2021年のニューノーマルと2022年の生活

おはようございます。情報セキュリティ情報センターです。

2021年も終盤に差し掛かってきました。今年のコラムも本日が最後です。

みなさんにとって2021年はどのような年でしたか?

コロナ禍で新しくなった生活には慣れましたか?

それとも、ゆるやかに以前の生活に戻りつつあるのでしょうか?

ともあれ、突然やってきた非日常な生活は少しずつ日常になっています。

2020年は「変化」の年、2021年は「順応」の年でした。そして2022年は「日常」の年になっていきます。…と私は思っています。

本日は、新しい生活が当たり前の日常、2021年の「ニューノーマル」を紹介です。みなさんにとって、もうノーマルになっているでしょうか?



オンライン〇〇

ニューノーマルという言葉を耳にするようになったのはここ最近のことですよね。NewとNormalを合わせた造語で、言葉時代は2000年代初頭から使われているそうです。「新しい生活様式」と訳されます。

コロナウイルスの脅威のなか、わたしたちの生活はがらりと変わりました。しかし今はそれが当たり前で、以前よりも効率がいい部分まであります。まさにニューノーマル。とってもしっくりくる言葉です。

そんなニューノーマルと時を同じくして広がった言葉が「オンライン〇〇」ではないでしょうか?

〇〇には様々な言葉が入ります。オンライン授業、オンライン飲み会、オンライン面接…などなど、多くのオンライン〇〇が広がりましたね。

考えられますか?学校に行かないで授業が受けられるんです。

考えてみれば簡単なことです。ビデオ電話はもっと前からありますから、もっと前から可能ではありましたが、しかし実際に行われたのはこのコロナのあおりを受けてからです。

飲み会も、面接も、授業も、仕事も、多少不便さはあれど、接触が避けられるという大きな理由で次々にいろいろなものが「オンライン」化しましたね。

テレワークなども「オンライン〇〇」に含まれます。いうなればオンラインワークでしょうか?

コロナが落ち着き始めた今でも、テレワークを続ける判断をした企業さんも多いのではないでしょうか。

そもそもテレワークが推奨されたのは2000年代からで、しかしその不便さやセキュリティ面での不安が多く目立ち、ここ最近までは全くと言っていいほどに「普通ではない働き方」でしたよね。

しかし、2000年代初頭からすでに20年が経過しています。当時懸念された不便さやセキュリティの不安は、20年分の技術で多少は解消されています。

電子印鑑もだんだん普及しはじめていますよね。契約書も電子で取り交わすことができるようになりました。

オンライン化のメリットが、少しづつデメリットを解消していっています。

一気に普及されたときに注目されたメリットは「非接触」だけでした。しかし、それが続き慣れていけば慣れていくほどに、他のメリットも注目されるようになり、職種によってはメリットの方がずっと多いことに気が付いたのです。

なによりオンライン授業もテレワークも、どんなオンライン〇〇だって、どこでもできて、移動時間が省けるのです。それだけで全然違いますよね。

もちろん直接でなければ効果が得られないものも中にはあります。実験の授業とかね。

しかし、話を聞いて、先生が板書して、それを書き写す・・・といった授業はオンラインでも滞りません。むしろ静かに授業が聞けるという利点もありました。

「オンライン〇〇」、2021年に間違いなくもっとも普及した「ニューノーマル」なのではないでしょうか。



おうち時間

さて、次にコロナ禍でよく聞くようになった言葉が「おうち時間」ではないでしょうか?

不要不急の外出を避け、極力家で過ごすことが推奨されました。

もちろん、外出することが主に休日にできる娯楽のすべてではありませんが、やはりかなりのものが抑制されましたよね。

そんな中、おうちで楽しい時間を過ごす、という意味で使われたのが「おうち時間」です。

みなさんはどんなおうち時間を過ごしましたか?

わかりやすく「おうち時間」を売り文句にしたのはやはり動画サイトや動画のサブスクリプションサービスではないでしょうか?

それこそわたしは、もともと映画やアニメをサブスクサービスを利用してよく鑑賞していましたが、その頻度は圧倒的に増えました。

他にも、ご家族がいらっしゃる家庭、特にお子さんがいる家庭向けには簡易的な家庭栽培セットや、お料理キットなんかも発売されました。

ずっと家の中にいることが苦痛じゃない人もいますが、それを強要されるということはストレスがたまるものです。

学校や職場にも行けず、外でもなかなか羽を伸ばせないなかに楽しみを見出すのがあたらしい「おうち時間」です。これらはニューノーマルというわけではありませんが、新しい娯楽、新しい休日の過ごし方として今後も続いていくでしょう。

いままでなかったNewが当たり前のNormalになっていくわけですから、多少イメージと違っても広く見ればニューノーマル…と言ってもいいのではないでしょうか。

わたしはこのコロナ禍でサブスクを利用した「おうち時間」が増加し、他にも友人と通話しながらゲームをするといった新しい楽しみを得ました。

コロナ以前は一緒に出かけたりもしていた友人ですが、もう1年近くあっていません。それでも一緒にゲームをしていますから、疎遠になることもなく、いつも通りです。なんならあっていた時よりも話す機会は圧倒的に増えました。

そうそう、このコロナ禍で、ペットを飼う方が増えたというお話を聞きました。おうち時間が増えたことによる影響だそうです。

家に新しい家族が増えること、それは当たり前のことではありませんが、これからその家族と過ごしていくことは必然的にその過程にとって「当たり前」になっていきます。ペットの命も、当たり前ですがコロナ禍だけのものじゃありませんからね。立派なニューノーマルな生活になっているじゃないですか。



本日のまとめ

いかがでしょうか?考えてみれば、通信販売も昔はまったく当たり前ではありませんでした。

しかし今は、多くの人が利用する当たり前のことになっています。きっと通販も、どこかの時代では「ニューノーマル」だったんです。

そうやって世界は、新しいものに知らず知らず順応し便利になっていくわけです。

静岡県では、シェアオフィス、サテライトオフィスといった「テレワーク」が推進され、補助金制度まで整い始めています。まったく静岡県にゆかりがない人でも、この機に新しいつながりを得て、コミュニケーションすることができる、というのも狙いの一つだそうです。

オンライン化によって、コミュニケーション能力の重要度は飛躍的に注目されました。PCの画面越しに相手の感情を読み取ったり間を取りスムーズな会話をするのは、対面して会話する何倍も難しいことだとわたしたちは実感しています。

今日紹介したオンライン化とおうち時間は、かたやビジネスかたやプライベート、あるいはどちらも共通して、広く使われます。老若男女場所を問わず新しい時代です。

冒頭でも言いましたが、今年はそんな、新しい時代でした。来年は、それが普通になる時代です。

それではみなさん、よいお年をお過ごしくださいね。



<参考サイト>

IT mediaビジネス

tunag

クラウドサービスという選択

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

クラウドサービスと聞いて何が頭に浮かびますか?

以前は無かったこのサービスが今は当たり前になってきています。

パソコンで使用しているOfficeのソフトをはじめ、数々のソフトウェア、データを保存しているサーバーもそうですね。

携帯で撮った写真をクラウドに保存している方も多くなりました。

今回はクラウドサービスについてのお話です。



クラウドサービスとは

多くの方がクラウド=雲を想像しますよね。

例えば宅配ピザを注文するとき、大体の方は、自宅の郵便受けに入っていたピザ屋さんのチラシを見て、電話で注文します。最近はスマートフォンやパソコンを使用してインターネットで注文が出来てしまいます。

30分もすると、バイクに乗ったピザ屋さんが箱入りのピザを届けてくれます。

ここにはちょっとした不思議があります。多くの人は、ピザが自宅に届けられるまで、ピザ屋さんを見ることがありません。自分が電話したピザ屋さんがどこにあるのか?どんな場所でピザが焼かれているのか?そういったことが分からないまま注文しています。

クラウドサービスは、このような、「どこにあるのか?」「どんな場所で作られているのか?」「どこの人が作業をしているのか?」が分からないけれども利用できるサービスのひとつです。私たちは「どこ?」が分からなくても、多くの商品やサービスを利用しています。

クラウド(クラウド・コンピューティング)は、コンピューターの利用形態のひとつです。インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューター(サーバー)が提供するサービスを、利用者はネットワーク経由で手元のパソコンやスマートフォンで使います。

クラウドの特長のひとつは、利用にあたって、コンピューター(サーバー)の所在地(どこ?)が意識されない点です。たとえるならば、雲(クラウド)の中にあるコンピューターを地上から利用しているようなイメージです。そして、クラウドの形態で提供されるサービスを「クラウドサービス」と言います。

従来のコンピューターの利用形態では、利用者は手元のパソコンの中にあるソフトウェアやデータを利用していました。しかしクラウドサービスでは、ネットワークを経由して、雲(クラウド)の中にあるソフトウェアやデータをサービスの形で使うのです。

クラウドサービスの代表的な例にはWebメールがあります。「Gmail」や「Yahoo!メール」などが有名です。これらのWebメールサービスは、サーバーがどこにあるかを意識させません。

多くの会社ではメールサーバーを、自社の中や自社が利用しているデータセンターなどに持っていたり、レンタルのメールサーバーを利用していたりします。そしてメールを受送信・閲覧するためには、自分のパソコンにインストールしてある「Windows Liveメール」や「Outlook」や「Thunderbird」などのソフトウエアを使っています。

Webメールではまず、このようなソフトウエアを自分のパソコンにインストールする必要がありません。Webの閲覧に使用している「Internet Explorer」や「Chrome」などのブラウザーがあればサービスを利用できます。また、自前のメールサーバーを用意する必要もなく、ユーザー登録だけすれば、「どこにあるかは分からないが、どこかにあるだろうサーバーとメールソフト」を使って、メールの受送信や閲覧ができます。

このように、ネット上のどこかにあって仕事をしてくれているが、どこにあるかはよく分からないサービスを、クラウドと呼びます。



クラウドのメリット

①導入が容易

導入が容易でリスクが少ないこと。このことが、業務用クラウドサービスを使うもっとも大きなメリットかもしれません。

ここまでご説明してきたとおり、これまでの業務用ソフトウエアは、会社のコンピュータ(サーバやパソコン)の中に入れて使うものでした。そして、これらのソフトウエアは、会社が購入していました。

ですから、新しいソフトウエア…例えば、会計ソフトにしても、給与計算ソフトにしても、それを導入するまでに、慎重に吟味する必要がありました。自分たちの仕事に則したものなのか?担当者が十分に使いこなせるものか?そういったことが検討されると同時に、懸念もされてきました。新しいシステムを導入したが、十分に使いこなせず、無駄にしてしまったという例も、少なくありません。

その点、クラウドサービスは、サービス提供会社が保持し管理するサービスをネットワーク経由で利用するため、利用者側はソフトウエアを購入したり、独自に開発する必要がありません。そのため、導入の際に大きな投資をしたりする必要もなく、使えないシステムを購入してしまうリスクなどもありません。まずは試しに利用してみて、良ければ使い続けるという、安全で間違いのない導入ができる点で、クラウドサービスは優れています。

②運用が楽

クラウドでは、ハードウエアも、それを置くスペースや動かすための電力も、すべてをサービス提供会社が保持し管理します。また、業務用のアプリケーションや基本的なOSソフトなどの維持管理も、すべてサービス提供会社が行います。

そのために、社内に持ったハードやソフトを維持管理するための人手や電気代、ハードウエアの置き場にかかる家賃、セキュリティ対策費用など、運用コストが大幅に削減でき、会社にとって大きなメリットになります。

利用できるソフトウエアは、常に最新のものが提供されます。このため、これまでは手動で行っていたバージョンアップ等の作業も不要になります。

「持たずに使う」。これこそがクラウドのメリットです。

月額いくら 1ユーザーいくらという従量課金で使える

「道具を持つ」ではなく「サービスを利用する」というスタイルのクラウドでは、使っていないときには、費用が発生しないというメリットがあります。

そのため、例えば年度末の繁忙期1ヶ月間には、複数の人が入力作業のために使用するが、それ以外のシーズンは管理用に1人が使えればよい…というような利用方法も可能です。

「月額いくら」「1ユーザいくら」という従量課金のクラウドサービスは、必要な時に必要な分だけ利用して、サービスの利用料を支払います。必要最小限のサービス利用で無駄を省けます。



導入事例

実際の導入事例

現在利用のソフト更新のタイミングでクラウド版に切り替え

・N社様

在庫管理のソフト蔵奉行をパソコン1台にインストールして使用していました。

保守サポートの期間が迫っておりバージョンアップのご相談をいただきましたが、拠点もある為パソコン2台での利用を検討されておりました。

通常のオンプレ版ですとそれぞれにソフトをインストールして利用は出来ますが、登録している商品マスターや在庫情報はバラバラになってしまいます。

そこでクラウド版のご提案となりました。

それぞれのパソコンで入力したデータはクラウドに保存される為共有が出来るようになりますし、マスター情報も2台のパソコンに反映されます。

2ライセンス分の年間料金をお支払いすることで常に最新バージョンを利用できるようになりました。

生産性アップの為クラウド切替へ

・H社様

毎日の出退勤をタイムカードに打刻して月初にタイムカードを集計し給与計算していました。複数店舗がある為に月末締めたあと、タイムカードをそれぞれ集めデータを手入力します。残業時間を調べ給与計算。さらには間違いが無いかチェックを行いますが、これらの手間と時間をクラウドが解決してくれました。

ICカードタイプのタイムレコーダーを各店舗に配置

出社と退社はICカードをかざすだけ。その時刻はタイムリーにクラウドに保存され、管理者が把握できるようになります。残業時間や有休の残回数も確認が出来て非常に便利です。

月末締め後はデータを給与ソフトに入れ込むだけ。

ミスも無くなり生産性がアップしました。

まとめ

これらの導入事例はほんの一部です。

Microsoft Office永続版からOffice365に変えることでクラウド利用の開始です。

未来の話ではなく今は当たり前になりつつあり、切替が非常に増えているのです。

当然メリット・デメリットを把握したうえで決定しなければいけません。 環境が変わり、働き方にも変化があります。この機会にツールの見直しをしてみてはいかがでしょうか?

<参考サイト>

NEC

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【5】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

これまで数回にわたって、インターネットの、とくにSNS上のトラブルについて例を挙げてお話してきました。ここ十数年で急速に発達したインターネットに、国や教育、わたしたち自身の意識、そういったものはいまいち間に合っていません。
数回の記事を書くにあたって、改めてわたしも実感しました。

なによりも、間に合っていないことの自覚が薄いことが大きな問題です。わたしなんかは、まさにZ世代と呼ばれる若者ですから、学生のころからインターネットやSNSは当たり前でした。インターネット特有の暗黙の了解や、ネットモラル、マナーは自然と身についていると思っていました。
それでも、まだまだ足りないところがたくさんあると再確認しました。

しかし、足りないままではいけません。いくら「最近」とはいえ、現在主に利用されているSNSはサービスを開始してとっくに十数年は経っています。SNSの黎明期は2004年頃ですから、20年前ですよ。もうそんなに最近の話でもないんですよね。わたしも時間の流れにびっくりです。
その20年のうちに、そのSNSアプリケーションは何回アップデートされたのでしょう。わたしたちの意識は、何回アップデートされたのでしょうか。

考え方が変わるのは当たり前のことです。ものごとの変化は、人の意識からなるものです。
実際にSociety5.0が目指され、DXが進み、わたしたちの意識も含めた「デジタル化」が進んでいます。
日本の歴史2000年と比べれば、まだまだ子供なインターネット空間ですが、少しずつ2000の先に融合しています。デジタル化、さらにはインターネット化は、まさに今が黎明期と言えます。

さて本日は、これまでのまとめとして、インターネット世界黎明期に生きるわたしたちにできることのお話です。


あなたを守る法律

インターネットに限らないことではありますが、わたしたちは被害を受けた際に泣き寝入りしてしまうことが多々あります。
SNSにはブロックという機能があり、見たくないものを見ないようにすることが容易です。このブロック機能による炎上というのも、たびたび見られますよね。

以前お話ししたように、炎上を鎮めるには素直に謝罪し理解することがもっとも効果的ですから、それがないままブロックすると「逃げた」と言われがちです。
炎上の原因も様々ですから、一概には言えませんが、謂れのない噂で炎上してしまった場合、あるいは一方的な誹謗中傷を受けた場合、見ないようにして過ぎ去るのを待つしかありません。
そういった時には、見たくないものは見ないようにミュートやブロックで対処しますよね。
あるタレントが、たくさんの応援よりも1つの誹謗中傷の方が気になってしまうと言っている記事を読んだことがあります。気にしていないつもりでも、やはり自分に向かう暴言は気になってしまいます。一般人だろうと有名人だろうと人間ですから、同じですし当たり前なのです。

見ないようにするのはもっとも手軽な対抗方法ですが、根本の解決にはなりません。たとえ見えないようにしたとしても、それでも一度受けた誹謗中傷は脳裏にちらついて離れなくなることもあります。
ミュートやブロック以外の、泣き寝入り以外の方法をご紹介します。

まずはじめにしたいことは、誹謗中傷やデマ、噂を流している投稿の削除でしょうか。
デジタルタトゥーと言われ、一度インターネットの海に放り込まれたものは金輪際消えることはありません。しかし、記憶は薄れていくものですから、元凶である投稿がなくなるのは大事なことでしょう。
その投稿が「消された」ことで、ほかの悪意ある投稿への牽制にもなりますし、それが嫌だと被害者が声を上げていることが物理的に証明できます。

 インターネット上に自身の権利を侵害するような情報(プライバシー侵害、名誉毀損等)があった場合には、本人もしくは代理人(未成年者であれば親などの保護者、弁護士)からサイトの管理者等に対して削除の依頼をすることが可能です。(総務省HPからの引用)

総務省のHPにもありますが、みなさんの人権は守られるものですから、侵害された場合は削除要請が可能です。
これは「プロバイダ責任制限法」にかかる内容であり、2001年に成立しています。
先にあげたSNS黎明期よりも前に成立しているものですが、この存在を知ってる人が何人いるのでしょうか?泣き寝入りをしている人が何人いるでしょうか?

発信者情報の開示請求なんてものもあります。少し調べてみたところ、今やLINEを利用して相談し、簡単に開示請求が可能なサービスもあるそうです。様々なことが、とても手軽にできる時代ですね。

さて、他にもできることはあります。簡単に言ってしまえば、賠償金の請求です。
実際に、以前お話しした誹謗中傷で亡くなられてしまったプロレスラーの母親は、誹謗中傷をしていた人に対し裁判を起こし、その結果、決して安い金額ではない賠償金の支払いが命じられました。
人の命がかかっていると言っても過言ではありませんから、なにもおかしなことではないんですよね。
直接手をくだしたわけではなくとも、その人の行為は立派な加害だと認められたわけです。

子役から活躍しているまだ若い女優さんも、同様にSNSで受けた誹謗中傷に対し訴訟し、示談金が支払われる結果になっています。
その女優さんのYouTubeでは、「社会的に罪を償ってほしい」という言葉が聞けます。

例に挙げているように、法的に罪であると、国は認めているのです。わたしたちにとってその意識は多少薄いものかもしれませんが、実際に例に現れています。
たとえ投稿が消されても、お金が支払われても、その傷は消えることはありませんが、それでも気は軽くなるのではないでしょうか。
こういった事例があること、あなたを守る法律があることを、忘れないでください。

変わっていく世界

さて、法的な手段を紹介しましたが、実際問題わたしたちは現状、法の下というよりはどちらかといえば倫理や道徳のもとでインターネット社会を生きています。法律がなければなんでもしていいわけではありませんから、まだ法律が追いついていない部分は、すべて倫理観や道徳心に委ねられているのです。

極端な話をすれば、「悪口を言っても、どうせこんな大衆の言うことなんて気にしないだろう」と思うことも、「どうせ届かないし聞こえないのだから、SNSで応援を伝えても意味ないだろう」は同じ意味です。
そこに、「でも言わない」「でも伝える」が加わるかどうかが考え方の違い、突き詰めれば倫理につながるのです。

インターネットにおけるコミュニケーションの原型は掲示板形式のものです。
現在と比べ匿名性が高く、ラフな空間だった代わりに治安もあまり良いとは言えませんでした。
その掲示板で誰かの悪口を言っても、その本人が直接調べ、見に行かない限り届かないことがほとんどなのも、ラフであった理由のひとつです。

しかし今のSNSは、「アカウント」というキャラクターが存在します。芸能人はもとより、一般的に利用しているわたしたちも、「わたし」「あの人」というキャラクター性をもち、交流しています。掲示板との大きな差はここにあります。

インターネット上は確かに匿名かもしれませんが、イメージとしてはもうひとつの世界のもうひとりの自分ですから、その世界ではちっとも匿名でもないんですよね。
わたしの保有するアカウント「A」は、そのSNSにおいて「A」という人格のあるキャラクターになっているのです。
この情報セキュリティ相談センターにもTwitterのアカウントがありますが、誰が運営しているかわからないからと言って悪意を持って誰かを攻撃すれば、「情報セキュリティ相談センターが悪意ある攻撃をした」と、思われるわけです。

時代とともに、インターネット上のコミュニケーション方法は代わりました。わたしたちの考え方も、そしてこの、現実空間とサイバー空間が融合したこの世界での生き方も、合わせて変わっていかなければならないのです。

本日のまとめ

全5回にわけてインターネットに散見されるトラブル、主に炎上と誹謗中傷について紹介してきました。
要するに人の気持ちを尊重する、法律を、決まりを守る、道徳心や倫理観を持つ、といったことが大事であり、現実と何も変わらないのです。
これから、現実空間とサイバー空間のふたつの世界はどんどん融合しますから、現実で持ちうる常識を、サイバー空間にいるあなたにも、もちろんわたしにも、インストールしなければいけません。

数回に分けてトラブルの話をしましたが、モラルを持って利用すれば決して怖い空間ではないのです。
わたしはインターネット上の仲良い友人がたくさんいますし、週末は一緒にゲームをします。住んでいるところはずっと離れていますが、会うために旅行に行く楽しみもあります。

マッチングアプリで出会った人と結婚する人もたくさんいる時代です。正しく使えば、便利で快適な空間です。
法律も、多少遅れはしたものの少しづつ変わっていっています。あとはわたしたちの意識が変わるだけです。

今変わるだけでなく、これから、成長していく世界に合わせて柔軟にアップデートしていくことが大事ですよ。
それを忘れずに、便利で、そして楽しいSNSライフを送ってくださいね。

<参考サイト>

政府広報オンライン
LEGAL MALL

総務省
IT media NEWS

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【4】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

情報倫理という言葉をご存じでしょうか?

倫理とは人間生活の中の普遍的な善悪の基準、秩序のことであり、情報を扱う際の行動規範のことです。

倫理という言葉を使うと難しく感じますが、ようは倫(人の輪)の理(ことわり)ですから、つまり、人の、仲間内のきまり、秩序というわけです。

きまりといっても法律ではありませんから、あくまで道徳の範囲内の規範です。

さて、インターネット、サイバー空間が生活に密接している現代で、わたしたちが小学生の時に学んだ“現実世界”の道徳はサイバー空間でも適用されるのでしょうか?

急速に発展したインターネット上は、いまや立派な公共の場ですが、しかしそこには具体的な法律が伴っていませんでした。

いまでこそ徐々に整備されていますが、それでもまだ間にあっていません。その現状が、これまでお話ししてきた炎上や誹謗中傷です。

わたしたちは、法のもとで現実世界を生きている反面、法の伴わないサイバー世界を倫理をもってして生きています。

毎週、炎上についてお話してきましたが、本日は、サイバー世界の倫理・道徳や法律についてのお話です。


インターネット暴力

日本は治安のいい国、とよく言われます。みなさんはどう思いますか?昔と比べて、他の国と比べて、確かに治安は良いのかもしれません。

ではインターネットはどうでしょうか?

インターネット上で交わされるコミュニケーションはそのほとんどが文字によるものです。なにをしても、画面の向こうにいる人に肉体的な影響は与えません。

言ってしまえば、誰のことも物理的には一切傷つけずに攻撃することができます。簡単ですよ。

従来の、なんだか気に食わない芸能人を、テレビ越しに悪く言うのとはわけが違います。誰の目にも触れる公共の場ですから、どんなに小さな声でつぶやいたとしても、それはもうなかったことにはできません。直接だろうと、間接的だろうと、それはもう暴力になり得るのです。

さて、誹謗中傷と呼ばれるその暴力は、深刻な社会問題となっています。一般人が有名人に対して行うものだけでなく、一般人から一般人へ行われる暴力も、です。

さて、SNSや誹謗中傷における法律というものはまだあまり多くありません。とはいえ、誹謗中傷や侮蔑、無責任な噂は立派な人権侵害ですから、法律違反に当たります。

人間としての権利、憲法が保障している基本的人権を不当に踏みにじる行為は人権侵害に当たります。健康で文化的な生活を送る権利は誰にでも平等にあり、誰も脅かしてはいけません。

それはもちろん、インターネット上だろうと当てはまります。

インターネットにおける暴力に肉体的な影響は出ませんし、暴行罪も適応されません。しかしたしかにそれは権利の侵害で、不法と言われたらなにも言い返せないのです。

それでは、はたしてこの国の治安はほんとうにいいのでしょうか?



電波に乗る陰口

陰口とは、当人のいないところで行われる悪口のことを言います。学生時代、する側でも、される側でも、経験がある人は少なくないのではないでしょうか?

わたしも、陰口を言ったことがないとは言えません。学生時代、気に食わない相手、厳しい先生、家族のこと。少し話に色をつけて、当たり前の会話のようにしていたことがあります。

決して許されることではありません。子供だからいいってわけでもないですよ。だって立派な人権侵害じゃないですか。

侮辱罪、名誉毀損、なんとなく聞いたことのある「ダメなこと」にきちんと当てはまります。

さて、陰口といえば、わたしは女子が学校のお手洗いでこそこそと話している風景なんかを思い描きますが、あくまでこれはステレオタイプなキャラクター付けです。性別も年齢も場所も関係ありません。陰口なんて、どこでも起き得ます。

それこそ学校なんかですれば、もしかすると本人の耳にも届くかもしれません。関係のない人がたまたま聞いて、本人に教えるかもしれません。

しかしインターネットならどうでしょうか。

遠距離間でのコミュニケーション方法は、郵便手紙から始まりFAXからメール、メールからチャットへと変わってきています。

チャットになったことで、インターネット上での会話はとてもスムーズになりました。メールでは正直面倒くさいと思っていた何気ない雑談も、チャットであれば時差もなくぽんぽん会話できますから、ついつい話しすぎてしまいます。

今はもうほとんどチャットが主流ではないでしょうか。

手軽で、雑談感覚で会話ができて、おまけに匿名性や機密性が高いチャットですから、それが陰口の温床となってしまうのは火を見るより明らかです。

つい最近、いじめが原因で小学生の女の子が自殺した事件がありました。覚えていますでしょうか?

原因はさまざまですが、話題となったのはやはり学年全員に配られたタブレット端末でしょう。

GIGAスクール構想といって、コンピュータやネットワークを生徒ひとりひとりに整備する取り組みの一環で、その小学校はいちはやく6年生全員にタブレット端末が配られました。

このコロナ禍で在宅ワークが増え、学校でもオンライン授業が実施されましたから、1人1台タブレット端末は今後も必要になるでしょう。わたしも大学生時代、テキストや参考図書はほとんど電子書籍で利用していましたし、ペーパーレスの時代ですから、教科書もいずれ電子媒体になる時代はいずれきます。GIGAスクール構想は、近い未来のかたちのひとつです。

しかし今回の問題は、そのタブレット端末の管理の杜撰さ、そして冒頭にお話ししました、子供の倫理によるものです。

配られたタブレット端末の使用制限やパスワードが共通だったことはセキュリティの面からみても大問題ですが、今回は話の趣旨とは多少ずれますから、詳しく触れません。(もちろん、学校というものは子供のお手本なわけですから、そういった現代化に伴う情報セキュリティの教育の意味も含めてきちんとやるべきだったと思いますよ)

さて、では倫理の問題ですが、この件では配られたタブレット上で使用されたチャットに女の子の悪口が書き込まれていたことが原因の1つです。わたしたちが普段使っているチャットツールは、SNSと比べ機密性が高く、基本的に会話の内容は外に漏れませんから、「陰口を言ってもばれない」「バレなければ相手を傷つけない」と、先の言葉を使えば「これは暴力に当たらない」と、なんとなく思ってしまうんですよね。

しかし、配られたタブレットは前述のようにセキュリティ面で大きな欠陥がありました。ログインするためのIDは出席番号や誕生日のような、推測できる通し番号で、パスワードは全員統一のもの。誰でもその気になれば簡単に他人のチャットの履歴を見ることも、他人に成りすますこともできます。

必要なのは、「誰にも見られないからといって陰口をたたいていいわけではない」「どんな理由でも、たとえそれが容易でも、他人のアカウントにログインしてはいけない」という意識でした。

とくに後者なんかは、今回はチャットの閲覧のみですが、これに課金といった金銭的被害も関わってくる可能性が大いにあります。

どちらの意識も、当てはまるものはあるものの具体的な法律があるわけではありません。今のところどうしても、インターネットの治安は利用者の倫理観や道徳心に一存されているのです。



本日のまとめ

子供といえど人権はありますから、それは侵害してはいけませんし、いじめを「喧嘩」や「じゃれ合い」といった言葉で軽視するのは間違っています。

これまで、炎上といった大きな、そして誰の目にも容易に入る問題についてお話ししましたが、誰も知らないところでも形の残らない暴力は行われています。今回の件も、女の子が亡くなるまでご両親はなにも知らなかったそうです。

繰り返しになりますが、インターネットに関する法律は少しずつ整備されていますが、まだまだ甘いところも多く、ユーザーの倫理観や道徳心に委ねられているのが現状です。

プロバイダ責任法といった、情報の開示請求に関する法律はありますが、ではその具体的な方法は知っていますか?そもそもその法律自体知らない人だっているのです。

急速すぎたIT化、インターネット世界の成長に、教育や法律は追いついていません。

教育や法律だけでなく、利用するわたしたちの意識も柔軟に変えていかなければいけません。

いじめのかたちも、その発覚要因も、内容も、何もかもが変わってきています。同様に、物理的な傷を与えずとも、目に見えなくても、言葉で他人を傷つけることはずっと簡単になっています。たとえ目に見えなくても、それは暴力です。

インターネット世界は今までの現実世界とは違います。しかしもうひとつの世界です。目に見えないだけで、公共の空間ですから。



<参考サイト>

公益社団法人日本看護協会

高知新聞PLUS

総務省

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【3】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

先週お話しした炎上のことを覚えていますでしょうか。それとも別のことで記憶は薄れていますでしょうか。

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【2】

インターネットに限らずこの世界は情報であふれていますから、別の情報で上書きされているなんてこともあるかと思います。

人のうわさも75日…というわけではありませんが、どんなに大きく取り上げられても、そのほとんどはいずれ風化していきます。

もしあなたが炎上したらどうしますか?あるいは、あなたではなくあなたの家族や友人、応援している芸能人が炎上したら?庇いますか?それとも批難しますか?

もちろん、炎上の原因によってもその態度は変わってくるかとは思いますが、擁護のために嘘をついてしまうこともあるかもしれませんし、正直に謝るかもしれません。

もしくは、本当のことを言っているのに信じてもらえなかったり、理不尽なことを言われ続けるかもしれません。

インターネットという大衆は、現実世界の何倍も簡単に人のことを傷つけることができます。

炎上はいずれ風化しますが、しかし、一度燃え上がった炎はいつまでも後に残ります。

先週、炎上した後にその火を消そうとした行為が逆に油を注ぐ結果になってしまった例のお話をしました。

インターネットで起きるトラブルにもいろいろありますが、言葉で傷つけるものと違い形として残ってしまいます。誰もが自由に出入りできるインターネットという名の公共の場で、故意に傷つけられたりなにかしてしまい批判されたとき、炎上してしまったらどうしますか?

本日は、炎上を知るお話です。



それを知る、学ぶということ

まず、何か間違ったことをしてしまったらどうするのが正しいでしょうか。

インターネットだろうと現実世界だろうと変わりませんよ。まずは謝ります。そして反省し、同じことを繰り返さないことが大事ですよね。

先週お話しした件を例にあげれば、「芸人だからと言って許される範囲の域を出た発言をしてしまった」ことが原因での炎上ですが、それを庇おうと、火に水をかけた人たちが同じように炎上しました。

原因である芸人さんに悪気はおそらくありませんでしたし、後日別の番組やラジオでも反省の色を見せていました。おそらくきっと同じことは繰り返さないでしょう。

その前に紹介したMVの不適切表現での炎上も、本人たちはまさか炎上するとは思ってもいなかったでしょうし、至らなかった部分を認め反省していましたよね。今後同じことをしないように注意するのではないでしょうか。

往々にして、炎上というものは意図しないところで大きく取り上げられてしまいます。その原因になった行為に悪意はなく、むしろ善意であることも多々あることです。

芸人はそうして笑いを誘おうとしたわけですし、アーティストもまさか不快な気持にさせるためにMVを作っているわけではありません。

これまでの炎上を上げだしたらキリがありませんが、ほかにも善意や行為が裏目に出た結果炎上してしまった、という例がたくさんあります。

好きなゲームの舞台を好きなキャラクターのコスプレで見に行ったら炎上した、なんてこともありました。本人たちはただそのゲームが好きでそういった行為をしただけですが、それは全体を見たらタブーだったのです。

でも、それがタブーであることを知らなければ、もしかしたらわたしだって同じことをしてしまうかもしれません。

こういった炎上を一度経験、あるいは目撃すれば、それがだめなことだとわかりますし、次また同じことで炎上しないように学ぶことができます。

1度目の炎上があまり大きくならなかったとしても、同じことを繰り返した場合さらに批判されることになります。現実でも、同じことで叱られるたびに母親に「何回言わせるの!?」と言われてきました。同じことです。

何事もインターネットだけの話ではありませんが、注意されたことは真摯に受け止め、その批判の原因をきちんと理解し、反省し次に生かすことが大事です。

間違いは、それを間違いだと知り、そして学んでわたしたちは大人になってきました。SNSを含むインターネットと言う名の公共の場は、まだ発達したばかりで、そこにいるわたしたちはまだまだ子供です。知り、学んでいくことが炎上を抑える、回避するコツなのです。



はだかの王様の自覚

たびたび思うのですが、インターネットにいる以上、わたしたちは誰もがはだかの王様になり得ます。

炎上や誹謗中傷だけに関わらず、インターネットでは膨大な量の情報を得ることができますが、そのすべてがわたしたちの目に入るわけではありません。

フィルタリングが容易になり、見たくないものを見ないようにできます。

膨大な情報の中から、好きなように好きな分だけ手に入るようにカスタマイズすることができる、それが現実世界との大きな差ではないでしょうか。

たとえば虫が苦手な人は、虫という単語でフィルタリングすることで、虫という単語が入った情報を見ないようにすることができます。

見たくないものは見ないに越したことありませんから、便利な機能ですよね。

しかし、以前にも言いましたが、便利な反面これでは一辺倒な情報だけを偏って得てしまうことがあります。

こういった偏った考え方が原因で、炎上してしまうケースもありますよね。それだけでなく、偏った考えが原因で誹謗中傷してしまうこともあります。

フィルタリングによって作られた偏った意見は、もしかしたら間違っているものかもしれません。しかし、そのフィルタリング下では確かに支持されているもので、それが間違っているということはそのフィルタリング外の誰かに指摘されるまで気が付けないのです。

自分好みで快適にカスタマイズされたインターネットは、はだかの王様になってしまう可能性を多分に孕んでいます。

たとえば、芸能人が炎上していたとします。その人はまだあまりメジャーな人ではなく、最近知名度が上がってきた人で、炎上の理由は週刊誌による熱愛報道だったとします。

その人を詳しく知らない人は、もしかしたらその人を口汚く罵るかもしれません。中には熱愛報道とは関係ないことを持ち出して、執拗にその人を責める人もいるかもしれません。

しかし、後日熱愛報道は誤報であり、その芸能人の妹だったという真実が公表されます。

その芸能人のことを詳しく知っている人にとっては、熱愛報道が妹のことであることはすぐにわかったことであり、事実も知らないで批判している人たちは「詳しく調べもしないで勝手なことで口汚く批判する」人たちなわけです。批判していた側は、誤報を信じ、それを大声で吹聴するまるではだかの王様です。

近年では誹謗中傷や殺人予告をしたユーザーを特定し、裁判を起こす方も増えてきました。事実もしっかり確認せず、一辺倒な知識だけで人を傷つける行為は、事実を知っている人からしたらとても愚かな王様です。

先週あげた、誹謗中傷が原因で自殺してしまった女性は、炎上した後「台本ではないが、スタッフに煽られた」といった言葉を残しています。また、同番組に出ていた人もそういうところがある、後から彼女には謝罪されていた(もちろんそれは番組側からの公開はなかったため、真偽はわかりません)といったことを公表しています。

みなさんは、詳しいことを知らないまま、はじめに得た情報だけで批判していませんか?

わたしたち大衆にはどうしても真実はわかりませんし、対芸能人となると好みや偏見の混じった情報から判断するしかありません。その結果に対する責任がないからと軽く考えていませんか?

その結果が、自殺でした。本当に責任はないのでしょうか?無知は、加害者になり得ますよ。

あなたは王様です。今手に持っているその端末では、あなたの欲しい情報だけが手に入ります。そんなカスタマイズされた世界で、はだかにならないように、そして、気が付かないうちにはだかになってしまう可能性があることを、しっかり自覚しなければいけません。



本日のまとめ

インターネットで起こしたこと、起きたことは一生残ります。デジタルタトゥーとも呼ばれ、一生消えることはありません。

炎上した原因も、その後の対応も、反省も、謝罪も、開き直りもごまかしも嘘も、全部、誰かが見ています。そして、一度でまわったものは消えることはありません。

先に挙げたように、知らないからこその過ちだってあります。繰り返しになりますが、わたしたちはインターネットにおいてまだまだ子供ですから、知らないことがたくさんあります。

とくにSNSによって作られた特定のジャンルコミュニティは、「暗黙の了解」が当たり前のように横行しています。それらをすべて把握するなんて到底無理な話です。しかし、その暗黙の了解を知らなかったばかりに多くの人に批判される、なんてことがたくさん起こっています。

誤った情報で人を傷付けないように、知らなかったことで人を傷つけないように、わたしたちは少しずつでも大人になっていかなければいけません。インターネットは、公共の場ですから。

<参考サイト>

エルテス

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【2】


おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今日は何回SNSを見ましたか?そこは安全で平穏でしたでしょうか。

以前炎上のお話をしたかと思いますが、本日はその続きです。

前回:インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【1】

さて、わたしは今日、朝起きてから、支度をして家を出る前、出勤途中、休憩時間、と4回SNSを見ました。発信するのは「おはよう」や「今日寒いね」といった差し障りのないものがほとんどで、主な活用内容は好きなアーティストやアイドルの情報収集です。今日、わたしのSNSは平穏でした。

みなさんのSNSはどうでしょうか?

毎日、どこかしこで誰かの「粗」がさらされ、それを火種として炎上しています。前回も触れたように、興味のあるジャンル以外の炎上まで追っていたらキリがないほどです。

インターネットは、自分の好みに合わせてフィルターをかけ、興味のある情報だけを入手することができます。

それは効率がいいというメリットの反面、それ以外の情報が入りづらいというデメリットもあります。偏見をなくしたいと思い、様々な意見を取り入れる人はさまざまな意見を取り入れられる反面、特定の意見だけを求めている人は特定の意見しか目に入らないため、偏っていってしまいます。

どこかで炎上が起きていても、関心がなければその概要も、原因も、結果も、何も知らないまま気が付けば鎮火してしまいます。

情報のあふれた社会ですべてを追うのは無理な話です。しかし、まったく知らないままでは、同じことを繰り返しかねません。

今日皆さんのSNSは平穏でしたでしょうか。それとも不穏でしたか?

今回も、SNSを、インターネットを不穏たらしめる「炎上」のお話です。



水をかけるか油を注ぐか

まず大前提として、誹謗中傷や侮蔑、無責任な噂は人権の侵害に当たります。「してはいけないこと」であることを念頭に置いておいてください。

「人が嫌がることをしてはいけない」のは当たり前のことです。子供の時から言われていますよね。喧嘩をしたら親や先生が止めますし、言ってはいけないことを言ったら注意されました。そうして自然と、してはいけないことといいことの区別が身について大人になっていきます。

それは、インターネットでも同じです。

インターネットでは、毎日のように炎上が起きていますがその要因は様々です。

前回紹介したような、本人たちが思いもよらないところの配慮の足りなさや失言が原因であったり、あるいは不道徳的、不適切な行為を咎められたり。

さらに、炎上した後の対応によってさらに炎上することがあります。

最近では、お笑い芸人が選挙特番での発言が指摘されて炎上していました。

無礼、失礼に値する発言が注目され、「テレビに出すな」といったハッシュタグができるほどの炎上になり、その後出演した別の番組で反省の態度を見せていました。

しかし、今回気になるのはその芸人の奥さんおよび所属事務所の社長の炎上です。

なぜ炎上したのでしょうか?

今回の炎上を受け、奥さんはツイッターで反論とも取れるツイートを投稿しました。その反論、あるいは擁護ツイートはすこしでも芸人の炎上を庇い、抑えるためのツイートだったわけですが、まったくの逆効果になってしまいます。

「開き直り」や「礼節がないことをしょうがないで事務所が許すべきではない」といった批判が殺到しました。

そして、翌日奥さんはこれら一連のツイートが「乗っ取られたもの」だと投稿し、さらに炎上へとつながりました。

その真偽はわたしたちにはわかりませんが、批判していた、炎上させていた側からすれば、「なかったこと」にしたかったと見えてもおかしくありません。それが火に油でした。

炎上はなかなか収まる気配がなく、奥さんが水をかけて収めようとした行為は、結果として火に油を注ぐことになってしまいました。

該当ツイートは消され、火種となった選挙特番から日数が経った今でも、奥さんが何かを投稿すると乗っ取られたことや擁護について言及するコメントが付きます。

その中には、まっとうな意見や指摘だけでなく、今回の件には関係のない根も葉もないうわさや、心無い暴言が含まれています。それはもう、火種である芸人の無礼や失言に関係なく、ただ執拗に攻撃を繰り返すことが目的になっています。

そういった、SNSで娯楽的に攻撃を繰り返す人がいるからこそ、炎上は繰り返されています。



誹謗中傷と炎上の目的

では、誹謗中傷や炎上がどんな結果を招くのでしょうか?

1年前、恋愛リアリティ番組に出演していたプロレスラーの女性が自殺するという事件が起きました。覚えていますでしょうか?

当時相当話題になりましたから、鮮明に覚えている方も多いのではないでしょうか?

彼女が出演していたリアリティ番組は、男女がシェアハウスをする様子を観察する番組で、「台本がない」ことが売りでした。台本がないということは、どんなことがおきてもそれは出演者の性格や本質というわけです。

女性が炎上したのは、この番組内で起きたとある事件が原因でした。

大事なコスチュームを他の出演者の男性が誤って洗濯してしまい、それに怒った女性がその男性の帽子をはたきおとし、番組は険悪なムードになります。

視聴者は、この回がオンエアされるとすぐにその女性に対して厳しいコメントをつけるようになります。

たとえば、「プロレスラーが手を出しちゃいけない」や「洗濯機に放置していた方も悪い」といった意見です。こういった批判や意見にはわたしにも同感できる部分がありましたし、多少注意されても仕方がないことというのは、この件に関わらずあることです。しかし、中には口汚く罵ったり、暴言、あるいは「死ね」や「消えろ」といったコメントもありました。

日常生活で「死ね」や「消えろ」といった言葉を残すとき、それは明確に相手を傷つけるためではないでしょうか。

たとえインターネット上であろうと、それは変わりません。しかし、インターネットの「匿名」という性質は、現実世界よりもずっと簡単に、バレずに相手を攻撃できるようになってしまいます。

当たり前のことですが、匿名なら傷つけてもいいわけではまったくありませんが、やっぱり心理的にも名前がバレている状態よりずっと攻撃しやすいのです。

この事件の後、番組はもちろん女性のSNSは剣呑な雰囲気になりますが、リアリティ番組はこういった雰囲気こそが醍醐味であり、オンエアのさらに後日、追い打ちのように女性が「相手の男性が100%悪い」と言っているシーンが公開されると、すでにかなりの勢いで誹謗中傷を受けていたSNSはさらに悪い意味で盛り上がります。

そして、女性は自身のSNSで「消えられるもんなら消えたい」「さようなら」といった言葉を残して自殺してしまいます。

消えろ、死ねなどの言葉を匿名で、安全地帯から投げかけていた人たちは、本当にこの結果を求めていたのでしょうか?

軽い気持ちで、それこそ軽口のように死ね、消えろと言っていた人が大半ではないでしょうか。現実世界でも、軽口のようにこの言葉を使う若者はたくさんいます。実際死んでほしいわけでも、消えてほしいわけでもありませんよね。

でも、その結果が自殺でした。

先程、娯楽的に攻撃を繰り返すと言いましたが、娯楽とまではいかなくても、ムカついた気持ちを誰かにぶつける、といった意味を込めて誹謗中傷をしていた人はきっといます。それが死に追いやるとは思ってもみなかったのではないでしょうか。


本日のまとめ

誹謗中傷が原因で自ら命を絶った方はこの女性だけではありません。その原因がリアリティ番組なのも、世界を見れば彼女だけではありません。

数年前、日本でも活躍していたK-popアイドルの自殺も話題になりました。

その数日前に、その友人の女優も自殺しています。どちらも誹謗中傷に悩んでいました。

言葉はナイフとはよくいったものです。

テレビに出る彼女たちにとって消費者であるわたしたちは、片手で、指一本で簡単に傷つけることができてしまいます。

誰だって、たくさんの応援よりもひとつの誹謗中傷が気になってしまうものです。

インターネットだから、匿名だからといって、人を傷つけていいわけではありません。当たり前のことです。

インターネットは、公共の場です。匿名だろうと、そこにいるのはもうひとりのあなたです。

軽い気持ちで、加害者にならないように気を付けなければいけませんね。

次回は炎上のその後についてのお話です。



<参考サイト>

総務省

Society5.0って?わたしたちのこれまでとこれから

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

突然ですが、IT社会ってなんでしょうか。

そもそもITってなにかご存じですか?

ゲーム?インターネット?ネットワーク?

「パソコンやインターネットを使って調べること」「ツイッターやインスタグラム等SNS」「パソコンやインターネット、技術を教えてくれる先生のようなもの」「様々なことを簡単に、生活を豊かにするもの」

これらは、実際に「ITってなんだと思いますか?」と聞いた際の回答です。小学生を相手に答えることを想定して答えていただきました。

これらのどれもがITに当たりますが、具体的な定義を問われると少し難しいですよね。

ITとは「Information Technology」の略で、最近はさらに「Communication」も入れてICTなんて言います。

直訳すれば「情報技術」、「情報通信技術」ですが、では「情報技術」「情報通信技術」ってなんでしょうか。

わたしにとってインターネットは当たり前に享受できる技術です。さまざまなものがインターネットに接続し、それが自然な世の中です。「デジタルネイチャー」と称するそうです。

まさにそうですよね。インターネットは自然に、そこにあるものとなっています。

どこにいても、わたしたちはインターネットに囲まれています。それが情報社会、IT社会と呼ばれています。

そんな情報社会を「Society4.0」と呼ぶそうです。そして今、日本は新しい社会、「Society5.0」に向かっています。

本日は、デジタルネイチャーな世界で目指されるSociety5.0と、これまでの1.0~4.0についてのお話です。



Society1.0~4.0

では、Society1.0~4.0とはどんな社会なのでしょうか?

内閣府は、1.0を狩猟社会、2.0を農耕社会、3.0を工業社会、4.0を情報社会とし、この順番で社会は発展し続いてきたとしています。

農耕が始まる前の原始的な時代、狩猟や採集で生活するのが普通なSociety1.0と比べ、世の中はずいぶんと発展しましたよね。

ITの技術が発展し、とても便利な世の中です。先に挙げたように、IT社会はパソコンやインターネットを使用して様々なことが知れますし、それを教えてくれる存在でもあり、そして生活を豊かにします。しかしそれでもまだ課題は山積みです。

少子高齢化、金銭的・地域的格差、技術発展にかかるコスト、これだけではありません。経済発展の裏で、多くの問題が叫ばれています。

また、便利な情報社会と言ってもまだまだ想像するスーパーシティ・スマートシティには程遠いのです。知識・情報の共有、連携が不十分であったり、地域課題や高齢者のニーズに対応しきれなかったり、年齢や障害による労働・行動の制約や、情報の探索・分析にリテラシーや能力が必要であったりと、「かゆいところに手が届かない」ことがままあります。

そんな社会を、より便利に、より快適にするために日本が目指すべき姿として第5期科学技術基本計画にて提唱されたのが「Society5.0」です。



Society5.0ってどんな世界?

では、Society5.0ってどんな社会なのでしょうか?

内閣府は、Society5.0を「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(実現空間)を行動に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義しています。

先ほどあげた、Society4.0という発達した情報社会でもなお言われる様々な問題・課題を、最新技術を活用して克服し、社会の変革を通じて日本が目指すべき未来社会の姿として提唱されたのが「Society5.0」です。

モノのインターネット「IoT」はさらに広がり、知識や情報は横断的に活用されて地域の課題を解決する、そんな近未来的構想です。

これまでの社会では、経済や技術が発展すればするほどに、取り残されてしまった人々や解決できなかった手間が見ないふりをされていました。

ITをはじめとした多くの技術が発達し、昔と比べてずっと便利で近未来的になったとはいえ、それでも社会的課題は解決しておらず、経済発展と問題解決が両立できていないこの現状を、Society5.0はどのように解決するのでしょうか?

冒頭で言ったように、ITとは「パソコンやインターネットを使ってものを調べること」でもありますが、では、たとえばインターネットで何かを調べるとします。

検索結果にはたくさんの関連ページが並びますよね。それこそ膨大な、数えきれないほどの情報がそこには詰まっているわけですが、それは本当の情報でしょうか?

その情報が本当であるか、嘘なのかを見分けるリテラシーが必要不可欠です。日常的にインターネットに触れている世代は、感覚でその区別をつけることがある程度可能ですが、それが難しい世代は文字通り取り残されてしまいます。

フィジカル空間からサイバー空間への接続、あるいはその逆やサイバー空間を通したフィジカル空間からフィジカル空間への接続は、今や当たり前の技術です。しかし、接続し、得たものを正しく活用できるかは別の話になります。どんなに便利になったとしても、活用できなければ意味がありません。

Society5.0の目指す社会は、簡単に言ってしまえばそんな活用が難しい高齢者や、あるいは若年層、全世代も含めみんなが「検索」し正しく「活用」する社会です。従来、「検索」と「活用」の間に含まれていた「判断」が省略されます。

フィジカル空間とサイバー空間が融合し、一体化していると言ってもなかなか想像するのは難しいですが、しかし実際、現代でもすでにわたしたちはサイバー空間とともに生活しています。だってもう、インターネットがない世界なんて考えられないですよね。わたしたちはすでに、無意識のうちにサイバー空間とフィジカル空間を接続することが当たり前になっています。

しかしその無意識の中には、まだ「判断」の過程が含まれています。

生活とインターネットが密接に存在することによって、先ほど挙げた「判断」の例だけでなく、多くの社会問題を解決し、かつ経済発展を両立させること、それが日本が目指すべき未来なのです。



本日のまとめ

とはいえ、今はまだ4.0なのが現実です。「Society5.0」という言葉すら知らない人がたくさんいるのではないでしょうか?

IT技術、IoTであふれた便利なこの社会ですが、その反面、2025年問題をはじめとした、地域格差や年齢格差、情報格差といった問題は加速しています。

ITは生活を豊かにするものです。わからないことを調べ、世界中の人と人を繋げます。自然と、そこにあるものです。

みなさんにとってはどうでしょうか。もう十分すぎるほど便利ですか?それともまだ足りないでしょうか。

今、技術はあっという間に進化していきます。5.0を掲げたのですから、いつまでも4.0でいるわけにはいきません。少しずつ、フィジカル空間とサイバー空間は溶け込んでいかなければいけませんし、わたしたちはそれに慣れていかなければならないのです。そしてまた、ITに疎い世代も取り残すことなく融合させなければいけません。

今の生活をもっと便利に、もっと快適に、日本は4.0からまず、4.1へと前進しています。

この数字が増えていくのが、日本が前進していくのが楽しみですね。

<参考サイト>

内閣府WEBサイト

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【1】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

以前、SNSのマナーについて取り上げたことがあるかと思います。読んでいただけましたでしょうか?

「無断転載に情報流出!SNSのマナー、大丈夫?」

便利で手軽に好きなことに関する情報を見ることができ、好きな芸能人や有名人の日常が覗けたり、あるいは友達と交流をしたりと、現代においてSNSは若者を中心に当たり前のコミュニケーションツールとなっています。

わたしももう長いこと利用していますし、インターネット上で知り合った友達もたくさんいます。

人と交流するだけでなく、動画を撮ってその広告で収入を得るといったSNSを利用した職業も当たり前になりつつありますよね。

インターネットが当たり前になり、そこでのコミュニケーションが当たり前になってくれば、トラブルもインターネット上で起こるようになってしまうのは必然です。人と人ですからね、トラブルが起きてしまうのは仕方がないです。

たしかに便利で、必要不可欠であるインターネットですが、その匿名性も手伝い、多くのトラブルが日夜発生しています。

みなさんは、いくらサイバー空間とはいえ、ほとんどの人が自由に出入りしている空間であることをきちんと認識していますか?

今やもうインターネットは立派な公共の空間なのです。

今年上映された細田守監督「竜とそばかすの姫」では、インターネット上の仮想世界「U」を「もうひとつの現実」と称していました。

しかし、そんな公共の場で毎日のように人を傷付ける行為が繰り返されています。その行為は主に「誹謗中傷」と呼ばれ、当たり前のようにインターネット上に多発しています。

なんとなく気に入らない有名人や芸能人、あるいは学校の友達や先生、作品の表現や、その人の態度や発言、そういった文句や悪口を公共の場に吐き出している人がたくさんいるんじゃないでしょうか?

みんな悪気があるわけじゃありませんし、自分が悪口や文句を言っているという自覚もない人が多いと思います。それほどまでに、インターネットというものはわたしたちの日常に溶け込んでいます。

では、あなたのそんな何気ない文句や悪口、あるいは意見など、それが誰かを傷つけるかもしれないと考えたことはありますか?

先ほども言いましたが、インターネットはもう「公共の場」です。その場でなにかしらの言葉を残すことには、多くのリスクが伴います。

今回より、今後数回に分けて「SNS及びインターネットで人を傷つけるということ」をテーマにいろいろとお話しできたらと思います。



インターネット上における炎上

「炎上」という言葉の意味をご存じですか?炎が燃え上がることじゃありませんよ。ネット用語の「炎上」のことです

スマートフォンおよびSNSの普及によって、芸能人の発言が身近になった現代、炎上は至るところで見かけるようになりました。

毎日誰かの発言や行動が炎上していますが、しかしそれが日常になりすぎてしまっています。

自分が興味のあること以外の炎上のことなんてもう気にしていたらキリがないほどです。

芸能人だけではありません、企業の広告やアーティストのMVでの表現など、今は様々なものに「コメント」をつけることが可能になっています。

たとえば漫画にコメントをつける場合、従来であればファンレターという形で作者に郵送する必要がありましたが、今はどうでしょうか?

ファンレターだけでなく、漫画を掲載しているアプリ、作者が運営しているSNS、さまざまな方法で「簡単」に「匿名」でコメントが残せます。

ファンレターを送るよりよっぽど簡単ですよね。家で、スマートフォンで、ほんの数秒で感想が送れます。

作者も、簡単にタイムリーな感想を見ることができますし、まったく便利な世の中です。

その一方で、とてもタイムリーに、そしてダイレクトに批判を送ることもとても簡単になってしまいました。

なにか間違ったことをすれば、すぐにコメント欄が批判の声で「荒らされ」ます。

もちろん、間違ったことはした方が悪いですが、往々にして炎上というものは炎上した側の意図しないところで起き、また、原因と炎の大きさが釣り合わないことがあるものです。

なかには、好きな芸能人の軽はずみな発言に対し、謝罪や訂正がほしいという気持ちで注意をする人もいれば、ただただみんなと一緒になって特定人物を攻撃したい、といった動機で、まるでストレス発散のように批判や暴言を繰り返す人だっています。

繰り返しになりますが、インターネットは基本的に匿名ですから、感想と同じように批判や暴言を言うのもとても簡単で手軽なのです。

だからこそ、炎上はあちこちで起き、そして全体に認識されないまま鎮火され、別の人が同じ過ちを繰り返す、といったことが起きてしまっています。

インターネットという公共の場にいる限り、わたしたちは常に炎上の危機にさらされていますし、それはつまり誰かを傷つけ、傷つけられる可能性があるということです。

では一体どういったことが問題視され、炎上へとつながるのでしょうか?



無自覚な暴力

炎上と言っても様々です。炎上した側が明らかに悪かったり、逆に勘違いや悪意から炎上させられてしまった場合もあります。媒体も、SNSでの発言だけでなく、テレビ番組での発言や態度、ミュージックビデオでの表現と様々ですよね。

最近でいえば、コロンビアのシンガーソングライターJ・バルヴィンさんがYouTubeにあげた曲のMVが問題視され、MVを削除するまでの炎上になりました。

黒人女性に手綱を付け、まるで犬のように連れて歩くシーンが問題視され、批判が殺到しました。

近年は、人種や性別の解釈による炎上が多く見られます。

タイツやストッキング、インナーウェアのメーカーATSUGIも数年前、イラストレーターとコラボした企画が女性を性的に見ているとして大きく炎上しましたよね。

センシティブな内容を取り上げること、それはもちろん火種になりかねませんし、覚悟と配慮をもって行わなければいけません。しかし、上で取り上げた2点は、発表時点ではセンシティブであるという自覚がなかったのではないでしょうか?

今回、MVを監督したライミ・パウラスさんはこの炎上に対し、「アートは美とポジティブさのみを伝える手段ではありません」とコメントし、コラボしたトキーシャさんも「アートは表現」と発言しています。

たしかにアートは自由なものです。きっと、このMVの発表がもう10年早ければ、ここまで大きな騒ぎにはならなかったかもしれません。

しかし、その一方で彼女は「傷ついたと感じる人がいたなら本当にごめんなさい」と謝罪しています。

インターネットという公共の場で、明確に誰かが傷つく行為をしたからこそ炎上したのです。しかしその本人たちには、炎上するまでその自覚がありませんでした。それこそが問題だったのではないでしょうか。


本日のまとめ

炎上事件というものは、毎日起こっているといっても過言ではありません。

そのほとんどが、発信者の自覚なく起きています。

不適切な動画や悪ふざけを面白おかしく投稿してしまった若者が「バカッター」と呼ばれ炎上した際も、彼らはきっと炎上するなんて微塵も思っていなかったでしょう。

ただ、面白いことを共有しようとしただけなのです。

J・バルヴィンさんも、ATSUGIも、はじめは消費者やファンに楽しんでもらいたいという気持ちで発信していたはずです。結果として、不快感を覚えたり傷ついた人が出てしまい、ここまでの炎上に至りました。

もちろん中には、悪意をもって傷つけることを発信し、それが炎上することだってたくさんあります。しかしその一方で、意図しないことが人を傷つけることだってあります。

それはもちろんインターネットだけではありません。「人が嫌がることをしてはいけない」と、わたしたちは小さな時から言われ続けています。

それがわたしたちが意図しないことだったとしても、です。

冒頭でも言いました、インターネットはもう公共の場なのです。

匿名ですから、普段は言えないようなことを言っている人だっているかと思います。

わたしだって、疲れているときや嫌なことがあれば、なんともなしにSNSに吐き出してしまうことがあります。

それでも、だれか見ているかわかりません。誰が傷つくかわかりません。

いつでも、見えない「誰か」のことを思ってSNSを使用しなければ、無自覚のうちに「加害者」になってしまうことがあります。

加害者にならないように、そして被害者にもならないように、全員が、常に「誰か」のことを考えてSNSを利用していかなければいけません。

現実世界だって、そうですからね。

次回は炎上「させた」側についてお話しする予定です。



<参考サイト>

産経新聞

Yahooニュース

CEATEC AWARD 2021 アジア最大規模のイノベーション展示会

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今年本国で開催された東京オリンピック2020は、ほとんどの競技が無観客開催でした。

新型コロナウイルスの感染拡大による1年の延期や無観客開催と、前代未聞の大会となりました。

オリンピックだけではありません。ライブも、コンサートも、イベントも、あらゆることが制限されるようになってからもうすぐ2年が経ちます。

家でテレビを前に応援しているわたしたちの声は、リアルタイムで選手たちに届くことはありません。静まり返った競技場は、普段熱気と声援に包まれている選手たちにとってひどく味気ないものだったかもしれません。

彼らはトップアスリートですから、応援の有無に関わらず練習を重ねてきていますが、しかしそれはそれとして応援というものは大きなパワーになります。

わたしも学生時代に長いことスポーツをしていましたからそのパワーがよくわかります。

スポーツ観戦が好きな人たちも、そのスポーツや選手の活躍はさることながら、会場の雰囲気が好きという方も多いのではないでしょうか?仕方がないとはいえ、なんとも寂しいですよね。

現在どうしても抑制されがちなコロナ禍での娯楽ですが、そんな中で少しでも楽しむための工夫がなされています。

10月19日~22日、IT技術とエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC」が開催されました。昨年同様にオンラインで開催されたこの展示会の「CEATEC AWARD」グランプリのひとつに、そんな抑制されてしまった娯楽を楽しむためのものが選ばれていました。

CEATEC AWARDとは、学術的・技術的観点・市場性や将来性等の視点から、イノベーション性が高く優れている、と判断されたものを表彰するものです。

本年はやはりウィズコロナDXを意識したものが多かったですね。

本日は「CEATEC AWARD」の中から、何点かピックアップしてご紹介します。

DXでオンライン応援

冒頭でお話ししたのは、ニューノーマル社会への提案・競争カテゴリー、デジタルトランスフォーメーションDX部門グランプリの、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」です。

こういったコロナの環境下、あるいは別の様々な理由で現場に行けないスポーツファンが、オンライン上でリアルタイムに選手を応援するプロジェクトで、Jリーグやプロ野球などと共創しながら、新しい応援の文化を創出しています。

スポーツの中継はなにも珍しいことではありませんが、この「Remote Cheerer」は従来の「現地に行って応援する」か「中継で見る」といったスタンダードな2種類のスポーツ観戦の、新しいかたちを実現します。

いうなれば「オンライン応援」でしょうか?オンライン観戦といえば今まで通りですが、こちらは応援付きです。

スマホをタップしたり振ったりすることで、現地に設置されたスピーカーから声援や拍手が流れるのです。システムはいたってシンプル。シンプルですが、とても「今っぽい」ですよね。

アイドルオーディションやミスコン等で近年利用される配信ツールでも、ファンはスタンプやプレゼントで画面を華やかにすることで応援の意を表すことができます。かたちのないものを可視化することで、モチベーションの向上に繋がります。

スポーツだって同じです。たとえ無観客でも、スピーカーから音がすることで「応援されている」ことを可視化します。(見えてはいないですが)

他にも、トークルームやチャットルーム機能で同じ試合を見ている人と交流するといった、SNSに近しい機能もあり、ひとりではなくみんなで応援する「現地観戦」に近いものを体感できます。

隣のシートの見知らぬサポーターと盛り上がる…といった、現地ならではの楽しみに近い楽しみ方もできそうです。



量子暗号で理論上最強のセキュリティ

莫大な情報であふれ、それが資産となる現代社会において、重要とされるのはその情報の活用の仕方です。あるだけの情報は何の役にも立ちません。情報の分析、活用、共有、それが現代社会での戦い方です。では、その情報はどうやって守りますか?

オープンカテゴリー、ソリューション部門では「東芝の量子暗号通信で安全なオンライン社会を実現」が、“理論上”突破されないセキュリティ要素として準グランプリを受賞しました。

詳しく話すととても難しい話になるのですが、光の粒子がなにかに触れると、必ず状態が変化するという量子力学的な性質を利用した暗号鍵の技術です。

なんで理論上証明されているのかというのはいまここで解説しませんが、ざっくり言えば、鍵の情報が変化している場合は「なにかに触れられた」可能性が高いため、危険だから使わないようにする…ということです。

………わかりますか?難しいですよね。まぁ、極端な話、家のカギに知らない人の指紋が付いたら鍵を変えようね、みたいな感じです。

この情報社会、そしてIoTの時代に、データ通信の安全性はますます重要視されています。

現状理論上安全が保障されているこの量子暗号技術は、まだまだ通信速度や距離といった制限、そして技術の進化による「セキュリティ突破」の懸念等、問題もありますが、しかしそれでも、現段階では大いに期待できる技術です。

次々と新しい技術、そして進化が繰り返される現代です。制限や懸念を拭い取り、超スマート社会へ向かうこの世界の、セキュリティ業界を牽引するのもそう遠い話じゃないかもしれません。

スーパーでスマートな未来都市へ

少子高齢化、インフラ老朽化といった地域課題に直面する中で、「スーパーシティ・スマートシティ」の取り組みが広がっています。スーパーシティとは、最先端の技術で地域課題を解決し、快適で便利な未来都市の実現を目指す構想のことをいいます。

ニューノーマル社会を先導するスーパーシティ/スマートシティの実現に向け、社会と暮らしの全般における先進的サービスやデータ連携・活用などが求められている今、ニューノーマル社会への提案・共創カテゴリースーパーシティ/スマートシティ部門でグランプリを受賞したのが「NECが目指す未来のまち ~スーパーシティ~」です。

防災、観光、医療福祉といった、複数の分野にまたがる地域の課題に対して横断的にサービス・データを流通させるクラウドサービス「NEC都市OS」をベースに、容易かつシームレスにスーパーシティへと取り込むこの構想は、総務大臣賞も同時に受賞しています。

防災面ではAIを利用した防災予測、被害情報などで、逃げ遅れゼロを目指し、観光面ではこのコロナ禍でも安心・安全に快適な旅を提供します。世界ナンバーワン精度の顔認証や混雑度検知や群衆行動解析を組み合わせ、地域活性を実現します。

開発コストの低減、地域の特性やニーズに合わせたシステム構成、そして現代求められているスーパーシティに即した点が評価され、グランプリとなりました。

想像にとどまらないNECが目指す未来のまち、どんな人も安心して生き生きと暮らし続けられるまちは、もうきっとすぐそこにあるのではないでしょうか。

本日のまとめ

いかがでしたでしょうか?

CEATECオンライン、実際にわたしも入場させて頂きました。むずかしい話が多くはじめはしり込みしましたが、知れば知るほど面白く期待に胸が高まるものばかりです。

オンラインになったことで、参加が容易になったのもわたしにとってはうれしいポイントでした。

ニューノーマルな社会はすでにもう始まっています。最新テクノロジーの上に成り立っているわたしたちの生活の、新しい一歩のそのつま先を体験できたいい機会になりました。

オンラインでも応援をリアルに届ける、理論上最強のセキュリティ、そしてスーパーでスマートな未来都市。

他にも、たくさんの技術が、開発が、今繰り広げられています。これからのわたしたちの未来は、きっとスーパーでスマートへとどんどん近づいていくのでしょう。



<参考サイト>

CEATEC2021 webサイト

SOUND UD webサイト

NEC webサイト

無断転載に情報流出!SNSのマナー、大丈夫?

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

みなさま、SNS使っていますでしょうか?

LINEとか、Instagramとか、ツイッターとか…。ソーシャルネットワーキングサービスの略称を、SNSと言います。

電車に乗っているとき、仕事の合間、寝る前、そんなすこしの空いた時間についつい見てしまいますよね。わたしもよく利用します。とくに寝る前なんかは、少しだけ見るつもりが、気が付いたら時間が過ぎていて…なんてことがよくあります。きっとわたしだけじゃないはずです。

日本では、「mixi」や「GREE」などがサービスを開始した2004年ごろが黎明期でしょうか。

mixi、懐かしいですね。普段は知り合うことのない違う学校の子や先輩と、気軽にコミュニケーションを取ることができる貴重なツールでした。

さて、SNSが登場してから15年以上が経ちます。SNSはプライベートだけでなく、ビジネスシーンでも使われることが増えましたよね。ツイッターの企業アカウントが話題を集めるなんてこともよくあり、今やSNSは企業の「アピールの場」になっています。

無料でだれでも利用することができるので、多くの人に見てもらうことが可能な、そんなアピールの場ですが、逆に言えばなにか「やらかし」てしまえばまたたく間に多くの人の目に入り、「炎上」する可能性を多分に秘めています。

そんなことにならないように、本日はSNSのマナーを改めておさらいです。

当たり前のことですが、再度確認しましょうね。

 

迂闊な個人情報

初歩的な話になりますが、まずもっとも気を付けなければいけないのが個人情報の扱いです。

「学校用アカウント」といった見知った友人と交流するアカウントもあれば、そのほとんどが会ったことのない趣味の合う人たちと交流するアカウントなど、いくつかのアカウントを使い分けている人も少なくないかと思います。

前者の場合、本名はもう知っている人と交流することがほとんどですし、Facebookなどは本名で登録しますから、「本名を言ってはいけないことはわかってるけどいまさら…」なんて考えていませんか?

後者のようなアカウントはもちろん、前者のようなアカウントも、本名含めて個人情報を安易に記載してはいけません。

SNSは直接的な1対1のやり取りではないぶん気軽です。

たとえば、「誰か〇日どこどこに遊びに行かない?」となんともなしに投稿したとします。仲の良い友人がそれに反応し、「じゃあ〇日何時にどこ集合ね」なんて、そのままSNS上で約束をする…。ここまで具体的なこともそうないでしょうが、でもあり得る話ですよね。実際、わたしも朝学校に一緒に行く約束をSNS上でしたことがあります。

しかし、そんななんでもないような会話が何か事件になってしまうかもしれません。どこに誰が何時にいるかが明らかになっているんです。

何時にどこにいたという情報、投稿している写真、家族構成や話している内容、そんな情報だけでも、個人は特定されかねません。

「文化祭に有名人が来る」とか、「母校が有名人と同じ」だとか、調べたらすぐにわかってしまいます。

人気YouTuberの家にファンが押し掛けてきたなんて話もよく聞きますよね。

たとえ一般人のプライベートなアカウントだろうと、だれがどこで見ているかわかりませんよ。

発言はもちろん、投稿する写真にも気を使わなければいけません。

「近所にかわいい猫がいた」といって野良猫を撮った写真に、町名の書かれた張り紙や電柱が写り込んでいたり、夜ご飯の写真の隅に個人情報の書かれた書類が映り込んでいたり…。ちゃんと気を付けていますか?

少し前、趣味の話で仲良くなった人(もちろん一般人でした)が失言で炎上したことがあります。その人の発言は看過できるものではありませんでしたが、その際、数か月前に投稿した段ボールの写った写真から住所が特定され、さらに学校も特定される騒ぎにまでなりました。

その人がアカウントを消したことで騒ぎは収まりましたが、その件には全く関与していなかったわたしですらなんだか嫌な汗をかいたのを覚えています。

段ボールは、別のものを撮った写真のすみっこに写っていただけです。わたしは数か月前にリアルタイムでその写真を見ていましたし、住所が載っているなんて微塵も気が付きませんでした。その人も気が付いていなかったのでしょう。たしかに初歩的な話ですが、気が付かずに迂闊になってしまう人は少なくないのです。

自分の全く知らない不特定多数の人が、自分の住所を知っていると考えたらゾッとしてしまいます。

違法な画像たち

個人情報については、プライベートなSNSの利用方法にフォーカスしてお話ししましたが、もちろん企業アカウントでも気を付けなければいけません。

社内の様子を撮った写真を、映っている社員に無断でSNSに投稿したりHPに掲載したりしていませんか?載せることに関してはひとまず置いておくとして、その写真に写っている人が名札をしていたら立派な個人情報流出です。

会社の所在地はもともと掲載しているものだし、と気を抜いていてはいけません。社員の本名、あるいはその人がそこで働いているという情報、そのどちらもが「個人情報」に当たります。

名札だけではありませんよ。個人を特定できる画像、防犯カメラの映像、音声データ、すべてに気を付けなければいけません。

では、先ほど置いておいた「載せること」についてですが、インターネット上に画像を投稿するのには十分な注意が必要です。

まず、先ほど挙げたように無断で社員の写真を投稿することは「肖像権」の侵害に当たります。SNSに画像を投稿する際に気を付けなければいけないのは、主にこの「肖像権」と「著作権」の二つです。

法律の話になりますから、難しい話ではあるのですが、「肖像権」は自分の写真を無断で撮られたり、それを無断で公表されないように主張できる権利、「著作権」は著作物(アイデア等を作品として表現したもの)を創作した、著作者に与えられる権利のことです。

ざっくり言えば、「他人を勝手に撮ってはいけない、載せてはいけない」「人のものを勝手に使ってはいけない」といったところでしょうか。

詳しく解説すればもっと細かいのですが、ひとまず「やってはいけないこと」がざっくり理解できていればいいです。

法律でダメなこととして決められてはいるのですが、これらは「無断転載」という形で犯されているのが現状です。

わかりやすいもので言えば動画サイトに投稿されているアニメなどがこれに当たります。

アーティストのミュージックビデオなんかも散見されます。もちろん、その権利がある人が投稿しているものもありますが、逆に言えばそれ以外はすべて違法なのです。

「漫画村」なんかも話題になりましたよね。

漫画、アニメ、ミュージックビデオ、これらはわかりやすいです。

では、みなさんのSNSは大丈夫ですか?

好きなアイドルのミュージックビデオを録画して投稿、自分の画像にきれいなイラストを合成したものを投稿、かわいい猫の写真を保存して投稿、大丈夫ですか?していませんか?

これらすべてが著作権の侵害に当たります。

好きなアイドルを街で見かけて写真を撮り、許可なく投稿されたその写真を保存し、再度自分で投稿する…なんてことがあれば、肖像権も著作権も侵害することになります。

ほかにも、HPの素材にしたりアイコンにすることも侵害に当たります。注意深くSNSを見ていれば、たくさんの無断転載が見つかります。

みなさんは大丈夫でしょうか?もし知らなかったのなら、該当する投稿は消して、これから気を付けましょうね。みんなやっているから良いわけではありませんよ。

本日のまとめ

本日紹介したのはほんの一握りです。

他にも、従業員が飲食店の冷蔵庫に入っている写真が拡散された事件なども大きく話題になりましたよね。話題になってもなお、雇先に迷惑がかかる行為をする「バカッター」と呼ばれる人たちは後を絶ちません。

いずれこの話もどこかで取り上げたいと考えていますが、SNSの誹謗中傷によって自ら命を絶ってしまうといった事件も起きています。

SNSはこれからも、様々な用途で利用されます。YouTuberをはじめとする、SNSを利用した新しいビジネスも展開されている時代です。それらは適切な利用であれば、ビジネスにおいても大きな武器になります。

しかし、些細なことで大きな火種にもなりかねないのです。

無料で、だれでも使えてとても気軽なSNSですが、しかし気軽だからこそ、多くのリスクをはらんでいます。

それはインフルエンサーだから、一般人だから、企業だから、と区別されるものではありません。どんな人でも、どんな立場でも気を付けなければいけないのです。





<参考サイト>

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