事務所移転時のインターネット回線と電話回線の扱いについて

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

いきなりですが、事務所を移転するときに皆さんは何から手をつけていきますか。

移転となると様々な申請やら登録やら多岐にわたっての準備が必要で何から手をつけたらいいか分からない方が多いかもしれません。

多くの方が立地条件や物件価格、事務所レイアウトなどヒト・モノ・カネをメインに考えていくと思われますが、実際に移転が決まった際にインターネット回線や電話回線の移設手続きの手配に多くの時間を有することをご存じでしょうか。

ここではインターネット回線や電話回線を移設する際のポイントを3つに絞ってお話していきます。少しでも参考になればと考えております。


使用中の回線種類の把握

まず移転前に確認したいのが、現在使用している回線の種類となります。インターネット回線だけでも現在多くの事業者が様々なサービスと共に提供を行っております。光回線だけでも様々な光コラボレーション事業者が取り扱っており、NTTが提供しているフレッツ光で契約していると思っていたら違う事業者だったなどとお聞きすることも多くございます。プロバイダーや携帯ショップ等の携帯キャリアでも光回線を取り扱っており、様々なセット割やオプション付加などを行い、顧客の囲い込みを行う企業が増えてきております。

そんな中いざどこで契約していたのかを調べた際にどこで契約しているのか分からず、契約先を把握できない場合もあるようです。NTTに連絡したが、契約情報が見当たらないとたらい回しになったケースをお聞きすることもあります。

ここでは提供されているインターネットの光回線サービスの種類をご紹介します。

・NTT:フレッツ光

フレッツ光はNTT東日本・西日本が提供する光回線です。回線以外にひかり電話やフレッツテレビなど様々なサービスを提供しております。NTT東日本とNTT西日本では提供エリアの違いがあり、提供しているサービスプランや名称、価格等が異なります。東日本から西日本、西日本から東日本へ移転などがある際には注意が必要です。

・KDDI:au光

KDDIが独自に整備した光ファイバーを利用した光回線です。au携帯やスマートフォンをご利用になっているとセット割や家族割などの割引サービスが受けられ、auユーザーにとってはメリットが大きい光回線です。

・So-net:NURO光

2013年よりSo-netが提供している光回線です。NURO光の最大の特徴は下り最大2Gbpsの回線速度です。速度重視のユーザー層からは高い支持を獲得しています。

・電力会社系の光回線:例 FITWebヒカリ(北海道)・TOHKnet(東北地方)等

各地方の電力会社が提供しているご当地光ファイバー回線です。提供エリアが限定的ではあるものの、各地方では高い人気を誇っています。地域密着型のサービスを提供しており、地域によってはフレッツ光よりも高いシェアを持っているサービスです。

・光コラボレーション事業者:ドコモ光・Softbank光・OCN光等

NTT東日本とNTT西日本からフレッツ光回線の提供を受け、各社の独自サービスと共に光回線をサービス展開しているプロバイダーや携帯キャリアなどの事業者のことを指します。2015年2月にNTT東西が光回線サービスの卸売を開始したことにより、光コラボレーションモデルと呼ばれる仕組みが始まりました。各事業者が独自のサービスを付加価値として提供するケースが多いので、一度調べてみる価値はあるかもしれません。

光回線以外ではCATV(ケーブルテレビ)を使用してインターネット接続を行っている企業もございます。ケーブルテレビとは光ファイバーケーブルや同軸ケーブルなどを用いて、インターネット接続や電話サービス、テレビ放送などの提供を行っているサービスです。

また、現在は少なくなっている契約とはなりますが、ADSL回線をご使用になられている場合もあります。ADSLとは従来の電話回線を利用してインターネット通信をする方法となります。光回線と比べて通信速度が50Mbpsと遅く、周辺にある同回線の影響でノイズを起こしやすい性質がある為、インターネット通信に影響が出やすいという側面があります。NTTのフレッツADSLのサービス提供は2023年1月31日をもって終了するという発表がされており、光回線が普及してきたことが大きな要因であるとも言われています。

ここまで記載してきた通りインターネット回線だけをとっても、様々な光回線やサービスがあることが分かります。各サービス共に提供しているエリアに差がございますので移転先に現状使用しているサービスが使用出来るのか事前確認が必要です。

現状の契約確認は、契約した当初の契約書や毎月の請求書を見れば確認することが出来ます。移転前に詳細な契約内容を把握しておくことをお勧め致します。



電話番号の継続利用が可能かどうか

次に確認しておきたいポイントは現在使用している電話番号を継続して使用出来るかどうかという点です。近くに移転するだけだからと安易に考えてはいけません。

フレッツ光のひかり電話を使用しているとした場合ですが、同じフレッツ光だから問題ないと考えがちです。しかし、必ず継続利用が出来るとは限りません。

電話番号はNTT基地局で管理しており、たとえ近くに移転するだけとはいっても基地局が違うとなっただけで継続利用が出来ない場合がございます。いざ移転先を決めたけれども、実は電話番号の継続利用が出来なかったといったことを耳にしますので注意が必要です。

また、現在使用している光回線サービスを移転に伴って他社サービスへ変更を考えているといった場合も注意が必要です。電話番号を他のキャリアに引き続き、継続的に利用が出来るようにしたサービスを番号ポータビリティと言います。この番号ポータビリティというサービスも出来る場合と出来ない場合があります。

一例とはなりますが、NTTひかり電話を光コラボレーション事業者のひかり電話に変更した場合や光コラボレーション事業者同士の変更時には番号ポータビリティが活用出来、継続して番号を使用することが出来ます。

逆に出来ない場合はNTTひかり電話で取得したひかり電話専用番号を他社サービスの光電話へ移行した場合などです。他にも様々なケースが考えられますので、現在使用している番号が継続して使用出来るかを移転前に契約している電話会社に問い合わせて確認してみましょう。

仮に電話番号が変わるとなると企業にとってはホームページや名刺など様々な部分で変更を行う作業が増えてしまいますので、細心の注意を払いたい所です。



移転時期の確定

今までお伝えしてきた内容も非常に大切ですが、ここが一番重要かもしれません。それは事務所移転時の工事依頼は早めの準備が大切であるということです。

インターネット回線や電話回線の移設には早くても数週間以上の期間が必要となるケースがほとんどです。場合によっては、1か月以上工事手配に時間がかかってしまうケースも多々ございます。今やインターネットを使用していない企業はごく少数になっていますので、移設先ではすぐに使用出来ないと困るといった企業が多いでしょう。

移転の準備やら打ち合わせやらで、ついつい後回しになってしまうことが多いですが、業務を行う上で必要不可欠なツールとなっておりますので、早めの手続きを行うことが大切です。依頼先はNTTを始めたとした各事業者となりますので、数ヶ月前から契約している事業者に相談を行って頂くことをお勧めします。

本日のまとめ

事務所移転は企業にとって毎月あるようなものではありませんので、そこまで意識が向かない部分が多いはずです。しかし、インターネットや電話が使用出来なくなっただけで多くの機会損失が出てしまうということは容易に考えられます。

だからこそ、細心の注意を払い移転の準備が進められるよう、普段から相談が出来る事業者を選定していくことも大切かもしれません。

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【4】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

情報倫理という言葉をご存じでしょうか?

倫理とは人間生活の中の普遍的な善悪の基準、秩序のことであり、情報を扱う際の行動規範のことです。

倫理という言葉を使うと難しく感じますが、ようは倫(人の輪)の理(ことわり)ですから、つまり、人の、仲間内のきまり、秩序というわけです。

きまりといっても法律ではありませんから、あくまで道徳の範囲内の規範です。

さて、インターネット、サイバー空間が生活に密接している現代で、わたしたちが小学生の時に学んだ“現実世界”の道徳はサイバー空間でも適用されるのでしょうか?

急速に発展したインターネット上は、いまや立派な公共の場ですが、しかしそこには具体的な法律が伴っていませんでした。

いまでこそ徐々に整備されていますが、それでもまだ間にあっていません。その現状が、これまでお話ししてきた炎上や誹謗中傷です。

わたしたちは、法のもとで現実世界を生きている反面、法の伴わないサイバー世界を倫理をもってして生きています。

毎週、炎上についてお話してきましたが、本日は、サイバー世界の倫理・道徳や法律についてのお話です。


インターネット暴力

日本は治安のいい国、とよく言われます。みなさんはどう思いますか?昔と比べて、他の国と比べて、確かに治安は良いのかもしれません。

ではインターネットはどうでしょうか?

インターネット上で交わされるコミュニケーションはそのほとんどが文字によるものです。なにをしても、画面の向こうにいる人に肉体的な影響は与えません。

言ってしまえば、誰のことも物理的には一切傷つけずに攻撃することができます。簡単ですよ。

従来の、なんだか気に食わない芸能人を、テレビ越しに悪く言うのとはわけが違います。誰の目にも触れる公共の場ですから、どんなに小さな声でつぶやいたとしても、それはもうなかったことにはできません。直接だろうと、間接的だろうと、それはもう暴力になり得るのです。

さて、誹謗中傷と呼ばれるその暴力は、深刻な社会問題となっています。一般人が有名人に対して行うものだけでなく、一般人から一般人へ行われる暴力も、です。

さて、SNSや誹謗中傷における法律というものはまだあまり多くありません。とはいえ、誹謗中傷や侮蔑、無責任な噂は立派な人権侵害ですから、法律違反に当たります。

人間としての権利、憲法が保障している基本的人権を不当に踏みにじる行為は人権侵害に当たります。健康で文化的な生活を送る権利は誰にでも平等にあり、誰も脅かしてはいけません。

それはもちろん、インターネット上だろうと当てはまります。

インターネットにおける暴力に肉体的な影響は出ませんし、暴行罪も適応されません。しかしたしかにそれは権利の侵害で、不法と言われたらなにも言い返せないのです。

それでは、はたしてこの国の治安はほんとうにいいのでしょうか?



電波に乗る陰口

陰口とは、当人のいないところで行われる悪口のことを言います。学生時代、する側でも、される側でも、経験がある人は少なくないのではないでしょうか?

わたしも、陰口を言ったことがないとは言えません。学生時代、気に食わない相手、厳しい先生、家族のこと。少し話に色をつけて、当たり前の会話のようにしていたことがあります。

決して許されることではありません。子供だからいいってわけでもないですよ。だって立派な人権侵害じゃないですか。

侮辱罪、名誉毀損、なんとなく聞いたことのある「ダメなこと」にきちんと当てはまります。

さて、陰口といえば、わたしは女子が学校のお手洗いでこそこそと話している風景なんかを思い描きますが、あくまでこれはステレオタイプなキャラクター付けです。性別も年齢も場所も関係ありません。陰口なんて、どこでも起き得ます。

それこそ学校なんかですれば、もしかすると本人の耳にも届くかもしれません。関係のない人がたまたま聞いて、本人に教えるかもしれません。

しかしインターネットならどうでしょうか。

遠距離間でのコミュニケーション方法は、郵便手紙から始まりFAXからメール、メールからチャットへと変わってきています。

チャットになったことで、インターネット上での会話はとてもスムーズになりました。メールでは正直面倒くさいと思っていた何気ない雑談も、チャットであれば時差もなくぽんぽん会話できますから、ついつい話しすぎてしまいます。

今はもうほとんどチャットが主流ではないでしょうか。

手軽で、雑談感覚で会話ができて、おまけに匿名性や機密性が高いチャットですから、それが陰口の温床となってしまうのは火を見るより明らかです。

つい最近、いじめが原因で小学生の女の子が自殺した事件がありました。覚えていますでしょうか?

原因はさまざまですが、話題となったのはやはり学年全員に配られたタブレット端末でしょう。

GIGAスクール構想といって、コンピュータやネットワークを生徒ひとりひとりに整備する取り組みの一環で、その小学校はいちはやく6年生全員にタブレット端末が配られました。

このコロナ禍で在宅ワークが増え、学校でもオンライン授業が実施されましたから、1人1台タブレット端末は今後も必要になるでしょう。わたしも大学生時代、テキストや参考図書はほとんど電子書籍で利用していましたし、ペーパーレスの時代ですから、教科書もいずれ電子媒体になる時代はいずれきます。GIGAスクール構想は、近い未来のかたちのひとつです。

しかし今回の問題は、そのタブレット端末の管理の杜撰さ、そして冒頭にお話ししました、子供の倫理によるものです。

配られたタブレット端末の使用制限やパスワードが共通だったことはセキュリティの面からみても大問題ですが、今回は話の趣旨とは多少ずれますから、詳しく触れません。(もちろん、学校というものは子供のお手本なわけですから、そういった現代化に伴う情報セキュリティの教育の意味も含めてきちんとやるべきだったと思いますよ)

さて、では倫理の問題ですが、この件では配られたタブレット上で使用されたチャットに女の子の悪口が書き込まれていたことが原因の1つです。わたしたちが普段使っているチャットツールは、SNSと比べ機密性が高く、基本的に会話の内容は外に漏れませんから、「陰口を言ってもばれない」「バレなければ相手を傷つけない」と、先の言葉を使えば「これは暴力に当たらない」と、なんとなく思ってしまうんですよね。

しかし、配られたタブレットは前述のようにセキュリティ面で大きな欠陥がありました。ログインするためのIDは出席番号や誕生日のような、推測できる通し番号で、パスワードは全員統一のもの。誰でもその気になれば簡単に他人のチャットの履歴を見ることも、他人に成りすますこともできます。

必要なのは、「誰にも見られないからといって陰口をたたいていいわけではない」「どんな理由でも、たとえそれが容易でも、他人のアカウントにログインしてはいけない」という意識でした。

とくに後者なんかは、今回はチャットの閲覧のみですが、これに課金といった金銭的被害も関わってくる可能性が大いにあります。

どちらの意識も、当てはまるものはあるものの具体的な法律があるわけではありません。今のところどうしても、インターネットの治安は利用者の倫理観や道徳心に一存されているのです。



本日のまとめ

子供といえど人権はありますから、それは侵害してはいけませんし、いじめを「喧嘩」や「じゃれ合い」といった言葉で軽視するのは間違っています。

これまで、炎上といった大きな、そして誰の目にも容易に入る問題についてお話ししましたが、誰も知らないところでも形の残らない暴力は行われています。今回の件も、女の子が亡くなるまでご両親はなにも知らなかったそうです。

繰り返しになりますが、インターネットに関する法律は少しずつ整備されていますが、まだまだ甘いところも多く、ユーザーの倫理観や道徳心に委ねられているのが現状です。

プロバイダ責任法といった、情報の開示請求に関する法律はありますが、ではその具体的な方法は知っていますか?そもそもその法律自体知らない人だっているのです。

急速すぎたIT化、インターネット世界の成長に、教育や法律は追いついていません。

教育や法律だけでなく、利用するわたしたちの意識も柔軟に変えていかなければいけません。

いじめのかたちも、その発覚要因も、内容も、何もかもが変わってきています。同様に、物理的な傷を与えずとも、目に見えなくても、言葉で他人を傷つけることはずっと簡単になっています。たとえ目に見えなくても、それは暴力です。

インターネット世界は今までの現実世界とは違います。しかしもうひとつの世界です。目に見えないだけで、公共の空間ですから。



<参考サイト>

公益社団法人日本看護協会

高知新聞PLUS

総務省

ランサムウェア『LockBit2.0』の脅威

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

セキュリティの話になると耳にする機会の多いランサムウェアですが最近、新たなランサムウェアの被害が増えていることをご存じでしょうか。

トレンドマイクロは、日本や海外でランサムウェア「LockBit 2.0」による脅威が拡大する恐れがあるとして注意を呼び掛けております。データの不正な暗号化と暴露の手口により、企業や組織に多額の身代金の支払いを要求するランサムウェアの手口です。

広がりを見せたタイミング

 同社によると、LockBit 2.0は、ロシア語のアンダーグラウンドフォーラムで確認されているサイバー犯罪者グループが展開していると見られ、そのグループはランサムウェアを使ったサイバー犯罪をサービスとして提供しており、6月の更新でLockBit 2.0を導入したとされております。旧バージョンのLockBitによる手口は、犯罪者グループがデータを窃取、暗号化して、被害者が身代金を支払わない場合にデータを暴露するものだでしたが、LockBit 2.0では、特定の動作に他の暴露型ランサムウェアの特徴を取り入れた様子がうかがえるといいます。

 トレンドマイクロは、7月1日~8月15日にチリとイタリア、台湾、英国などで関連攻撃の試みを検知したという。日本国内ではNHKが8月24日の報道にて、建設コンサルタント会社のオリエンタルコンサルタンツが被害を受けた攻撃に、LockBit 2.0が関係した可能性を報じました。

ランサムウェア「LockBit 2.0」の脅迫画面


感染経路や攻撃の流れ

 これまでの分析でLockBit 2.0は、侵入先のシステムからネットワークスキャナーを使ってネットワークの構造を確認し、拡散などに悪用するドメインコントローラーを標的にします。さらに、Process Hackerなどのツールを使ってシステム内で動作するプロセスやサービスを終了させます。

Active Directoryのグループポリシーを悪用して、組織内のWindowsドメイン全体の端末を自動的に高速で暗号化します。さらに攻撃者がリモートデスクトッププロトコル(RDP)アカウントを悪用して、被害システムを遠隔操作することも可能とし、VPNなどのネットワークシステムの脆弱性を突いた攻撃事例も確認されているといいます。

1ランサムウェア「LockBit2.0」の攻撃の流れ(トレンドマイクロより)



実際の被害事例

 ここは田舎だから、小さな会社だから大丈夫という言葉を発する中小零細企業の経営者から未だによく聞きますが、そうではないことがよく分かる非常に悲惨な被害事例もでています。

徳島県つるぎ町立半田病院が10月末、サイバー攻撃に遭い、深刻な事態に陥っている。データを勝手に暗号化し、復旧と引き換えに身代金を要求するコンピューターウイルス「ランサムウエア」に院内のシステムが感染。患者約8万5000人分の電子カルテが見られず、診療費の会計もできなくなった。

外来患者の新規受け入れを全面的に停止し、診察内容は手書きでカルテに記録するなど対応に追われている。現時点で復旧の見通しは立たず、病院関係者は「もはや災害だ」と頭を抱える。

県北西部に位置し、吉野川右岸から山あいに広がるつるぎ町は人口約8200人(今年9月末)。半田病院は120床の総合病院で、平日には1日250~300人の患者が訪れる。過疎高齢化が進む地域で、中核医療機関として住民の命を守ってきた。  

病院が異変に気付いたのは10月31日未明。患者らが寝静まった午前0時半ごろ、十数台のプリンターが一斉に大量の紙を吐き出し始めた。「データを盗んで暗号化した。身代金を払わなければデータを公表する」。紙には英文でこう記され、印刷は紙がなくなるまで続いた。驚いた当直の看護師はシステム担当者に連絡。午前3時ごろから回線を遮断するなどの対応を始め、午前9時ごろ県警に通報した。県警はコンピューターウイルス犯罪に適用される不正指令電磁的記録供用などの疑いで捜査している。 被害は大きかったメインのサーバーのみならず、バックアップ用のサーバーもウイルスに感染。電子カルテは閲覧できず、氏名や年齢、治療内容、投薬歴など診療の基本情報が把握できない。約10年前に電子カルテに切り替え、紙の記録は残っていない。電子カルテと連動していた診療費の計算もできなくなった。  

31日朝以降、対応に追われた。患者の受け付け、カルテは全て手書き。入院患者の経過などは倉庫から引っ張り出した旧型パソコンに入力した。氏名や治療経過などを一から聞き取るため、普段の倍以上の時間がかかる。町の病院事業管理者を務める須藤泰史医師(泌尿器科)は「これまでの処方や検査結果、検査画像などが全て見られない。災害時の体育館で診療しているようなものだ」と話す。  

病院は被害直後から新規の外来患者は断り、予約が入っていた診療のみに制限。会計ができないため診療費の請求は後日に延ばした。11月に3回予定していた休日の当番医は近隣の病院が肩代わりした。一方、県西部で出産できる医療機関は半田病院だけで、妊婦の定期健診や出産への対応は続けているほか、人工透析も受け入れている。ランサムウエアによるハッカー集団の攻撃は、大手ゲーム会社「カプコン」などが被害に遭って広く知られるようになった。半田病院が感染したウイルスは、脅迫文の内容などから国内外で被害が報告されている「LockBit(ロックビット)2・0」とみられる。現時点では具体的な金銭の要求などはない。ウイルスの侵入経路は調査中という。  

半田病院にとって今回の「災害」は想定外だった。地震や水害に備えてメインのサーバーを1階、バックアップ用のサーバーを2階に設置していたが、両サーバーは同一の回線でつながっていた。丸笹寿也事務長は「自然災害を想定しており、ウイルス対策としては不十分だった」と苦渋の表情を見せる。  

病院は専門会社にデータ復旧を依頼しているが見通しは立っておらず、中園雅彦院長は「患者さんや周囲に迷惑がかかり心苦しい。職員も長期戦で疲れている。一時間でも一分でも早く復旧させたい」と話した。【国本ようこ】

◇専門家「患者の生死に関わり深刻」  サイバー攻撃に詳しい神戸大大学院・森井昌克教授(情報通信工学)の話 治療に関する情報が使えないことで患者の生死に関わる。大変深刻なケースだ。ランサムウエアは個人や企業など区別なくばらまかれている。特定の病院を狙ったわけではなく、災害と同じで、いつどこでこうした事態が起こるか分からない。今回は異変に気付いて対応するまで数時間たっており、この間にバックアップデータまで暗号化されたと思われる。セキュリティーが甘かったと言わざるを得ない。感染した際の行動マニュアルを作り、実際に訓練しておくことも重要だ。

毎日新聞11月12日記事

今後の備え

トレンドマイクロは、組織が保有するシステムや端末、ネットワークなどのIT資産と利用状況を把握して異常を検知することや、システムの利用や管理などのための権限を最小にして使用状況を監視すること、システムなどを最新の状態に維持して脆弱性をできる限り解消しておくこと、データバックアップなどの復旧策を準備しておくといった広範な対策を実行する必要があると注意喚起しております。

まとめ

今後の備えについても非常に難しい言葉でどうしたら良いのか分かりづらい方も多いと思います。下記を最低限行うことからまずは再度点検してみてください。

・ITリテラシーの向上(従業員に情報セキュリティ関連のセミナーや勉強会を行う)

・感染させない仕組み作り(UTMの設置、セキュリティソフトのインストール、Windows含むアプリの最新バージョンアップ、USBメモリの禁止等)
・感染後に広めない仕組み作り(セキュリティHUBの設置)

・感染してもデータを守る仕組み作り(バックアップはオンプレとクラウド上に2重に取る) 上記4点を再度確認して自社の情報資産を自社で守っていけるようにしましょう!

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【3】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

先週お話しした炎上のことを覚えていますでしょうか。それとも別のことで記憶は薄れていますでしょうか。

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【2】

インターネットに限らずこの世界は情報であふれていますから、別の情報で上書きされているなんてこともあるかと思います。

人のうわさも75日…というわけではありませんが、どんなに大きく取り上げられても、そのほとんどはいずれ風化していきます。

もしあなたが炎上したらどうしますか?あるいは、あなたではなくあなたの家族や友人、応援している芸能人が炎上したら?庇いますか?それとも批難しますか?

もちろん、炎上の原因によってもその態度は変わってくるかとは思いますが、擁護のために嘘をついてしまうこともあるかもしれませんし、正直に謝るかもしれません。

もしくは、本当のことを言っているのに信じてもらえなかったり、理不尽なことを言われ続けるかもしれません。

インターネットという大衆は、現実世界の何倍も簡単に人のことを傷つけることができます。

炎上はいずれ風化しますが、しかし、一度燃え上がった炎はいつまでも後に残ります。

先週、炎上した後にその火を消そうとした行為が逆に油を注ぐ結果になってしまった例のお話をしました。

インターネットで起きるトラブルにもいろいろありますが、言葉で傷つけるものと違い形として残ってしまいます。誰もが自由に出入りできるインターネットという名の公共の場で、故意に傷つけられたりなにかしてしまい批判されたとき、炎上してしまったらどうしますか?

本日は、炎上を知るお話です。



それを知る、学ぶということ

まず、何か間違ったことをしてしまったらどうするのが正しいでしょうか。

インターネットだろうと現実世界だろうと変わりませんよ。まずは謝ります。そして反省し、同じことを繰り返さないことが大事ですよね。

先週お話しした件を例にあげれば、「芸人だからと言って許される範囲の域を出た発言をしてしまった」ことが原因での炎上ですが、それを庇おうと、火に水をかけた人たちが同じように炎上しました。

原因である芸人さんに悪気はおそらくありませんでしたし、後日別の番組やラジオでも反省の色を見せていました。おそらくきっと同じことは繰り返さないでしょう。

その前に紹介したMVの不適切表現での炎上も、本人たちはまさか炎上するとは思ってもいなかったでしょうし、至らなかった部分を認め反省していましたよね。今後同じことをしないように注意するのではないでしょうか。

往々にして、炎上というものは意図しないところで大きく取り上げられてしまいます。その原因になった行為に悪意はなく、むしろ善意であることも多々あることです。

芸人はそうして笑いを誘おうとしたわけですし、アーティストもまさか不快な気持にさせるためにMVを作っているわけではありません。

これまでの炎上を上げだしたらキリがありませんが、ほかにも善意や行為が裏目に出た結果炎上してしまった、という例がたくさんあります。

好きなゲームの舞台を好きなキャラクターのコスプレで見に行ったら炎上した、なんてこともありました。本人たちはただそのゲームが好きでそういった行為をしただけですが、それは全体を見たらタブーだったのです。

でも、それがタブーであることを知らなければ、もしかしたらわたしだって同じことをしてしまうかもしれません。

こういった炎上を一度経験、あるいは目撃すれば、それがだめなことだとわかりますし、次また同じことで炎上しないように学ぶことができます。

1度目の炎上があまり大きくならなかったとしても、同じことを繰り返した場合さらに批判されることになります。現実でも、同じことで叱られるたびに母親に「何回言わせるの!?」と言われてきました。同じことです。

何事もインターネットだけの話ではありませんが、注意されたことは真摯に受け止め、その批判の原因をきちんと理解し、反省し次に生かすことが大事です。

間違いは、それを間違いだと知り、そして学んでわたしたちは大人になってきました。SNSを含むインターネットと言う名の公共の場は、まだ発達したばかりで、そこにいるわたしたちはまだまだ子供です。知り、学んでいくことが炎上を抑える、回避するコツなのです。



はだかの王様の自覚

たびたび思うのですが、インターネットにいる以上、わたしたちは誰もがはだかの王様になり得ます。

炎上や誹謗中傷だけに関わらず、インターネットでは膨大な量の情報を得ることができますが、そのすべてがわたしたちの目に入るわけではありません。

フィルタリングが容易になり、見たくないものを見ないようにできます。

膨大な情報の中から、好きなように好きな分だけ手に入るようにカスタマイズすることができる、それが現実世界との大きな差ではないでしょうか。

たとえば虫が苦手な人は、虫という単語でフィルタリングすることで、虫という単語が入った情報を見ないようにすることができます。

見たくないものは見ないに越したことありませんから、便利な機能ですよね。

しかし、以前にも言いましたが、便利な反面これでは一辺倒な情報だけを偏って得てしまうことがあります。

こういった偏った考え方が原因で、炎上してしまうケースもありますよね。それだけでなく、偏った考えが原因で誹謗中傷してしまうこともあります。

フィルタリングによって作られた偏った意見は、もしかしたら間違っているものかもしれません。しかし、そのフィルタリング下では確かに支持されているもので、それが間違っているということはそのフィルタリング外の誰かに指摘されるまで気が付けないのです。

自分好みで快適にカスタマイズされたインターネットは、はだかの王様になってしまう可能性を多分に孕んでいます。

たとえば、芸能人が炎上していたとします。その人はまだあまりメジャーな人ではなく、最近知名度が上がってきた人で、炎上の理由は週刊誌による熱愛報道だったとします。

その人を詳しく知らない人は、もしかしたらその人を口汚く罵るかもしれません。中には熱愛報道とは関係ないことを持ち出して、執拗にその人を責める人もいるかもしれません。

しかし、後日熱愛報道は誤報であり、その芸能人の妹だったという真実が公表されます。

その芸能人のことを詳しく知っている人にとっては、熱愛報道が妹のことであることはすぐにわかったことであり、事実も知らないで批判している人たちは「詳しく調べもしないで勝手なことで口汚く批判する」人たちなわけです。批判していた側は、誤報を信じ、それを大声で吹聴するまるではだかの王様です。

近年では誹謗中傷や殺人予告をしたユーザーを特定し、裁判を起こす方も増えてきました。事実もしっかり確認せず、一辺倒な知識だけで人を傷つける行為は、事実を知っている人からしたらとても愚かな王様です。

先週あげた、誹謗中傷が原因で自殺してしまった女性は、炎上した後「台本ではないが、スタッフに煽られた」といった言葉を残しています。また、同番組に出ていた人もそういうところがある、後から彼女には謝罪されていた(もちろんそれは番組側からの公開はなかったため、真偽はわかりません)といったことを公表しています。

みなさんは、詳しいことを知らないまま、はじめに得た情報だけで批判していませんか?

わたしたち大衆にはどうしても真実はわかりませんし、対芸能人となると好みや偏見の混じった情報から判断するしかありません。その結果に対する責任がないからと軽く考えていませんか?

その結果が、自殺でした。本当に責任はないのでしょうか?無知は、加害者になり得ますよ。

あなたは王様です。今手に持っているその端末では、あなたの欲しい情報だけが手に入ります。そんなカスタマイズされた世界で、はだかにならないように、そして、気が付かないうちにはだかになってしまう可能性があることを、しっかり自覚しなければいけません。



本日のまとめ

インターネットで起こしたこと、起きたことは一生残ります。デジタルタトゥーとも呼ばれ、一生消えることはありません。

炎上した原因も、その後の対応も、反省も、謝罪も、開き直りもごまかしも嘘も、全部、誰かが見ています。そして、一度でまわったものは消えることはありません。

先に挙げたように、知らないからこその過ちだってあります。繰り返しになりますが、わたしたちはインターネットにおいてまだまだ子供ですから、知らないことがたくさんあります。

とくにSNSによって作られた特定のジャンルコミュニティは、「暗黙の了解」が当たり前のように横行しています。それらをすべて把握するなんて到底無理な話です。しかし、その暗黙の了解を知らなかったばかりに多くの人に批判される、なんてことがたくさん起こっています。

誤った情報で人を傷付けないように、知らなかったことで人を傷つけないように、わたしたちは少しずつでも大人になっていかなければいけません。インターネットは、公共の場ですから。

<参考サイト>

エルテス

テレワークという働き方

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

3年前と比べて働き方が変わったという方いらっしゃいますか?

日本はこの3年間で労働時間が年間116時間も減ったようです。

こんなにも労働時間が減った理由は?

①働き方改革関連法

政府が会社に罰則を与えるようになってきた為です。

従業員の時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化などで徐々に効果が出てきました。

②新型コロナウイルスが広がりテレワークが増えた為です。

会社にいるとなかなか帰れないという従業員がいるんだとか。

サラリーマンで上司が仕事をしていると部下はなかなか帰りづらい。また、部下が仕事をしていると上司は帰りづらいなど。心当たりはございませんか?

無駄な残業が無くなったということですね。

③新型コロナウイルスの影響で会社が倒産して仕事が無くなってしまった。

新型コロナウイルス関連倒産は全国に2328件判明(11月5日時点帝国データバンク情報)

業種別上位は飲食店(401件)建設・工事業(240件)食品卸(122件)ホテル・旅館(115件)など

倒産以外にも休業や時短営業など様々な影響が考えられます。

会社側として残業時間を減らし生産能力を上げ、業績アップが出来ればいいですよね。

更に社員が健康で元気に仕事をし、モチベーション高く成長し続けることが理想です。

今回は少しでも理想に近づける為、2つめのテレワークについてお伝えしていきます。



自社のテレワーク

実は弊社でもテレワークを一部取り入れています。今まで会社で行っていた仕事を自宅でしています。

実際にテレワークを実施している社員に聞いてみました。(経理女性社員)

テレワークをして良いところ

 →①集中して行うことが出来る。
  特に細かい数字のチェックをしている際には、それだけに集中する事が出来るので
  とても助かっています。(電話対応や来客対応などが無い為)  
  ②通勤時間がない分、家庭のことを実施出来る。
  子育て中なので、今までは学校へ行く子供達を送り出す事が出来ませんでしたが
  きちんと送り出したり早い時間から宿題の確認をする等の子供との時間を確保する事が出来るようになりました。

テレワークをして悪いところ
 →①社内の人とのコミニケーションが取れない。
  対話で確認をすれば、数秒で終わる事がメールでのやり取りや活字にする事で上手く伝わらない事があったりします。
  ②電話対応やFAXをする事が出来ない
  お客様からの問い合わせ電話があった場合やお客様への確認がある場合に基本的に出勤日での対応となってしまうので、対応が遅れてしまう。
  また、FAX送信ができないので必要な場合は、社内にいる人に依頼をする形になってしまう。
  ③印刷コスト
  印刷物は全て自宅のプリンタを使用しているのでインク代等のコストがかかる。

今までの仕事と変わった事
 →数回の出勤日に依頼事項が集中するようになった。
  出勤日に実施するべき事と依頼事項をいかに全て完了させるかになるので
  より集中するようになりました。

テレワークをするうえでの注意点
 →窓の近くではなく家族にも見られないようにPCを配置したり、カーテンを閉めて実施するなどのセキュリティー面に気をつけています。
  会社PCは子供が絶対に触らないように、基本的に部屋には出入りさせないようにするとともに在宅勤務中は集中するために鍵を掛けて入れないようにしています。

良い点もあれば注意しなければいけない点も出てきました。

すでに実施している方はいかがでしょうか?



テレワークの相談

小江戸光・小江戸Wi-Fi・小江戸せきゅりてぃ・小江戸えむえふぴぃなどの回線手配やパソコン周辺機器設置設定なども行っていますのでお客様からのお問い合わせが以前と比べて増えました。

どういった問い合わせが多いかといいますと、

・テレワークをしたいですが、何から始めたらいいですか?

・環境構築にいくらかかりますか?

・情報漏洩対策ってどうしたらいいですか?

・助成金は利用できますか?

などなどいろいろなご相談があります。

テレワークの方法は1つだけではありません。よって現状の把握と今後どのように業務を行いたいのか。現在仕事で使用しているソフト、データの保存方法、共有方法などパソコンの使用方法についてお聞きしています。

一番簡単なのはクラウドのデータセンターを利用する方法です。

データを会社のサーバーでもお使いのパソコンでもなくデータセンターに保存してそのデータを見にいく方法です。

データセンターの容量やアクセスするユーザー数によって月額の金額が変わるものが一般的です。金額も幅広いですが、データセンターのセキュリティがしっかりとしているかどうかも重要なポイントです。最近増えましたサブスクリプションというサービスですね。

Office365やadobeのサービスもサブスクリプションのサービスになってきています。

会社に設置してあるサーバーでソフトを動かしている場合は社内にリモートアクセスし業務を行います。

リモートアクセスとは遠隔地からネットワーク経由でコンピュータにアクセスすることです。社内に設置しているデスクトップPCやサーバーに接続することで社外でも社内にいるように仕事をすることができます。

この場合は社内のサーバーやパソコンの電源が入っていなければ接続が出来ません。

パソコンの電源を遠隔で指示し立ち上げることも機器を導入することで可能です。

また、拠点間をVPN接続して同じネットワークにする方法もあります。

毎回リモートアクセスで接続しパスワードを入れて社内のパソコンの画面を出してなど行わず自分のパソコンを社内と変わらない環境で利用が出来るので便利です。

サーバーやソフトウェアを自社で管理している場合(オンプレミス)はこのような接続方法が有効的です。

どちらも当然インターネットの接続環境が無いと構築できません。

セキュリティ対策

一番といっていいぐらいセキュリティ対策どうしたらよいのかと相談があります。

迷惑メール・フィッシングサイト・ランサムウェア等・・・

テレワークをしてもしなくてもどちらも重要なことです。

まず行うべきことは社内のセキュリティに対するルール化と社員教育だと考えます。

ルールが何もないと例えば・・・

データをUSBメモリに保存してデータが開かなくなってしまった。

USBメモリを無くしてしまった。

USBメモリを差したらウイルスに感染してしまった。

こんなことが起きてしまう可能性があります。USBメモリに重要なデータを保存していてそのデータを無くしてしまったら?その情報が第三者に渡ったら?

情報漏洩した場合は大きな問題です。

ちなみに2022年春に施行が予定されている個人情報保護法ですが、法人に対する情報漏洩時の罰金額が大幅にアップします。改正前が50万円以下だったものが、改正後は1億円以下となります。個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されますので

個人情報をUSBに入れて持ち歩いている従業員がいたら・・・怖いですね。 

USBの使用は駄目ですよと言っていても利便性から利用する社員がいるかもしれません。

そんな時はUSBポートを使用出来ないように制限をかけたり、誰がUSBを差して何のデータをコピーしたのかログを残したり管理者にメール通知したりと今ではこういったシステムを導入する会社も増えてます。

では物理的にUSBメモリや外付けハードディスクを使わないようにしたから安心とは言えません。

テレワークが増えたことでサイバー攻撃、サイバー犯罪の被害が非常に増えています。

サイバー攻撃によって個人情報や大事なデータが盗まれないように、現状の環境把握とリスク軽減に取り組む必要があります。

ランサムウェアで身代金請求が来たなんてことになったら?

情報は盗まれるだけではなく暗号化されて利用できなくなるなんてこともありますので情報を守ったりバックアップを取りましょう!最近データのバックアップは何時何処に取りましたか?

テレワークの環境構築時は見直すタイミングでもありますので最適なプランを選びましょう!



助成金

セキュリティを高めれば高めるほど費用は高くなるものです。

そこで注目されているのが助成金です。

テレワークを広める為に国や自治体などさまざまな支援があります。

厚生労働省の人材確保等支援助成金(テレワークコース)はテレワーク用通信機器の導入・運用機器が支給対象となります。最高で100万円の支給額です。知ってましたか?

以下対象機器一覧

・ネットワーク機器

・サーバ機器

・NAS機器

・セキュリティ機器

・ウェブ会議関係機器

・サテライトオフィス利用料

これから環境構築してテレワークを行うのであればこれらの利用はいかがでしょうか?

また、東京に事務所がございましたら東京しごと財団の(テレワーク促進助成金)があります。

パソコン・タブレット・クラウドサービス・ソフトウェア・機器設置設定費が対象で、こちらは助成金の上限が250万円となっています。令和3年12月24日締め切りですのでお早めに!

助成金以外にもIT導入補助金2021などもございます。

環境が変わりいろいろな支援策がでていますからこういった情報を得ることも大事ですね。



まとめ

コロナ過により働き方が大きく変わりました。

働く場所や時間だけではなく営業手法もいろいろと変わってきています。

この時代の流れについていかなければならないのです。

社内のインフラ設備の見直し改善、社員教育整えていきましょう!

ちなみに皆さんのパソコンのOSは最新バージョンにアップデートされていますか?

ウイルスソフトは最新版に更新されていますか?Adobeやjava他のソフトもバージョンが古いとそこから狙われてしまう可能性がありますのでご注意を!

情報セキュリティ相談センターでは今回のようなテレワークについてや助成金についてのご相談も受け付けております。

まずは簡単に今すぐ出来ることから始めていきましょう!



<参考サイト>

厚生労働省

公益財団法人東京しごと財団

IT補助金2021

インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【2】


おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

今日は何回SNSを見ましたか?そこは安全で平穏でしたでしょうか。

以前炎上のお話をしたかと思いますが、本日はその続きです。

前回:インターネットという公共の場で人を傷つけるということ【1】

さて、わたしは今日、朝起きてから、支度をして家を出る前、出勤途中、休憩時間、と4回SNSを見ました。発信するのは「おはよう」や「今日寒いね」といった差し障りのないものがほとんどで、主な活用内容は好きなアーティストやアイドルの情報収集です。今日、わたしのSNSは平穏でした。

みなさんのSNSはどうでしょうか?

毎日、どこかしこで誰かの「粗」がさらされ、それを火種として炎上しています。前回も触れたように、興味のあるジャンル以外の炎上まで追っていたらキリがないほどです。

インターネットは、自分の好みに合わせてフィルターをかけ、興味のある情報だけを入手することができます。

それは効率がいいというメリットの反面、それ以外の情報が入りづらいというデメリットもあります。偏見をなくしたいと思い、様々な意見を取り入れる人はさまざまな意見を取り入れられる反面、特定の意見だけを求めている人は特定の意見しか目に入らないため、偏っていってしまいます。

どこかで炎上が起きていても、関心がなければその概要も、原因も、結果も、何も知らないまま気が付けば鎮火してしまいます。

情報のあふれた社会ですべてを追うのは無理な話です。しかし、まったく知らないままでは、同じことを繰り返しかねません。

今日皆さんのSNSは平穏でしたでしょうか。それとも不穏でしたか?

今回も、SNSを、インターネットを不穏たらしめる「炎上」のお話です。



水をかけるか油を注ぐか

まず大前提として、誹謗中傷や侮蔑、無責任な噂は人権の侵害に当たります。「してはいけないこと」であることを念頭に置いておいてください。

「人が嫌がることをしてはいけない」のは当たり前のことです。子供の時から言われていますよね。喧嘩をしたら親や先生が止めますし、言ってはいけないことを言ったら注意されました。そうして自然と、してはいけないことといいことの区別が身について大人になっていきます。

それは、インターネットでも同じです。

インターネットでは、毎日のように炎上が起きていますがその要因は様々です。

前回紹介したような、本人たちが思いもよらないところの配慮の足りなさや失言が原因であったり、あるいは不道徳的、不適切な行為を咎められたり。

さらに、炎上した後の対応によってさらに炎上することがあります。

最近では、お笑い芸人が選挙特番での発言が指摘されて炎上していました。

無礼、失礼に値する発言が注目され、「テレビに出すな」といったハッシュタグができるほどの炎上になり、その後出演した別の番組で反省の態度を見せていました。

しかし、今回気になるのはその芸人の奥さんおよび所属事務所の社長の炎上です。

なぜ炎上したのでしょうか?

今回の炎上を受け、奥さんはツイッターで反論とも取れるツイートを投稿しました。その反論、あるいは擁護ツイートはすこしでも芸人の炎上を庇い、抑えるためのツイートだったわけですが、まったくの逆効果になってしまいます。

「開き直り」や「礼節がないことをしょうがないで事務所が許すべきではない」といった批判が殺到しました。

そして、翌日奥さんはこれら一連のツイートが「乗っ取られたもの」だと投稿し、さらに炎上へとつながりました。

その真偽はわたしたちにはわかりませんが、批判していた、炎上させていた側からすれば、「なかったこと」にしたかったと見えてもおかしくありません。それが火に油でした。

炎上はなかなか収まる気配がなく、奥さんが水をかけて収めようとした行為は、結果として火に油を注ぐことになってしまいました。

該当ツイートは消され、火種となった選挙特番から日数が経った今でも、奥さんが何かを投稿すると乗っ取られたことや擁護について言及するコメントが付きます。

その中には、まっとうな意見や指摘だけでなく、今回の件には関係のない根も葉もないうわさや、心無い暴言が含まれています。それはもう、火種である芸人の無礼や失言に関係なく、ただ執拗に攻撃を繰り返すことが目的になっています。

そういった、SNSで娯楽的に攻撃を繰り返す人がいるからこそ、炎上は繰り返されています。



誹謗中傷と炎上の目的

では、誹謗中傷や炎上がどんな結果を招くのでしょうか?

1年前、恋愛リアリティ番組に出演していたプロレスラーの女性が自殺するという事件が起きました。覚えていますでしょうか?

当時相当話題になりましたから、鮮明に覚えている方も多いのではないでしょうか?

彼女が出演していたリアリティ番組は、男女がシェアハウスをする様子を観察する番組で、「台本がない」ことが売りでした。台本がないということは、どんなことがおきてもそれは出演者の性格や本質というわけです。

女性が炎上したのは、この番組内で起きたとある事件が原因でした。

大事なコスチュームを他の出演者の男性が誤って洗濯してしまい、それに怒った女性がその男性の帽子をはたきおとし、番組は険悪なムードになります。

視聴者は、この回がオンエアされるとすぐにその女性に対して厳しいコメントをつけるようになります。

たとえば、「プロレスラーが手を出しちゃいけない」や「洗濯機に放置していた方も悪い」といった意見です。こういった批判や意見にはわたしにも同感できる部分がありましたし、多少注意されても仕方がないことというのは、この件に関わらずあることです。しかし、中には口汚く罵ったり、暴言、あるいは「死ね」や「消えろ」といったコメントもありました。

日常生活で「死ね」や「消えろ」といった言葉を残すとき、それは明確に相手を傷つけるためではないでしょうか。

たとえインターネット上であろうと、それは変わりません。しかし、インターネットの「匿名」という性質は、現実世界よりもずっと簡単に、バレずに相手を攻撃できるようになってしまいます。

当たり前のことですが、匿名なら傷つけてもいいわけではまったくありませんが、やっぱり心理的にも名前がバレている状態よりずっと攻撃しやすいのです。

この事件の後、番組はもちろん女性のSNSは剣呑な雰囲気になりますが、リアリティ番組はこういった雰囲気こそが醍醐味であり、オンエアのさらに後日、追い打ちのように女性が「相手の男性が100%悪い」と言っているシーンが公開されると、すでにかなりの勢いで誹謗中傷を受けていたSNSはさらに悪い意味で盛り上がります。

そして、女性は自身のSNSで「消えられるもんなら消えたい」「さようなら」といった言葉を残して自殺してしまいます。

消えろ、死ねなどの言葉を匿名で、安全地帯から投げかけていた人たちは、本当にこの結果を求めていたのでしょうか?

軽い気持ちで、それこそ軽口のように死ね、消えろと言っていた人が大半ではないでしょうか。現実世界でも、軽口のようにこの言葉を使う若者はたくさんいます。実際死んでほしいわけでも、消えてほしいわけでもありませんよね。

でも、その結果が自殺でした。

先程、娯楽的に攻撃を繰り返すと言いましたが、娯楽とまではいかなくても、ムカついた気持ちを誰かにぶつける、といった意味を込めて誹謗中傷をしていた人はきっといます。それが死に追いやるとは思ってもみなかったのではないでしょうか。


本日のまとめ

誹謗中傷が原因で自ら命を絶った方はこの女性だけではありません。その原因がリアリティ番組なのも、世界を見れば彼女だけではありません。

数年前、日本でも活躍していたK-popアイドルの自殺も話題になりました。

その数日前に、その友人の女優も自殺しています。どちらも誹謗中傷に悩んでいました。

言葉はナイフとはよくいったものです。

テレビに出る彼女たちにとって消費者であるわたしたちは、片手で、指一本で簡単に傷つけることができてしまいます。

誰だって、たくさんの応援よりもひとつの誹謗中傷が気になってしまうものです。

インターネットだから、匿名だからといって、人を傷つけていいわけではありません。当たり前のことです。

インターネットは、公共の場です。匿名だろうと、そこにいるのはもうひとりのあなたです。

軽い気持ちで、加害者にならないように気を付けなければいけませんね。

次回は炎上のその後についてのお話です。



<参考サイト>

総務省

Society5.0って?わたしたちのこれまでとこれから

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

突然ですが、IT社会ってなんでしょうか。

そもそもITってなにかご存じですか?

ゲーム?インターネット?ネットワーク?

「パソコンやインターネットを使って調べること」「ツイッターやインスタグラム等SNS」「パソコンやインターネット、技術を教えてくれる先生のようなもの」「様々なことを簡単に、生活を豊かにするもの」

これらは、実際に「ITってなんだと思いますか?」と聞いた際の回答です。小学生を相手に答えることを想定して答えていただきました。

これらのどれもがITに当たりますが、具体的な定義を問われると少し難しいですよね。

ITとは「Information Technology」の略で、最近はさらに「Communication」も入れてICTなんて言います。

直訳すれば「情報技術」、「情報通信技術」ですが、では「情報技術」「情報通信技術」ってなんでしょうか。

わたしにとってインターネットは当たり前に享受できる技術です。さまざまなものがインターネットに接続し、それが自然な世の中です。「デジタルネイチャー」と称するそうです。

まさにそうですよね。インターネットは自然に、そこにあるものとなっています。

どこにいても、わたしたちはインターネットに囲まれています。それが情報社会、IT社会と呼ばれています。

そんな情報社会を「Society4.0」と呼ぶそうです。そして今、日本は新しい社会、「Society5.0」に向かっています。

本日は、デジタルネイチャーな世界で目指されるSociety5.0と、これまでの1.0~4.0についてのお話です。



Society1.0~4.0

では、Society1.0~4.0とはどんな社会なのでしょうか?

内閣府は、1.0を狩猟社会、2.0を農耕社会、3.0を工業社会、4.0を情報社会とし、この順番で社会は発展し続いてきたとしています。

農耕が始まる前の原始的な時代、狩猟や採集で生活するのが普通なSociety1.0と比べ、世の中はずいぶんと発展しましたよね。

ITの技術が発展し、とても便利な世の中です。先に挙げたように、IT社会はパソコンやインターネットを使用して様々なことが知れますし、それを教えてくれる存在でもあり、そして生活を豊かにします。しかしそれでもまだ課題は山積みです。

少子高齢化、金銭的・地域的格差、技術発展にかかるコスト、これだけではありません。経済発展の裏で、多くの問題が叫ばれています。

また、便利な情報社会と言ってもまだまだ想像するスーパーシティ・スマートシティには程遠いのです。知識・情報の共有、連携が不十分であったり、地域課題や高齢者のニーズに対応しきれなかったり、年齢や障害による労働・行動の制約や、情報の探索・分析にリテラシーや能力が必要であったりと、「かゆいところに手が届かない」ことがままあります。

そんな社会を、より便利に、より快適にするために日本が目指すべき姿として第5期科学技術基本計画にて提唱されたのが「Society5.0」です。



Society5.0ってどんな世界?

では、Society5.0ってどんな社会なのでしょうか?

内閣府は、Society5.0を「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(実現空間)を行動に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義しています。

先ほどあげた、Society4.0という発達した情報社会でもなお言われる様々な問題・課題を、最新技術を活用して克服し、社会の変革を通じて日本が目指すべき未来社会の姿として提唱されたのが「Society5.0」です。

モノのインターネット「IoT」はさらに広がり、知識や情報は横断的に活用されて地域の課題を解決する、そんな近未来的構想です。

これまでの社会では、経済や技術が発展すればするほどに、取り残されてしまった人々や解決できなかった手間が見ないふりをされていました。

ITをはじめとした多くの技術が発達し、昔と比べてずっと便利で近未来的になったとはいえ、それでも社会的課題は解決しておらず、経済発展と問題解決が両立できていないこの現状を、Society5.0はどのように解決するのでしょうか?

冒頭で言ったように、ITとは「パソコンやインターネットを使ってものを調べること」でもありますが、では、たとえばインターネットで何かを調べるとします。

検索結果にはたくさんの関連ページが並びますよね。それこそ膨大な、数えきれないほどの情報がそこには詰まっているわけですが、それは本当の情報でしょうか?

その情報が本当であるか、嘘なのかを見分けるリテラシーが必要不可欠です。日常的にインターネットに触れている世代は、感覚でその区別をつけることがある程度可能ですが、それが難しい世代は文字通り取り残されてしまいます。

フィジカル空間からサイバー空間への接続、あるいはその逆やサイバー空間を通したフィジカル空間からフィジカル空間への接続は、今や当たり前の技術です。しかし、接続し、得たものを正しく活用できるかは別の話になります。どんなに便利になったとしても、活用できなければ意味がありません。

Society5.0の目指す社会は、簡単に言ってしまえばそんな活用が難しい高齢者や、あるいは若年層、全世代も含めみんなが「検索」し正しく「活用」する社会です。従来、「検索」と「活用」の間に含まれていた「判断」が省略されます。

フィジカル空間とサイバー空間が融合し、一体化していると言ってもなかなか想像するのは難しいですが、しかし実際、現代でもすでにわたしたちはサイバー空間とともに生活しています。だってもう、インターネットがない世界なんて考えられないですよね。わたしたちはすでに、無意識のうちにサイバー空間とフィジカル空間を接続することが当たり前になっています。

しかしその無意識の中には、まだ「判断」の過程が含まれています。

生活とインターネットが密接に存在することによって、先ほど挙げた「判断」の例だけでなく、多くの社会問題を解決し、かつ経済発展を両立させること、それが日本が目指すべき未来なのです。



本日のまとめ

とはいえ、今はまだ4.0なのが現実です。「Society5.0」という言葉すら知らない人がたくさんいるのではないでしょうか?

IT技術、IoTであふれた便利なこの社会ですが、その反面、2025年問題をはじめとした、地域格差や年齢格差、情報格差といった問題は加速しています。

ITは生活を豊かにするものです。わからないことを調べ、世界中の人と人を繋げます。自然と、そこにあるものです。

みなさんにとってはどうでしょうか。もう十分すぎるほど便利ですか?それともまだ足りないでしょうか。

今、技術はあっという間に進化していきます。5.0を掲げたのですから、いつまでも4.0でいるわけにはいきません。少しずつ、フィジカル空間とサイバー空間は溶け込んでいかなければいけませんし、わたしたちはそれに慣れていかなければならないのです。そしてまた、ITに疎い世代も取り残すことなく融合させなければいけません。

今の生活をもっと便利に、もっと快適に、日本は4.0からまず、4.1へと前進しています。

この数字が増えていくのが、日本が前進していくのが楽しみですね。

<参考サイト>

内閣府WEBサイト

インターネットという名の公共の場で人を傷つけるということ【1】

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

以前、SNSのマナーについて取り上げたことがあるかと思います。読んでいただけましたでしょうか?

「無断転載に情報流出!SNSのマナー、大丈夫?」

便利で手軽に好きなことに関する情報を見ることができ、好きな芸能人や有名人の日常が覗けたり、あるいは友達と交流をしたりと、現代においてSNSは若者を中心に当たり前のコミュニケーションツールとなっています。

わたしももう長いこと利用していますし、インターネット上で知り合った友達もたくさんいます。

人と交流するだけでなく、動画を撮ってその広告で収入を得るといったSNSを利用した職業も当たり前になりつつありますよね。

インターネットが当たり前になり、そこでのコミュニケーションが当たり前になってくれば、トラブルもインターネット上で起こるようになってしまうのは必然です。人と人ですからね、トラブルが起きてしまうのは仕方がないです。

たしかに便利で、必要不可欠であるインターネットですが、その匿名性も手伝い、多くのトラブルが日夜発生しています。

みなさんは、いくらサイバー空間とはいえ、ほとんどの人が自由に出入りしている空間であることをきちんと認識していますか?

今やもうインターネットは立派な公共の空間なのです。

今年上映された細田守監督「竜とそばかすの姫」では、インターネット上の仮想世界「U」を「もうひとつの現実」と称していました。

しかし、そんな公共の場で毎日のように人を傷付ける行為が繰り返されています。その行為は主に「誹謗中傷」と呼ばれ、当たり前のようにインターネット上に多発しています。

なんとなく気に入らない有名人や芸能人、あるいは学校の友達や先生、作品の表現や、その人の態度や発言、そういった文句や悪口を公共の場に吐き出している人がたくさんいるんじゃないでしょうか?

みんな悪気があるわけじゃありませんし、自分が悪口や文句を言っているという自覚もない人が多いと思います。それほどまでに、インターネットというものはわたしたちの日常に溶け込んでいます。

では、あなたのそんな何気ない文句や悪口、あるいは意見など、それが誰かを傷つけるかもしれないと考えたことはありますか?

先ほども言いましたが、インターネットはもう「公共の場」です。その場でなにかしらの言葉を残すことには、多くのリスクが伴います。

今回より、今後数回に分けて「SNS及びインターネットで人を傷つけるということ」をテーマにいろいろとお話しできたらと思います。



インターネット上における炎上

「炎上」という言葉の意味をご存じですか?炎が燃え上がることじゃありませんよ。ネット用語の「炎上」のことです

スマートフォンおよびSNSの普及によって、芸能人の発言が身近になった現代、炎上は至るところで見かけるようになりました。

毎日誰かの発言や行動が炎上していますが、しかしそれが日常になりすぎてしまっています。

自分が興味のあること以外の炎上のことなんてもう気にしていたらキリがないほどです。

芸能人だけではありません、企業の広告やアーティストのMVでの表現など、今は様々なものに「コメント」をつけることが可能になっています。

たとえば漫画にコメントをつける場合、従来であればファンレターという形で作者に郵送する必要がありましたが、今はどうでしょうか?

ファンレターだけでなく、漫画を掲載しているアプリ、作者が運営しているSNS、さまざまな方法で「簡単」に「匿名」でコメントが残せます。

ファンレターを送るよりよっぽど簡単ですよね。家で、スマートフォンで、ほんの数秒で感想が送れます。

作者も、簡単にタイムリーな感想を見ることができますし、まったく便利な世の中です。

その一方で、とてもタイムリーに、そしてダイレクトに批判を送ることもとても簡単になってしまいました。

なにか間違ったことをすれば、すぐにコメント欄が批判の声で「荒らされ」ます。

もちろん、間違ったことはした方が悪いですが、往々にして炎上というものは炎上した側の意図しないところで起き、また、原因と炎の大きさが釣り合わないことがあるものです。

なかには、好きな芸能人の軽はずみな発言に対し、謝罪や訂正がほしいという気持ちで注意をする人もいれば、ただただみんなと一緒になって特定人物を攻撃したい、といった動機で、まるでストレス発散のように批判や暴言を繰り返す人だっています。

繰り返しになりますが、インターネットは基本的に匿名ですから、感想と同じように批判や暴言を言うのもとても簡単で手軽なのです。

だからこそ、炎上はあちこちで起き、そして全体に認識されないまま鎮火され、別の人が同じ過ちを繰り返す、といったことが起きてしまっています。

インターネットという公共の場にいる限り、わたしたちは常に炎上の危機にさらされていますし、それはつまり誰かを傷つけ、傷つけられる可能性があるということです。

では一体どういったことが問題視され、炎上へとつながるのでしょうか?



無自覚な暴力

炎上と言っても様々です。炎上した側が明らかに悪かったり、逆に勘違いや悪意から炎上させられてしまった場合もあります。媒体も、SNSでの発言だけでなく、テレビ番組での発言や態度、ミュージックビデオでの表現と様々ですよね。

最近でいえば、コロンビアのシンガーソングライターJ・バルヴィンさんがYouTubeにあげた曲のMVが問題視され、MVを削除するまでの炎上になりました。

黒人女性に手綱を付け、まるで犬のように連れて歩くシーンが問題視され、批判が殺到しました。

近年は、人種や性別の解釈による炎上が多く見られます。

タイツやストッキング、インナーウェアのメーカーATSUGIも数年前、イラストレーターとコラボした企画が女性を性的に見ているとして大きく炎上しましたよね。

センシティブな内容を取り上げること、それはもちろん火種になりかねませんし、覚悟と配慮をもって行わなければいけません。しかし、上で取り上げた2点は、発表時点ではセンシティブであるという自覚がなかったのではないでしょうか?

今回、MVを監督したライミ・パウラスさんはこの炎上に対し、「アートは美とポジティブさのみを伝える手段ではありません」とコメントし、コラボしたトキーシャさんも「アートは表現」と発言しています。

たしかにアートは自由なものです。きっと、このMVの発表がもう10年早ければ、ここまで大きな騒ぎにはならなかったかもしれません。

しかし、その一方で彼女は「傷ついたと感じる人がいたなら本当にごめんなさい」と謝罪しています。

インターネットという公共の場で、明確に誰かが傷つく行為をしたからこそ炎上したのです。しかしその本人たちには、炎上するまでその自覚がありませんでした。それこそが問題だったのではないでしょうか。


本日のまとめ

炎上事件というものは、毎日起こっているといっても過言ではありません。

そのほとんどが、発信者の自覚なく起きています。

不適切な動画や悪ふざけを面白おかしく投稿してしまった若者が「バカッター」と呼ばれ炎上した際も、彼らはきっと炎上するなんて微塵も思っていなかったでしょう。

ただ、面白いことを共有しようとしただけなのです。

J・バルヴィンさんも、ATSUGIも、はじめは消費者やファンに楽しんでもらいたいという気持ちで発信していたはずです。結果として、不快感を覚えたり傷ついた人が出てしまい、ここまでの炎上に至りました。

もちろん中には、悪意をもって傷つけることを発信し、それが炎上することだってたくさんあります。しかしその一方で、意図しないことが人を傷つけることだってあります。

それはもちろんインターネットだけではありません。「人が嫌がることをしてはいけない」と、わたしたちは小さな時から言われ続けています。

それがわたしたちが意図しないことだったとしても、です。

冒頭でも言いました、インターネットはもう公共の場なのです。

匿名ですから、普段は言えないようなことを言っている人だっているかと思います。

わたしだって、疲れているときや嫌なことがあれば、なんともなしにSNSに吐き出してしまうことがあります。

それでも、だれか見ているかわかりません。誰が傷つくかわかりません。

いつでも、見えない「誰か」のことを思ってSNSを使用しなければ、無自覚のうちに「加害者」になってしまうことがあります。

加害者にならないように、そして被害者にもならないように、全員が、常に「誰か」のことを考えてSNSを利用していかなければいけません。

現実世界だって、そうですからね。

次回は炎上「させた」側についてお話しする予定です。



<参考サイト>

産経新聞

Yahooニュース

これもあれも?モノのインターネット時代!

おはようございます。情報セキュリティ相談センターです。

IoTという言葉をご存じでしょうか?最近よく耳にする言葉ですよね。

「Internet of Thing」の頭文字をとって「IoT」、「モノのインターネット」と訳されます。

家電をはじめ、いまや様々なものがインターネットに接続され、そのサービスを広げています。

その歴史は古く、はじめて「IoT」という言葉が用いられたのは1999年だそうです。

とはいえ当時ではそれを便利に活用するだけの技術が伴わず、現代のように広がることはありませんでした。

それが広がり始めたのは2012年、第四次産業革命からです。

インターネットでモノとモノをつなぎ、そしてデータをやり取りする、わたしたちが普段PCやスマートフォンで当たり前のように行っていることですが、最初は製造業で利用することを想定した取り組みでした。

製造ラインの機械化、効率化が進み、センサーや温度・振動の感知システムの導入によってデータを集め、そのデータからさらに効率化を求める…こうしたループが繰り返されることで、技術は発展しています。

産業革命から始まった技術の発展は、製造業だけにとどまらず、現代ではあらゆるビジネスシーンで活躍しています。

ビジネスシーンだけではありません。身近なあらゆるものがインターネットに繋がり、生活を豊かにしています。

IoTという言葉を知らないまま、IoTを利用している人がたくさんいるのです。

本日はそんな、身近なIoTを紹介いたします。こんなものも?!なんてのもありますよ~!



IoT家電でスマートな生活を

身近なIoTといえば、やはり家電ではないでしょうか?

初めにスマートフォンをリモコン代わりに活用するIoTをご紹介します。

まず面白いと思ったのは「マイクロボット・プッシュ」という超小型ロボット。

押しボタンの上に設置すれば、スマートフォンを利用して遠隔から操作できるというもの。

仕組みはいたって単純で、スマートフォンで指示を出せばそのロボットが物理的な力でボタンを押してくれるというもの。アナログ的な仕組みではありますが、たったそれだけで些細なことがスマートになります。

電気を消し忘れたまま外出してしまうことが多い、家に着いたときには部屋が温まっていてほしい、そんな人にはもちろん、それだけではなく、足が不自由だったり、動くのが簡単ではない、そういった人が、手元のスマートフォンひとつで操作できるんですからとっても便利ですよね。

他にも、電球型の「stac」なんてものも。

こちらは電球型の本体に、利用者が必要だと思うモジュールを取り付けてまとめてスマートフォンで操作するというもの。

テレビのリモコン、エアコンのリモコン、電気のリモコン、何かとなくしがちな家電のリモコン。机の上に並べておけば、わざわざ移動してON/OFFする必要もなくて便利なんですが、なんかどっか行ってしまうんですよね。しかも思いもよらないところに置いちゃって、なかなか見つからなかったりするものですから困っちゃいます。

そんななくなりがちなリモコンが全部一つになり、なおかつスマートフォンで操作できたらとっても便利じゃないですか?

QoLもIoTにおまかせ

「ルンバ」の名前でおなじみのお掃除ロボットが話題になってからもうずいぶんと経ちます。以降、様々なロボット掃除機が発売されています。

最近のものはすごいですよね、段差にも強く、障害物も勝手に避け、学習能力もあります。もちろん掃除もばっちりです。

OK!Google!やAlexa!と話しかけるだけで勝手にお掃除してくれるんだから、とっても便利です。例えば夕飯の準備中に、声をかけるだけで掃除と料理がいっぺんにできてしまうんです。

家が広ければ広いほど、掃除機をかけるのは時間がかかります。時間がかかる毎日の掃除が、声をかけるだけで済んでしまうんです。その時間に何をしますか?散歩なんかにも行けちゃいます。

時間の有効活用、効率化というのもIoTの強みです。

さて、ルンバはもうおなじみのIoT家電ですが、便利で快適な生活をもたらすIoT製品はまだまだありますよ。

家電メーカーのシャープはAIとIoTを組み合わせた「AIoT」で、新たな家族として成長し、寄り添うサービス「COCORO+」を広げています。

AIを組み込むことで「スマートフォンで操作できる便利」のさらに上、ユーザーによる操作がなくとも良い状態を目指しています。

例えば、気象情報で先回り運転をするエアコン。住んでいる地域の空気の状況や天気から、最適な環境を先回りで用意します。午後になって気温が上がってきたら勝手に温度を調整してくれますから、電気代の節約にもつながります。

もちろん、先述したようなスマートフォンでの操作も可能で、その操作に基づいて人工知能が学習していきます。

さらに、このエアコンと連携し、自動に加湿を開始する空気清浄機なんかも。

こちらは明るさセンサーが内蔵されており、長時間暗闇が続くと睡眠中と判断し、エアコンを睡眠中に適した設定に操作するそうです。うーん、便利。

便利というより、「わたしたちの操作・干渉を求めないこと」がシャープの目指すIoTだそうです。

わたしたちの意思を介さず快適な場になる家、とても近未来的ですが、その近未来はもうすぐそこに来ているのです。

こんなものもIoT?

さて、身近な家電に導入されたIoTをご紹介しましたが、まだまだ面白いものがたくさんあります。

全国2冠を今年達成した星稜中学校野球部はトレーニングにIoT機器を取り入れているそうです。

「テクニカルピッチ」というセンサー内蔵のボールで、ボールを投げると球速や回転数、回転軸などが記録されるというもの。

もちろん重さや大きさは公式で利用されるものと同じに設計されていますから、実践と同じように投げられます。

これまで紹介したIoTは生活に寄り添うものでしたが、スポーツの世界もIoTでどんどん変わっていきます。

「テクニカルピッチ」のHPのトップ画面には「IoTボールが野球を変える」と大きく書かれています。

生活だけではありません、スポーツだって、娯楽だって、趣味だって、IoTでその質は上がっていくのです。


本日のまとめ

いかがでしたでしょうか?身近ですでに導入されている方もいらっしゃるかもしれませんが、世の中はどんどんIoTを取り入れ、便利に快適になっています。

生活だけではありません、紹介したようにスポーツだって、あるいは娯楽や趣味にだって、IoTが取り入れられています。

数千円のドローンをスマートフォンに接続して、お手軽に空からの動画が取れてしまうんです。数年前までは突拍子もないような、突飛なアイデアが、あっという間に現実になる、そんな世界です。

以前にも取り上げました、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」のです。

ボールを投げただけでその情報が確認できるなんて、なんとなくみんな、「できたらいいな」って思っていたと思います。外出先から消し忘れた家の電気消せたらな~って、みんな何度も思いましたよね。

気が付けば、現実になっていました。

ただでさえ急速に快適で便利になっている生活は、まだまだずっと便利で快適で、そして面白いものになっていきます。

これから生まれてくるたくさんのアイデアが楽しみになりますね。



<参考サイト>

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