サポート終了から4年が経ってしまいますとセキュリティ的な面で不備が出てくる可能性がございます。ちなみに項目4のインターネットセキュリティ警告が出たときに一時的な対策として利用する『ポート番号』に関してはLiveメールでは送受信が出来ないようになっており機能が粛々と減っています。

また、こういったアップデートに伴いまして、連日の不具合が起きてしまうと業務に支障が出てしまいます。 

弊社では『Liveメール』→『Outlook』へのメール設定の引継ぎ作業を行っております。

まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

皆さまいかがでしたか。メールは手紙やFAXに代わる無料で通信できる便利な機能ですが、急に使えなくなったときにどうしたら良いのかわからず、困ってしまう難しいものだったりします。メールの送受信エラートラブルが起きた際に少しでもお役に立てれば幸いです。

ちゃんと守れる?「プライバシー」プライバシーマーク制度

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

突然ですが皆さん、プライバシーと個人情報の違いって分かりますか?

どちらも似たような意味合いを持つ言葉として認識し、使っているのではないでしょうか?たしかに、このふたつの言葉は深くかかわっている言葉です。

情報が資産になるこの時代で、個人情報の取り扱いは最も重要なことのひとつです。これまでも様々なところで言ってきましたが、個人情報は個人にとっても、企業にとっても、大事な情報です。あなたにとってはどうでもいいような情報も、誰かにとってはずっと価値のあるものかもしれません。

ただでさえ口頭・紙媒体といった直接的な理由以外での情報漏洩も方法がたくさんある時代です。

さまざまなものが電波に乗りインターネットに放出されるということは、それはもう取り戻せないのです。誰が手にしたのかさえ特定は難しくなります。

言ってしまえば、高い塔の上から紙をばら撒くようなものです。その紙はあなたにとって無価値なものかもしれませんが、拾った人は簡単にお金に換えてしまいます。

インターネットと現実世界が融合しているというのは、そういうことなのです。

本日は、そんな大事な大事な個人情報を守るプライバシーについてです。


個人情報とプライバシーと法律

では、冒頭の問いに戻りますが、プライバシーと個人情報の違いとは何でしょう?

「個人情報」は、個人情報保護法で

『生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などによって特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)、または個人識別符号が含まれるもの。』

と定義されています。

簡単に言えば、生きている個人の情報であり、特定の個人を識別できるもののことを「個人情報」と言います。

わたしは本名ではないSNSのアカウントを持っていますが、そこで本名や住所、勤務先、あるいは生年月日といった、わたしにまつわる情報が記載された写真が投稿されれば、それは「本名ではない匿名のアカウント」であることに関わらず「わたし」の情報ですから、個人情報の流出になります。

少しややこしいですが、それを保有している人がわたしだろうとわたしじゃなかろうと、わたし個人の特定が可能な情報はわたしの個人情報であり、それを公表したのが誰であろうと個人情報の流出に変わりはありません。

また、個人情報保護法は日本の法律ですが、日本に居住する外国人の方の情報も個人情報に含まれます。

一方「プライバシー」は「個人や家庭内の私事・私生活。個人の秘密。また、それが他人から干渉・侵害を受けない権利」「自己の情報をコントロールできる権利」という意味があります。

どちらかといえば権利的な意味合いが強いですね。

どちらも法律の話ですから、なかなか簡単にすべて理解できる話ではありません。う~ん、難しいです。

たとえば、メールアドレス「123abc@~」といったメールアドレスはただの汎用的な文字の羅列であり、個人の特定には至りません。しかしそれが「yamada@~」といった、名前の予測が可能かつ、個人を特定できるものであった場合、個人情報に該当するそうです。@の後に企業ドメインがあれば、「その会社のヤマダさん」まで特定できてしまいます。

とはいえずいぶんと曖昧な境界であり、この境界はそのほとんどを各々の判断にゆだねるしかないのです。

個人情報保護というのは、企業や団体が個人情報を適切に取り扱う方法を規定したものであり、プライバシーの保護は含まれません。

とはいえ、個人情報保護法を守るということはプライバシーを守ることに繋がるので、全く別物というわけでもありませんね。

同様に、「企業や団体」が対象ですから、各個人には適用されません。つまり、わたしの友人がSNS等でわたしの個人情報を公開したり、メールアドレスを勝手に誰かに教えたとしても、「個人情報保護法」には抵触しません。(もちろん、それはそれで別の問題になりますよ!)

世の中は個人情報を利用して便利になる一方で、その扱いによるトラブルも増えていく一方です。

インターネット通販で何かを購入するために入力された個人情報、氏名、電話番号、住所、おまけにクレジットカードの番号など、悪用されたらどうでしょうか?

買い物に行く手間を省くために、便利にするために利用した個人情報がもし1度でも悪用されれば、怖くてそのサイトでの買い物なんてこれからできないですよね。

悪用なんて言い方をしましたが、企業も企業で“悪”用するために手に入れたわけではないのに、どこかで漏れてしまい悪用されたらどうなるでしょうか?

先に行ったように、利用者は減りますし、社会的信用も失います。情報はなんでもアッという間にニュースになりインターネットの海を飛びまわる世界ですから、その被害は甚大になるのが目に見えています。

とはいえ、信頼できるサイト・会社かどうかなんてなかなか見わけがつかないですよね。大手有名会社でも個人情報漏洩でニュースになる時代ですから、自分の身は自分で守るしかないのです。

プライバシーマーク

引用:JIPDEC

プライバシーマークというものをご存じですか?

プライバシーマーク制度とは、「事業者が個人情報の取扱いを適切に行う体制等を整備していることを評価し、その証として“プライバシーマーク”の使用を認める制度」のことで、1998年に運用が開始された制度です。もう20年以上前からある制度なんですよ。知っていましたか?

その目的は「消費者の目に見えるプライバシーマークで示すことによって、個人情報の保護に関する消費者の意識の向上を図ること」「適切な個人情報の取扱いを推進することによって、消費者の個人情報の保護意識の高まりにこたえ、社会的な信用を得るためのインセンティブを事業者に与えること」の二点です。

インターネットセキュリティなどもそうですが、どうしても見えないものに意識を向けるのは難しいことです。

通販サイトなんだから、大手会社なんだから、そういうサービスを提供しているのだから、「個人情報は守られて当たり前でしょ?」と思ってしまいがちです。

だって流出するかどうかの不安レベルや信用度は目に見えませんから、漠然とした不安を抱えながら利用するか、利用を全くやめるかの二極化になってしまいます。

せっかく便利になっているのに、それを利用する土壌はまだきちんと出来上がっていないのが現状ですから、わたしたちは常にリスクと隣り合わせで利用するかしないかの判断をしています。

そういった判断の材料になるのが「プライバシーマーク」であり、プライバシーマーク制度の目的なのです。


本日のまとめ

たとえば、Webサイトで会員登録をするとき、様々な個人情報が必要になりますよね。いったい何に使うのかわからないようなことが聞かれることもあるかもしれません。そのサイトは、本当に信頼できるサイトでしょうか?

そんな時、そのサイトの企業にプライバシーマークがついていたらどうでしょうか?

プライバシーマーク付与事業者は、付与事業者の名称、個人情報管理者の連絡先、個人情報の利用目的、その他個人情報に関わる問い合わせ窓口などを明示し、同意を取ります。

本来の個人情報保護法では本人の同意は不要ですが、この段階を踏むだけでだいぶ不安は払しょくされるのではないでしょうか?

他にも、関係ない会社からDMが届くことがありませんか?どこかで入力した情報が漏出したのか不安になりますよね。

プライバシーマーク付与事業者は、本人以外から取得した個人情報を利用してDM、電話、FAX、メールなどで連絡する際、必ず個人情報の取得方法を通知し、その後の連絡の同意を得る必要があります。

以前にもお話ししました、オプトイン、オプトアウトと同様で、特にメールは迷惑メール防止法の規定がありますから、みなさんには拒否する権利がしっかりあるのです。

このように、普段の生活の中で曖昧な個人情報の取り扱いや、それに対する漠然とした不安を少しでも解消するための制度がプライバシーマークというのです。

現在このマークが付与されている事業者は17,000社弱です(2021年12月現在)。ごまんとある事業者の中でまだまだそんな数なのです。

これからも、インターネットを通した個人情報のトラブルは増えていくかと思います。それは世界が便利になった代償です。それでも、当たり前ですが、リスクはないほうが良いに決まっています。

そのための制度のひとつがこの「プライバシーマーク制度」なわけです。

先ほども言いましたが、自分の身は自分で守るしかありません。自分の判断が大きなトラブルを招きかねないのがインターネット社会です。そうならないように、判断するときに目を光らせてください。もしかしたらこのマークが安全なほうへ導いてくれるかもしれませんよ。

ノーリスクハイリターンがなによりですからね。

<参考サイト>

JIPDEC

個人情報保護委員会

よくわかるプライバシーマーク制度

CANON:サイバーセキュリティ情報局

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【5】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

これまで数回にわたって、インターネットの、とくにSNS上のトラブルについて例を挙げてお話してきました。ここ十数年で急速に発達したインターネットに、国や教育、わたしたち自身の意識、そういったものはいまいち間に合っていません。
数回の記事を書くにあたって、改めてわたしも実感しました。

なによりも、間に合っていないことの自覚が薄いことが大きな問題です。わたしなんかは、まさにZ世代と呼ばれる若者ですから、学生のころからインターネットやSNSは当たり前でした。インターネット特有の暗黙の了解や、ネットモラル、マナーは自然と身についていると思っていました。
それでも、まだまだ足りないところがたくさんあると再確認しました。

しかし、足りないままではいけません。いくら「最近」とはいえ、現在主に利用されているSNSはサービスを開始してとっくに十数年は経っています。SNSの黎明期は2004年頃ですから、20年前ですよ。もうそんなに最近の話でもないんですよね。わたしも時間の流れにびっくりです。
その20年のうちに、そのSNSアプリケーションは何回アップデートされたのでしょう。わたしたちの意識は、何回アップデートされたのでしょうか。

考え方が変わるのは当たり前のことです。ものごとの変化は、人の意識からなるものです。
実際にSociety5.0が目指され、DXが進み、わたしたちの意識も含めた「デジタル化」が進んでいます。
日本の歴史2000年と比べれば、まだまだ子供なインターネット空間ですが、少しずつ2000の先に融合しています。デジタル化、さらにはインターネット化は、まさに今が黎明期と言えます。

さて本日は、これまでのまとめとして、インターネット世界黎明期に生きるわたしたちにできることのお話です。


あなたを守る法律

インターネットに限らないことではありますが、わたしたちは被害を受けた際に泣き寝入りしてしまうことが多々あります。
SNSにはブロックという機能があり、見たくないものを見ないようにすることが容易です。このブロック機能による炎上というのも、たびたび見られますよね。

以前お話ししたように、炎上を鎮めるには素直に謝罪し理解することがもっとも効果的ですから、それがないままブロックすると「逃げた」と言われがちです。
炎上の原因も様々ですから、一概には言えませんが、謂れのない噂で炎上してしまった場合、あるいは一方的な誹謗中傷を受けた場合、見ないようにして過ぎ去るのを待つしかありません。
そういった時には、見たくないものは見ないようにミュートやブロックで対処しますよね。
あるタレントが、たくさんの応援よりも1つの誹謗中傷の方が気になってしまうと言っている記事を読んだことがあります。気にしていないつもりでも、やはり自分に向かう暴言は気になってしまいます。一般人だろうと有名人だろうと人間ですから、同じですし当たり前なのです。

見ないようにするのはもっとも手軽な対抗方法ですが、根本の解決にはなりません。たとえ見えないようにしたとしても、それでも一度受けた誹謗中傷は脳裏にちらついて離れなくなることもあります。
ミュートやブロック以外の、泣き寝入り以外の方法をご紹介します。

まずはじめにしたいことは、誹謗中傷やデマ、噂を流している投稿の削除でしょうか。
デジタルタトゥーと言われ、一度インターネットの海に放り込まれたものは金輪際消えることはありません。しかし、記憶は薄れていくものですから、元凶である投稿がなくなるのは大事なことでしょう。
その投稿が「消された」ことで、ほかの悪意ある投稿への牽制にもなりますし、それが嫌だと被害者が声を上げていることが物理的に証明できます。

 インターネット上に自身の権利を侵害するような情報(プライバシー侵害、名誉毀損等)があった場合には、本人もしくは代理人(未成年者であれば親などの保護者、弁護士)からサイトの管理者等に対して削除の依頼をすることが可能です。(総務省HPからの引用)

総務省のHPにもありますが、みなさんの人権は守られるものですから、侵害された場合は削除要請が可能です。
これは「プロバイダ責任制限法」にかかる内容であり、2001年に成立しています。
先にあげたSNS黎明期よりも前に成立しているものですが、この存在を知ってる人が何人いるのでしょうか?泣き寝入りをしている人が何人いるでしょうか?

発信者情報の開示請求なんてものもあります。少し調べてみたところ、今やLINEを利用して相談し、簡単に開示請求が可能なサービスもあるそうです。様々なことが、とても手軽にできる時代ですね。

さて、他にもできることはあります。簡単に言ってしまえば、賠償金の請求です。
実際に、以前お話しした誹謗中傷で亡くなられてしまったプロレスラーの母親は、誹謗中傷をしていた人に対し裁判を起こし、その結果、決して安い金額ではない賠償金の支払いが命じられました。
人の命がかかっていると言っても過言ではありませんから、なにもおかしなことではないんですよね。
直接手をくだしたわけではなくとも、その人の行為は立派な加害だと認められたわけです。

子役から活躍しているまだ若い女優さんも、同様にSNSで受けた誹謗中傷に対し訴訟し、示談金が支払われる結果になっています。
その女優さんのYouTubeでは、「社会的に罪を償ってほしい」という言葉が聞けます。

例に挙げているように、法的に罪であると、国は認めているのです。わたしたちにとってその意識は多少薄いものかもしれませんが、実際に例に現れています。
たとえ投稿が消されても、お金が支払われても、その傷は消えることはありませんが、それでも気は軽くなるのではないでしょうか。
こういった事例があること、あなたを守る法律があることを、忘れないでください。

変わっていく世界

さて、法的な手段を紹介しましたが、実際問題わたしたちは現状、法の下というよりはどちらかといえば倫理や道徳のもとでインターネット社会を生きています。法律がなければなんでもしていいわけではありませんから、まだ法律が追いついていない部分は、すべて倫理観や道徳心に委ねられているのです。

極端な話をすれば、「悪口を言っても、どうせこんな大衆の言うことなんて気にしないだろう」と思うことも、「どうせ届かないし聞こえないのだから、SNSで応援を伝えても意味ないだろう」は同じ意味です。
そこに、「でも言わない」「でも伝える」が加わるかどうかが考え方の違い、突き詰めれば倫理につながるのです。

インターネットにおけるコミュニケーションの原型は掲示板形式のものです。
現在と比べ匿名性が高く、ラフな空間だった代わりに治安もあまり良いとは言えませんでした。
その掲示板で誰かの悪口を言っても、その本人が直接調べ、見に行かない限り届かないことがほとんどなのも、ラフであった理由のひとつです。

しかし今のSNSは、「アカウント」というキャラクターが存在します。芸能人はもとより、一般的に利用しているわたしたちも、「わたし」「あの人」というキャラクター性をもち、交流しています。掲示板との大きな差はここにあります。

インターネット上は確かに匿名かもしれませんが、イメージとしてはもうひとつの世界のもうひとりの自分ですから、その世界ではちっとも匿名でもないんですよね。
わたしの保有するアカウント「A」は、そのSNSにおいて「A」という人格のあるキャラクターになっているのです。
この情報セキュリティ相談センターにもTwitterのアカウントがありますが、誰が運営しているかわからないからと言って悪意を持って誰かを攻撃すれば、「情報セキュリティ相談センターが悪意ある攻撃をした」と、思われるわけです。

時代とともに、インターネット上のコミュニケーション方法は代わりました。わたしたちの考え方も、そしてこの、現実空間とサイバー空間が融合したこの世界での生き方も、合わせて変わっていかなければならないのです。

本日のまとめ

全5回にわけてインターネットに散見されるトラブル、主に炎上と誹謗中傷について紹介してきました。
要するに人の気持ちを尊重する、法律を、決まりを守る、道徳心や倫理観を持つ、といったことが大事であり、現実と何も変わらないのです。
これから、現実空間とサイバー空間のふたつの世界はどんどん融合しますから、現実で持ちうる常識を、サイバー空間にいるあなたにも、もちろんわたしにも、インストールしなければいけません。

数回に分けてトラブルの話をしましたが、モラルを持って利用すれば決して怖い空間ではないのです。
わたしはインターネット上の仲良い友人がたくさんいますし、週末は一緒にゲームをします。住んでいるところはずっと離れていますが、会うために旅行に行く楽しみもあります。

マッチングアプリで出会った人と結婚する人もたくさんいる時代です。正しく使えば、便利で快適な空間です。
法律も、多少遅れはしたものの少しづつ変わっていっています。あとはわたしたちの意識が変わるだけです。

今変わるだけでなく、これから、成長していく世界に合わせて柔軟にアップデートしていくことが大事ですよ。
それを忘れずに、便利で、そして楽しいSNSライフを送ってくださいね。

<参考サイト>

政府広報オンライン
LEGAL MALL

総務省
IT media NEWS

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【3】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

先週お話しした炎上のことを覚えていますでしょうか。それとも別のことで記憶は薄れていますでしょうか。

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【2】

インターネットに限らずこの世界は情報であふれていますから、別の情報で上書きされているなんてこともあるかと思います。

人のうわさも75日…というわけではありませんが、どんなに大きく取り上げられても、そのほとんどはいずれ風化していきます。

もしあなたが炎上したらどうしますか?あるいは、あなたではなくあなたの家族や友人、応援している芸能人が炎上したら?庇いますか?それとも批難しますか?

もちろん、炎上の原因によってもその態度は変わってくるかとは思いますが、擁護のために嘘をついてしまうこともあるかもしれませんし、正直に謝るかもしれません。

もしくは、本当のことを言っているのに信じてもらえなかったり、理不尽なことを言われ続けるかもしれません。

インターネットという大衆は、現実世界の何倍も簡単に人のことを傷つけることができます。

炎上はいずれ風化しますが、しかし、一度燃え上がった炎はいつまでも後に残ります。

先週、炎上した後にその火を消そうとした行為が逆に油を注ぐ結果になってしまった例のお話をしました。

インターネットで起きるトラブルにもいろいろありますが、言葉で傷つけるものと違い形として残ってしまいます。誰もが自由に出入りできるインターネットという名の公共の場で、故意に傷つけられたりなにかしてしまい批判されたとき、炎上してしまったらどうしますか?

本日は、炎上を知るお話です。



それを知る、学ぶということ

まず、何か間違ったことをしてしまったらどうするのが正しいでしょうか。

インターネットだろうと現実世界だろうと変わりませんよ。まずは謝ります。そして反省し、同じことを繰り返さないことが大事ですよね。

先週お話しした件を例にあげれば、「芸人だからと言って許される範囲の域を出た発言をしてしまった」ことが原因での炎上ですが、それを庇おうと、火に水をかけた人たちが同じように炎上しました。

原因である芸人さんに悪気はおそらくありませんでしたし、後日別の番組やラジオでも反省の色を見せていました。おそらくきっと同じことは繰り返さないでしょう。

その前に紹介したMVの不適切表現での炎上も、本人たちはまさか炎上するとは思ってもいなかったでしょうし、至らなかった部分を認め反省していましたよね。今後同じことをしないように注意するのではないでしょうか。

往々にして、炎上というものは意図しないところで大きく取り上げられてしまいます。その原因になった行為に悪意はなく、むしろ善意であることも多々あることです。

芸人はそうして笑いを誘おうとしたわけですし、アーティストもまさか不快な気持にさせるためにMVを作っているわけではありません。

これまでの炎上を上げだしたらキリがありませんが、ほかにも善意や行為が裏目に出た結果炎上してしまった、という例がたくさんあります。

好きなゲームの舞台を好きなキャラクターのコスプレで見に行ったら炎上した、なんてこともありました。本人たちはただそのゲームが好きでそういった行為をしただけですが、それは全体を見たらタブーだったのです。

でも、それがタブーであることを知らなければ、もしかしたらわたしだって同じことをしてしまうかもしれません。

こういった炎上を一度経験、あるいは目撃すれば、それがだめなことだとわかりますし、次また同じことで炎上しないように学ぶことができます。

1度目の炎上があまり大きくならなかったとしても、同じことを繰り返した場合さらに批判されることになります。現実でも、同じことで叱られるたびに母親に「何回言わせるの!?」と言われてきました。同じことです。

何事もインターネットだけの話ではありませんが、注意されたことは真摯に受け止め、その批判の原因をきちんと理解し、反省し次に生かすことが大事です。

間違いは、それを間違いだと知り、そして学んでわたしたちは大人になってきました。SNSを含むインターネットと言う名の公共の場は、まだ発達したばかりで、そこにいるわたしたちはまだまだ子供です。知り、学んでいくことが炎上を抑える、回避するコツなのです。



はだかの王様の自覚

たびたび思うのですが、インターネットにいる以上、わたしたちは誰もがはだかの王様になり得ます。

炎上や誹謗中傷だけに関わらず、インターネットでは膨大な量の情報を得ることができますが、そのすべてがわたしたちの目に入るわけではありません。

フィルタリングが容易になり、見たくないものを見ないようにできます。

膨大な情報の中から、好きなように好きな分だけ手に入るようにカスタマイズすることができる、それが現実世界との大きな差ではないでしょうか。

たとえば虫が苦手な人は、虫という単語でフィルタリングすることで、虫という単語が入った情報を見ないようにすることができます。

見たくないものは見ないに越したことありませんから、便利な機能ですよね。

しかし、以前にも言いましたが、便利な反面これでは一辺倒な情報だけを偏って得てしまうことがあります。

こういった偏った考え方が原因で、炎上してしまうケースもありますよね。それだけでなく、偏った考えが原因で誹謗中傷してしまうこともあります。

フィルタリングによって作られた偏った意見は、もしかしたら間違っているものかもしれません。しかし、そのフィルタリング下では確かに支持されているもので、それが間違っているということはそのフィルタリング外の誰かに指摘されるまで気が付けないのです。

自分好みで快適にカスタマイズされたインターネットは、はだかの王様になってしまう可能性を多分に孕んでいます。

たとえば、芸能人が炎上していたとします。その人はまだあまりメジャーな人ではなく、最近知名度が上がってきた人で、炎上の理由は週刊誌による熱愛報道だったとします。

その人を詳しく知らない人は、もしかしたらその人を口汚く罵るかもしれません。中には熱愛報道とは関係ないことを持ち出して、執拗にその人を責める人もいるかもしれません。

しかし、後日熱愛報道は誤報であり、その芸能人の妹だったという真実が公表されます。

その芸能人のことを詳しく知っている人にとっては、熱愛報道が妹のことであることはすぐにわかったことであり、事実も知らないで批判している人たちは「詳しく調べもしないで勝手なことで口汚く批判する」人たちなわけです。批判していた側は、誤報を信じ、それを大声で吹聴するまるではだかの王様です。

近年では誹謗中傷や殺人予告をしたユーザーを特定し、裁判を起こす方も増えてきました。事実もしっかり確認せず、一辺倒な知識だけで人を傷つける行為は、事実を知っている人からしたらとても愚かな王様です。

先週あげた、誹謗中傷が原因で自殺してしまった女性は、炎上した後「台本ではないが、スタッフに煽られた」といった言葉を残しています。また、同番組に出ていた人もそういうところがある、後から彼女には謝罪されていた(もちろんそれは番組側からの公開はなかったため、真偽はわかりません)といったことを公表しています。

みなさんは、詳しいことを知らないまま、はじめに得た情報だけで批判していませんか?

わたしたち大衆にはどうしても真実はわかりませんし、対芸能人となると好みや偏見の混じった情報から判断するしかありません。その結果に対する責任がないからと軽く考えていませんか?

その結果が、自殺でした。本当に責任はないのでしょうか?無知は、加害者になり得ますよ。

あなたは王様です。今手に持っているその端末では、あなたの欲しい情報だけが手に入ります。そんなカスタマイズされた世界で、はだかにならないように、そして、気が付かないうちにはだかになってしまう可能性があることを、しっかり自覚しなければいけません。



本日のまとめ

インターネットで起こしたこと、起きたことは一生残ります。デジタルタトゥーとも呼ばれ、一生消えることはありません。

炎上した原因も、その後の対応も、反省も、謝罪も、開き直りもごまかしも嘘も、全部、誰かが見ています。そして、一度でまわったものは消えることはありません。

先に挙げたように、知らないからこその過ちだってあります。繰り返しになりますが、わたしたちはインターネットにおいてまだまだ子供ですから、知らないことがたくさんあります。

とくにSNSによって作られた特定のジャンルコミュニティは、「暗黙の了解」が当たり前のように横行しています。それらをすべて把握するなんて到底無理な話です。しかし、その暗黙の了解を知らなかったばかりに多くの人に批判される、なんてことがたくさん起こっています。

誤った情報で人を傷付けないように、知らなかったことで人を傷つけないように、わたしたちは少しずつでも大人になっていかなければいけません。インターネットは、公共の場ですから。

<参考サイト>

エルテス

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【2】


おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今日は何回SNSを見ましたか?そこは安全で平穏でしたでしょうか。

以前炎上のお話をしたかと思いますが、本日はその続きです。

前回:インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【1】

さて、わたしは今日、朝起きてから、支度をして家を出る前、出勤途中、休憩時間、と4回SNSを見ました。発信するのは「おはよう」や「今日寒いね」といった差し障りのないものがほとんどで、主な活用内容は好きなアーティストやアイドルの情報収集です。今日、わたしのSNSは平穏でした。

みなさんのSNSはどうでしょうか?

毎日、どこかしこで誰かの「粗」がさらされ、それを火種として炎上しています。前回も触れたように、興味のあるジャンル以外の炎上まで追っていたらキリがないほどです。

インターネットは、自分の好みに合わせてフィルターをかけ、興味のある情報だけを入手することができます。

それは効率がいいというメリットの反面、それ以外の情報が入りづらいというデメリットもあります。偏見をなくしたいと思い、様々な意見を取り入れる人はさまざまな意見を取り入れられる反面、特定の意見だけを求めている人は特定の意見しか目に入らないため、偏っていってしまいます。

どこかで炎上が起きていても、関心がなければその概要も、原因も、結果も、何も知らないまま気が付けば鎮火してしまいます。

情報のあふれた社会ですべてを追うのは無理な話です。しかし、まったく知らないままでは、同じことを繰り返しかねません。

今日皆さんのSNSは平穏でしたでしょうか。それとも不穏でしたか?

今回も、SNSを、インターネットを不穏たらしめる「炎上」のお話です。



水をかけるか油を注ぐか

まず大前提として、誹謗中傷や侮蔑、無責任な噂は人権の侵害に当たります。「してはいけないこと」であることを念頭に置いておいてください。

「人が嫌がることをしてはいけない」のは当たり前のことです。子供の時から言われていますよね。喧嘩をしたら親や先生が止めますし、言ってはいけないことを言ったら注意されました。そうして自然と、してはいけないことといいことの区別が身について大人になっていきます。

それは、インターネットでも同じです。

インターネットでは、毎日のように炎上が起きていますがその要因は様々です。

前回紹介したような、本人たちが思いもよらないところの配慮の足りなさや失言が原因であったり、あるいは不道徳的、不適切な行為を咎められたり。

さらに、炎上した後の対応によってさらに炎上することがあります。

最近では、お笑い芸人が選挙特番での発言が指摘されて炎上していました。

無礼、失礼に値する発言が注目され、「テレビに出すな」といったハッシュタグができるほどの炎上になり、その後出演した別の番組で反省の態度を見せていました。

しかし、今回気になるのはその芸人の奥さんおよび所属事務所の社長の炎上です。

なぜ炎上したのでしょうか?

今回の炎上を受け、奥さんはツイッターで反論とも取れるツイートを投稿しました。その反論、あるいは擁護ツイートはすこしでも芸人の炎上を庇い、抑えるためのツイートだったわけですが、まったくの逆効果になってしまいます。

「開き直り」や「礼節がないことをしょうがないで事務所が許すべきではない」といった批判が殺到しました。

そして、翌日奥さんはこれら一連のツイートが「乗っ取られたもの」だと投稿し、さらに炎上へとつながりました。

その真偽はわたしたちにはわかりませんが、批判していた、炎上させていた側からすれば、「なかったこと」にしたかったと見えてもおかしくありません。それが火に油でした。

炎上はなかなか収まる気配がなく、奥さんが水をかけて収めようとした行為は、結果として火に油を注ぐことになってしまいました。

該当ツイートは消され、火種となった選挙特番から日数が経った今でも、奥さんが何かを投稿すると乗っ取られたことや擁護について言及するコメントが付きます。

その中には、まっとうな意見や指摘だけでなく、今回の件には関係のない根も葉もないうわさや、心無い暴言が含まれています。それはもう、火種である芸人の無礼や失言に関係なく、ただ執拗に攻撃を繰り返すことが目的になっています。

そういった、SNSで娯楽的に攻撃を繰り返す人がいるからこそ、炎上は繰り返されています。



誹謗中傷と炎上の目的

では、誹謗中傷や炎上がどんな結果を招くのでしょうか?

1年前、恋愛リアリティ番組に出演していたプロレスラーの女性が自殺するという事件が起きました。覚えていますでしょうか?

当時相当話題になりましたから、鮮明に覚えている方も多いのではないでしょうか?

彼女が出演していたリアリティ番組は、男女がシェアハウスをする様子を観察する番組で、「台本がない」ことが売りでした。台本がないということは、どんなことがおきてもそれは出演者の性格や本質というわけです。

女性が炎上したのは、この番組内で起きたとある事件が原因でした。

大事なコスチュームを他の出演者の男性が誤って洗濯してしまい、それに怒った女性がその男性の帽子をはたきおとし、番組は険悪なムードになります。

視聴者は、この回がオンエアされるとすぐにその女性に対して厳しいコメントをつけるようになります。

たとえば、「プロレスラーが手を出しちゃいけない」や「洗濯機に放置していた方も悪い」といった意見です。こういった批判や意見にはわたしにも同感できる部分がありましたし、多少注意されても仕方がないことというのは、この件に関わらずあることです。しかし、中には口汚く罵ったり、暴言、あるいは「死ね」や「消えろ」といったコメントもありました。

日常生活で「死ね」や「消えろ」といった言葉を残すとき、それは明確に相手を傷つけるためではないでしょうか。

たとえインターネット上であろうと、それは変わりません。しかし、インターネットの「匿名」という性質は、現実世界よりもずっと簡単に、バレずに相手を攻撃できるようになってしまいます。

当たり前のことですが、匿名なら傷つけてもいいわけではまったくありませんが、やっぱり心理的にも名前がバレている状態よりずっと攻撃しやすいのです。

この事件の後、番組はもちろん女性のSNSは剣呑な雰囲気になりますが、リアリティ番組はこういった雰囲気こそが醍醐味であり、オンエアのさらに後日、追い打ちのように女性が「相手の男性が100%悪い」と言っているシーンが公開されると、すでにかなりの勢いで誹謗中傷を受けていたSNSはさらに悪い意味で盛り上がります。

そして、女性は自身のSNSで「消えられるもんなら消えたい」「さようなら」といった言葉を残して自殺してしまいます。

消えろ、死ねなどの言葉を匿名で、安全地帯から投げかけていた人たちは、本当にこの結果を求めていたのでしょうか?

軽い気持ちで、それこそ軽口のように死ね、消えろと言っていた人が大半ではないでしょうか。現実世界でも、軽口のようにこの言葉を使う若者はたくさんいます。実際死んでほしいわけでも、消えてほしいわけでもありませんよね。

でも、その結果が自殺でした。

先程、娯楽的に攻撃を繰り返すと言いましたが、娯楽とまではいかなくても、ムカついた気持ちを誰かにぶつける、といった意味を込めて誹謗中傷をしていた人はきっといます。それが死に追いやるとは思ってもみなかったのではないでしょうか。


本日のまとめ

誹謗中傷が原因で自ら命を絶った方はこの女性だけではありません。その原因がリアリティ番組なのも、世界を見れば彼女だけではありません。

数年前、日本でも活躍していたK-popアイドルの自殺も話題になりました。

その数日前に、その友人の女優も自殺しています。どちらも誹謗中傷に悩んでいました。

言葉はナイフとはよくいったものです。

テレビに出る彼女たちにとって消費者であるわたしたちは、片手で、指一本で簡単に傷つけることができてしまいます。

誰だって、たくさんの応援よりもひとつの誹謗中傷が気になってしまうものです。

インターネットだから、匿名だからといって、人を傷つけていいわけではありません。当たり前のことです。

インターネットは、公共の場です。匿名だろうと、そこにいるのはもうひとりのあなたです。

軽い気持ちで、加害者にならないように気を付けなければいけませんね。

次回は炎上のその後についてのお話です。



<参考サイト>

総務省

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【1】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

以前、SNSのマナーについて取り上げたことがあるかと思います。読んでいただけましたでしょうか?

「無断転載に情報流出!SNSのマナー、大丈夫?」

便利で手軽に好きなことに関する情報を見ることができ、好きな芸能人や有名人の日常が覗けたり、あるいは友達と交流をしたりと、現代においてSNSは若者を中心に当たり前のコミュニケーションツールとなっています。

わたしももう長いこと利用していますし、インターネット上で知り合った友達もたくさんいます。

人と交流するだけでなく、動画を撮ってその広告で収入を得るといったSNSを利用した職業も当たり前になりつつありますよね。

インターネットが当たり前になり、そこでのコミュニケーションが当たり前になってくれば、トラブルもインターネット上で起こるようになってしまうのは必然です。人と人ですからね、トラブルが起きてしまうのは仕方がないです。

たしかに便利で、必要不可欠であるインターネットですが、その匿名性も手伝い、多くのトラブルが日夜発生しています。

みなさんは、いくらサイバー空間とはいえ、ほとんどの人が自由に出入りしている空間であることをきちんと認識していますか?

今やもうインターネットは立派な公共の空間なのです。

今年上映された細田守監督「竜とそばかすの姫」では、インターネット上の仮想世界「U」を「もうひとつの現実」と称していました。

しかし、そんな公共の場で毎日のように人を傷付ける行為が繰り返されています。その行為は主に「誹謗中傷」と呼ばれ、当たり前のようにインターネット上に多発しています。

なんとなく気に入らない有名人や芸能人、あるいは学校の友達や先生、作品の表現や、その人の態度や発言、そういった文句や悪口を公共の場に吐き出している人がたくさんいるんじゃないでしょうか?

みんな悪気があるわけじゃありませんし、自分が悪口や文句を言っているという自覚もない人が多いと思います。それほどまでに、インターネットというものはわたしたちの日常に溶け込んでいます。

では、あなたのそんな何気ない文句や悪口、あるいは意見など、それが誰かを傷つけるかもしれないと考えたことはありますか?

先ほども言いましたが、インターネットはもう「公共の場」です。その場でなにかしらの言葉を残すことには、多くのリスクが伴います。

今回より、今後数回に分けて「SNS及びインターネットで人を傷つけるということ」をテーマにいろいろとお話しできたらと思います。



インターネット上における炎上

「炎上」という言葉の意味をご存じですか?炎が燃え上がることじゃありませんよ。ネット用語の「炎上」のことです

スマートフォンおよびSNSの普及によって、芸能人の発言が身近になった現代、炎上は至るところで見かけるようになりました。

毎日誰かの発言や行動が炎上していますが、しかしそれが日常になりすぎてしまっています。

自分が興味のあること以外の炎上のことなんてもう気にしていたらキリがないほどです。

芸能人だけではありません、企業の広告やアーティストのMVでの表現など、今は様々なものに「コメント」をつけることが可能になっています。

たとえば漫画にコメントをつける場合、従来であればファンレターという形で作者に郵送する必要がありましたが、今はどうでしょうか?

ファンレターだけでなく、漫画を掲載しているアプリ、作者が運営しているSNS、さまざまな方法で「簡単」に「匿名」でコメントが残せます。

ファンレターを送るよりよっぽど簡単ですよね。家で、スマートフォンで、ほんの数秒で感想が送れます。

作者も、簡単にタイムリーな感想を見ることができますし、まったく便利な世の中です。

その一方で、とてもタイムリーに、そしてダイレクトに批判を送ることもとても簡単になってしまいました。

なにか間違ったことをすれば、すぐにコメント欄が批判の声で「荒らされ」ます。

もちろん、間違ったことはした方が悪いですが、往々にして炎上というものは炎上した側の意図しないところで起き、また、原因と炎の大きさが釣り合わないことがあるものです。

なかには、好きな芸能人の軽はずみな発言に対し、謝罪や訂正がほしいという気持ちで注意をする人もいれば、ただただみんなと一緒になって特定人物を攻撃したい、といった動機で、まるでストレス発散のように批判や暴言を繰り返す人だっています。

繰り返しになりますが、インターネットは基本的に匿名ですから、感想と同じように批判や暴言を言うのもとても簡単で手軽なのです。

だからこそ、炎上はあちこちで起き、そして全体に認識されないまま鎮火され、別の人が同じ過ちを繰り返す、といったことが起きてしまっています。

インターネットという公共の場にいる限り、わたしたちは常に炎上の危機にさらされていますし、それはつまり誰かを傷つけ、傷つけられる可能性があるということです。

では一体どういったことが問題視され、炎上へとつながるのでしょうか?



無自覚な暴力

炎上と言っても様々です。炎上した側が明らかに悪かったり、逆に勘違いや悪意から炎上させられてしまった場合もあります。媒体も、SNSでの発言だけでなく、テレビ番組での発言や態度、ミュージックビデオでの表現と様々ですよね。

最近でいえば、コロンビアのシンガーソングライターJ・バルヴィンさんがYouTubeにあげた曲のMVが問題視され、MVを削除するまでの炎上になりました。

黒人女性に手綱を付け、まるで犬のように連れて歩くシーンが問題視され、批判が殺到しました。

近年は、人種や性別の解釈による炎上が多く見られます。

タイツやストッキング、インナーウェアのメーカーATSUGIも数年前、イラストレーターとコラボした企画が女性を性的に見ているとして大きく炎上しましたよね。

センシティブな内容を取り上げること、それはもちろん火種になりかねませんし、覚悟と配慮をもって行わなければいけません。しかし、上で取り上げた2点は、発表時点ではセンシティブであるという自覚がなかったのではないでしょうか?

今回、MVを監督したライミ・パウラスさんはこの炎上に対し、「アートは美とポジティブさのみを伝える手段ではありません」とコメントし、コラボしたトキーシャさんも「アートは表現」と発言しています。

たしかにアートは自由なものです。きっと、このMVの発表がもう10年早ければ、ここまで大きな騒ぎにはならなかったかもしれません。

しかし、その一方で彼女は「傷ついたと感じる人がいたなら本当にごめんなさい」と謝罪しています。

インターネットという公共の場で、明確に誰かが傷つく行為をしたからこそ炎上したのです。しかしその本人たちには、炎上するまでその自覚がありませんでした。それこそが問題だったのではないでしょうか。


本日のまとめ

炎上事件というものは、毎日起こっているといっても過言ではありません。

そのほとんどが、発信者の自覚なく起きています。

不適切な動画や悪ふざけを面白おかしく投稿してしまった若者が「バカッター」と呼ばれ炎上した際も、彼らはきっと炎上するなんて微塵も思っていなかったでしょう。

ただ、面白いことを共有しようとしただけなのです。

J・バルヴィンさんも、ATSUGIも、はじめは消費者やファンに楽しんでもらいたいという気持ちで発信していたはずです。結果として、不快感を覚えたり傷ついた人が出てしまい、ここまでの炎上に至りました。

もちろん中には、悪意をもって傷つけることを発信し、それが炎上することだってたくさんあります。しかしその一方で、意図しないことが人を傷つけることだってあります。

それはもちろんインターネットだけではありません。「人が嫌がることをしてはいけない」と、わたしたちは小さな時から言われ続けています。

それがわたしたちが意図しないことだったとしても、です。

冒頭でも言いました、インターネットはもう公共の場なのです。

匿名ですから、普段は言えないようなことを言っている人だっているかと思います。

わたしだって、疲れているときや嫌なことがあれば、なんともなしにSNSに吐き出してしまうことがあります。

それでも、だれか見ているかわかりません。誰が傷つくかわかりません。

いつでも、見えない「誰か」のことを思ってSNSを使用しなければ、無自覚のうちに「加害者」になってしまうことがあります。

加害者にならないように、そして被害者にもならないように、全員が、常に「誰か」のことを考えてSNSを利用していかなければいけません。

現実世界だって、そうですからね。

次回は炎上「させた」側についてお話しする予定です。



<参考サイト>

産経新聞

Yahooニュース

CEATEC AWARD 2021 アジア最大規模のイノベーション展示会

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今年本国で開催された東京オリンピック2020は、ほとんどの競技が無観客開催でした。

新型コロナウイルスの感染拡大による1年の延期や無観客開催と、前代未聞の大会となりました。

オリンピックだけではありません。ライブも、コンサートも、イベントも、あらゆることが制限されるようになってからもうすぐ2年が経ちます。

家でテレビを前に応援しているわたしたちの声は、リアルタイムで選手たちに届くことはありません。静まり返った競技場は、普段熱気と声援に包まれている選手たちにとってひどく味気ないものだったかもしれません。

彼らはトップアスリートですから、応援の有無に関わらず練習を重ねてきていますが、しかしそれはそれとして応援というものは大きなパワーになります。

わたしも学生時代に長いことスポーツをしていましたからそのパワーがよくわかります。

スポーツ観戦が好きな人たちも、そのスポーツや選手の活躍はさることながら、会場の雰囲気が好きという方も多いのではないでしょうか?仕方がないとはいえ、なんとも寂しいですよね。

現在どうしても抑制されがちなコロナ禍での娯楽ですが、そんな中で少しでも楽しむための工夫がなされています。

10月19日~22日、IT技術とエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC」が開催されました。昨年同様にオンラインで開催されたこの展示会の「CEATEC AWARD」グランプリのひとつに、そんな抑制されてしまった娯楽を楽しむためのものが選ばれていました。

CEATEC AWARDとは、学術的・技術的観点・市場性や将来性等の視点から、イノベーション性が高く優れている、と判断されたものを表彰するものです。

本年はやはりウィズコロナDXを意識したものが多かったですね。

本日は「CEATEC AWARD」の中から、何点かピックアップしてご紹介します。

DXでオンライン応援

冒頭でお話ししたのは、ニューノーマル社会への提案・競争カテゴリー、デジタルトランスフォーメーションDX部門グランプリの、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」です。

こういったコロナの環境下、あるいは別の様々な理由で現場に行けないスポーツファンが、オンライン上でリアルタイムに選手を応援するプロジェクトで、Jリーグやプロ野球などと共創しながら、新しい応援の文化を創出しています。

スポーツの中継はなにも珍しいことではありませんが、この「Remote Cheerer」は従来の「現地に行って応援する」か「中継で見る」といったスタンダードな2種類のスポーツ観戦の、新しいかたちを実現します。

いうなれば「オンライン応援」でしょうか?オンライン観戦といえば今まで通りですが、こちらは応援付きです。

スマホをタップしたり振ったりすることで、現地に設置されたスピーカーから声援や拍手が流れるのです。システムはいたってシンプル。シンプルですが、とても「今っぽい」ですよね。

アイドルオーディションやミスコン等で近年利用される配信ツールでも、ファンはスタンプやプレゼントで画面を華やかにすることで応援の意を表すことができます。かたちのないものを可視化することで、モチベーションの向上に繋がります。

スポーツだって同じです。たとえ無観客でも、スピーカーから音がすることで「応援されている」ことを可視化します。(見えてはいないですが)

他にも、トークルームやチャットルーム機能で同じ試合を見ている人と交流するといった、SNSに近しい機能もあり、ひとりではなくみんなで応援する「現地観戦」に近いものを体感できます。

隣のシートの見知らぬサポーターと盛り上がる…といった、現地ならではの楽しみに近い楽しみ方もできそうです。



量子暗号で理論上最強のセキュリティ

莫大な情報であふれ、それが資産となる現代社会において、重要とされるのはその情報の活用の仕方です。あるだけの情報は何の役にも立ちません。情報の分析、活用、共有、それが現代社会での戦い方です。では、その情報はどうやって守りますか?

オープンカテゴリー、ソリューション部門では「東芝の量子暗号通信で安全なオンライン社会を実現」が、“理論上”突破されないセキュリティ要素として準グランプリを受賞しました。

詳しく話すととても難しい話になるのですが、光の粒子がなにかに触れると、必ず状態が変化するという量子力学的な性質を利用した暗号鍵の技術です。

なんで理論上証明されているのかというのはいまここで解説しませんが、ざっくり言えば、鍵の情報が変化している場合は「なにかに触れられた」可能性が高いため、危険だから使わないようにする…ということです。

………わかりますか?難しいですよね。まぁ、極端な話、家のカギに知らない人の指紋が付いたら鍵を変えようね、みたいな感じです。

この情報社会、そしてIoTの時代に、データ通信の安全性はますます重要視されています。

現状理論上安全が保障されているこの量子暗号技術は、まだまだ通信速度や距離といった制限、そして技術の進化による「セキュリティ突破」の懸念等、問題もありますが、しかしそれでも、現段階では大いに期待できる技術です。

次々と新しい技術、そして進化が繰り返される現代です。制限や懸念を拭い取り、超スマート社会へ向かうこの世界の、セキュリティ業界を牽引するのもそう遠い話じゃないかもしれません。

スーパーでスマートな未来都市へ

少子高齢化、インフラ老朽化といった地域課題に直面する中で、「スーパーシティ・スマートシティ」の取り組みが広がっています。スーパーシティとは、最先端の技術で地域課題を解決し、快適で便利な未来都市の実現を目指す構想のことをいいます。

ニューノーマル社会を先導するスーパーシティ/スマートシティの実現に向け、社会と暮らしの全般における先進的サービスやデータ連携・活用などが求められている今、ニューノーマル社会への提案・共創カテゴリースーパーシティ/スマートシティ部門でグランプリを受賞したのが「NECが目指す未来のまち ~スーパーシティ~」です。

防災、観光、医療福祉といった、複数の分野にまたがる地域の課題に対して横断的にサービス・データを流通させるクラウドサービス「NEC都市OS」をベースに、容易かつシームレスにスーパーシティへと取り込むこの構想は、総務大臣賞も同時に受賞しています。

防災面ではAIを利用した防災予測、被害情報などで、逃げ遅れゼロを目指し、観光面ではこのコロナ禍でも安心・安全に快適な旅を提供します。世界ナンバーワン精度の顔認証や混雑度検知や群衆行動解析を組み合わせ、地域活性を実現します。

開発コストの低減、地域の特性やニーズに合わせたシステム構成、そして現代求められているスーパーシティに即した点が評価され、グランプリとなりました。

想像にとどまらないNECが目指す未来のまち、どんな人も安心して生き生きと暮らし続けられるまちは、もうきっとすぐそこにあるのではないでしょうか。

本日のまとめ

いかがでしたでしょうか?

CEATECオンライン、実際にわたしも入場させて頂きました。むずかしい話が多くはじめはしり込みしましたが、知れば知るほど面白く期待に胸が高まるものばかりです。

オンラインになったことで、参加が容易になったのもわたしにとってはうれしいポイントでした。

ニューノーマルな社会はすでにもう始まっています。最新テクノロジーの上に成り立っているわたしたちの生活の、新しい一歩のそのつま先を体験できたいい機会になりました。

オンラインでも応援をリアルに届ける、理論上最強のセキュリティ、そしてスーパーでスマートな未来都市。

他にも、たくさんの技術が、開発が、今繰り広げられています。これからのわたしたちの未来は、きっとスーパーでスマートへとどんどん近づいていくのでしょう。



<参考サイト>

CEATEC2021 webサイト

SOUND UD webサイト

NEC webサイト

無断転載に情報流出!SNSのマナー、大丈夫?

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

みなさま、SNS使っていますでしょうか?

LINEとか、Instagramとか、ツイッターとか…。ソーシャルネットワーキングサービスの略称を、SNSと言います。

電車に乗っているとき、仕事の合間、寝る前、そんなすこしの空いた時間についつい見てしまいますよね。わたしもよく利用します。とくに寝る前なんかは、少しだけ見るつもりが、気が付いたら時間が過ぎていて…なんてことがよくあります。きっとわたしだけじゃないはずです。

日本では、「mixi」や「GREE」などがサービスを開始した2004年ごろが黎明期でしょうか。

mixi、懐かしいですね。普段は知り合うことのない違う学校の子や先輩と、気軽にコミュニケーションを取ることができる貴重なツールでした。

さて、SNSが登場してから15年以上が経ちます。SNSはプライベートだけでなく、ビジネスシーンでも使われることが増えましたよね。ツイッターの企業アカウントが話題を集めるなんてこともよくあり、今やSNSは企業の「アピールの場」になっています。

無料でだれでも利用することができるので、多くの人に見てもらうことが可能な、そんなアピールの場ですが、逆に言えばなにか「やらかし」てしまえばまたたく間に多くの人の目に入り、「炎上」する可能性を多分に秘めています。

そんなことにならないように、本日はSNSのマナーを改めておさらいです。

当たり前のことですが、再度確認しましょうね。

 

迂闊な個人情報

初歩的な話になりますが、まずもっとも気を付けなければいけないのが個人情報の扱いです。

「学校用アカウント」といった見知った友人と交流するアカウントもあれば、そのほとんどが会ったことのない趣味の合う人たちと交流するアカウントなど、いくつかのアカウントを使い分けている人も少なくないかと思います。

前者の場合、本名はもう知っている人と交流することがほとんどですし、Facebookなどは本名で登録しますから、「本名を言ってはいけないことはわかってるけどいまさら…」なんて考えていませんか?

後者のようなアカウントはもちろん、前者のようなアカウントも、本名含めて個人情報を安易に記載してはいけません。

SNSは直接的な1対1のやり取りではないぶん気軽です。

たとえば、「誰か〇日どこどこに遊びに行かない?」となんともなしに投稿したとします。仲の良い友人がそれに反応し、「じゃあ〇日何時にどこ集合ね」なんて、そのままSNS上で約束をする…。ここまで具体的なこともそうないでしょうが、でもあり得る話ですよね。実際、わたしも朝学校に一緒に行く約束をSNS上でしたことがあります。

しかし、そんななんでもないような会話が何か事件になってしまうかもしれません。どこに誰が何時にいるかが明らかになっているんです。

何時にどこにいたという情報、投稿している写真、家族構成や話している内容、そんな情報だけでも、個人は特定されかねません。

「文化祭に有名人が来る」とか、「母校が有名人と同じ」だとか、調べたらすぐにわかってしまいます。

人気YouTuberの家にファンが押し掛けてきたなんて話もよく聞きますよね。

たとえ一般人のプライベートなアカウントだろうと、だれがどこで見ているかわかりませんよ。

発言はもちろん、投稿する写真にも気を使わなければいけません。

「近所にかわいい猫がいた」といって野良猫を撮った写真に、町名の書かれた張り紙や電柱が写り込んでいたり、夜ご飯の写真の隅に個人情報の書かれた書類が映り込んでいたり…。ちゃんと気を付けていますか?

少し前、趣味の話で仲良くなった人(もちろん一般人でした)が失言で炎上したことがあります。その人の発言は看過できるものではありませんでしたが、その際、数か月前に投稿した段ボールの写った写真から住所が特定され、さらに学校も特定される騒ぎにまでなりました。

その人がアカウントを消したことで騒ぎは収まりましたが、その件には全く関与していなかったわたしですらなんだか嫌な汗をかいたのを覚えています。

段ボールは、別のものを撮った写真のすみっこに写っていただけです。わたしは数か月前にリアルタイムでその写真を見ていましたし、住所が載っているなんて微塵も気が付きませんでした。その人も気が付いていなかったのでしょう。たしかに初歩的な話ですが、気が付かずに迂闊になってしまう人は少なくないのです。

自分の全く知らない不特定多数の人が、自分の住所を知っていると考えたらゾッとしてしまいます。

違法な画像たち

個人情報については、プライベートなSNSの利用方法にフォーカスしてお話ししましたが、もちろん企業アカウントでも気を付けなければいけません。

社内の様子を撮った写真を、映っている社員に無断でSNSに投稿したりHPに掲載したりしていませんか?載せることに関してはひとまず置いておくとして、その写真に写っている人が名札をしていたら立派な個人情報流出です。

会社の所在地はもともと掲載しているものだし、と気を抜いていてはいけません。社員の本名、あるいはその人がそこで働いているという情報、そのどちらもが「個人情報」に当たります。

名札だけではありませんよ。個人を特定できる画像、防犯カメラの映像、音声データ、すべてに気を付けなければいけません。

では、先ほど置いておいた「載せること」についてですが、インターネット上に画像を投稿するのには十分な注意が必要です。

まず、先ほど挙げたように無断で社員の写真を投稿することは「肖像権」の侵害に当たります。SNSに画像を投稿する際に気を付けなければいけないのは、主にこの「肖像権」と「著作権」の二つです。

法律の話になりますから、難しい話ではあるのですが、「肖像権」は自分の写真を無断で撮られたり、それを無断で公表されないように主張できる権利、「著作権」は著作物(アイデア等を作品として表現したもの)を創作した、著作者に与えられる権利のことです。

ざっくり言えば、「他人を勝手に撮ってはいけない、載せてはいけない」「人のものを勝手に使ってはいけない」といったところでしょうか。

詳しく解説すればもっと細かいのですが、ひとまず「やってはいけないこと」がざっくり理解できていればいいです。

法律でダメなこととして決められてはいるのですが、これらは「無断転載」という形で犯されているのが現状です。

わかりやすいもので言えば動画サイトに投稿されているアニメなどがこれに当たります。

アーティストのミュージックビデオなんかも散見されます。もちろん、その権利がある人が投稿しているものもありますが、逆に言えばそれ以外はすべて違法なのです。

「漫画村」なんかも話題になりましたよね。

漫画、アニメ、ミュージックビデオ、これらはわかりやすいです。

では、みなさんのSNSは大丈夫ですか?

好きなアイドルのミュージックビデオを録画して投稿、自分の画像にきれいなイラストを合成したものを投稿、かわいい猫の写真を保存して投稿、大丈夫ですか?していませんか?

これらすべてが著作権の侵害に当たります。

好きなアイドルを街で見かけて写真を撮り、許可なく投稿されたその写真を保存し、再度自分で投稿する…なんてことがあれば、肖像権も著作権も侵害することになります。

ほかにも、HPの素材にしたりアイコンにすることも侵害に当たります。注意深くSNSを見ていれば、たくさんの無断転載が見つかります。

みなさんは大丈夫でしょうか?もし知らなかったのなら、該当する投稿は消して、これから気を付けましょうね。みんなやっているから良いわけではありませんよ。

本日のまとめ

本日紹介したのはほんの一握りです。

他にも、従業員が飲食店の冷蔵庫に入っている写真が拡散された事件なども大きく話題になりましたよね。話題になってもなお、雇先に迷惑がかかる行為をする「バカッター」と呼ばれる人たちは後を絶ちません。

いずれこの話もどこかで取り上げたいと考えていますが、SNSの誹謗中傷によって自ら命を絶ってしまうといった事件も起きています。

SNSはこれからも、様々な用途で利用されます。YouTuberをはじめとする、SNSを利用した新しいビジネスも展開されている時代です。それらは適切な利用であれば、ビジネスにおいても大きな武器になります。

しかし、些細なことで大きな火種にもなりかねないのです。

無料で、だれでも使えてとても気軽なSNSですが、しかし気軽だからこそ、多くのリスクをはらんでいます。

それはインフルエンサーだから、一般人だから、企業だから、と区別されるものではありません。どんな人でも、どんな立場でも気を付けなければいけないのです。





<参考サイト>

#GROVE

VAIOサポート

JRRC

脱パスワード?当たり前のセキュリティをバイオメトリクスに

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

「asdfghjkl」って、何の羅列だと思いますか?「1q2w3e」は?「1qaz2wsx」は?

一見なんの法則性もない適当な英数字の羅列ですが、入力してみれば「あっ」となるんじゃないでしょうか。

…気が付きましたか?

「asdfghjkl」はキーボードの真ん中の列を左から順番に並べたもの、「1q2w3e」は右上から2段づつ3列並べたもの、「1qaz2wsx」は右上から下に順番に2列並べたものです。パソコンで入力すればすぐに気が付きますよね。

情報通信企業「Nordpass」が発表した、よく使われるパスワードランキング2020年版に、上に挙げました3つの羅列がランクインしています。

わたしたちは1日に何回パスワードを求められるでしょうか。このサイトあのサイト、あのアカウントにこのアカウント、1日何十回とパスワードを求められますよね。パスワードをかけることは、セキュリティにおける当たり前の第一歩です。

しかし、それが当たり前になりすぎていませんか?難解なパスワードを覚えるのは面倒くさいし、それぞれ別のパスワードを使ったら覚えきれないし、結局いつも使うわかりやすいパスワードで統一していませんか?

本日はそんな、当たり前になりすぎておろそかになりがちなパスワードのお話です。


ごく当たり前のセキュリティ

冒頭でも挙げましたが、パスワードをかけることはセキュリティを守る「当たり前」の行動です。

利用している通販サイトにパスワードをかけて、登録してあるクレジットカードを第三者に使われないようにする、といったごく当たり前のことです。

つまり、誰かに知られてはいけないし、推測できるものでもいけません。銀行やクレジットカードで使われる4桁の暗証番号を登録するとき、「1111」や「1010」といったぞろ目や連続した羅列、あるいは誕生日といった簡単に推測できる数字は禁止されています。どんなサイトであろうと、それは同じことで、ごく当たり前のことです。

Nordpassのパスワードランキングでは、1位に「123456」、4位に「password」、6位に「111111」がランクインしています。読んでくださっている方の中にも、これらのパスワードを使ってる人がいるんじゃないでしょうか?

危険だとわかっていても、それでも「覚えやすくわかりやすい」ことを優先してしまう人が多くいます。

不正ログインの手口はいろいろありますが、中でも有名なのはやはり「ブルートフォースアタック」です。総当たり攻撃ともいわれ、言葉の通り考えられるパスワードを総当たり的に試していく方式です。

また、パスワードに利用されがちな単語を体系化したデータベースを利用する「辞書攻撃」もよく使われる手段です。対象が明確であれば、誕生日や電話番号などからさらに絞り込むことが可能です。

では、みなさんが不正ログインをする側にたったとして、半角英数字のパスワードをなにかしら入れるとしたらなにを入れますか?やはりぱっと思いつくのは「111111」や「password」じゃないでしょうか。どちらにしても、すぐに暴くことができてしまうパスワードです。

ブルートフォースアタックは、まず「aaa」を入力し、ダメなら「aab」、「aac」、「aad」というように、少しづつずらして入力する方式ですから、「1」のぞろ目なんてものの数分でログインされてしまいます。

辞書攻撃でも、辞書を開かずともまず「password」と入れてみたら一発でログインできてしまうかもしれません。そうでなくとも、好きなもの、例えば「apple」や「basket」といった単語から、ログインできるかもしれません。

これらの方法は途方もない作業のように思えますが、理論上はいつかパスワードに行きつきます。途方もなくなって諦めざるを得なくなるくらい、複雑で難解なパスワードでなければいけません。

他にも、別のサイトで使用していたパスワードを入手し、目的のサイトで試す、といった方法もあります。だって、アプリ、サイト、アカウントごとにパスワードを変えている人が何人いますか?アプリもサイトもアカウントも、ことあるごとにログインを求められる時代です。全部なんてとてもじゃないけど覚えてられないですよね。

ごく当たり前のセキュリティを、ごく当たり前に機能させるには、「推測されにくい複雑な羅列」かつ「複数アカウントで同じパスワードを使わない」ことが重要になってきます。

理想と現実の現状

とはいえ、複雑な羅列を何種類もIDやアカウント名と紐づけて覚えることは簡単なことではありません。それで忘れてしまってログインできなくなったら元も子もないですからね。

Windowsは、8文字以上かつ大文字小文字数字記号の4種類をすべて含み、名前やユーザー名、一般的な単語を含まない、の条件を満たしたものを強力なパスワードの基準としています。

そんなパスワードを何種類も管理するなんて無理な話です。しかし不正ログインは怖い…。

どこかにメモしておけば確かに管理することは可能です。しかしそのメモはどうやって管理しますか?

そのメモを失くしたら、ログインできなくなるうえに全てのパスワードが漏洩してしまったことになります。管理ツールを使っても、じゃあ管理ツールのパスワードはどこで管理しますか?

たとえセキュリティのためとはいえ、求められているものに少し現実味がないですよね。

そうなるとやはり、覚えやすくてある程度統一されたパスワードを使わざるを得なくなり、しかしセキュリティ面で不安が残る…堂々巡りです。

パスワードは当たり前のセキュリティですが、現状、あくまで最低限なものになってしまっているのです。

入力しないパスワード

では、どうやってセキュリティを高めていけばいいのでしょうか。

ようは本人であることが証明できればいいわけです。実は身近にある人も結構いるのではないでしょうか?

iPhoneはSE(第2世代)、iPhone8から指紋認証を、iPhone10から顔認証を搭載しました。それぞれTouch ID、Face IDと呼ばれているものですね。

情報が資産となる現代において、パスワードの管理不備及び漏洩は大きな影響を及ぼしかねません。

そんな中、米マイクロソフトはアウトルックやチームズといった自社アプリで、顔認証などの生体認証を標準としました。

指紋や顔、あるいは声紋、虹彩を利用した認証方法をバイオメトリクス認証と言います。

生体認証であれば、脅威である「パスワードが外部に漏れる」おそれを、そもそも根本からなくすことが可能になります。

増え続けるサイバー攻撃、不正アクセスに、パスワードではもう限界が来ています。

パスワードが漏れることで流出した情報はなかったことにはできませんし、信用も失います。在宅勤務も増え、働き方が変わっていくまさにその過渡期にいます。情報の管理には、一番に気を使わなければいけません。

セキュリティは、企業を支える大きな柱の一つになっているのです。

マイクロソフトの生体認証化を皮切りに、多くの企業が脱パスワードを考えていかなければいけなくなっています。

本日のまとめ

バイオメトリクス認証がすべて優れているというわけではありません。まだまだ精度が低いものもありますし、不便な時もあります。それこそコロナ禍でのFace IDとか、ちょっと面倒くさいですよね。マスクだと反応しなくて。

しかし、その精度はどんどん上がっています。きっと、マスクにもすぐに対応するでしょう。

実際にiPhoneでは、パスワード入力などもバイオメトリクス認証でスキップできるようになりました。

「脱パスワード」は、気が付かないところで進んでいるのです。

好きな映画に、問題を解決するために敵組織のシステムに入らなければいけなくなるシーンがあります。その時主人公は、どこでシステムに入るためのパスワードを入手したと思いますか?

……敵組織のボスが座っていた椅子の手元です。手元に、メモを残していました。パスワードの意味がまるでありませんよね。

そんなことにならないように。パスワードの管理は適切に!そして脱パスワードへ。

<参考サイト>

NORDPASS

日本経済新聞

メールにまつわるあれやそれ、法律で決められてるって知ってますか?

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今朝は何件メールが来ていましたか?

わたしは16件きていました。そのうち15件が迷惑メールです。

まぁ迷惑メールとは言っても、どこかしらで登録したサイトの広告ですから、厳密にいえば迷惑メールではありませんが、気持ち的にはとっても迷惑です。

こまめに配信停止にしても、新しくなにかを購入すればまたそのショップからのメールマガジンが届く…「配信を希望する」のチェックを外し忘れただけなのに~~!

実際、メールマガジンで紹介された商品を買うことも少なくないので、完全に迷惑かと言われればそうでもないような…。そんなこんなで、どんどん広告メールは溜まっていきます。

広告メールって敬遠されがちですし、意味がないように見えてその実、わたしみたいなつられて買っちゃうような人がいるから相手も送ってくるわけですし、まったく無意味なものではありませんよね。

しかし、そのメール、本当の意味で「迷惑メール」になってませんか?

むやみやたらに送ればいいってものではありません。メールの利用にもきちんとルールが定められています。

本日は、メールにまつわる法律についてお話ししたいと思います。

迷惑メール防止法 オプトイン/オプトアウト

冒頭でお話ししました、「広告メール」か「迷惑メール」かの境界線となるものに、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」というものがあります。通称「迷惑メール防止法」といわれるものですね。2002年に制定され、2005年、2008年に改正を重ね、広告メールおよび迷惑メールの制限を定めています。

2008年の改正で最も特徴的なものがオプトイン方式の導入です。
このオプトイン規制に則っているかいないかによって、広告メールなのか迷惑メールなのかに振り分けられます。

オプトイン方式とは、あらかじめメールの送信の同意を得た相手に対してのみ広告メールの送信を許可する方式です。

何かしらのサイトに登録する際、よくでてきますよね、「配信を希望する」のチェックボックス。

これにチェックが入っていれば、送信に同意するということになります。

また、受信者がメールの送信を同意(オプトイン)した記録も残す必要があります。

わたしが迷惑と思っていたメールは、そのほとんどが合法広告メールなわけです。こまめにオプトアウトしないとですね…

そう、オプトインの対義語にオプトアウトという言葉があります。広告メールを許可なく送信すること、あるいは広告メールの受信を拒否することを指します。

送られてくる広告メールにも、「配信停止はこちら」なんてリンクが貼られていますよね。このリンクも、法律で定められているんです。

メールを送信することがたとえ合法だったとしても、内容によっては違反になることがあります。それこそ、オプトアウトの案内の表示がない…とかね。

迷惑メール防止法では、広告メールの送信の際に義務として表示するものが定められています。

先に挙げたオプトアウトの案内だけでなく、送信者の氏名または名称、そして住所、問い合わせ先、電話番号やアドレス、URLといった送信者の情報など。

送られてきたメール、あるいは送っているメール、きちんとこれらの情報を満たしていますか?


迷惑メール防止法 偽装メール

迷惑メール防止法では送信者およびの偽装も禁止されています。

なりすましメールに当たりますからね、そもそも当たり前の話ではあります。

当たり前の話なのに、当たり前のように横行しているのが現状です。

送信元のアドレスをなりすましたり、そもそもアドレスを表示しないように設定したり…。

これらを禁止した「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律案」の改正が2005年に改正されているということは、すでに15年以上前から違法な迷惑メールは横行しているということになります。

このスパムメールと呼ばれる迷惑メールのほとんどが送信者を偽装して送られるものであり、つまりほとんどが違法なわけですが、15年たってもいまだ改善されません。

むしろ悪化する一方で、現在はコミュニケーションチャットツールやSNSなどでも広がっています。SNS上で仲良くしていたアカウントが突然サングラスの広告をbotのように流し始めた…なんて経験はありませんか?サングラスならまだましです。ダイレクトメッセージでアダルトサイトのリンクをばら撒くなんて事例もありました。

禁止であることが当たり前なはずのに、横行しすぎて存在が当たり前になってしまっているスパムですが、もちろん法律違反ですから、罰則があります。

当たり前に存在していても、1年以下の懲役または3000万円以下の罰金措置です。かつて100万以下だったものが、大幅に引き上げられた金額です。3000万円ですよ。洒落にならないですよ!それでもなくならないのが現状なんですけどね…。

なにはともあれ、偽装されたメールおよびスパムの横行は減っていないのが事実です。わたしたちにできるのはそこから被害が出ないようにすることでしょう。

思い当たらないメールのリンクを踏んではいけません。開くことすらちょっと危ないかも。でも開くまでそれが偽装か否かなんてわからないし。だからこそ、有益だろうとなんだろうと広告メールは迷惑がられるんですよね。

迷惑メールと広告メールの見分けが付けられる大人になりたいですね。

不幸のメール

そうそう、主題とは多少ずれますが、メールといえば「不幸のメール」なんてのがありますよね。

プライベートでメールをほとんど使わなくなりましたし、連絡先の相手もわたしもさすがにいい年ですからしばらく見ていませんが、今も学生の間ではまわっているのでしょうか。思い出すとなんだかノスタルジックな気持ちになっちゃいます。

「チェーンメール」と呼ばれるこの手のメールも、迷惑メール、スパムメールに分類されます。はじめてその存在を知った小学6年生のわたしは、びびって馬鹿正直に指定人数分転送したのを覚えています。母親にしこたま叱られましたし、学年全体で指導されました。

連絡手段がLINEになっても、数回送られてきました。妹から送られてきたときには微笑ましいものでしたが、内容によってはそんな可愛らしいものでもありません。

ではチェーンメールが犯罪なのかというと、なかなか難しい話です。たとえば、「〇人に転送しないと殺しに行くぞ」なんて文面でしたら、強要罪に当てはまることがありますし、騙すような書き方でなにかしらの商品を売りつけようというような内容でしたら詐欺罪です。

「佐賀銀行がつぶれる」という内容のチェーンメールを流した人が信用毀損罪に問われた例もあります。

実際に事件になっているわけですから、可愛らしいなんて言葉で片づけていいものではありません。

スパムと同様に、メールだけでなくコミュニケーションチャットツールやSNSでも類似したものが出回っています。もちろん、中には全く問題ないものがたくさんあります。「見た人は全員やる」なんてハッシュタグを使って好きな音楽を共有したりとかね。

コミュニケーションが手軽で容易になった現代で、良いことと悪いことの境界線を曖昧にしないように気を付けなければいけませんね。

本日のまとめ

冒頭でも言いましたが、わたしはわりと広告で見た物を買います。広告メールは有用な営業商法と言えるでしょう。しかし、むやみやたらに送っていいものではありません。きちんと決められたルールがあります。

やってはいけないこと、いいこと、なんとなくわかっているような気がしていませんか?

「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」なんていわれてもピンときませんが、強要罪や詐欺罪と言われれば、途端に現実味を帯びてきませんか?前者も、現実的なものとして意識しなければいけません。

チェーンメールのように子供じみていても、迷惑メールに通ずるものです。若かりし頃、わたしのように転送してしまって親や学校に叱られた経験がある人だって少なくないはずです。あのときは漠然とダメなものだと思っていたことが、明確に文章にされています。

あのときよりもリテラシーのある大人になれていますか?若かったな~なんてノスタルジーに浸って、ついでに今一度、用意されている規則を確認してみてくださいね。


<参考サイト>

総務省 国民のための情報セキュリティサイト

総務省 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント

一般社団法人日本データ通信協会

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